概要
元陸軍中尉の手記を脚色し、B級・C級戦犯の悲劇を描いたテレビドラマ。および映画。
だが、作品の悲劇性とは裏腹に、pixivでは女の子の水着とかが貝だったらそれになりたいという下心を表したイラストが多い。
解説
元陸軍中尉・加藤哲太郎の手記「狂える戦犯死刑囚」を橋本忍の脚色で映像化したドラマ、映画。
平凡な一市民であった理髪師・清水豊松が太平洋戦争に召集され、人殺しに慣れさせようとする上官の命令により嫌々ながらも捕虜を殺害。戦後、無事帰還するも「無抵抗の捕虜を殺害した罪」で死刑になるという、B級・C級戦犯の悲劇を描く。
詳細は外部リンクを参照。
1958年にフランキー堺主演のテレビドラマが放送されると大反響を呼び、翌1959年に同じく堺主演で東宝系での映画化となった。
TBSの前身であるラジオ東京テレビ(KRT)制作で、以後の派生作品にも必ず同局が関与している。
リメイク版として1994年には所ジョージ主演でTBSでテレビドラマが、2008年にはSMAPの中居正広主演の映画が公開された。
批判・問題点
- 本作の元になった手記「狂える戦犯死刑囚」では、主人公のモデルになった人物は曹長となっているが、本作の主人公は二等兵となっている。
- ところが、実際にはBC級戦犯として処刑されたのは下士官以上、つまり、自分の行なった行為や部下に下した命令に責任を負うべき立場だった者がほとんどであり、兵卒つまり「命令された事をやるべき立場だった者」が処刑されたケースは数えるほどしか無い。
- おそらく、この改変は本作を誰にも起き得た/起き得る物語として描く意図が有ったと思われるが、この改変によって、製作者サイドの意図とは逆に極めて稀なレアケースについての物語になってしまった。
- 要は、この脚色・改変によって「本作の主人公は『上官の命令無しに捕虜を虐待・殺害したなどの捕虜虐待・殺害容疑の中でもかなりの異常ケース』の"容疑をかけられたが完全な冤罪"或いは"その異常ケースを、本当にやったやべえ奴"の両極端のどちらかでないと辻褄が合わない(そして、冤罪なら作品のテーマそのものが変ってしまうし、本当にやったなら言ってる事の全てが「どのツラ下げて被害者ヅラしてるんだ?」でしかなくなる)」という製作者サイドが意図しない解釈・批判の余地が出来てしまったのである。
- しかも、本作が下手に名作だったせいで、日本国内において「BC級戦犯として処刑された兵卒が少なくない数居た」という誤解が広まる結果となってしまった。
しかし見方を変えれば手記を書いた加藤の再審請求や減刑が叶わなかったフィクションでのIFとして書かれている。
外部リンク
関連タグ
サウダージ/ポルノグラフィティ:「海の底で物言わぬ貝になりたい」という歌詞を含む
吹雪貝:「貝になれ!」
貝殻ビキニ / 貝殻水着 / 貝ビキニ / 貝水着 / 貝ブラ / 貝パン / 人魚 / マーメイド
けれど、こんど生れかわるならば、
いや、私は人間になりたくありません。
牛や馬にも生れません、人間にいじめられますから。
どうしても生れかわらなければならないのなら、私は貝になりたいと思います。
貝ならば海の深い底の岩にヘバリついて何の心配もありません。
兵隊にとられることもない。戦争もない。
妻や子供を心配することもない。
どうしても生まれかわらなければならないのなら、私は貝に生まれるつもりです。
— 加藤哲太郎(志村郁夫名義)、『あれから七年――学徒戦犯の獄中からの手紙』より 外部リンクから抜粋