概要
このネットワークはTBSをキー局に全国の民放28局から構成されるニュース系列。
また、このネットワークの成立は1958年と日本最初の民放ネットワークであり系列局は「○○放送」という名前が多く、ラジオ放送も行っていることが多い。そして昭和時代に多くの局が加盟したため平成新局が少ないのも特徴。
日本最初の民放ネットワークでありながら、秋田県、福井県、徳島県、佐賀県に系列局はなく、隣接する県のJNN加盟局(それぞれIBC岩手放送、北陸放送および毎日放送、毎日放送、RKB毎日放送および長崎放送)が取材を担当している。また現在においては全ての局がTBS系シングルネット局でクロスネット局は1局もない。これには後述するJNN排他協定が絡むこと及び平成新局設立時代にクロスネット解消を強力に推し進めたことによる。
他の系列局に比べてリモコンID番号の統一率が低く、老舗民放ではIDが1が多く、西日本の多くの地域では3かMBSと同じ4が使用されている傾向がある。
JNN排他協定
「テレビニュースに関するネットワーク協定」の通称。以下の内容が協定で定められている。
- JNNの名を冠したニュース番組は必ず同時ネットをする
- 他のニュースネットワーク(ANN・NNN・FNN)へのニュース素材の提供禁止
- 他系列のニュース番組のネット禁止(自社制作やバラエティー番組の映像提供はOK)
しかし、実際の所「違反した系列局にペナルティを下した」例は確認されておらず、そもそも違反時の罰則に関する要項が存在するかどうかも不明である。
事実、緊急時に系列外同時ネット番組への他系列ニュースの入中が発生する等止むを得ない場合は、他系列のニュースを放送した例もある他、緊急時の災害報道ではTBS系列局がネット受けした他系列番組(例えばNET→テレビ朝日『モーニングショー』、フジテレビ『小川宏ショー』)に中継で入中した例もある。
実例として、2013年1月14日に宮崎放送がネット(共同制作機構にも参加。正式なNNN加盟局であるテレビ宮崎はNNS非加盟、全国高等学校サッカー選手権大会も不参加)予定だった全国高等学校サッカー選手権大会・決勝戦(日本テレビ幹事・民間放送43社共同制作)が大雪のため中止となり、同時ネット予定だった局にはMRTや独立放送局を含め、日本テレビから番組名の変更を加えず、同番組内における緊急報道特別番組相当の内容も「NNN」の冠を外した上で配信されている。
TBSネットワーク
JNNの付帯事業として行われるニュース番組以外の番組供給ネットワーク。
こちらに関しては一応JNN排他協定の影響は受けないため全国ネット番組をローカル局判断で差し替えもできるが、他のネットワークと異なり、「系列局の判断でローカル放送に切り替えた場合、放送できなくなる」こともあり、全国ネット枠で差し替えを行う放送局はスポーツ関連(他局が中継を行う番組が該当地域に他局の系列局がないため、やむを得ずTBSにおける該当局に移譲して放送するケースが多い)など、よほどの事態がない限りは行われない。著名な例ではFIFAワールドカップ日本戦や夏季オリンピック女子マラソンの時の青森テレビ、山陰放送、テレビ山口が挙げられる。
また、他の放送局に比べ制作した番組の販売も少ない。
ただし、九州などに多い民間放送教育協会(テレビおよびラジオの教育番組の制作及び番組供給事業を実施する公益法人、文化放送およびNET→テレビ朝日の力が強い)加盟局は配慮の上、放送可能となっている。
加盟局(太字は基幹局)
放送局名 | 放送対象地域 |
---|---|
北海道放送 | 北海道 |
青森テレビ | 青森県 |
IBC岩手放送 | 岩手県 |
東北放送 | 宮城県 |
テレビユー山形 | 山形県 |
テレビユー福島 | 福島県 |
TBSテレビ | 関東広域圏 |
テレビ山梨 | 山梨県 |
静岡放送 | 静岡県 |
信越放送 | 長野県 |
新潟放送 | 新潟県 |
チューリップテレビ | 富山県 |
北陸放送 | 石川県 |
CBCテレビ | 中京広域圏 |
毎日放送 | 近畿広域圏 |
山陽放送 | 岡山県・香川県 |
中国放送 | 広島県 |
山陰放送 | 鳥取県・島根県 |
テレビ山口 | 山口県 |
あいテレビ | 愛媛県 |
テレビ高知 | 高知県 |
RKB毎日放送 | 福岡県 |
熊本放送 | 熊本県 |
大分放送 | 大分県 |
長崎放送 | 長崎県 |
宮崎放送 | 宮崎県 |
南日本放送 | 鹿児島県 |
琉球放送 | 沖縄県 |
JNNをつけた主な番組
タイトルにJNNを付け、報道のTBSを支えた(ただし足を引っ張ったものもあったが)番組の一部を、ここに紹介する。
JNNニュースコープ
1962年10月から1990年3月の18時半から(終了時刻は時代により異なる)の時間、27年半にかけて放送された、大型ニュース番組の走りともいえる存在。田英夫(共同通信)、古谷綱正、田畑光永(いずれも毎日新聞)、入江徳郎(朝日新聞)、新堀俊明(TBS記者)、戸川猪佐武、藤原弘達(いずれも政治評論家) 、浅野輔(国際商科大学教授)、吉川美代子、三雲孝江、松下賢治(いずれもTBSアナウンサー)といった名キャスターを輩出した。
JNNニュースの森
上記のJNNニュースコープの後継番組として1990年4月にスタート。こちらも荒川強啓、久和ひとみといった名キャスターを輩出したほか、進藤晶子、小川知子、小倉弘子といった、TBSの看板女子アナがメインキャスターを務めている。だが全体的には「スーパータイム」(フジテレビ系列局)や「NNNニュースプラス1」(日本テレビ系列局ほか)、さらには「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日系列局、ただし一部系列局除く)やテレビ東京のアニメ(ポケモンショック以前)にやや押され気味だった。2005年3月終了。
JNNイブニング・ニュース
JNNニュースの森の後継として2005年3月末にスタート。JNNニュースコープ最後のアシスタントキャスターだった三雲孝江をメインに据えた。2009年3月に終了したが、この番組の終了後、「JNN」をタイトルの頭につけた大型ニュース番組は(選挙特番も含め)放送されていない(ミニ番組としては、1962年から放送されている、3分から6分程度の「JNNフラッシュニュース」が今でも存在してはいる)。
JNNおはようニュース&スポーツ
1983年4月から1991年3月まで放送された。朝6時台の30分のニュース番組の先駆けとも言える存在。大相撲の場所中には、前日の主要取り組みを伝える「スポニチ大相撲ハイライト」をこの番組で放送した。
JNNニュース22プライムタイム
1987年10月に鳴り物入りでスタートさせた平日22時台の報道番組。打倒『ニュースステーション』(一部系列局除くテレビ朝日系列局、久米宏がメインキャスターを務める、Nステ)を目指し、当初黒柳徹子をキャスターに起用しようとしたが失敗、さらに筑紫哲也にもキャスター就任を打診したもののテレビ朝日から「引き抜きだ」と反発、朝日新聞とTBSのトップ会談に発展したがTBSは引き下がった。結局『Nステ』に視聴率で勝てず、メインキャスターであった森本毅郎が雑誌『フライデー』で不倫現場を報じられ謹慎する、スポンサーのリクルートコスモスがリクルート事件に関連するなどが原因で、わずか1年で打ち切られ、その後報道番組『JNNニュースデスク'88/'89』を放送したが、1年で廃止された。この番組の大転倒が、その後のTBSの大凋落の引き金になったといえる。まさにTBSの黒歴史の一つである。もっとも、この番組のおかげで「筑紫哲也 NEWS23」の大枠ができたことを記述しておく。
JNN報道特集
1980年10月から2008年3月まで放送された、ニュースバラエティーショー。日曜の夕方で「サザエさん」(後に「ちびまる子ちゃん」も加わる)に負けた印象があるが、取り扱ったネタによっては「サザエさん」に並んでしまったこともごくたまにあった。また、元々は土曜深夜の番組だった。1992年10月にアシスタントに阿川佐和子が加わるまでは男性(フリージャーナリストの蟹瀬誠一以外は全て毎日新聞記者かTBS報道部記者)しか出てこなかったため、「相変わらずの(むさ苦しい)3人が、お伝えします」という自虐スポットCMが放送されたことがあった。ただし1997年3月から番組終了までは美人ジャーナリストとして知られる田丸美寿々がメインキャスターを務めた。2008年4月以降は「報道特集NEXT」に名前を変え土曜17:30-19:00にお引越し。そして2010年4月には「報道特集」と題してリニューアルし、2020年年末現在でも土曜17:30-18:50にて放送中。
関連項目
TBS
他のネットワーク:FNN Nippon_News_Network All-Nippon_News_Network /TXN(本来は先の3つと違い番組供給上のネットワークだがニュースのネットワークも兼ねている)