曖昧さ回避
概要
元祖スーパーマーケットチェーンともいえる企業だった。
1957年中内功が「主婦の店ダイエー」として兵庫県神戸市で創業。
「農村から都市を包囲する」の戦術で店舗を拡大。それまでメーカー主導だった価格を販売(もっと言えば消費者)側に決定させようと、数々の試みを行い価格破壊を実現。急速に成長を遂げ、流通業のトップを走るが、バブル崩壊後は郊外型超大規模店舗が台頭、次第に時代に取り残されていった。
しかし阪神淡路大震災の際には自らも被害を受けたなか、国よりも早く日用品や食料品などを調達し、便乗値上げなども行わず(食料品に関してはむしろ激安で)被災者に物を提供するなど、業績は下降しながらもその姿勢は多くの人々に賞賛された。
1989年~2004年迄福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)を所有していた。
実はヴィッセル神戸も1995年にダイエーの所有チーム(運営子会社:オレンジサッカークラブ。ダイエー側資本金比率50%)としてスタートしたのだが、上述の大震災における被害および被災者支援に伴う急激な業績降下によって、ヴィッセル発足からわずか3ヶ月で運営から撤退して資本を引き揚げる事となってしまった。(のち、ヴィッセルは2004年のクリムゾングループへの身売りまで、資金不足に伴う運営ショートの危機にあえぐこととなる)
2007年からは丸紅やイオングループの支援を受け経営再建していた。
嘗ての子会社だったマルエツ同様、棚の品揃えにもTOPVALUが目立つようになる。
2010年にGMSからの撤退を宣言し、食品主体のスーパーをメインにする方針を掲げたものの、当時の業績は好転しなかった。
2015年1月1日付で株式会社イオンの完全子会社となり、この時点では法人格を残しつつ2018年までに店舗ブランドとしての「ダイエー」を消滅させる…はずだった(事実、一部の店舗は「イオン」に業態転換されたほか、イオングループ本体が展開し始めた「フードスタイルストア」「イオンスタイル」を業態転換の如何を問わず取り入れる店舗が多かった)。
その後、「グルメシティ」全店舗を「ダイエー」に転換する方針へと変更され、改装に伴って順次「グルメシティ」から「ダイエー」へ屋号変更する店舗が増加している(一部店舗では「daiei」ロゴと「ÆON FOOD STYLE」ロゴを一体化した「ÆON FOOD STYLE by daiei」のロゴを掲げる場合もある)。
また、イオングループのスーパー再編に伴い、2019年3月に山陽マルナカの店舗を継承し、2021年12月にダイエーに業態転換。2020年3月には近畿地方のマックスバリュを運営している光洋を完全子会社化している(ちなみに光洋は八尾市にあったダイエーの店舗内で誕生した)。
かつては全国に展開していたが、2005年までに多数の地域から撤退し、北海道・首都圏・近畿地方・九州がメインになる。更に2015年から上記の業態転換により北海道・九州・仙台・名古屋などからも撤退し、首都圏と近畿地方のみに集約された。近畿地方についてはほぼ京阪神のみになっていたが、後に滋賀県と奈良県の店舗が復活している。
現在は「イオンフードスタイル」業態(食品メインのスーパーor小型スーパーマーケット)をメインに出店しているが、2022年に4年ぶりとなる「ダイエー」名義での新規出店を行い、商圏が小規模は店舗はダイエーの名で出店するとしている。
2016年3月1日付でダイエーの子会社であるオーパがイオンモールの完全子会社となった(ただし、同時にイオンリテール内にあるビブレ・フォーラス事業部をオーパ側へ統合している)。これにより、ダイエー系列の「OPA」・イオン系列の「FORUS」・旧マイカル系列の「VIVRE」の3ブランドの運営会社が(原則として)1社に統合・集約された。これに伴い、ビブレ及び(純然たるイオン系ながら事業部内で最も存在感の薄い)フォーラス店舗は順次オーパに転換されていく方針である。後にコロナ禍による方針転換により、株式会社オーパはイオンモールに吸収され、地方店舗をイオンモール、都市型店舗を新しく設立された(2代目)オーパが運営する体制に移行。その後はビブレが次々にイオンモールに吸収あるいは業態転換されて減少している。
このため、オーパはダイエー本体とは異なり、現在も東北・北関東・九州・沖縄などにも店舗を持っている。
以上の経緯から一時は「ゾンビ企業」の代表として経営状況を槍玉に挙げられ「国営スーパー」と揶揄されるなどブランドの存続危機にまでに陥っていた…どころかいずれブランドを廃止する流れにまでなっていたダイエーであるが、イオンの完全子会社になってからはむしろ以前よりも優遇されている様にも思える。
ドムドムハンバーガーを筆頭に、昭和後期~平成初期ノスタルジーを感じさせる場所として貴重な存在にもなっている。
ロゴ
現時点で4タイプある。
最初期のロゴは「主婦の店」の「主」の漢字をデザインしたもの。
その後、全国展開を始めた頃の1962年に正式な初代ロゴを制定。流線型のDの中心にS(Store・Shop・Shufuの頭文字)が模られた赤文字のデザインとなっており、古参店舗の多くはこのロゴで開業している。
そして知名度が高いであろう2代目ロゴは上弦の月を象ったもの。かつてのダイエーの繁栄の象徴にもなっており、1975年から約30年に渡り使用された。メインのオレンジ色の他に緑色のタイプがあったが、オレンジだけだと「日の丸」を想起させるという政治的判断により2パターンの配色が用意されたという。
2005年12月に経営再建に伴い現在の3代目ロゴ(メイン画像)に変更。小文字の「d」と感嘆符の「!」をモチーフにしており、屋号表記も「Daıeı」(「i」は上の点が無い)から全て小文字の「daiei」に変更、ロゴデザイン・フォント共に可愛らしさを強調している。イメージカラーはオレンジを継承したが、2代目より明るい。
イオンの完全子会社化後も3代目ロゴを引き続き使用しており、「イオンフードスタイル」店舗の一部にも掲げられているのだが、2020年代からは部分的に2代目ロゴが復活しつつある(食品コンビニ型の新業態「CoDeli」のDが2代目ロゴモチーフ)。