概要
「死者からの伝言」とは、フジテレビ系テレビドラマ古畑任三郎の記念すべき第一回である。
ストーリー
少女向けコミック漫画家の小石川ちなみは、自分自身が献身的な愛を注いでいるにもかかわらず、交際している出版社の畑野茂が複数の女性と交際し、さらに遊ばれていることに気づいて畑野を別荘の地下の金庫に閉じ込め、窒息死させた。
後日、嵐の日に再び別荘に戻ったちなみは、金庫室を確認して閉じ込めた畑野が死んでいることを確認。しかし死んでいるはずの彼の手にはペンとちなみのコミックの原稿が握られていた‥。
結末(注意!ネタバレ含みます)
偶然別荘の近くでガス欠となり小石川ちなみの別荘に助けを求めた古畑、しかしそこでちなみから畑野の死体があることを打ち明けられる。事故死として貫くつもりだったちなみだったが、古畑から意外な事実を突きつけられる。それは畑野が何者かによって殺された可能性があること。畑野の頭部に殴られた形跡があったのだ。ちなみ本人は一切暴行を加えていない。また畑野が部屋に残した手帳を調べるとコンドームや、二人分の食事の領収が出てきた。おそらくその一緒にいた人物こそ何らかの鍵を握っていると古畑は判断した。さらに彼の手帳からは交際していたと思われる女性のイニシャル、「*C*」の文字が‥。
古畑は畑野が握っていた原稿の本当の意味について考えていた。そしてなにも書かれていない白紙こそが本当のダイイングメッセージであることに気づく。
金庫の中は扉を閉めれば、外の光を遮断されて真っ暗である。表も裏もわからない。畑野は自分の死体を見つけるのはきっと間違いなく犯人であることに気づいていたのだ。いくらメッセージを原稿に書いたところで警察より先に犯人に抹消される。だから何を書いても無駄であるということを白紙は意味していた。畑野の頭の傷も、事件が事故と見なされたら元も子もない。畑野は自分自身で手提げ金庫で自分自身の頭を殴ったのだ。
ちなみは罪を認めた。実は古畑は、実は最初に畑野の死体を確認した時からちなみが犯人と疑っていた。畑野のスリッパが片方しかなかったのである。ちなみの飼い犬、万五郎がちなみが犯行時に持っていってしまったのだ。
犬あるところ、飼い主あり。最初からちなみは証拠を残していたのである。