概要
台湾(中華民国)の航空会社。中華航空、CAL。スカイチームのメンバーである。子会社にはタイガーエア台湾がある。
名前が名前なだけに大陸の会社と間違えられ風評被害を受けることが非常に多いのだが、中国大陸ではなく台湾のフラッグ・キャリアということに留意されたし。英語名が似ているここは中国大陸の会社である。
日本を含む世界各地では「チャイナエアライン(China Airlines)」、中国語圏では「中華航空公司」を正式名称とする。台湾では華航(ファーハン)と略されることが多い。
機内食と客室乗務員のチャイナドレス風制服が人気を博している。画像はチャイナドレスの雰囲気がより強かった旧制服である。
しかしながら過去に事故が多発していたことによる評判への悪影響や、先述の通り中国関連で風評被害を受けやすいことが悩みの種となっている(事故に関しては、台湾島内のライバルエバー航空が無傷の安全記録を保持しているためかなり悪目立ちしている)。
1959年、中華民国空軍を辞めたパイロットたちにより設立された。
というのも台湾には既に国際線キャリアとして民航空運公司(シビル・エア・トランスポート、CAT)が存在していたのだが、元々アメリカのCIAの後押しで設立された経緯があり、台湾側が独自の航空会社を欲したという事情があったのである。(前年の1958年に中華民国資本の復興航空は運行を停止していた。)とはいえ、CATに比べればいまひとつ影の薄い存在だった。また、同時期に同じく中華民国資本の下で遠東航空(ファーイースタン航空、2019年に倒産)の設立も行われていた。
ところが、そのCATが1968年2月に台北郊外で墜落事故を起こした(こちらを参照)のを機に、台湾を代表する航空会社へと発展、遠東航空との競争にも勝利し事実上のフラッグキャリアへ成長していくことになる。
日本との関わり合い
日本へは1967年に大阪国際空港と東京国際空港(羽田空港)に乗り入れを始めたが、実はすでにCATが1950年から日本路線を開設していたため、先述のCATの墜落事故までは競合状態となっていた。日本に乗り入れる航空会社が1国につき1社が当たり前だった当時としては、アメリカ(パンアメリカン航空とノースウエスト航空)共々異例であった。
1974年4月21日に日本路線を廃止してしまった。それから約1年後に羽田空港への路線を再開設したが、成田空港開港後も外交上の理由により、東京へ乗り入れる国際線は2002年までは引き続き羽田空港発着を継続した。ただしその一方でそれを使って台湾・台北-羽田-ハワイ(ホノルル)線を運行しており、「東京から手軽に行ける国際線」として親しまれたことがあった。なお、日本発着のハワイ路線は成田-ホノルル線となったが、2017年10月末からは不定期便に格下げされた。さらに、台北-ニューヨーク線の寄港地という格好ではあったが関西国際空港(関空)-ニューヨーク線を運行していた時期もあったがこの関空-ニューヨーク線を運行した航空会社は、実は後にも先にもこのチャイナエアラインだけだったりする(ユナイテッド航空やノースウエスト航空ですら運行したことがない)。
2024年9月時点では、羽田空港、成田空港、関西国際空港、中部国際空港、福岡空港だけでなく、新千歳空港や那覇空港、さらには新石垣空港(石垣島)など、計15カ所に乗り入れている。詳細別途後述。
日本国内の就航地
2024年9月現在。季節便は★印。貨物便ありの空港は◎印。
- 新千歳空港(北海道)
- 成田国際空港(千葉県)◎
- 東京国際空港(東京都)
- 富山空港(富山県)
- 静岡空港(静岡県)
- 中部国際空港(愛知県)◎
- 関西国際空港(大阪府)◎
- 広島空港(広島県)
- 高松空港(香川県)
- 福岡空港(福岡県)
- 熊本空港(熊本県)
- 宮崎空港(宮崎県)
- 鹿児島空港(鹿児島県)
- 那覇空港(沖縄県)
- 新石垣空港(沖縄県)★
事故
1994年4月に名古屋空港で中華航空140便墜落事故(エアバスA300-600R)が発生。中部国際空港建設の構想はこの事故以降に本格化することとなる。
それから約4年後の1998年2月には中正国際空港(現在の台湾桃園国際空港)でチャイナエアライン676便(エアバスA300-600R)が墜落、さらに4年後の2002年5月には澎湖諸島近海でチャイナエアライン611便(ボーイング747-200B)が空中分解。この頃の台湾では「華航四年大限(チャイナエアラインは四年に一度大事故をやらかす)」という都市伝説が囁かれていた。
しかしその後は航空機の安全性・信頼性の向上、パイロットの自社養成や外部の航空会社から整備部門の責任者を招聘、日本航空の退職パイロットを雇い入れるなどして安全性向上に努め、2002年以降は死亡事故を一切起こしていない(2007年に日本の那覇空港で炎上事故を起こした際にも、奇跡的に全員が脱出することが出来た)。