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古畑任三郎

ふるはたにんざぶろう

フジテレビで放映された刑事ドラマのタイトル、及び主人公を務める警察官の名前。
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名探偵。皆さん名探偵といえば誰を想像しますか?シャーロック・ホームズエルキュール・ポアロエラリー・クイーン

日本にも様々な探偵がいます。日本の名探偵に共通する特徴、何だかご存じですか?実はみんな名字は洒落てんですけど名前がどうも田舎臭いんですね。例えば、明智…小五郎金田一…耕助。そして、古畑…任三郎


概要編集

フジテレビで放送されていた刑事ドラマ田村正和三谷幸喜の代表作の一つ。

一般的な刑事ドラマと異なり、まず主犯による犯行が描かれ、その後現場に現れた古畑が犯人との駆け引きを通じて真相を明らかにするという洋画『刑事コロンボ』シリーズに倣った倒叙(とうじょ)サスペンス形式になっている。

役者の知名度で役どころの重要度が割れても問題がないため、数多のベテラン俳優や人気タレントが犯人役に抜擢された。

物語の冒頭と謎解きパート直前に、古畑が視聴者に語りかける演出も人気となった。この演出は「エラリー・クイーン・ミステリー」に影響を受けたもの。


本放送終了後も頻繁に再放送され、フジテレビ公式配信サービス・FODではほとんどのエピソードが配信されている。諸事情により再放送・配信が難しいエピソードもあるが、ポニーキャニオンから販売されているDVD/Blu-rayを購入すれば全話を視聴できる。TSUTAYAゲオといった各種レンタルビデオでも全話レンタル対象になっているので、それを活用するのも良いだろう。

ただし、回によっては編集が本放送と異なっており、中でも『さよなら、DJ』は実在の洋楽を多数採用したため大幅に音源が差し替えられている。オリジナルの演出は地上波再放送で視聴可能。


制作経緯編集

コロンボファンの三谷が『振り返ればやつがいる』の打ち上げで「コロンボやりたい」とプロデューサーに懇願し、企画が始動。

主演の田村は、刑事ドラマヤクザは演じない(事務所が勝手に断っていた)というスタンスだったらしく、三谷はOKが出るか悩んでいた。最初のオファーは当然NOだったが、このドラマは「田村さんありき」だと思い、今度はサンプルの脚本(『動く死体』)を送付した上でオファー。その後、脚本を読んだ田村本人から「面白い、やりたい」とOKが出た。

また、三谷が古畑の人物像を「黒縁のメガネをかけ、ポツンとした地味な存在」としてイメージしていたのを、田村から「古畑のイメージは事件が起きたらふっと現れ、解決したらふっと消える、そんな感じ」「古畑はスタイリッシュ、あと私生活は描かないでほしい」と要望までついた。三谷もその場で快諾、今に知られる古畑が完成する。


古畑の人物像(劇中での活躍を多数記載しているため、ネタバレ注意)編集

非常にミーハーで負けず嫌い。茶目っ気のある性格。全身黒ずくめで、事件現場には自転車で現れ、事件関係者には慇懃かつにこやかに接する。

部下の今泉慎太郎をいじっては「やめてくださいよ~」と返される茶番を演じつつ、ひと度事件ともなるとその冴え渡る推理力と観察力をもって犯人を追い詰めていく。なお古畑本人は証拠のない犯人には決して「あなたが犯人」とは言わない。


徹底したフェミニストであり、犯人が女性の場合、年齢・容姿を問わず終始優しい態度で接している。また、男性でも相対した犯人が尊敬に値する人物であれば敬意を表し、紳士的な態度を崩さない。

しかし、同情の余地の無い犯人に対しては底意地の悪さをこれでもかと発揮し、罠に嵌めて弄んで振り回し、徹底的に追い詰める。その為、逮捕してきた犯人達からの評価は、古畑に敬意を表する者と恨みを抱く者とでほぼ真っ二つに分かれている。


※例を挙げると、小林稔侍演じる時代劇俳優からは、「自分と古畑はある種の信頼関係にあった」と敬意を見せているのに対し、

逆に小堺一機演じる代議士秘書や風間杜夫演じる雑誌編集長からは、「古畑さんの仕打ちは一生忘れない」「すっとぼけた顔して散々僕の事痛ぶりやがって」「精神的サディスト」と恨み言を吐かれている。


今泉に対する扱いはぞんざいだが、これは今泉自身の間抜けさも起因しているため、割とどっちもどっちなやり取りである。

一方で付き合いの長い友人として大事にしている一面もあり、今泉が殺人事件の被告人として有罪になりかけた『しゃべりすぎた男』では、目をつけた犯人に「私はあなたが殺したんだと思っています。友人の人生がかかってるんです、絶対に尻尾をつかんで見せます。」と、証拠のない状況で宣戦布告し、一晩で裁判記録から証言の矛盾を洗いだし、犯行を立証して見せた。

(上記の通り古畑は確証と証拠を掴むまでは、どんな相手でも決して犯人呼ばわりはしないので、これはかなり異例である)

また、今泉が爆弾の仕掛けられた観覧車に閉じ込められた『赤か青か』では、木村拓哉演じる青年が爆弾魔だと見抜き計画が露見したにもかかわらず嘘の解除手順を伝えた事、動機があまりにも身勝手だった事から流石の古畑も怒り、最後には平手打ちを食らわした。


刑事ドラマの主人公としては珍しく、銃は一切携帯しない。菅原文太が演じる犯人役の荒事慣れした刑事が、古畑が銃を携帯しない事を軽蔑した後、自白の場面で自身の私刑行為を責め「警察官に出来るのは裁く事ではなく事実を明らかにする事だけ」だと説く古畑の信念に敬服し、「納得いったよ古畑君。君に銃は必要ない」と評した。その際、古畑は「最高の褒め言葉です」と返している。


普段は飄々としているものの、その根底には犯罪を憎む正義感と、被害者を悼む慈悲の心を持っており、第3シーズンでは自殺を考える旧知の友人に対し、「私は今まで強制的に死を選ばされてきた人間を沢山見てきたが、彼らの無念な表情は今も忘れられない」「彼らの為にも我々は生きるべき」と訴えている。

『すべて閣下の仕業』では自身の犯行を正当化する犯人に対し、「私にとって大事なのは、閣下が人を殺したという事実。そして、罪なき人間が犯罪者にされるという事実」「死んでいい人間なんてこの世にいないんです」と真っ向から否定し、完全な愉快犯と対峙したエピソードでは「私は自分が犯した罪を罪とも思わない人間を一番憎みます」と語っているところから、彼の根本的な性格と信念が窺える。


『死者からの伝言』で少女漫画に感動して以来、少女漫画を愛読しており、アニメや声優・アイドルにも詳しい(『vs SMAP』)。また独特の投球フォームだがボウリングも上手い。


好きな食べ物は魚肉ソーセージ

70年代に活躍したアイドルグループ・ゴールデンハーフのファンで特に好きなメンバーはルナでファンクラブにも入っていた程。

今泉と桑原も同じくファンで、その話題で珍しく意気投合した事もある。(ちなみに今泉はエバ、桑原はユミのファン)


古畑の部下・関係者編集

古畑の部下で、史上最低のワトソン

詳しくは本人の項で。


『vs SMAP』で初登場。今泉とは対照的に優秀で、犯人の経歴調査やデータ収集で古畑をサポートする。小柄な体格が特徴で、本人もそれを若干気にしている。

根は真面目で律儀だが、やや天然な部分があったり、悪ノリで古畑と共に今泉のデコを叩くなどコミカルな一面も見せている。

脚本の三谷がボキャブラ天国に出演した際、三谷が石井の演技力を気に入り、西園寺が誕生したという経緯がある。


古畑を「最高の刑事」と称して尊敬する制服警官。

レギュラー陣の中では唯一の既婚者婿養子

『動く死体』(時系列的には最初期)からモブとして登場し、第2シーズンからレギュラーに昇格した。

自他共に認める地味な存在で、事件現場にやって来た古畑を出迎えることが多いものの、なかなか名前を覚えてもらえなかった。

第3シーズンでは、離婚して旧姓の東国原(ひがしくにばる)となるが、後に偶然にも前妻と同じ苗字の女性と再婚し、再び苗字が向島に戻っている。

後付け設定が非常に多く、シリーズを追う毎に経歴と人脈が凄い事になっていく。


『しゃべりすぎた男』で初登場。自宅療養中だった今泉の代わりに古畑を補佐する。

非常に賢く気が利く一面を見せるため古畑から気に入られている。今泉が容疑者となった際は「彼は人殺しをするような男ではありません」と擁護している。第3シーズン以降は部長に昇進しており、古畑の部下としては登場しない。

第2シーズンの頃は今泉の後釜を狙うような発言があり、今泉からは一方的にライバル視されていた。


『最後のあいさつ』で初登場。科学捜査研究所の技官。

スピンオフドラマ「巡査 今泉慎太郎」では今泉からの古畑に関する愚痴を度々聞かされている。初登場回では冗談とはいえ今泉に毒物を与えようとするなどマッドサイエンティスト的な一面があったが、「巡査 今泉慎太郎」以降はまともな性格になっている。演じていた伊藤が亡くなった都合上、第3シーズン以降は登場していないが、『フェアな殺人者』にて向島の口から彼と思われる人物が挙げられている。


『殺しのファックス』、『殺人リハーサル』、『消えた〜』に登場。

古畑の上司で、階級は警部。

古畑に対しては上司らしく振る舞おうとしているが、ピンチになると部下である筈の古畑に助言を求めるなど、いまいち頼りない。

一方で、古畑の実力は素直に認めており、総集編でのインタビューでは「優秀な刑事」、「彼程の男はそうはいない」と評している。


『黒岩博士の恐怖』で初登場。

職業を転々としており、古畑たちの行く先々に現れる男。

職業はファミレス店員→コーヒーショップ店員→バー店員→タクシー運転手→日本大使館派遣員。

航空機パーサーとしても登場したが、それは厳密には双子の兄である。

古畑が捜査中の事件の情報を聞き、鋭い勘で(根拠無く)犯人を指摘するが、実はそれは正解している。

ある意味、視聴者の代弁者とも言うべき存在。


各エピソードの詳細編集

第1シーズン(94年4月〜6月放送)編集

話数サブタイトル犯人被害者
1死者からの伝言小石川ちなみ:中森明菜畑野茂:池田成志
2動く死体中村右近:堺正章野崎:きたろう
3笑える死体笹山アリ:古手川祐子田代慎吾:羽場裕一
4殺しのファックス幡随院大:笑福亭鶴瓶幡随院フサ子:高柳葉子
5汚れた王将米沢八段:坂東八十助大石:小林昭二
6ピアノ・レッスン井口薫:木の実ナナ川合健:中丸新将
7殺人リハーサル大宮十四郎:小林稔侍城田春彦:長谷川初範
8殺人特急中川淳一:鹿賀丈史宍戸隆:河原さぶ
9殺人公開放送黒田清:石黒賢中島:岡部務
10矛盾だらけの死体佐古水茂雄:小堺一機
11さよなら、DJ中浦たか子:桃井かおり沢村エリ子:八木小織
12最後のあいさつ小暮音次郎:菅原文太生原治:鈴木隆仁

SP 笑うカンガルー(95年4月放送)編集

話数サブタイトル犯人被害者
13笑うカンガルー野田茂男:田口浩正

第2シーズン(96年1月〜3月放送)編集

話数サブタイトル犯人被害者
14しゃべりすぎた男小清水潔:明石家さんま向井ひな子:秋本奈緒美
15笑わない女宇佐美ヨリエ:沢口靖子阿部哲也:相島一之
16ゲームの達人乾研一郎:草刈正雄
17赤か、青か林功夫:木村拓哉真鍋茂:金井大
18偽善の報酬佐々木高代:加藤治子佐々木和子:絵沢萠子
19VSクイズ王千堂謙吉:唐沢寿明沼田:伊集院光
20動機の鑑定春峯堂の主人:二代目沢村藤十郎
21魔術師の選択南大門昌男:山城新伍倉田勝男:池田成志
22間違われた男若林仁:風間杜夫
23ニューヨークでの出来事のり子・ケンドール:鈴木保奈美ネルソン・ケンドール:役者なし

SP しばしのお別れ(96年3月放送)編集

話数サブタイトル犯人被害者
24しばしのお別れ二葉鳳翆:山口智子二葉鳳水:長内美那子

総集編(96年4月放送)編集

話数サブタイトル
25消えた古畑任三郎

SP 古畑任三郎 vs SMAP(99年1月放送)編集

話数サブタイトル犯人被害者
26古畑任三郎 vs SMAPSMAP:SMAP富樫明男:宇梶剛士

SP 黒岩博士の恐怖(99年4月放送)編集

話数サブタイトル犯人被害者
27黒岩博士の恐怖黒岩重吾:緒形拳

第3シーズン(99年4月〜6月放送)編集

話数サブタイトル犯人被害者
28若旦那の犯罪気楽家雅楽:市川染五郎気楽家苦楽:モロ師岡
29その男、多忙につき由良一夫:真田広之岩田大介:佐渡稔
30灰色の村日下部薫子:あめくみちこ
31古畑、歯医者へ行く金森晴子:大地真央山村淳一:陰山泰
32再会安斎亨:津川雅彦安斎香織:三浦理恵子(未遂)
33絶対音感殺人事件黒井川尚:市村正親滝川ルミ:街田しおん
34哀しき完全犯罪小田嶋さくら:田中美佐子小田嶋佐吉:小日向文世
35頭でっかちの殺人堀井岳:福山雅治等々力:板尾創路
36追いつめられて臺修三:玉置浩二市川由美子:川合千春
37最も危険なゲーム・前編日下光司:江口洋介牟田:小原雅人
38最も危険なゲーム・後編


SP すべて閣下の仕業(04年1月放送)編集

話数サブタイトル犯人被害者
39すべて閣下の仕業黛竹千代:松本幸四郎川北健:及川光博

FINAL(06年1月放送)編集

話数サブタイトル犯人被害者
40今、甦る死堀部大吉:千葉哲也
41フェアな殺人者イチロー:イチロー郡山繁:今井朋彦
42ラスト・ダンス大野もみじ・大野かえで(加賀美京子):松嶋菜々子

SP 古畑中学生(08年6月放送)編集

話数サブタイトル犯人ゲスト
43古畑中学生


主要スタッフ編集

演出


音楽


余談編集

エピソードの時系列は放映順ではなく、所々シャッフルされている。

例を挙げると、『死者からの伝言』(1話)冒頭で古畑が『殺しのファックス』(4話)の犯人の名前を挙げたり、『動く死体』(2話)では古畑と今泉が初対面として描写されている。


第2シーズン終了後はあまりの人気ぶりに多くのパロディやモノマネ芸が生まれ、同局での「とんねるずのみなさんのおかげです」では石橋演じる「新畑任三郎」、「SMAP×SMAP」では木村演じる「古畑拓三郎」が披露された。後者では美川憲一桂三枝など豪華なゲストが犯人役を演じた。


水曜どうでしょうの前身番組「モザイクな夜」でもコントが作られ、古畑役を鈴井貴之、今泉役は大泉洋が演じた。ちなみに警官役は嬉野雅道、監督は藤村忠寿が担当。


他にも「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」、「金田一少年の事件簿」、「仮面ライダーリバイス」、「ウルトラマントリガー」などでパロディが描かれた。放送から30年経ってもなお根強い人気を誇る作品だけにパロディが非常に豊富で、ここで名前が挙がった作品はほんの一例にすぎない。


関連タグ編集

ドラマ 刑事コロンボ


田村正和 西村雅彦 石井正則 小林隆 白井晃 八嶋智人


脚本

三谷幸喜


制作

フジテレビ


このドラマは創作であり

古畑任三郎は架空の

刑事です。

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