概要
金田一37歳の事件簿で起きた事件。とある推理小説内の内容が現実に起きる事件で全16話。
刑事になった真壁誠が再登場する他、作品本編当時は小学生だった金田一二三が大人になって登場する。
本作の特徴は、金田一シリーズでは初となる複数の県を跨って行われた広域殺人。また最大の特徴として、いつもの犯人当てから倒叙ミステリへと作風がガラリと変わる。
そのため、途中から一と真犯人の頭脳戦に焦点が当てられ、如何にしてトリックを崩し追い詰めるかが重要となる。
ただし、「剣持警部の殺人」のような凄惨な描写も多いため、読む際は注意。
あらすじ
従妹の二三が書いた小説が、ミステリー作家の登竜門とされる「オソカワミステリ大賞」の佳作を受賞したという知らせを聞いた一は、コネ等を使って授賞パーティ運営の仕事を請け負う。
だが、受賞者のプロフィール上映中に小説「綾瀬連続殺人事件」の作者が急にいなくなってしまう。
すぐに一とまりんは探そうとするが、会場のスクリーンに廃屋での殺人シーンが映し出される。最後に映し出された「あ」の文字から一は、この映像は姿の消した作者が書いた小説と同じだと確信する。
事件のキーワード
綾瀬連続殺人事件
本作の表題であり見立てにもなっている小説。*異常なまでの執着心を持ったとある男が、埼玉・東京・神奈川にある「綾瀬」で「あ」・「や」・「せ」から始まる名前の人物を無差別に殺害していくというサイコサスペンス。
十代の悪魔たち
ノンフィクション小説。当時未成年だった被害者たちの起こした凄惨なリンチ殺人が記載されている。
ヘルメス
本事件の真犯人。ゼウスこと地獄の傀儡師からトリックスターと称賛され彼からも高く期待されるほどの話術を持つ計略の神。