概要
『金田一少年の事件簿』の主人公である金田一一や七瀬美雪が通う高校。東京都不動山市(公式ガイドブック曰く国立市や立川市のあたりらしい)に位置する私立高校である。
制服は青紫のブレザーで、男子は黒ネクタイ、女子は黒リボン(アニメでは赤)。女子制服にはベストもあり、クリーム色のニットベスト&カーディガンもある(ニットベストは原作ではUネックでアニメ二期ではVネックで、男子用はあるか不明)。女子のリボンは原作とアニメ二期は先端が蛇の舌のような形になっていて、アニメ一期は先端がホームベース型になっている。
ドラマ版では制服のデザインが異なっており、男女ともにブレザーはダークグレーでネクタイは赤でボトムスは青のチェックで、女子はラップスカート風(一期の胸に『F』の刺繍が入った制服が有名。シリーズによって細部が変わり、夏服の登場率が高い)。
ちなみに原作漫画ではもともと男子学ラン、女子セーラー服だったのだが、金田一が入学する10年ほど前にデザインを一新したらしい。
なお、二次創作の学パロでは不動高校の制服が頻繁に利用されている。
偏差値は不明。目だって素行の悪い生徒は特にいないが物凄く出来のいい生徒もこれと言って見当たらない以上、ごく一般的な水準と思われる。部活動は割と盛んで、よく金田一らも参加させられる。スキー部のようにオリンピックレベルの生徒もいたりする。
また妙に美人な女子生徒、女性教師が多いことも特徴(たまに言動も性的なヤツがいる)。スキーリゾートのイメージガールに選ばれたりする女子生徒等もいる。
実態
……とまあ、ここまでなら学園モノでもよくある『可もなく不可もない高校』なのだが、なんとこの不動高校は週刊少年マガジン史上もっとも治安の悪い高校などと揶揄されているほど、死者・犯罪による逮捕者が続出しているのである。
作中では自殺者が4人も出ている(うち2名は殺人犯!)他、殺人犯は生徒が7人(!!)、教師が3人、用務員が1人。
一部抜粋すると……
- 新任教師が殺人犯に密かに殺害されて成り替わられた挙句に、女子生徒と不純異性交遊を行った写真が露見。
- 事故死した生徒が、現場に居合わせた(事故の原因となったトラブルを起こした)教師に隠蔽のため、壁に埋められた。その後それを見つけた別の生徒が口封じに殺された。
- 転校生が家に帰ろうと車のドアを開けた途端に、仕掛けられた爆弾で爆死。
- 学校裏サイトにヌード写真が流出した女子生徒が自殺、流出の主犯である男子学生をその自殺者と付き合っていた教師が殺害した。
……などなど。空前絶後の危険な学校である。
当然ながら、それらの凶悪事件による被害者は学校内外で続出しており、金田一や美雪が何度も犯人から襲撃されるのは物語の展開上仕方ないにしろ、犯人も含めて12人が殺害されているという目も当てられない事態となっている。作中で初登場時は一たちの協力者ポジションだったり、モブのようにたびたび登場していた生徒などが、後々の事件の犯人になったり被害者になったりするんだから油断が出来ない。なんちゅう学校だ……。
さらに、教師と恋愛関係になった生徒が数名(1人は妊娠)、男子大学生と恋愛関係になり妊娠した女生徒が1人、と不純異性交遊もお盛ん。1組は前述した通り写真でバレてしまい、PTA会長のBBAが女生徒を非難し退学に追い込もうとしたところを美雪が庇うが、同性同士とはいえセクハラ同然の言葉を美雪に投げかけている。が……そのPTA会長本人も校長と不倫にいそしんでおり、ラブホテルでの事後、自身の子供の裏口入学を校長に容認させるシーンがあった(その後ラブホから二人で出て来た姿を金田一に撮られ、女生徒の退学を取り消すようユスられている)。
この他にも、純粋に学校として最大の問題点が、人が死ぬレベルのいじめを放置しているという事である。
事件が発生して殺害された生徒は、例外はあるが多くの場合、部活や私生活で別の生徒や他人に対して洒落にならないレベルの犯罪を行っており、身勝手な理由で誰かを自殺に追いやっているケースが多い。硫酸を使って悪戯を仕掛けるレベルは序の口(そもそも現実に照らし合わせて考えるなら劇物の容器を生徒が簡単に持ち出せるような場所に置いてあったりする時点で危険物の管理がずさんと言わざるを得ず、学校としては大いに問題がある)。中には女子高生を拉致・監禁した挙句に様々な暴行を働き自殺に追いやるという、特に下劣なタイプの犯罪も起こっている。
ちなみに、逆に教師が殺害される場合は、事件に巻き込まれた末に口封じで殺されたり、トリックの為の偽装工作の為に殺される等、教師側には非が無いことが多い。しかし勿論、生徒側に何の非もないのにたまたま犯人にとって都合が悪かったという理由で殺害されるといったこともある。マジでなんちゅう学校だ……。金田一作品に出てくる高校、大学、予備校は割と似たり寄ったりのことが起きていたりするため、金田一の呪いだともいわれている。
特に文化祭は「一年に一度」と明言されている場面もありながら実際には何故か何度も開催されており(「創立祭」「学園祭」など、毎回イベント名が変わっているので別カウントされているとも解釈出来るが)、それだけならまだしもそのたびに上述したような殺人事件の発生や、事件に付随する過去のスキャンダルの発覚が起こっている。
ちなみに、本作とよく比較されるあの少年探偵漫画でも主要人物の通う高校の文化祭で殺人事件が起きた事があるが、こちらは現時点で一度限りな上に犯人・被害者共に現役の教師や生徒では無かったにもかかわらず、「表沙汰になれば高校にとって大問題」といった旨の事が作中で明言されていた。そりゃそうだ。
以上のような事態を招いているからか、作中でも頻繁に二次募集が行われているらしい。……来たい生徒はいるのだろうか?
とある事件の犯人は、ある事情により本命校に入れず、滑り止めも受けていなかったことから二次募集で不動高校に入学したのだが、金田一にトリックを暴かれた際に「あんたみたいな人がいるなら、不動高校も俺が思ってたほどクズ高校じゃなかったってことか」と言っており、内心不動高校やその生徒達を見下していたようだ。ごもっともです……。
また、上記の特に凶悪な犯罪に手を染めた生徒は(他人に罪を擦りつけて減刑されていたとは言え)親の金で三年間アメリカ留学という名の雲隠れをした後、20歳で不動高校に編入していた。
どんな生徒でもウェルカム!!アットホームな校舎です!!
そもそもここの校舎自体が、「非道な人体実験でクランケを6人も死なせた悪徳製薬会社の払い下げ」というとんでもない代物であり、前述の壁埋め事件の犯人もその製薬会社の命を受けて潜り込んだスパイだというのだから、開校時点で既に呪われていたとしか思えない。
犯人たちの事件簿では……
金田一少年シリーズのスピンオフ・ギャグ漫画『犯人たちの事件簿』においては、上記某事件の犯人から「呪われた学校」「全校集会に次ぐ全校集会、更に保護者説明会」「なんで存続できてるんだ」とまで言われてしまったが、全くもってその通りとしか言いようがない。はたして20年後にまだこの学校は存続しているのだろうか……?
ドラマ版の爽やかな雰囲気は普通に女性受けがいいようだ。
原作補完ものを除く二次創作ではパラレルワールド化していることも多い(不動高校に限らない)。
主な関連人物
教師
中津川賢人 津雲成人 ノモッツァン 月島亮二(アニメオリジナル)
3年
2年
金田一一 七瀬美雪(現生徒会長) 有森裕二 時田若葉(中退) 鷹島友代
森下麗美 貴船葉平(転校) 多間木匠(編入) 鈴森笑美 雪岡草平
1年
その他
なお、『黒死蝶殺人事件』は『悲恋湖伝説殺人事件』の半年後で、そのラストでさらに半年経過しているが、なぜか一向に進級する気配がなく、違う意味で留年している模様。
この学校で起きた事件
etc.
余談
「首吊り学園殺人事件」の舞台となった予備校四ノ倉学園では、生徒による首吊り自殺が頻発していたり、壮絶ないじめが行われていたり、やっぱり教師と生徒が恋愛および肉体関係を結んでおり、不動高校といい勝負である。なお、ドラマ化の際には舞台が不動高校という設定に変更された。
「銀幕の殺人鬼」となったのは私立不動芸術高校。校舎がアトリエ風の高校(姉妹校かは不明。土地の名前が付いているだけか。)で、全ての部屋が元・懲罰房、幽霊が出る噂のある部屋もあり、案の定、クズと殺人鬼が巣食っていた(前述の予備校でも園芸少年がいじめられ、絵描き少年がいじめで殺害され、二人の友達のイケメンも彼女を殺されて殺人鬼になってしまった)。こちらもドラマ化の際に舞台が不動高校となった。
ファンに「夢主人公になって金田一キャラと仲良くなったり恋愛したりしてみたいが、金田一の原作舞台には行きたくない」と思われる原因の一つがこの高校である(舞台全てに言えるが、学校は特に身近な存在なため)。