解説
太陽を描いた旗なのだが、朝日や夕日ではない単なる太陽は「黄色」か「白」で描く文化が世界的には多く、太陽を赤く描く習慣は日本以外では一般的ではない(日本の国名の意味から考えると、日の丸は昇る朝日を描いたものという解釈が自然である)。
なお、陸・海軍や海上自衛隊の旗は、赤の光芒が加わった旭日旗であり、同じく太陽を描いたものではあるが日の丸とは別物。
歴史
日本では、太陽を描いた旗やのぼりは古代から存在したが、古代において一般的なデザインは「赤地に金の丸」であり、「白地に赤の丸」が派生したのは中世になる。それ以来広く使われていたデザインである。
公的な旗印としては、琉球王国が中国大陸への進貢船に日の丸を使ったのが最初ともいわれる(中国への進貢船は14世紀までさかのぼるが、いつから日の丸を掲げたのかは定かではない)。室町時代の勘合貿易や、江戸時代の朱印船貿易においても、正式な貿易許可を得た貿易船は日本の船であることを示す目的で日の丸の旗を使用していた。鎖国時代にも幕府は御用船に日の丸を掲げることがあった。幕末に日本船籍を表す旗(船舶旗)に定められたのも、これらの伝統を踏まえたものである。
戊辰戦争で幕府が消滅した後は新政府に引き継がれ、明治3年に太政官布告の商船規則により日本の船舶旗として規定された。そしてそのままのデザインで陸上でも使われるようになり(外国だと船舶旗と国旗のデザインが違う国も多い)、社会的にも法律的にも日本の国旗として扱われるようになる。
明治以来、日の丸は慣例上の国旗として内外ともに広く受け入れられていたが、平成11年に国旗及び国歌に関する法律(国旗国歌法)が公布され、改めて正式に日本国旗(兼船舶旗)として定められた。
世界の仲間
アルゼンチン、ウルグアイ、中華民国、フィリピン、キリバス、バングラデシュ、カザフスタン、キルギス、ナミビア、マラウィ、チベットなどの国旗に、太陽が主なモチーフとして使われている。
上述したとおり、国旗などの図案で表される太陽は、たいていは黄色か白であり、赤い太陽をあしらったバングラデシュの国旗は日章旗との関係を強く想起させるが、バングラデシュ政府が公式にそれらを肯定または否定する見解を示したことはない。ただ、初代大統領ムジブル・ラフマンの娘で、自身もバングラデシュ首相となったシェイク・ハシナは、国旗について「父ムジブルは、日本の日の丸から国旗を参考にした」とインタビューで答えたことがある。ヨーロッパの伝統的な描画では、太陽や月に顔を描く事がよくあり、アルゼンチンとウルグアイの「五月の太陽」は、文化の違いを強く感じさせる。
見た感じが日章旗に似ている韓国の旗(太極旗)は太極図をアレンジしたもの、パラオの旗は満月を描いたものであり、意味合いとしては別カテゴリーに属する。
絵にするには
デザインが簡単なので、そのまま描いてしまうと、ブラウザでは背景が白なので、閲覧しても「単なる赤い丸」になってしまう危険が大きい。
そのため、あくまでも絵の一部として使われるのがpixivでは一般的である。
背景。おめでたい題材に使われる事が多い。
情景の一部。日本では平日から国旗を揚げている事が滅多にないので、単なる背景という使い方はあまりない。
デザインの一環。単純な形態をセンス良く仕上げるのは絵師の腕の見せ所。
赤丸。厳密には日の丸ではないが、デザイン的には仲間。
色を反転させた「赤地に白丸」の旗も、日の丸の仲間である。むしろこちらが原形に近いかもしれない。