概要
福岡県のテレビ局で、テレビ東京系列(TXN)および日本経済新聞グループ、西日本新聞グループ。
1990年9月1日にティー・エックス・エヌ九州(TXN九州)として設立、翌1991年4月1日に開局した。なお、正式な社名がTXN九州ではなくティー・エックス・エヌ九州であったのは、当時の商号法ではアルファベットを使った会社名が認められなかったため。
2001年1月に一旦ティー・ヴィー・キュー九州放送と改名したあと、商号法の改正でアルファベット表記の社名が認められることになったため2002年11月に現在の商号に改められている。
2019年4月以降は「テレQ」の表記が使われている。
なお、略称にQを使うのは本局とQAB琉球朝日放送のみである。
TXNのテレビ局は、テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道というように、「テレビ+地域名」がつけられるが、TVQの場合、佐賀県のケーブルテレビ局として「テレビ九州」があったため、「ティー・エックス・エヌ九州」となった。愛称とクレジットには「テレキュー」「TVQ」が当初から使われていたが。TVQは「TVQテレビ九州」および「TVQテレビ福岡」を商標登録している。
元々は佐賀県の民放第2局用に割り当てられていた周波数を福岡県の民放第5局用に割り当ててもらった上での設立・開局であった(長崎国際テレビも同様)。
キャッチコピー
開局当初は「ハートにキュー!テレQ」、開局20周年時には「直Q勝負!」であった。2015年10月から2019年3月までは開局25周年を記念して「少し違うがクセになる」だった。そもそもキー局からしていろいろと他のテレビ局とは違いすぎているが。その後2019年4月からは愛称とロゴが「テレQ」に変更されたことに伴い、「7ちゃんは、いろいろ見てみる やってみる。」となり、2021年
4月からは開局30年と言うことで「サンキュー!テレQ30th」を使用した。
本社が2つある理由
テレビ西日本が1974年に本社を福岡市へ移転したことで民放の本社がなくなった北九州市が、TVQに本社を北九州市に設置するよう働きかけ、福岡市と官民挙げての争奪戦になった。当時の新聞に「4対1か5対0か」という広告が掲載されたほど。
最終的に本社は日本経済新聞西部支社のある福岡市に置かれることになったが、北九州市の面子を立てる意味も込めて北九州市にも本社を設置した。ただしこちらの本社は事実上の支社として使われているのが実情である。
番組
プロ野球・福岡(ダイエー→)ソフトバンクホークス戦実況中継「テレQスーパースタジアム」を4月から9月の火曜18:25-20:54、土曜18:30-21:00、日曜13:00-16:00に放送。
2010年4月から2015年までは火曜日は18:30スタートだったため、「ピラメキーノ」の火曜放送分を翌日水曜日の7:30-8:00、すなわち「おはスタ」の後に放送した。
現在は以下の番組が野球中継の影響を受ける。なお、いずれの時間帯もローカルセールスだったりする。
- 火曜エンタテイメント!→火曜エンタ:原則放送なしだが、土曜12:00-13:55に放送される事がある。
- ありえへん∞世界:遅れ日数拡大。
- 開運!なんでも鑑定団:中継の有無にかかわらず放送。ただし2時間スペシャルの場合は放送曜日を差し替え。また放送開始当初は事実上放送がなかった(夜9時台の延長オプションをほぼ使っていたため)。
- 土曜スペシャル:「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズは(基本)放送日時差し替え、それ以外は原則放送なし(本来の放送時間帯では野球中継のない場合は後述の「福岡お役立ち情報バラエティ たくなる」と「ちょっと福岡行ってきました!」を放送)。
ちなみに開局当初はプロ野球中継のノウハウが当然ながら皆無だったため、サンテレビに手伝ってもらっていた。サンテレビはTVQのキー局であるテレビ東京とは犬猿の仲のはずなのだが、サンテレビの当時の筆頭株主がホークスの親会社だったダイエーだったが故にこのようなことが出来たのだ。さらにいえば、ダイエーが南海電鉄からプロ野球球団を引き取った直後から、テレビ東京に対し、「早く福岡に系列局作って下さい」としつk・・・ゲフンゲフン、もとい、熱心に頭を下げてお願いしたそうである。ちなみにpixivに投稿された、ここのタグの付いたイラストはほぼホークス絡み、それもなぜか神崎蘭子が描かれたものである(メインイラストも参照)。
また、日本のテレビ局で初めて韓流ドラマを放送した(1996年に土曜深夜に放送したMBC韓国文化放送制作作品「ザ・パイロット」。韓国空軍→大韓航空のパイロットを描いた作品)。そんなこともあり、2023年秋の改編時点では、平日8時台・9時台・10時30分-11時に韓流ドラマの放送枠を設定している。また、平日12時台と月曜から木曜の17時30分-18時25分には中国産の時代劇を、水曜25時35分-26時35分にはその他の海外ドラマ(アメリカドラマが中心だが、タイドラマ「2gether」を放送したことがある)を、それぞれ放送している。
テレQスーパースタジアム以外の主な自社製作番組
- 九州けいざいNOW→ぐっ!ジョブ〜九州ゲンキ主義経済〜
福岡県を中心とした九州の経済情報を取り上げる、いかにも日本経済新聞の関連会社がかかわる番組である。
- 土曜の夜は!おとななテレビ
2012年11月から2023年3月にかけて、土曜18:30-20:00に放送されていた、パパイヤ鈴木と杉崎美香⇒神田愛花(元NHKアナウンサーで福岡局勤務経験あり)がナビゲーターを務める情報番組。
- 福岡お役立ち情報バラエティ たくなる
「土曜の夜は!おとななテレビ」の後継番組。2023年4月から土曜18:55-20:00に放送されている。「土曜の夜は!おとななテレビ」のナビゲーターをローカルタレントのパラシュート部隊とブルーリバーに交代したうえ放送時間を25分縮めた程度であり(空いた25分間はローカルスポーツ情報番組「ファンスポ」を放送)、内容としては「土曜の夜は!おとななテレビ」とさほど変わりない。
- ちょっと福岡行ってきました!
土曜20:00-20:54に放送される、豪華なゲストが福岡県内を回る旅番組。
「福岡お役立ち情報バラエティ たくなる」「ちょっと福岡行ってきました!」のため、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズは放送されないか2時間に短縮されたバージョンで放送される。ただしフルバージョンに関しては、正月特番として組まれた場合を中心にごくまれに放送される事はあり、特に2016年6月25日分の第23弾(宮崎・青島〜長崎・グラバー邸)と2020年3月28日分のZ第13弾(大宮〜黒部)に関しては、テレビ東京と同時ネットという、(TVQにしては)異例の措置を執った(TVQスーパースタジアムの放送予定がなかった等の事情もあろうが)。
- きらり九州めぐり逢い
元吉本新喜劇の劇団員である寿一美が九州各地を旅する番組(ただし寿以外の人物が旅する場合があった)。2006年10月21日から2009年9月19日まで土曜19:00-19:55、2009年10月24日から2012年11月3日まで隔週土曜19:00-20:54、2012年11月10日から2017年9月30日までは20:00-20:54に放送されていたが、2017年10月7日からは土曜13:59-14:30に放送されていた。2021年3月27日限りで終了。
- おっほ〜ゴッホみたいに言うな!!〜
2015年10月から2018年3月まで放送された番組。元々は金曜深夜に放送されていたが、sakusakuと枠交換する形で日曜深夜に移動している。ツイッター1コマ漫画芸人・おほしんたろうがメインパーソナリティを務める。
- ばりすご☆ボイガー7→ばりすごMAX
子供向けバラエティ番組。末期は『ピラメキーノ』の金曜放送分の差し替えで放送した。
アニメ事情
2024年秋の改編現在に至るまで唯一製作にかかわったアニメは『サラダ十勇士トマトマン』である。ただしこの作品はテレビ東京との共同製作であったため、結果本局はテレビ東京系列局で唯一単独製作アニメが1つもない。
TVQを除くテレビ東京系列5局で放送されたサッカーを題材としたアニメ「フォルツァ!ひでまる」は、福岡県ではテレビ西日本が放送した。
深夜アニメ
この放送局はとにかく深夜アニメを多く放送していた。なにしろテレビ東京の全6局放送作品ばかりか独立局作品の放送まで請け負っていたため、結果放送本数は年10~15本程度にも及んだ。これは3大都市圏以外のテレビ局では異常とでも言うべき多さであった。
独立局作品については、KADOKAWA原作の作品、特に角川書店が製作にかかわるアニメを多く放送していたほか、富士見書房が製作にかかわるアニメも放送することがあった。
それ以外でもアニプレックスが絡んだ作品も時々放送していた(例えば「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」シリーズ2作、「ソードアート・オンライン」、「魔法科高校の劣等生」。ただしいずれもアスキー・メディアワークスがらみ)。
その一方で「R-15」は放送開始直前になって放送を取りやめ、「魔装学園H×H」では、製作サイドが放送予定と発表した後に放送取りやめを発表したが、のちのJ-CASTニュースの取材でTVQが事前に放送しない旨を製作サイドに伝えていたことがわかった(参照)。もっとも、この2作品と同じ傾向にあるはずの「トリアージX」や「俺の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件」や「新妹魔王の契約者」シリーズ2作品に関しては、放送取りやめどころか、最終回まで完走している。
だが2016年6月29日に放送された「ハイスクール・フリート」最終回をもってアニプレックスがらみのアニメの放送がなくなった(そのため「ソードアート・オンライン アリシゼーション」や「来訪者編」以降の「魔法科高校の劣等生」シリーズは放送されていない)。
そして2019年春の改編で旧角川書店・旧富士見書房系独立局作品の新作の放送やKADOKAWAが関与する他社作品の放送をやめた。そして同年6月末に放送された「盾の勇者の成り上がり」の最終回を持って旧角川書店・旧富士見書房系アニメの放送を、7月初旬に放送された「八月のシンデレラナイン」最終回限りでテレビ東京深夜アニメの放送を、それぞれ終了した。さらに、基本的には続編の放送も行わなくなった(むろん「アイドリッシュセブン」シリーズなどの例外もある。なお続編の放送なしは2019年以前にも「こみっくパーティー」や「探偵オペラミルキィホームズ」でも見られた)。
それ故に、2019年7月期から2021年1月期までの深夜アニメ全体の新作は年平均1~2作ペースとなっており、それ以外の放送作品はネット配信作の地上波放送(例・「ケンガンアシュラ」)やAT-Xでの(第1シリーズの)放送実績があり、続編が決まったからか放送地域が拡大したが故に放送を引き受けた、「小説家になろう」発の作品「Re:ゼロから始める異世界生活」(リゼロ)と「転生したらスライムだった件」程度であった、のだが、「リゼロ」第2シリーズ放送延期のピンチヒッターとして、「KADOKAWA『春の異世界×ファンタジーまつり』」と称した、KADOKAWA独立局作品のごく一部の第1話のみ3ヶ月連続放送を実施したことがある(エンターブレイン系の作品やメディアファクトリー系の作品も含まれていた。また、BS11およびTOKYOMXとKBS京都でも実施)。
しかし、テレビ東京深夜アニメについては、2021年4月期の「東京リベンジャーズ」から放送を再開した(が、2022年1月期はなし)。
また、2021年10月から、毎週金曜30時30分-31時30分に(原則)Cygames一社スポンサーの深夜アニメ枠を設定してはいるのだが、ほとんどの作品がとっくにAT-X(やBS11に代表される無料BS局)で放送されたものばかりで、新作が放送される事など滅多に無い。特に2022年4月から6月にかけて放送された「神撃のバハムートGENESIS」に至ってはいつの作品だよそれと突っ込みを入れたくなる有様であった(しかも2024年7月期には再放送までする始末)。それ故にどちらも完全なる新作であった2023年4月から6月(または7月初旬)にかけてはまさに異例中の異例であった。しかも2023年7月期はテレビ東京同時ネット枠(この時は土曜23時台前半に加えて月曜と火曜の24時台前半がそれに該当)以外では唯一の深夜アニメ放送枠だったが、2023年10月期には解消されてはいる(月曜深夜2時台と3時台のいずれも前半、木曜深夜2時台前半)。なお、2022年1月から3月にかけて「ゆるキャン△」のアニメ版第1シーズンの放送も実施したが・・・あのー、映画版の絡みとは言え、それいつの作品でしたっけ??
舞台が北九州市という事もあってか放送された「ブルバスター」については、兵庫県(や大阪府をはじめとする関西地方)よりも放送順が早いという、(同じ西日本新聞傘下のテレビ西日本における+Ultra枠の例はあれど)珍しい事態となった。
送信所
アナログ放送の親局は福岡市内の鴻巣山に置かれ、先発UHF局の福岡放送親局とNHK福岡放送局小笹中継局も置かれていた。デジタル放送では先発VHF局4局と同じ福岡タワーに移転している。本当はアナログ放送のうちに福岡放送と共に福岡タワーへ移転する予定だったが、資金面からアナログ放送は2011年7月まで鴻巣山から送信していた。
直接受信可能なエリアは福岡県にとどまらず、佐賀県、山口県西部と周防灘沿岸、長崎県有明海沿岸部、壱岐・対馬の両市、大分県北西部、熊本市以北の熊本県北部、愛媛県の一部、島根県の一部と広範囲に渡るが、地元局が同一チャンネルで送信している場合混信妨害を受ける場合もある。
受信可能世帯数はテレビ東京のメディアデータによると、約331万5千世帯とテレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知に次いで多く、TXN系列4番目である。
その他
先述の通り4月から9月までの火曜18:57-20:54と土曜18:30-20:54にプロ野球中継「テレQスーパースタジアム」を設定しているが、特番枠である土曜日はとにかく、火曜日に関しては番組差し替えが行われており、そのせいで『週刊少年ジャンプ』アニメコンプレックス枠だった「火曜いージャン!!」の放送が事実上できなくなった、ということがあった(ただし構成されていた「BLEACH」と「銀魂」そのものは土曜朝に放送)。
元々は1990年10月に開局する予定だったのだが、実際には先述の通り1991年4月1日開局となった。その理由は「10月にはプロ野球終ってるから。どうせならプロ野球シーズン開幕に合わせて開局したいし、する」というものであった。