概要
ドムドムハンバーガーとは、日本で最古のハンバーガーチェーン店である(沖縄県には既にA&Wがあったが、1970年時点の沖縄県は米国統治下にあった)。
店名は親会社のダイエーの理念である「良い品をどんどん安く」に由来するが「どんどん(DONDON)」が既に商標登録されていたため、少し捻って「DOMDOM」を店名とした。
創設者・中内功がダイエーの完全子会社オレンジフードコートの経営の下、マクドナルドが日本に進出する一年前に町田に第一号店をオープンさせた。
その後、食の西洋化やファストフードチェーンの国内における本格的な進出・普及の波に乗り、ドムドムも全国展開を行い店舗数を拡大、1990年代には350店舗を突破したこともあった。
お好み焼きバーガーやチキンナゲットバーガーなど独特なメニューを出しているが、ロッテリアがそれ以上に個性的過ぎるためか、いかんせん影が薄い。
親会社だったダイエーの経営不振に伴う相次ぐ閉鎖により、2022年時点で国内に現存するのは30店舗にも満たない。
「え、まだドムドムって存在したの?」は禁句である。
モスバーガーやロッテリアなど後発組の台頭により目立たない存在となってしまったドムドムだが、前述の通り一昔前は全国のあちこちに店舗が存在し、なおかつまだ同業他社が参入しておらず、独占的に営業していた地域も多いため、前述の独特で印象的なメニュー展開も手伝い、今も各地に根強いファンが点在しているのもまた事実である。
80~90年代、「地元の手軽なファストフードと言えばドムドム」だったという人は少なくないのではないだろうか。
2017年に入ると店舗の閉店にますます歯止めが利かなくなり、わずか数ヶ月で一気に約半分の36店舗にまで減少。本格的に絶滅危惧種の様相を呈しはじめた。
このような状態のためか、ついにオレンジフードコートが事業を手放す事態となり、5月にホテルや不動産事業などを手がけるレンブラントホールディングスに買収されることが決定した。
レンブラントホールディングスに買収後はメニューの見直しを図るのを皮切りに、ロゴマークや社員の制服も変更するなど、様々な面で改革を実施している。
ちなみに、ドムドムのシンボルでもある印象的な象のブランドロゴ(公式名「どむぞうくん」)は、どむぞうくんの周囲に楕円形の縁取りが追加された程度で大きな変更はほとんど行われておらず、旧来のファンを一安心させた。
リニューアルはWEB上の公式サイトも同様で、従来の大規模チェーン店の公式サイトとしてはあまりに時代錯誤なiモード用の貧相なデザインから一転、現代風の立派なものに変わり、ツイッターとフェイスブック用公式アカウントもオープンした。
他にも、メニュー面では9月に18年ぶりにお好み焼きバーガーを復活させ、決算を7%回復させたほか、再始動に伴い近い将来、さらに50〜100店舗の展開を目指す計画も発表。
その第一歩なのか、12月にはおよそ6年ぶりに新店舗がオープンする(参考)など、再起に向けて攻勢を強めていく姿勢を明確にしている。
現況
来客にリピーターが多いためなのか店舗数が少ないにもかかわらず月一で新作を出すという中々の強気な業務形態を取っている。ただし、新作バーガーは基本三ヶ月は継続販売されるので二ヶ月前の限定バーガーと一緒に買えたりする。
2019年10月には増税直後にもかかわらずソフトシェルクラブをそのまま具材に使用した「丸ごとカニバーガー」を990円という高値で販売するも、これが予想外の反響で久々の大ヒット商品となった。本来は在庫準備に手間のかかる関係から通常よりも短期間で販売を切る予定だったが急遽在庫追加を発表し、一部店舗では他の商品同様三ヶ月後も普通に買えたりした。
一方出店に関しては姫路以降追加がなくむしろさらに減り続けている危機に見舞われ、とうとう30店舗を切ってしまった。
創業者が大阪人なのもあってどちらかというと東京より大阪のほうが店舗が多かったが、2019年9月にはレンブラント買収後最初の会見を開いた拠点だったイオン京橋店が建物の老朽化と府の再開発計画エリアに含まれていたことからイオンごと閉店してしまった。
さらに東京23区の旗艦店だったイオン赤羽北本通り店も建物の建て替えに伴い閉店。これによりマルエツ大泉学園店が(下記の浅草花やしき店オープンまで)23区内唯一のドムドムになってしまった。
最近は野外イベントでの露店に力を入れており、特に青山学院大学の9月の学祭には二年連続で出店している。特殊な例だと声優の田村ゆかりが幕張メッセで開いたイベントで出店したことも。
2020年のCOVID-19蔓延で緊急事態宣言が発動された時には、なんと主力メニューの甘辛チキンバーガーのレシピを公開するという大胆な行動に出た(包み紙付き)。
また、2020年9月には「日本最古」つながりで浅草花やしきに新店舗をオープンさせるという、長引くコロナ禍の中でも攻めの姿勢を見せている。
前述の通り、わずかにマルエツ大泉学園店の1店舗を残すのみとなっていた東京23区内では久々の新規出店であり、また浅草花やしき園内という立地は電車でのアクセスも良いため、話題性は十分といえる。
なお、「浅草花やしき店」はテイクアウト専門店であり、イートインはできない(花やしき園内では共有スペースで飲食可能)ものの、園内はもちろん園外にも販売窓口が設置されるため、園外からでも商品購入が可能とのこと。
2023年にはイオン赤羽北本通り店の跡地に建設されたイオンスタイル赤羽内にも再出店している。
2024年9月にはダイエー東大島店にも出店。生粋のダイエーではなく元・忠実屋の店舗だったためか、実はこの店舗内に出店するのは初であり、ドムドム撤退後にマクドナルド等が出店するパターンが続いた中、こちらはマクドナルド跡地に出店する逆パターンである。ちなみにかつては閉店したダイエー大島店内にも出店しており、ドムドムが大島地区に再進出したことになる。
日本最古のハンバーガーチェーンのドムドムには頑張って欲しいものである。
外部リンク
関連タグ
厚木市:現本社レンブラントホールディングスのある場所。新形態後の初店舗はここに出来たが2020年12月に惜しまれつつ閉店となってしまった。
田村ゆかり:ここのファーストフードのファン。上述したように自身のイベントでコラボし、オリジナル商品ゆかりチキンバーガーセットを販売。
新田恵海:2018年に年間ご優待パスポートをもらった。
陰の実力者になりたくて!:小説家になろうのライトノベル。何と本作とのタイアップを行った事がある。
ポッポ:イトーヨーカドーのファーストフード店。イトーヨーカドー地方撤退とともに、ドムドム同様の懐かしスポットと化している。
円盤獣ドムドム:「ドムドム」という名称繋がり。UFOロボグレンダイザーに登場する敵メカ「円盤獣」の一体。