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パンアメリカン航空

ぱんあめりかんこうくうまたはぱんなむ

かつてアメリカに存在した航空会社で「パンナム(PAN AM)」の呼び名で有名であった。
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概要

パンナム(英:Pan American Airways)は、かつてアメリカに存在していた航空会社であり1927年の設立以来規模を拡大させ、第二次大戦後はアメリカのフラッグキャリアとして世界トップの規模の航空会社であった。

ボーイング747型機を世界でいち早く導入し、世界一周路線を就航させ、ホテル経営にビジネスクラスを初めて導入した世界の航空業界を牽引した存在であった。

その存在感から様々な映画作品にも登場し、特に「2001年宇宙の旅」では宇宙ステーションへの路線を運航していた。日本国内でも大相撲の賛助や「兼高かおる世界の旅」のメインスポンサーを務める、本社ビル屋上でアメリカ横断ウルトラクイズの決勝戦が行われるなど、海外旅行が一般的になりつつあった時代にあってパンナムという存在は庶民の憧れであった。


特に大相撲パンナム杯はデビッド・ジョーンズ支配人による「ヒョー・ショー・ジョウ!」の(時には方言を交えた)読み上げと42キロの翼の付いた地球儀の巨大なトロフィーで有名だった。1985年のパンナム日本撤退以降も、昭和天皇をはじめとする多くの好角家の声もあって続けられたが、1991年にデビッド・ジョーンズ支配人の体力の限界(実際、翌年に脳梗塞で倒れアメリカに帰らざるを得なくなった)を理由に終了した。


そんな「世界の翼」であったパンナムも1970年代以降のアメリカの規制緩和や経営統合による基盤強化の失敗が重なり経営が悪化、路線網を切り売りしてなんとか存続を図ったものの1988年に爆破テロ(ロッカビー事件)によってトドメを刺された。この事件はカダフィ政権下(当時)のリビアによってアメリカへの報復として実行され、爆弾は日本製のラジカセの中に仕掛けられていた。しかし、さらに悪いことに、経営が傾いていたパンナムはコスト削減を理由に荷物検査を怠っていた事実が露見し、パンナムの経営陣に対する刑事訴追にまで発展した。そして、それから3年後。アメリカのフラッグキャリアとして栄華を誇っていたパンナムは、もはやそれも見る影もなくなり、あえなく倒産した。(ちなみにパンナムは、アメリカン航空ユナイテッド航空トランスワールド航空デルタ航空などに路線や機材を売却していたが、パンナム103便爆破事件の後にトランスワールド航空も800便墜落事故がきっかけで経営破綻し、2001年にアメリカン航空へと吸収された。皮肉にもそれから半年後には9.11が起き、航空業界全体が不況に陥り、ユナイテッド航空とデルタ航空、さらにはノースウエスト航空までもが破産宣告をし、アメリカン航空も破産寸前に追い込まれている)


パンナムの花形路線の一つでもあった日本線及び日本発着の第三国向けの路線は、機材ごとパッケージングされてユナイテッド航空に売却されており、これによりユナイテッド航空は成田発着の以遠権(日本と第三国を結ぶ路線を運航する権利)を獲得している。ちなみにもう一つこれを有していたノースウエスト航空のものは同社と経営統合したデルタ航空が継承したが、現在では両社とも直行便主体の運航に切り替え日本発第三国向けの路線は消失している(なお、ユナイテッドにはコンチネンタル航空との併合に伴い継承した米領グアムとの日本線が存在するが、これは以遠権による運航とは異なる)。移行の過度期には、パンナムの塗装にユナイテッドのロゴを冠した暫定塗装の機体が飛んでいた。


社章は地球儀に独特な書体で「PANAM」と書かれたものであった。(西鉄ライオンズの正式な書体もパンナムから取ったものであり、前身の「クリッパーズ」も西日本鉄道がパンナムの代理店を務めていたことに因んでいた。)

スチュワーデスの制服は青を基調としたもので、奇しくも国際的なライバルであったアエロフロートが対照的に赤い制服が有名で、この2社で対をなしていた。

パンナムのスチュワーデスは日本国有鉄道にも影響を与えており、国鉄時代のつばめガールの制服はパンナムのスチュワーデスの制服を元にしている。

パンアメリカン(PAN AM)航空のCAつばめガアル


倒産後のパンナム

後にブランドの復活を目指し、パンナムの名前で運行を開始した会社もあったが、1996年、1998年の二度に渡り復活したブランドも長続きする事はなかった。2008年の3代目パンナム運行終了後もその親会社であったパンナムシステムズがブランドを保持し子会社パンナム鉄道で使用していたものの2022年に親会社ともどもCSXトランスポーテーションに吸収合併され、ブランドは韓国のファッション会社であるSJグループに転売された。

 またこれとは別に1980年に設立されたパイロットの養成を専門に行う子会社のパンナム・インターナショナル・フライトアカデミーはPAN AMのロゴの継続使用が認められており、そのまま受け継いでいる。同社は本家パンナム社が倒産したあと残った唯一の部門であり、2013年、全日空を中心とする企業グループ、ANAホールディングスの傘下となった。


関連イラスト

パンナムが世界の王者だった

Pan America miku


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