赤い洗面器の男とは、ドラマ「古畑任三郎」及び三谷幸喜脚本作品中に度々登場する小話。世に出てから20年以上経つが、未だにオチが明らかになっていない。
概要
判明している内容
ある晴れた日の午後道を歩いていたら、向こうから赤い洗面器を頭にのせた男が歩いてきました。
洗面器の中にはたっぷりの水。
男はその水を一滴もこぼさないように、ゆっくり、ゆっくり歩いてきました。
私は勇気をふるって、「ちょっとすいませんが、あなたどうしてそんな赤い洗面器なんか頭にのせて歩いているんですか?」と聞いてみました。
すると男は答えました。
推移
初登場は1994年。ドラマ「古畑任三郎」第1シーズン第11話『さよなら、DJ』で、桃井かおり演じる中浦たか子というラジオDJがこの話を持ち番組内で語ったことに始まる。
この回では番組最後に語られるはずが、時間が押してしまい語られずじまいとなった。
以降古畑任三郎中で4回、他の三谷幸喜脚本作品中に2回登場しているが、オチの部分で
必ず何かが発生して話が途切れてしまう。
なお古畑はこの話が執拗に気になったようで、収監中の中浦を度々訪れてまでオチを聞き出そうとしたが失敗に終わっている。
オチは一体?
このネタを語る人間達の反応によるとおもしろいオチらしい。しかし、この話にまつわる番組の下りで1名死亡、1名心臓発作というある意味恐ろしい事態を引き起こしていたりする。
また作者である三谷幸喜氏曰く「オチはある」とのことで、イスラエルで初めて聞いたと語っているが、20年以上にわたって明らかにされていない事から、これ自体が大きなネタである可能性がある。
これまでに番組に関する「研究本」などに取り上げられることも度々あったが、あまりに手がかりが少なく、聞かれた人は全て「赤い洗面器だけにアカセン」とごまかされたと言う説も出るほどであった。
類話としてはインドに、4本の魔法の灯心に導かれて宝探しをする民話があるが、最後の灯心が落ちた所には頭に載せた車輪が回っている人がおり、理由を尋ねると車輪が自分の頭に移ってしまう。オチとしてはそれまでに宝探しを切り上げた3人の仲間の語る「無分別は身を滅ぼす」というもの。
謎の布石
この話が初登場した古畑任三郎の回には、赤にまつわる謎めいた布石がもう一つある。
当初中浦はおつきの女性に「赤が似合うんだから赤着てなさい」と自身の赤いカーディガンを着せるのだが、彼女の殺害発覚後に古畑から(サイズが合っていなかったことから)このことを突っ込まれると「やだ、(車に乗せて置いたのを勝手に)出してきたのかしら」と何故かそれを否定する。
番組内で古畑が「嘘の上手い人間は必要なところだけウソを付いて後は出来るだけ本当のことを話そうとする」と語るあたり、何か関与がありそうな展開だったのだが、結局トリック解明とは全く結びつかなかった。
一応、中浦の犯行は「中浦と被害者を取り違えての殺人」を装った物なので、「中浦のカーディガンを着ていたから間違われた」という偽装だった可能性もあるが、作中ではその可能性について一切触れられていない。
これが当初「赤い洗面器の男」のオチが語られなかったことと関係があるのかは不明。
別名・表記ゆれ
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出所不明だが一応「あなたに話しかけて貰いたかったから」(気を引きたかったから)であるという説もあった。
三谷氏の個人エピソードにも、後に結婚する女性の帰り道の公園で「サンタ姿で滑り台に座っていた」と言うものがある(その場はスルーされて帰宅後にツッコミの電話をかけてきたらしい)。