概要
アメリカ合衆国ジョージア州アトランタに本拠地を置く航空会社(日本支社は港区虎ノ門に開設)。
1928年に創設されたが、元々は飛行機を使って農薬を撒く事業を行う会社だった。旅客輸送を始めたのはその翌年の1929年である。
本拠地を中心とした、乗り継ぎ重視の路線網システムの「ハブ&スポーク」の概念を早い段階(ちなみに1955年)で取り入れた航空会社である。
1987年3月にポートランド(オレゴン州)-成田線を開設して日本(太平洋)路線に進出、1991年にはパンアメリカン航空から大西洋路線の多くを買収した。
だが、2005年の原油価格高騰の煽りを受けただけでなく、本拠地・アトランタを始めとする南部地域がハリケーン・カトリーナの被害を受けたことで経営に行き詰まり、9月14日、連邦破産法11章(チャプターイレブン)の適用をニューヨークの連邦倒産裁判所に申請した。それでも航空機の運航は続けられ、2007年5月1日には再建に成功した。
2008年4月には同じアメリカの航空会社だったノースウエスト航空を吸収合併している。
中古機を好んで使う会社方針
デルタ航空はもともと、「一度使い始めた保有機は最後の最後まで大切に整備して末永く使う」という気質があった。そのため30年以上使ったような中古機を運航することには何ら抵抗がなく、安全に飛ばせるだけの整備ノウハウも十分に備えている。
また、浮いたお金で負債の返済や各種サービスの充実を図るという目的もあって、2010年代頃に世界中から中古機を買い漁ることとなった。もちろん、エアバスA350のような最新機種も導入している。
こうしてデルタ航空は初期投資を抑えつつ、サービス面でもアメリカ国内の業界誌ビジネストラベルニュースのランキングで史上初の5年連続1位を獲得するという高い評価を得ている。
日本航空から2013年に退役したMD-90も全機デルタ航空が買い取って運航していた。
またノースウエスト航空を吸収合併した際、同社の機材のほとんどを継承しているが、その中には、同社が後ろ盾になって開発されたボーイング747-400も含まれていた。勿論、同機の試作機(機体記号N661US、2002年10月、デトロイト発成田行で、方向舵のトラブルを起こし緊急着陸している)もデルタ航空によって2015年9月まで使用され、2017年3月からは、デルタ航空アトランタ本社の付属施設である航空博物館にて展示されている。
関連動画
機内安全ビデオ
※エアバスA350仕様 2018年年始に公開。エド・バスティアンCEO自らの年頭挨拶付き
※世界各国で制作された同様の動画の日本仕様。ヴィクター大隅・日本支社長自ら説明