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金田一少年の事件簿

きんだいちしょうねんのじけんぼ

『金田一少年の事件簿』は、不定期連載中の漫画およびそれを原作とするメディアミックスである。
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概要編集

原案及び原作:天樹征丸(本名:樹林伸)および金成陽三郎、作画:さとうふみやによる本格ミステリー漫画


略称は「金田一」。


第19回(1995年)講談社漫画賞少年部門受賞。単行本の他に文庫版、愛蔵版なども複数回にわたり発売されている。

シリーズ累計発行部数は2019年時点で1億部を突破しマガジン連載作最多部数を誇る、講談社の看板漫画となっている。


ドラマやアニメの大ヒットなどもあり「週刊少年マガジン」において最も知名度が高いタイトルの一つである。

また、本作の影響もあり連載開始された『名探偵コナン』(少年サンデー連載)、作者や掲載誌が金田一と同じ『探偵学園Q』、他にはライトノベル発の『薬屋のひとりごと』(月刊ビッグガンガンおよび月刊サンデーGX連載)などと並んで日本のミステリー漫画の四大巨塔とも言える存在である。


金田一耕助の孫という設定については連載開始前に横溝正史の妻である孝子夫人に事前許可を得ていた。

その後、複数の著作権継承者がいることが分かり、改めて覚書を交わしている。「金田一耕助」の名前が使えなくなったと噂されていたが、近年の作品でも登場人物が主人公を「金田一耕助の孫」として説明しているシーンがある。


第一部(定期連載、1992 - 2001年)編集

週刊少年マガジン」にて1992年から2001年まで第一部として定期連載された。


"FILE"シリーズ編集

「オペラ座館殺人事件」から「速水玲香誘拐殺人事件」まで19編の長編を収録。コミックス全27巻。事件の区切りと巻の区切りは全く関係なくまちまちであった。


"CASE"シリーズ編集

「魔犬の森の殺人」から「金田一少年の決死行」まで。

コミックスは7エピソード全10分冊。1つの事件につき1巻または2巻ごとに綺麗に区切られており、その尺に合わせた都合で事件のラインアップは少し短めの話と非常に長い話の両極端。コミックスには短編が収録されているものもある。


第二部(2004年 - )編集

2004年夏以降は不定期で新シリーズが連載されるようになっている。

  • 2014年3月から2017年10月までは『金田一少年の事件簿R(リターンズ)』として連載。
  • 2018年1月からは青年誌である「イブニング」に移籍し、本作から20年後を舞台とした『金田一37歳の事件簿』を連載。
  • 2022年1月からはイブニングにてシリーズ連載30周年記念として『金田一少年の事件簿30th』を連載。
  • 2023年3月下旬からイブニング廃刊に伴い、配信サイト「コミックDAYS」での連載となる。

作風編集

主人公の周りで発生した重大事件の謎を解く、本格的なミステリーを題材としている。

現実世界の原理原則で説明困難な事象は基本的に発生しない(ただし一部に少々現実離れした誇張や派手な演出は見られ、そこは少年漫画である)。


作品構成編集

本作は、事件のほとんどがミステリーとして単発エピソードであり、その集合からなる作品群といえる。

各事件の内容自体は互いに独立しており、トリックや動機を解明するのに過去エピソードの理解が必須となる事件は一つとして存在せず、順不同で呼んでも事件そのものは問題なく理解可能である(ただし協力者や敵対者との関係性など前後関係のある要素、すなわち順不同で読むと古い事件のネタバレが生じうる要素も一部にはある)。

また後述のように本編ではレギュラーキャラの掘り下げに重きが置かれておらず、作中の登場人物の役割変更や立場の入れ替えが容易に可能な構造である。


これらの構造は、何期にもわたり、心機一転で全く新しいシリーズのドラマやアニメを制作可能とする大きな原動力になっていると思われる。

たとえば、設定変更により過去のシリーズとは別物として制作しても不整合にならないし、原作でどうにも不遇だった役回りがドラマ版やアニメ版でテコ入れされてマシになるなど原作ファンから「改悪」とされかねない部分も比較的受け入れられやすい。


ミステリーのスタイル編集

多くの事件において「見立て殺人」が扱われることが多いのが本作の大きな特徴である。


事件発生の予兆や第一の被害者の死亡状況が伝承の呪いや怪物のせいであるかのような、オカルトめいた演出がされることが多い。

これに伴い事件解決までの間、犯人が伝承の内容や犯人の変装の外観などに由来した妖怪怪物の二つ名を持つ怪人としてあだ名されるのは本作のお約束である。


一方、先述のように事件のトリックもその解決手段も基本的には現実世界の物理法則で説明可能なものとなっており(フィクションとして誇張されて描かれることはあるが)、オカルトの皮を被った人間の悪意に論理的思考で立ち向かう、見立て殺人の裏に潜んだ真意を暴くという形で現実的な結論に帰着することとなる。


また、事件の真相の詳細がいかなるものであったか?もさることながら、不気味な犯人の正体が登場人物の誰なのか?に重点を置いた、いわゆるフーダニットが強調されていることも本作の醍醐味である。

事件の登場人物に覆面マスク、胡散臭い偽名などを纏ったあからさまに怪しい人間が含まれるなど、怪人との繋がりを類推(誤認)させるミスリードも多用されている。


このようなテイストゆえ、事件の舞台がクローズドサークルと呼ばれる外部から隔絶された状況である場合も非常に多く、サスペンスホラーの要素も持ち合わせている。

ホラー要素については「堂本版」ドラマで特に強調されており、その生々しい演出の数々に今なおトラウマが消えないという当時小中学生だった視聴者が多いことは今でも語り種。


動機には同情の余地が描かれたとしても、犯行自体を正当化したような描写は作品全体で一度としてない。

金田一も犯行を容認することはなく、犯人が友人だと判明しても苦悩しつつも追及の手を緩めたことは一度としてない。


キャラクターの扱い編集

ミステリー漫画としての本作の大きな特徴として、キャラクターの扱い方がある。


本作は、少年漫画に多くみられる「レギュラーキャラクターがどんどん増えていき、それぞれのドラマをも描く群像劇」というスタイルはとられていない。


レギュラーとして恒久的に登場し続けるキャラは、シリーズ初期からほぼ入れ替わりのない両手で数えられるほどのメンバーで固定されている。

それらの掘り下げも本編ではほぼ描かれず、ごく一部のキャラに限り本編から独立したスピンオフに集約されて描かれている。

本編は、あくまでもいかにしてミステリー要素で読者を楽しませるかに力を入れた内容となっている。


例えば、再登場した人物が殺害されたり準レギュラーが犯人だったりという事態が発生するなど、キャラクターの扱い方に容赦が無い

そのため、金田一少年の母校である不動高校で殺人が多発したり、金田一少年と仲の良い友人や知人が犯人や被害者になったりしており、読者によってはトラウマになったような回もある。


そして死亡したキャラが幽霊の姿で夢に何度も出てきたり、死んだ(が、よく考えたら死なれたら制作上困る)再登場キャラのそっくりさん(弟)が新キャラとして登場したりなど、他の漫画ではあまり見られないような演出もしばしばみられる。


更には、原作者と作画担当公認のスピンオフでは毒を弱めるテコ入れがなされ、本編を別軸でギャグにして茶化すといった方法で人気を獲得したキャラクターもいたりする。


ゲストキャラの名前編集

苗字に関しては、初期の事件では現実的で普遍的、実在しなくてもあり得そうなものが多かったが、近年は某漫画の登場人物のようによくある苗字の字を当て字的に置き換えただけというキャラが多く(例:山田→耶麻田(やまだ)など)、この辺は実際にいる人への配慮と言えるが、その代わりに黒、鬼、霧、桐、月、火、葉といった一部の漢字が使われる事が多い

ただし、スピンオフ作品である『金田一くんの冒険』シリーズに関しては、児童向けであり殺人事件などの警察沙汰がない為、初期と同じく現実的で普遍的な苗字がほとんどである。


下の名前に関しては過去の事件で登場した名前の再登場率も高い。


被害者の傾向編集

本作に登場する被害者のほとんどは、過去に何らかの形で別の事件(主に殺人)に関与しており、他人から見ても殺されて当然のような人物が多く、特に学生や医療・芸能・報道関係者といった人物はこのポジションに該当しやすい。

特に医療関係者にいたっては登場すればほぼ高確率で問題のある人物ばかりであり、まともだったのは(変人ではあったが)結城英作などほんの少ししかいない。これは一種の社会風刺と言えるかもしれない。


「コナン」との関係性編集

先述の通り、コナンと本作は日本のミステリー漫画の「四大巨塔」の内の二つとも言える存在であるが、「ライバル」というよりは「両輪」という関係性に近いと思われる。


漫画の連載開始は本作の方が先で、本作のヒットが「コナン」連載開始のきっかけになったことを「コナン」原作者の青山剛昌氏が明言している。

当初本作は「堂本版」ドラマの特大ヒットにより一大ブームが巻き起こりコミックスの売り上げも急伸していたが、これが一段落するとコミックス売り上げ部数自体は後発の「コナン」に大きく追い抜かれることとなる。

アニメ化も「コナン」の方が本作より1年以上早く、あちらは当時地上波全番組の視聴率でトップ3の常連となるほどの爆発的な人気を博していた。


一見すると本作は強力な「コナン」相手に圧倒されている…という格好に見えなくもない状況だったが、1997年の本作アニメ化時、その放映枠はなんと「コナン」と同局の、直前の時間帯に設定された。

異なる出版社の同ジャンルの漫画が連続枠でアニメ化されるのは、当時としては異例中の異例だった。

しかし「金田一」の次回予告からそのまま「金田一からコナンにバトンタッチする」というアニメが毎回挿入されたり、スペシャル枠にて「金田一とコナンが電話で捜査情報を共有し合う」というコラボが披露されたりと「競合ではない」という演出が徹底され、当時のメイン視聴者である子供達に月曜19時台は「金田一」からの「コナン」でミステリータイムと定着させることに成功。

本作アニメもまた常時15-19%前後の高い視聴率をキープし、「堂本版」ドラマ終了から時間が経過しコミックス発行部数で「コナン」に大きく水をあけられていたにもかかわらず好成績をおさめた。

更に、本作アニメの放映開始後に「コナン」の視聴率が更に上昇しているなど、相乗効果で視聴者を寄せ集めることに成功したといえよう。後年に「金田一」が再アニメ化された際も、やはり「コナン」の前枠で放送されており、当時の同枠での最高視聴率を記録するなど、相乗効果が発揮されている様子。


このように、「金田一」と「コナン」は、終始お互いがお互いの人気を後押ししたことが比較的明確な、漫画界でも非常に稀有な関係性のペアである。

両作品の連載開始から10年以上経過した2009年にもゲーム『名探偵コナン&金田一少年の事件簿めぐりあう2人の名探偵』が発売されるなど、2作品の関係性は長期にわたり一貫して良好のようである。


更に「コナン」原作者の青山剛昌氏は尾田栄一郎氏を始めとする数々の著名な作家と対談をしたことがあるが、「金田一」原作者の天樹征丸氏ともその内の一人として対談をしている。


ストーリー編集

主人公の金田一一(きんだいちはじめ)は少しぐうたらでひょうきんな高校生。

しかし、ひとたび事件が起きると大人顔負けの鋭い洞察力を発揮する。


実は彼の正体は、あの金田一耕助の孫であった。


登場人物編集


事件編集


テレビドラマ編集


アニメ編集

劇場版編集

テレビアニメに先駆けて1996年12月に放映。

ノベルス「オペラ座館・新たなる殺人」を原作とした本作は高い評価を受け、テレビアニメの放送が決定した。テレビアニメ放送前のため一部配役が異なる。

制作は東映動画で配給は東映


2作目「殺戮のディープブルー」は1999年に放映された。


テレビ版編集

テレビアニメは、第1期が1997年4月7日から2000年9月11日まで読売テレビをホスト局に日本テレビとその系列(NNN)28局で月曜夜7時-7時30分に放送された。

他は遅れネットながら、四国放送でも木曜深夜に放送され、トリプルネットのテレビ宮崎と、TBS系列(JNN)の一つである琉球放送で放送された。

全148話+3話(special)+2話(OAD)。劇場版アニメは2作。


未アニメ化エピソードや第一期アニメ終了後に執筆されたエピソードのアニメ化は、第二期に当たる「金田一少年の事件簿R」で2014年から2016年に渡って放送された。

全47話+1話(special)。


アニメーション制作はいずれも東映アニメーション


チャンネル5.5編集

DLE製作によるFLASHアニメ


カロリーメイトをスポンサーに名作漫画を原作無視でアニメ化するプロジェクトの第1弾として配信された。全4話。

もちろん声優はテレビアニメなどとは異なる。


金田一一、剣持勇(CV:FROGMAN

七瀬美雪(CV:逢沢りな


関連イラスト編集

お誕生日おめでとう!!金田一少年の事件簿30周年お祝いイラスト

金田一少年の事件簿累計1億部おめでとうございます!

30周年!Twitterまとめ②


関連タグ編集

※クロスオーバータグ。


外部リンク編集

原作編集

公式Twitter


アニメ版編集

第1期、SP版編集

金田一少年の事件簿 TVアニメ公式サイト(東映アニメーション)

金田一少年の事件簿SP TVアニメ公式サイト(東映アニメーション)


第2期編集

金田一少年の事件簿R TVアニメ公式サイト(東映アニメーション)

金田一少年の事件簿R TVアニメ公式サイト(読売テレビ)


劇場版編集

金田一少年の事件簿 オペラ座館・新たなる殺人

金田一少年の事件簿2 殺戮のディープブルー


ゲーム版編集

名探偵コナン&金田一少年の事件簿 めぐりあう2人の名探偵


パチンコ版編集

CR 金田一少年の事件簿


チャンネル5.5版編集

チャンネル5.5

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