概要
人間が何気なく行う「走る」という行為は、実は絶妙なバランスで行われている。
ロボット技術が発展した21世紀現在に於いても、二足歩行で歩かせる行為だけですら結構大変である。
ロボットアニメでもそういった「科学の壁」は大概無視されて描かれているので、ロボットも走る。
だが、マジンガーZの様なスーパーロボットもモビルスーツの様なリアルロボットも、脚を使って走る時はガションガションと音を立てながら走る為にお世辞にも速いという印象は無く(そもそもサイズが大きいものほど見かけ上の速さは下がってしまうので、ある種当然ではある。実際にはこの状態でもかなり速度は速い)、背中や足裏などに配されたスラスターを吹かして飛んだり跳ねたりする方が多い傾向にある。
「そもそもロボットに二足歩行させる事自体がナンセンス、素早い戦闘車両でも使ったほうが良い」という極論が出てしまう事さえある。
そしてロボットに地上を高速移動させるにあたり、超低空飛行であるホバー移動と並び採用されやすいのが、足裏にローラースケートの様に回転する車輪を内蔵し、車輪を自律的に回転させ接地させる事で滑走走行するローラーダッシュである。
描写としては平地での高速移動時は車輪によって安定して走破し、不整地や荒れ地などでは足を動かし歩行踏破するというスタイルが採用されるケースが多いが、応用的に戦闘時に足技を繰り出す事例もある。
砂漠や雪原でも走破し易いが、湿地や泥濘地では車輪部のグリップが利かず走行できなかったり機体が入れない狭所や機動力の要である脚部を攻撃され移動を阻害される弱点を持つ。
この起源は『装甲騎兵ボトムズ』シリーズに登場するアーマードトルーパーである。
主な搭載機
一部のジャイロゼッター(超速変形ジャイロゼッター)
余談
この機構のアニメ的な特徴として作画の負担軽減という側面がある。「ボトムズ」の高橋良輔監督は、初監督作品である「太陽の牙ダグラム」において、メカ的描写の不足と作画負担の増加という問題に直面した。主人公機のダグラムが作中でよくジャンプしていたのはその対策の1つであったが、それでも描写不足と感じた監督が「メカアニメとしての躍動感のある描写」と「作画の負担軽減」を両立させるアイデアとして誕生したのが、メカ的なローラー移動とメカ本体を激しく動かさずに高速移動することを両立させたローラーダッシュ機構なのである。