テレビやラジオの放送局系列に属する放送局のうち、キー局や準キー局ではない地上波放送局、もしくは系列に属さない独立局である地上波放送局。
概要
上記のように放送局系列に属する放送局の殆どと属さない独立局を指す言葉であり、実は日本にある地上波放送局のほとんどがこれに当たる。
放送局系列に属さない後者の例としてはTOKYO MX、ベイエフエム、岐阜放送、KBS京都、ラジオ関西、サンテレビなどがこれに当たる。こちらはすべて都府県域局であるという点も共通である。
系列局
関東・近畿・中京圏以外はその県の県域放送局が放送を担当する。
北海道・福岡・岡山香川のみテレビ東京系があり、その他の人口200万前後の県はたいてい大手4系列、100万前後のところはどれかが欠けている事が多い。
多くの県では、以下の順序で開局している。
- 地方新聞系のラテ兼営VHF局
- 当初は新潟放送、信越放送、静岡放送、山陽放送、熊本放送、南日本放送などのようにKRT(現・TBS)系列と優先的にネットを組む地方局が多く(日本テレビ系列局として開局したのは、JNN発足直前時点では北日本放送、西日本放送、四国放送、南海放送、高知放送くらい)、北陸放送や長崎放送など一部ではニュースのみJNNで他は事実上のオープンネット体制とするケースもあったが、1959年8月にクロスネットを制限する排他協定のあるJNNが発足。これに日本テレビが反発し、IBC岩手放送や大分放送など新たに開局したJNN系列局に対し日本テレビ系列の番組の購入を制限する事態となった。この影響などもあり、以降開局した青森放送、秋田放送、山形放送、山口放送などは日本テレビ系列と優先的にネットを組むこととなった。
- その後、日本テレビ・TBSとも排他協定や番組購入の制限を緩和したことで、最後発の福島テレビ(1963年開局)はオープンネットにて開局することが出来た。
- UHF解禁で生まれたUHF局(1968年 - 1970年)
- こちらは当時フジテレビが積極的に系列加盟をアプローチしていたこともあり、結果的に大半のUHF局がクロスネットを含めフジテレビ系列となった。ただし、ニュースのみTBS系列を重視したかったテレビ山口はTBS系列(ニュースはこちらの系列単独であった)&フジテレビ系列&NET系列のトリプルネット、フジテレビの方針に反発した青森テレビ、テレビ山梨、テレビ高知の3局はTBS系列、テレビ岩手は日本テレビ系列&NETテレビ系列のクロスネット、瀬戸内海放送はテレビ朝日系列となった。また、福島中央テレビは当初フジテレビ系列に加盟していたものの(NET系列ともネットを組んでいた)、新聞資本の意向によるネット整理のためフジテレビ系列が福島テレビに移動し、代わりに日本テレビ系列に加盟することになった。また、鳥取県と徳島県は県の経済状況や電波事情の都合によりUHF局は設置されなかった(但し鳥取県は後に島根県との電波相互乗り入れで解消している)。
- 第3、第4局
- 1980年代までフルネット局が少なかったテレビ朝日系列の場合が多い。4局県では上記3系列+テレビ朝日系列のうち足りない1系列も。
4系列揃うのが早かった地方は新幹線が通るのも早かった傾向にある。また、政令指定都市のある道府県は1980年代末までに民放4局化を完了させている。
例外としては、
- 福島 新聞社が2つあったためややこしいことになった。
- 山形 山形テレビがフジテレビ系からテレビ朝日系にネットチェンジしたため、怒ったフジ側が4局目のさくらんぼテレビを開局。おかげで人口が少ないながら4局揃った。
- 茨城 関東で唯一独立テレビ局が開業せず。
- 山梨と福井と宮崎 第3局以降は開局しなかった。さらに福井と宮崎は第3局の割当てが行われていたが、バブル崩壊の影響などで頓挫した。
- 徳島と佐賀 アナログ時代は近くの大都市の電波が入ったので1局しか作られなかった。しかしデジタルになると電波の特性・出力が変わり遠くへ飛ばなくなったため、場所によってCATV必須。
- 岡山と香川 ほっといても電波が届くのでエリアが融合してしまった。山陽新聞が日テレ・読売系が岡山にできることを嫌ったという説も。なお、NHKと民放ラジオのエリア融合は行っていない。
- 島根と鳥取 人口が少ないためかここもエリアが融合した(こっちはNHKに限りエリアの融合を行っていない)。ただそれでもテレ朝系が無い。
- 沖縄 琉球朝日放送は一局二波という特殊な形態で放送されている。
地方局における番組事情
首都圏では放送されない地方色の強い番組が多く放映されるが、番組販売できる水準の作りをできるのは名阪札福の局ぐらいである。
地方民としては「何もしなくていいからキー局の番組そのまま流してくれ!」と思うところだが、大人の事情により、そうはいかない。よってアニメ事情は苦しい(東阪の独立局放送かつ制作委員会方式のアニメだと尚更である)。
もちろん深夜アニメなども一部放映されたりもする。ただし、アニメの場合は首都圏とは放送時間や曜日が大幅にずれる傾向にある。
このせいで地方民という名の難民が発生する。BS11開局・ネット配信普及までは深刻な問題だった。
Youtube普及のころから何故か地方でもアニメブームが起きたのだが、その理由についてはお察しください。
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TVer…地方局の番組を配信している貴重な配信サービス。