放送局概略
徳島県唯一の県域民間テレビ・ラジオ放送局。略称JRT
筆頭株主は徳島新聞の発行元である一般社団法人徳島新聞社。
AMラジオ局として1952年7月1日開局。中国・四国地方では最初に開局した。和歌山放送が開局するまでは和歌山にも支社を置いており、和歌山県向けの営業も行っていたことがある。
テレビ放送は、UHF帯域での放送が実用化された1967年より前は実質和歌山県も放送対象地域になっていた(当時、テレビ和歌山は当然のことながら未開局)。これは和歌山県のほとんどが在阪テレビ局(MBS、ABC、カンテレ、読売テレビ)の難視聴地域となっていた一方で、紀伊水道越えのJRTテレビは和歌山県内でも良好に受信できる地域が多く、アンテナを眉山に向けている世帯が多かったことによる。その名残から、現在でも和歌山県向けの全国紙テレビ欄にはJRTの番組表が掲載されている。
略称のJRTは、かつて各全国ネットの番組のネット局スーパーで表記する際に使用する程度で、正式な略称としては使用されていなかった(単に「JR」と称すこともあった。余談だが現・JR四国はまだ国鉄だった。)。その後、開局30周年を迎えた1982年に正式に略称として制定された。コールサイン「JOJR」の下2桁「JR」に、徳島のTを組み合わせたものだが、公式サイトでの説明では、当時のアナログテレビのコールサイン「JOJR-TV」から取ったとしている。
類似のケースは、隣の兵庫県を放送法で規定された放送対象地域に持つラジオ関西のコールサイン、"CR"(以前は愛称としても使用していた)と神戸の"K"を組み合わせた"CRK"も該当するが、そちらは一時期"AM KOBE 558"を名乗っていた。
ラジオ放送
系列 : JRN・NRN
愛称 : 四国放送・四国放送ラジオ・JRTラジオ
放送局 | AM | FM | |
---|---|---|---|
徳島 | JOJR | 1269kHz・5kw(川内) | 93.0MHz・1kw(眉山) |
阿波池田 | 1269kHz・1kw | 93.0MHz・10w | |
日和佐 | 1269kHz・100w | 93.0MHz・100w | |
牟岐 | 1269kHz・100w | - | |
阿南 | - | 93.9MHz・10w |
- 日和佐中継局開局以前には、阿波池田は1062kHz、牟岐は801kHzだったが、平成になってからは親局の周波数に統一された。
- 他局(北海道の2社以外)の例にもれず、日曜深夜(月曜早朝)には放送休止となるのだが、こちらでは24時の時報の前にクロージングナレーションがあり、時報の直後に停波するという特徴がある(以前は深夜1時で放送休止)。
- またワイドFM(FM補完中継局)は2018年9月末に開局し、阿南FM局を除き、ニッポン放送と同じ93.0MHzである。2020年4月には、日和佐FM局と、現状では唯一周波数が異なる阿南FM局が開局した。
テレビ放送
ニュース系列 | NNN |
---|---|
番組供給系列 | NNS |
コールサイン | JOJR-DTV |
リモコンキーID | 1 |
親局 | 徳島31ch(眉山) |
徳島県は大部分の地域で前述の在阪キー局が視聴できる(また徳島市や鳴門市などベイエリアに限られるがテレビ大阪、サンテレビ、テレビ和歌山も視聴できる)こともあり、飽くまでテレビの放送対象地域区分としてではあるが近畿広域圏として扱われることもある。しかしMBS・ABC・カンテレはニュース等における取材対象の都合上「徳島県まで近畿広域圏である」と定義しているが、読売テレビは異なるため、それを補うべくここJRTが日本テレビ系列になっている。
その徳島県の民放テレビ局は、現在にいたるまでこのJRTだけである。実は民放2局目としてニュー徳島放送が1971年頃に開局する予定でコールサインも用意されていたのだが、期限までに会社を設立できず予備免許が失効。1997年にはチャンネル割当も取り消された。
そのためか2024年現在、唯一民放5系列の番組全てを網羅している民放テレビ局である。
アナログ放送の頃(特に1990年代半ば頃まで)はニュースとプライムタイムを除きオープンネットと見間違えるくらいに他系列番組の割合が高かったが、ケーブルテレビの普及による区域外波の安定受信が可能になったことにより日本テレビ系列の番組比率を上げていった。実はこの日本テレビ系番組比率を上げたのは読売テレビと西日本放送を県内のケーブルテレビ局で配信させないようにするためとも言われている。
リモコンキーIDが「1」であることから、県内の新聞のテレビ欄では先頭に立つ。これにNHK2波、MBS、ABC、カンテレと続く。
余談
- マスコットキャラクタは「おもぞう」。ゾウの頭を四角くし、そこから直接手足やシッポを生やしたようなデザインで、左右と後ろは社名の頭文字「四」をイメージしたという。
- ワイドFM開始以前のラジオのOPでは、ベートーベンの第六交響曲「田園」が流れていた。徳島県と言えば、同じベートーベンの第九交響曲(いわゆる「合唱つき」)が日本で最初に上演されたという史実もあり、ベートーベンつながりでこの選曲になったのかもしれない。
- また、テレビはかつてOPとEDで「四国放送の歌」が使われていた。
外部リンク
関連項目
徳島県のほぼ全域で観られる在阪準キー局
※なおNHKは、徳島県においてはラ・テそれぞれ基幹局が異なり、次の通りになっている。
・テレビ、ラジオ第1、FM:松山放送局傘下
・ラジオ第2:大阪第2放送が片乗り入れ