概要
この会社の英語名称は「Korean Air」。
大韓民国(韓国)における国際航空会社であり、フラッグ・キャリア、すなわち「一国を代表する航空会社」とされる会社である。スカイチーム所属。
韓国の一大財閥である運送会社を中心とした韓進グループの中核企業である。
この会社は子会社に格安航空会社の「ジンエアー」を持つ。
歴史
1946年に民営の大韓国民航空社が設立。1948年10月30日にソウルから釜山への最初の旅客便が就航した。韓国ではこれを記念し、10月30日を「航空の日」として祝日としている。朝鮮戦争では政府に機材を取り立てられ運航できなかったが、戦中に再度航空機を導入し、国際線にも進出した。その後需要の減少や通貨ファンの暴落により経営難となった。1962年に政府が大韓国民航空社を買収し、大韓航空公社となった、しかし赤字続きであったため、朴正煕大統領が韓進グループ創業者の趙重勲に民営化を相談し、1969年に韓進グループ主導で民営化され株式会社となった。
状況
かつて「大韓航空機銃撃事件」(1978年4月20日、大韓航空902便のボーイング707航空機がソビエト連邦の領空を侵犯、ソ連防空軍機に攻撃されソ連領ムルマンスク郊外の凍結したイマンダラ湖に不時着、15人死傷、機体は放置され解体 )、「大韓航空機撃墜事件」(007便。1983年9月1日)、「大韓航空機爆破事件」(858便。1987年11月29日)の悲劇に見舞われた。
その一方で、1997年に旅客機の、1999年に2度貨物機の墜落事故が発生したため、アメリカ合衆国の航空輸送の安全維持を担当する部局であるアメリカ連邦航空局に韓国が航空安全管理体制の評価をカテゴリー2に下げられ、対アメリカ路線の新規開設や増便、アメリカの航空会社とのコードシェア便が認められなくなった。その後大韓航空がデルタ航空の副社長を招聘するなどし、韓国はカテゴリー1に復帰する。
また9.11の際ハイジャック信号を誤発信し、下手すると撃墜される危険を生じさせたり、2014年12月5日(ニューヨーク時間)には同社機(86便)に搭乗していた趙顕娥副社長(同社を経営する韓進グループ会長の趙亮鎬の長女)が機内食のナッツの配り方がなっていないと腹を立て、離陸直前だった同機を引き返させサービス責任者を下ろした、いわゆる「ナッツリターン事件」を起こした。
特に後者の事件は韓国国民の同国経済を支配する財閥に対する怒りを爆発させる原因になった。
このように負のイメージが強いが、そのネットワークはアジア随一であり、もともと貨物路線に力を入れていたことからアジア、北米、ヨーロッパの他、ケニア、ブラジル、オセアニア、さらにはサウジアラビアに乗り入れていたこともあり、6大陸すべてに就航していた。料金も日系に比べて割安なことから、日本人にとっても格安旅行で使うエアラインとして利用されている。
不祥事
ナッツ姫をはじめとする経営者一族の横暴や密輸入などが問題視されている。