概要
『金田一少年の事件簿』より20年後、37歳のサラリーマンとなった金田一一が仕事先で難事件に巻き込まれていく様を描く。
掲載誌を週刊少年マガジンからイブニングに移している都合上、少年誌では難しくなった暴力・性描写なども問題なく描いている。
2022年1月よりシリーズ30周年記念作品『金田一少年の事件簿30th』への連載切り替えのため休載していたが、同作終了と「イブニング」休刊に伴いコミックDAYSに移籍する形で連載を再開している。
原作者の天城征丸は、かつてドラマで金田一一を演じていたKinKiKidsの堂本剛の主演で本作の実写化を希望していることを自身のツイートで明言している。
それに対して堂本氏は、多忙であることなどを理由に連ドラの場合はあまり乗り気でない旨を返答した。
2024年11月に完結。
翌年1月より『金田一パパの事件簿』が連載される。
本作の特徴
ミステリーとしては少年時代と変わらず、不気味な見立てや怪人が登場する。また、読者にも解けるように場面ごとに伏線が散りばめられていたりなど当時と同じスタイルは健在。かつて解決した事件現場が新たな事件と怪人の舞台になるのも特徴。
また、マガジンから移行したこともあって上記のような過激な描写も増えており、連載初期を思わせるような雰囲気となっている。そのため、動機も復讐一辺倒ではなく利己的な目的だったり近隣住民のトラブルだったりと二時間ドラマを思わせるようなドロドロした人間の内面も描いている。
また、話によっては犯人の正体を早々に明かしたり、明かさなくても犯人視点を増やし、解決編に入る前から一との掛け合いや対決を強調した展開も取り入れている(初期の金田一少年の場合、真相当てクイズがあったため、読者に伏線をばら撒きながらもトリックや真犯人の正体を伏せなければならない事情があった)。
本作では一が冴えないサラリーマンに見えることもあってか犯人たちも「ポンコツ」と内心高を括っていたところに意外な推理力で焦りを露にするなど「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」、スピンオフの「犯人たちの事件簿」を思わせるようなシーンもある。
あらすじ
金田一一37歳。
高校生時代、多くの難事件を解決してきたが今は小さなPR会社で働く、うだつの上がらないサラリーマン。
ある日、離島リゾートでの婚活ツアー企画を押し付けられ渋々ながらも企画書を見ると、なんとツアーの舞台はかつて「オペラ座館」があった、あの歌島!
3度も殺人事件が起き、その全ての謎を解いてきた金田一は嫌な予感しかしない!
「もう謎は解きたくない!」と願いながらもファントムの影は金田一に忍び寄るのだったー。
エピソード
登場人物
旧シリーズからの登場人物
音羽ブラックPR社営業部主任。
訳あってもう謎は解きたくないが、推理力は健在。
大手航空会社のチーフパーサー。
多忙のため中々会えないが、第97話にてようやく登場。一との関係は相変わらずかと思われたが…。
警察を退官。
しかし、一に頼まれればコネを利用して協力は惜しまない。
警視長に出世。
出世した分、昔のように軽々とは一に協力できなくなった…?更に物語中、警視監への昇進も内定する。
大手映像制作会社課長。
兄の佐木竜太が殺された異人館ホテルへ仕事で訪れるが、20年という時間が経ったためか、もう割り切っている模様。
信用金庫の課長。
既婚者で二児の父。今でも一とは飲み仲間らしい。
現在もフリーライターとして活動。
ちなみに瑞穂ちゃんは30歳になり結婚、子供もいるらしい。
芸能界を引退し、札幌でフラワーショップを営んでいる。
一人息子がいるが、その父親に関しては訳ありの模様。
ミミズク探偵社勤務。
仕事の経験を活かし、「かねだ ひふみ」(金田 一二三)名義でミステリ作家としても活動。
『タワマンマダム殺人事件』に警視庁白金署の刑事として登場。
高校生の時とは違い、協力的で態度も柔らかくなっている。
拘置所に死刑囚として収監中。
白髪かつ長髪となっている。
37歳からの登場人物
金田一の部下の女性。
一を意識しているような様子を見せる。推理においては助手役を務めている。
警視庁捜査一課警視。
優秀なのだが良くも悪くも馬鹿と天才は紙一重を体現している。
一を連続殺人犯と本当に信じ込んでいたうえ、高校時代に一が解決した事件も実は一が起こしたと本当に信じていた。そしてそれを明智に直訴したせいで明智の腹筋を破壊した。
高遠が知恵を授けた犯罪者の総称。
かつて高遠の指揮で犯行を実行していた者達とは違って、単なる高遠の言いなりではなく本人達も犯行プランを考案している。
その他
高遠の部下。