「無限の彼方へ、さあ行くぞ!」
「飛んでるんじゃない、落ちてるだけだ。かっこつけてな」
概要
CV:ティム・アレン(原語版)、所ジョージ(映画版吹替)、鈴木亮平(映画「バズ・ライトイヤー」吹替)、稲葉実(その他媒体での吹替)
劇中劇『スペースレンジャー(原語版タイトル:Buzz Lightyear of Star Command)』に登場するキャラクターを題材にした最新型のオモチャで、体にいろいろな仕掛けがある。
1995年、ウッディの持ち主であるアンディの誕生日プレゼントとしてやってきた。当初は自分を大量生産されたオモチャではなく本物のスペースレンジャーだと思い込んでおり、他のアンディのオモチャたちとも頓珍漢な会話を繰り返していたが、仲間たちはそれも彼の個性として受け入れていた。
しかし、ウッディはアンディの一番のお気に入りとしての立場を掠め取った彼に対して嫉妬心を抱き、事あるごとに衝突する。
後に、アンディの部屋から転がり落ちた後の諸々の経緯を経て自分がオモチャだと自覚し、同時にウッディと苦難を乗り越えたことで和解。アンディのオモチャたちのサブリーダー的存在として、ウッディとは有事の際には抜群のコンビネーションで危機を乗り越える相棒とも呼ぶべき親友となる。
人物
白と黄緑色をベースとした近未来風のスペーススーツ(宇宙服)を纏ったタフガイ。大きな丸い目と太い顎が特徴。顎先端に謎の渦巻き模様がある。
原作のスペースレンジャーを意識した様々なギミックが搭載されたアクション玩具で、右腕のボタンを押すとレーザー光線を放ち(当然オモチャなので赤いランプと発射音がループするだけ、出力を上げることも出来るらしくその際には発射音が高くなり点滅も激しくなる)、胸のボタンは翼の開閉、背中のボタンを押すとカラテチョップが放てるなど、非常に多機能である。
『2』ではロープやマグネットが内蔵されたアクションベルト付きの最新型も登場するなど、年月ごとにアップグレードされている。
同じくボタンによって再生される決め台詞は"To infinity and beyond!"(「無限の彼方へ!」、日本語版では「無限の彼方へ さあ行くぞ!」)
日本語版での一人称は「私」。
上述通り、自分のことを本物のスペースレンジャーだと思い込んでいた経緯から、紳士的かつ自信に満ちた逞しい言動を好む。気質としてはウッディとは正反対で、当初はウッディの態度もあって非常に険悪だったが、アンディ宅の隣に住むシドの家での一件を経て強い信頼関係を築いてからは、咄嗟の機転で事態を好転させたり、ウッディのピンチや不在時には仲間たちのリーダーシップを取って先導したりと、心強い味方となった。
トイ・ストーリーでのバズ
1作目
アンディの家にやってきた当初は、自分が子供向けの大量生産された玩具ではなく、本物のスペースレンジャー(宇宙飛行士)だと信じており、ウッディの話に全く耳を貸さなかった(むしろウッディの事を「いろいろと可哀想な人」のように見ていた)。
また、「未開の惑星に不時着している」体で話す都合上、不明な外気から身を守るため基本的にヘルメットバイザーは出しっぱなしであり、勝手にオープンされると窒息した様な態度を取って慌ててヘルメットを戻そうとする。
その存在感から、いつの間にかアンディや他のオモチャたちの注目の的になった(また、昔から持っていたウッディ柄の布団やマットも全て最近の流行りであるバズのモノに変えられてしまった)ことをウッディに妬まれ、彼のちょっとしたイタズラのつもりが誤って部屋から転落してしまう。このことでウッディと揉めている内に、リトルグリーンメンたちのクレーンゲームに紛れ込み、アンディの家の隣に住む悪ガキであるシドに回収される。
シドの家に連れ込まれてからも相変わらずの調子だったが、テレビで流れていた自身のオモチャのCMに「このおもちゃは飛びません」という文章を見て、とうとう自分の正体に気付く。アンディの家で披露したように空も飛べると考えていた(実際は飛んでいない、本人は目を瞑っているため気づいていない)が、CMを見た後にまだ自分の可能性を信じて吹き抜けの階段から飛び立とうとしたが飛べるはずもなくそのまま転落。落下の衝撃で外れた自分の腕を見て、本当に自分がただのオモチャであることを否が応でも痛感する。
同時にウッディが言い放った「お前はおもちゃだ!飛べやしないんだ!」という言葉が正論であったと、思い直すきっかけにもなる。
これにより一時は意気消沈、たまたまシドの妹ハンナに拾われた際には奥様ごっこにノリノリで興じたり(「あたしはお隣の奥様よ!アヒャヒャヒャ…」とキャラ崩壊気味であった)と自暴自棄となるが、シドに改造されたオモチャたちに腕を直してもらい、ウッディからも説得されると共に本心を知る事で立ち直る。
シドによってロケット花火を括り付けられ打ち上げられそうになるも、ウッディやシドのオモチャたちの協力で脱出。その後、ウッディと一緒にアンディの元へ帰ることを決意する。
引っ越しのために車に乗り込んだアンディを追い、途中スカッドによる妨害を受けながらもウッディが引越しのトラックからラジコンカーを引っ張り出してバズを迎えに行かせ、途中ラジコンカーのエネルギー切れで追いつけなくなるが先程の打ち上げ花火を使って本当に空を飛び、ラジコンを引越しトラックに戻した後上昇、花火を翼の展開によって断ち切った後、偶然の重なりで滑空を開始(このときウッディに「おいバズ!見ろよ!飛んでるぜ!」と指摘された際には「飛んでるんじゃない、落ちてるだけだ、カッコつけてな」と返している)、なんとか車に追いつき、アンディとの再会を果たした。
その後は上記の通り、親友となった。
2作目
1での出来事以降、ウッディとは親友となる。自身がオモチャと自覚しているため言動も常識的なものになっていて、頭部のヘルメットバイザーも基本的にオープンにしている。
アンディが行うおもちゃ遊びの中でもバズはウッディの頼れる相棒という設定になっている。
今作では超プレミア品のオモチャであることが発覚したウッディがコレクターであるおもちゃ屋の店主のアル・マクウィギンに誘拐された為、彼を救出するべくポテトヘッド、ハム、レックス、スリンキーらと共に誘拐されたウッディを追ってコレクターの家を目指した。
途中忍び込んだアルのオモチャ屋では、ディスプレイで飾っていたニュー・アクションベルト付きの最新タイプのバズ(通称ニュー・バズ)に捕まるアクシデントに見舞われ、ニュー・バズと入れ替わってしまう。因みにニュー・バズに出会った際は過去の自分そのまんまな彼を見て「私もこんな調子だったのか…」(字幕版では「昔の私よりひどい…」)とぼやいていた。仲間達もニュー・バズとの入れ替わりに長らく気づかないので「バズの大群見ておかしくなったかな」(字幕版では「バズ通りでイカれたな」)と思われていた。
漸くアルの自宅にたどり着き、ウッディと再会した仲間達と遭遇する。2人居て戸惑うが、本物のバズがニュー・バズのヘルメットを解除した際に呼吸が出来ないような動きで倒れ込み、後に足に書かれてある名前を見て、本物だと伝わった。
後にプロスペクターに捕まったウッディを奪還しようと上記の仲間を連れて立ち向かう事になる(因みにニュー・バズは彼らの元へやって来たザーグと親子のように仲良くなっていたので、彼とはその場で別れた)。
また、エンディングではジェシーに一目惚れしたような描写があった。
3作目
今作ではジェシー共々、ひょんな事からサニーサイド保育園に寄付されてしまい、そこで暮らそうと考えるが、ウッディの「アンディと一緒にいるのが仕事だろ!」という言葉に「彼のための任務は終わった。」と言い返し、ウッディは一人でサニーサイド保育園から脱出。
その後、イモムシ組の子供達に壊されそうになり、ロッツォ・ハグベアに部屋を変えて欲しいと頼むが、彼にデモモードに改造された事で記憶を消され、再び自分をスペースレンジャーだと思い込んだ事で、忠実な配下として手懐けられる。
だが、ハムやレックス達の策で彼らに囚われ、元に戻すはずが操作を失敗し、陽気で情熱的なスペイン語モードとなってしまう(ごみ収集車に落ちた時にその反動と衝撃で元に戻った。ちなみにスペイン語の吹き替え版は訛りが掛かったスペイン語に変わる)。
解決後、ウッディを残し、皆で箱に入ったあと、ウッディがアンディにボニーの住所を書いたメモを残し、ボニーの元へ届けられ、ウッディ達共々彼女のおもちゃとなった。
本作以降、ジェシーとは相思相愛の関係となり、エンディングでは共に社交ダンスを踊っていた。
4作目
ボニーの元から逃げ出したフォーキーと彼の跡を追うウッディを心配しキャンピングカーから車外に出るも、誤って落下してしまった移動遊園地の射的「スター・アドベンチャー」の景品として壁に貼り付けられる。
「内なる声に従っている」というウッディの言葉の意味を勘違いし、自身の音声機能に従って行動するが彼の心の声が大きな役割を果たす。
ウッディやフォーキーたちと合流するも、ウッディがボーについていく道を選んだため、彼からおもちゃのリーダーの役割を引き継いだ。
5作目
今作の悪役として50体のバズ・ライトイヤー軍団が登場。
スペースレンジャーとしてのバズ
彼のオモチャの原作となったアニメ作品『スペースレンジャー バズ・ライトイヤー』がスピンオフ作品として公開された。
本作のバズは、宇宙の平和を守るスペースレンジャーの軍団「スターコマンド」の一員であり、相棒のワープ・ダークマターと共に日夜パトロールに勤しんでいた。失踪した三人のリトルグリーンメンを捜索しにとある惑星の調査を行っていたが、そこでザーグの秘密基地を発見。囚われていたグリーンメンたちを救出するが、ザーグが仕掛けた時限爆破装置によってワープが犠牲となってしまう。スターコマンド基地に戻ったバズは、戦友を失ったことがトラウマとなり、以降は一人で戦うことを誓ったが、上官のネビュラ隊長の勧めで女性レンジャーであるミラ・ノヴァを新パートナーとして紹介される。バズはその推薦を頑なに拒んだ。
その後、ザーグはグリーンメンたちの持つ「ユニマインド」という超物質を強奪しようと彼らの星を襲撃する。現場へと急行したバズは、グリーンメンが作った新たな相棒となるロボレンジャーのXRと共に現場に急行し、ロボット兵に襲われるグリーンメンたちを守るが、新たな敵エージェントZの妨害によりXRは破壊され、ユニマインドも奪われてしまう。
その後、スターコマンドではザーグの本拠地であるプラネットZに向けての総攻撃作戦が計画される。バズは、開発中の最新の小型宇宙船アルファ1を使い一人で潜入しようとするも、同じ考えだったミラに先を越され、急いで自身のスペースクルーザーで後を追った。同じ頃、ザーグはユニマインドに自身の悪の心を注入し、ザーグトロニック・ビーム装置を開発。各惑星に自身の悪意を植え付け、ついにはバズたちスターコマンドをも標的とし、光線を発射した。クルーザーでの追走劇により辛うじて光線を回避したバズとミラ、ついでに密航していた清掃員のブースターとXRだったが、光線を浴びたスターコマンドはザーグの手下となってしまい、4人は追われる身となる。
アルファ1に乗り換えることで敵の目を欺いたバズたちは、当初の予定通りプラネットZに潜入。なおも一人で戦おうとするバズは、ミラたちを突き放して単独でザーグタワーに向かうが、再びエージェントZと対峙する。一時は追い込んだものの、彼の正体が殉職したはずのワープであることを知ると動揺し、その隙きを突かれて捕縛されてしまう。ワープは元々ザーグとつながっており、スターコマンドの内情を探るために長年に渡って送り込まれたスパイであった。
生け捕りにされたバズは、他のレンジャーと同じくザーグの分身に改造されそうになるが、バズが習慣である日誌と偽って繋いだ無線を受けたミラたちが救出に入り、既のところで事なきを得て、共にザーグたちからユニマインドを取り戻した。悪に染まったユニマインドは、バズの正義の心に触れたことで本来の姿へと戻り、ザーグに操られた人々も正気を取り戻した。
事件解決後、バズは新たなパートナーの代わりにミラ、XR、そしてブースターとの4人でバズ・ライトイヤーチームを結成。仲間を信じる心を胸に、再び宇宙平和のために飛び立った。
映画『バズ・ライトイヤー』
上記『スペースレンジャー バズ・ライトイヤー』とは別に2022年6月17日(日本公開は2022年7月1日)にピクサーの長編映画作品としてバズのスペースレンジャーとしての活躍を描いた『バズ・ライトイヤー』が公開。
尚、バズの声優は鈴木亮平氏が担当。
キングダムハーツ
ゲーム『キングダムハーツ3』にトイ・ストーリーシリーズのバズとして登場。
本作では作品そのものの舞台となる世界をまとめて「トイボックス」と称しており、バズはウッディとともにワールド限定のパーティーユニットとなる。
ストーリーはシリーズ時系列的には「トイ・ストーリー2」の後にあたり、どういうわけかトイ・ストーリーシリーズの正史に組み込まれている。
ある日、アンディや他のオモチャたちが突然消え、謎の黒いモヤモヤ=ハートレスや黒いフードの男が現れるとともに、自身の右腕のレーザーが本物の武器になるという不可解な事件に遭遇。
突然現れたソラ一行から事情を聴き、事件解決の糸口として新しくできた玩具屋ギャラクシートイズの存在に行き着く。
しかし、ソラたちを信用しきれないこともあり、部屋でアンディの帰りを待つべきと慎重で保守的な姿勢を見せるが、ウッディの説得で仲間たちと共にギャラクシートイズへの潜入に同行する。
ギャラクシートイズでは、フードの男の策略で店内のオモチャが次々とハートレスに操られて襲い来る目に遭い、自分も同じようになるのではないかという不安と仲間が危機にさらされたことへの後悔から帰還を決意。
そんな折、現れたフードの男に気を取られているうちに自身もハートレスに身体を乗っ取られてしまい、ウッディたちを攻撃した末に闇の回廊の中に消える。
闇の回廊では増幅した闇に囚われ意識を失っていたが、ウッディとソラたちの決死の行動で救出されて目を覚まし、撤退したフードの男が置き土産に残した巨大ハートレスを協力して打ち倒す。
実は一連の流れの中で、本作の「トイボックス」が本来のシリーズと同一の世界ではなく、フードの男が模倣して作った別の世界であることが明かされており、バズたち一部のオモチャだけがこの世界に転移させられたために、彼らの視点ではその他の住人が消えたように見えていたというのが事件の真相だった。
フードの男が去った後も世界は元に戻っておらず気落ちするが、それでも絆があればいつか元の世界に戻れると希望を抱き、それまでは黒いモヤモヤの残りを退治してアンディの部屋を守ることを決意した。
ゲームのエンディングでは無事に元のアンディの部屋に帰還したのち、彼が帰ってきたことを示唆するシーンが描かれる。