プロフィール
デビューまでの経歴
小学生の頃はプラモデルに熱中していた。中学校ではテニス部で活動しつつ、独学でギターを始める。
錦城高等学校を卒業後、一浪を経て拓殖大学に入学。しかし授業にはあまり出席せず、一年で退学する。退学の理由については「学費の納入を忘れたから」とされていたが、NHK『ファミリーヒストリー』に出演した際に「授業の取り方を間違えて単位があまり取得できず、留年が決まっていたから」であると本当の理由を明かしている。
退学と前後して、音楽プロデューサーの北島肇にデモテープが評価され業界入りする。しかし、オーディションには落ち続けていた。
のちに北島と組んで所のプロデュースを担当することになる河原崎直彦が、当時ダウン・タウン・ブギウギ・バンドも担当していた縁で宇崎竜童と知り合い、同バンドのボーヤ(付き人)としてライブでの前座を務めるようになる。
このとき、芸名が必要だということで、宇崎から「所ジョージ」と名付けられた(※詳細は後述)。
歌手・所ジョージ
1977年、シングル「ギャンブル狂騒曲」にてデビュー。
タレントとしての知名度は日本トップクラスなメジャーなのに、楽曲の知名度はインディーズ級という、知る人ぞ知るシンガーソングライター。
「全日本 商売で歌をつくってんだからこの次のCDはどうすんの会」会長。
「マジカル頭脳パワー!!」において頭脳指数1000点取る頭で作詞作曲をすると、他に比類無き「所ソング」が出来上がる。
デビュー以来発表したオリジナルアルバムは20枚超。だいたいファンが忘れた頃に新作をリリース。2000年代以降は他の歌手への楽曲提供も盛ん。デビュー時からの音楽仲間は、ALFEEの坂崎幸之助。2014年、自主レーベル「JAM CRACKER RECORD」を立ち上げる。
2012年には「世田谷一郎チャンネル」をYouTubeに開設し「最近の唄」と称した楽曲群を多数発表。これをベースに1年に1枚ペースでアルバムを発表するなど旺盛な楽曲製作活動を日本の音楽業界の水面下で展開。なお、チャンネル名を2021年に「SETAGAYA BASE 工作部」へ変更。そして2022年、所ジョージのとある意向により、惜しまれつつ閉鎖された。一方2019年8月からは「所さんの97チャンネル」というチャンネルも開設しており、そちらは現在も継続。前者の閉鎖から半年後には最近の唄の配信も不定期ながら再開された。
歌の多くはいわゆるコミックソングであり、
- コント的、ダジャレ、面白いメロディー、すなわちコミックソング方面:『寿司屋』『スブタ』『組曲・冬の情景』他
- 既存の歌のパロディ・リスペクトで笑いをとる方面:『西武園恋歌』『勝手に千葉でシンドバット』『泳げたいやき屋のおじさん』他
- 自身の身の回りや体験談、趣味をそのまま歌にする方面:『森田さん家に持ってった笹ガレイの干物』『ポーク ストレイツ』『TRANS AM』他
また、上記とはうってかわって、
- 家族や友人への感謝を歌い上げるなど、素直にイイ歌方面:『女房にします」』『騒いでいようぜ』『ご自由にどうぞ』他
など、多様な方面に分かれている。真面目に聞いてみると、思わず泣けてきたり、素直に良い歌も多いのである。
ところが一方で、
- 世相批判、社会風刺方面:『君こそスター誕生』『駅前のワシントン条約』『兄弟農地』他
- 人間風刺方面:『銀座アンノン娘』『JUMPING JACK CLASH』『アピール』他
風刺性が強く、過激な歌詞を詰め込んだものも少なからずあり(中には放送禁止や発売自粛になった歌も)、テレビではあまり見られない「毒性」を、楽曲にみることが出来る。
変わったところでは、格闘家・所英男と苗字が同じという縁で、入場テーマ曲『逆境ファイター』を提供している。(ただし、ジョージの方は芸名である。英男の方は本名。英男の出身地の岐阜県では『所』の名字は比較的多いようである)
なお、自身がテレビタレントとして出演する番組のテーマソングやCMソングもしばしば自分で作詞作曲している。知名度が高いところで言えば、ジャンボ宝くじのサウンドロゴも所の作品である。
曲作りに関して、本人は「さまざまなものがあるが、ベースは吉田拓郎とレッド・ツェッペリンにあるのではないか」と振り返っている。
テレビタレント・所ジョージ
デビュー後よりオールナイトニッポンのメインパーソナリティー、またテレビ東京の番組出演を皮切りに、現在のテレビタレント・司会者、所ジョージの活動が始まる。『所さん』というそのキャラクター性によるものなのか、メイン出演番組は長寿番組化する事が多く、また2000年代以降、後述する趣味人としての生き様も注目されるにともなって、好きなタレントの上位に毎年ランクインするという、日本を代表するテレビタレントのひとりである(とは言え、1980年代は当時のキャラクターから、嫌いなタレント上位だったという変わった経歴も持つ)。
一番、世に知られた姿であるため、詳しくは割愛。
趣味人・所ジョージ
趣味人であり『世田谷ベース』という事務所を兼ねた趣味の宝庫を持っている。
世代的なものなのか、アメリカ文化に対する思い入れが強く、特にアメ車に関して並々ならぬこだわりを持つ。
2009年から友人のビートたけしと共に、フィクションスクープマガジン『FAMOSO』を出版している。また、NHKの番組で知り合った縁で、赤塚不二夫、タモリ、明石家さんまなどとも深い関係を持つ。
何かの番組でたけし(所はたけしを「おじさん」と呼ぶ)と共演すると、双方往年の名作をやってくれることも多い。
他にも島田紳助や志村けんと親しく、テレビでもたびたび共演していた。
THE ALFEEとも同学年ということから親交があり、特に坂崎幸之助とは音楽的な趣味が近く、「幸ちゃん」「所」と呼び合う仲である。
真面目にやっているゴルフでは、アイアンショットが劇的に簡単になるゴルフクラブ『ドラップハンマーアイアン』を発明した・・・・・のだが、
『ゴルフに使われる道具は伝統的な形状の物でなければならない』
というルールに引っかかり公式戦では使えなくなってしまった。
桑田佳祐は著書『素敵な夢を叶えましょう』で「一人の人間としてリスペクトしている」と絶賛している(所曰く、だったらギターの1本でもくれ)。
俳優・所ジョージ
俳優業もこなしていた時期もあり、テレビドラマにも出演作多数。また映画にも出演しており、特記すべきは黒澤明監督作品『まあだだよ』にメインのひとりで出演。
同作により日本アカデミー賞・助演男優賞受賞。
声優業についてもアルフやディズニー映画トイストーリーのバズ、崖の上のポニョのフジモトとしても有名。
Pixivにはこれらのイラストに『所ジョージ』タグがつけられる傾向がある。
『デジタル所さん』という、本人出演のアニメも放送されていた。
すなわち、黒澤監督作品、宮崎駿監督作品、ディズニー作品の3本に出演経験があるという希有な人物。
その他のエピソード
- デビュー前、オーディションに落ち続けていたところをプロデューサーに連れられて宇崎竜童に会う。このとき、タバコを1カートンこっそりテーブルの下から差し出し、「これ、ワイロです」と囁いたことで、ライブの前座に誘われボーヤになった。
- 芸名の由来については柳ジョージをモチーフに「所沢の柳ジョージ」から付けられたという説があるほか、「所」はそのまま、「外国人っぽい名前がいいんじゃないか」「自分(宇崎)の本名がシュージだからジョージなんてどうだ」と名付けたという説もあり、実際のところは不明である。
- 宇崎からは『TOKYOナイト&デイ』で詞の提供を受けているが、この楽曲は現在唯一所が作詞・作曲を両方手がけていない楽曲である。
- 自身の経験から熱中症の危険性を知らせる啓蒙活動に熱心であり、大塚製薬が発売した経口補水液OS-1の宣伝タレントとしても出演している。きっかけとなった2010年夏には、農作業中に熱中症で救急搬送された。しかも報道されていないがその年はさらに車の中で再び熱中症に見舞われ、同じく救急車で運ばれたという。この経験から熱中症への危機管理を知らせる活動に余念がないが、あまりに救急車で運ばれ過ぎたせいで、妻に「救急車買えば?」と冗談で言われたという。
- 自身が主人公のタレントゲームも幾つか出しており、1987年に発売された「所さんのまもるもせめるも」を皮切りに90年代前半には麻雀ゲームを数本発売し、2000年には「所さんの大富豪」「所さんの世田谷カントリークラブ」を発売している。
こうやって記事まとめてみて思うのは、正体のつかみきれない、日本屈指のマルチタレントだと、つくづく、つくづく。すんごいですねッ!!
- 2013年頃には「俺が還暦を迎えてもTVに出れるのかな」と仲の良い友人達に話していたことがあり、60歳で引退かと思われたが、2024年現在でも芸能活動を続けている。
ディスコグラフィー
オリジナルアルバム
- 1977年:ジョージ・ファースト 現金に手を出せ!!
- 1978年:ジョージのセロリ・パセリ
- 1978年:成りさがり -大学くらいは出たかった-
- 1979年:Revenge Of Hong Kong ホング・コングの逆襲
- 1980年:みんな不良少年だった
- 1981年:FUEL ALBUM
- 1983年:PILE DRIVER
- 1984年:FROM TOKOROZAWA WITH LOVE ~所沢より愛をこめて
- 1987年:BLUE LIGHT CHINATOWN
- 1988年:HEAVY LIGHT
- 1989年:NIGHT OF COYOTE コヨーテの夜
- 1991年:ホテル・チャイナタウン
- 1996年:僕の犬
- 1997年:ブタとダイヤモンド
- 1999年:洗濯脱水
- 2001年:DISH
- 2002年:本物
- 2006年:安全第二
- 2007年:SETAGAYA MUSIC BASE
- 2010年:コケコッコゥ!!〜七色の声色〜
- 2012年:ハーレーの唄
- 2014年:JAM CRACKER 1
- 2014年:JAM CRACKER 2
- 2015年:JAM CRACKER MUSIC 3
- 2016年:Sale
- 2017年:GARAGE MUSIC
- 2018年:Bappan
- 2020年:MUSIC SMOKERS #1
- 2021年:MUSIC SMOKERS #2
- 2022年:MUSIC SMOKERS #3
- 2022年:MUSIC SMOKERS #4
ライブアルバム
- 1979年:LIVE 追跡
- 2000年:LIVE 絶滅の危機(VHS及びDVDも発売)
ベストアルバム・企画アルバム
- 1984年:所ジョージ史上最大全集しょのいち
- 1997年:20周年カニバーサミー
- 1997年:20周年カニバーサミー2
- 1998年:ツーハーン
- 1999年:シーハーン
- 1999年:所ジョージシングル大全集 NOW AND THEN '77〜'82 & '96〜'98
- 2009年:所さんのキャニオン・イヤーズ〜若い頃からバカだった〜
- 2011年:所ジョージ ゴールデン☆ベスト
上記他、シングルが30枚以上発表。また、他の歌手に提供した楽曲も多数。
YouTube開設の『SETAGAYA BASE 工作部』チャンネルで発表した楽曲も多数。
さらにテレビで披露されたもののどこにも収録されていない楽曲も多数。
外部リンク
SETAGAYA BASE 工作部 (公式YouTubeチャンネル) 2022年閉鎖
所さんの世田谷ベース (BSフジ公式サイト内番組紹介)