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セガサターン

せがさたーん

セガサターン(SEGA SATURN)とは、セガ・エンタープライゼス(現:セガ)が1994年に発売した家庭用ゲーム機。
目次 [非表示]

「64ビット級ゲームマシンセガサターン、地球新発売!!」

概要

2Dに特化し「3Dも2Dの応用でやる」という設計のハードだったのに、よりにもよって3Dに特化したハードのプレイステーション(PS)に3Dで真っ向勝負を挑んでしまい大爆死を遂げてしまった悲運のテレビゲーム機。

日本では一時期まではプレステと互角に争う売れ行きだったが、海外では自社のメガドライブと足を引っ張りあう形となり、売れ行きは悲惨であった。

結局世界市場では、セガハードの中で最も売れなかったハードとなった。


前期型と後期型の2種類があり、俗に前期型は黒サターン、後期型は白サターンと呼ばれる。

前期型はCDアクセスランプがあるものの、後期型はバックアップディスク対策としてCDアクセスランプがオミットされている。

これは起動方法と、あるタイミングでディスクを入れ替えるという手順を踏めば、プロテクトチェックをかいくぐれるため、その対策と思われる。

現在ならばファームウェアアップデートでブートローダーを書き換えれば無効化できるのだろうが、当時はそんなことできなかった(ソニーみたいに強引にプロテクトチェックを変更する事もできただろうが、少なからずソフト側に不具合が生じる)。


兄弟機として日本ビクター(現:JVCケンウッド)からVサターン、日立製作所からHiサターンが発売された。

コントローラの評価が高く、パソコン用として「復刻版セガサターンコントロールパッド」が2004年9月から発売されていたが現在は販売終了となっている。


なお、同社はハードウェアの開発コードネームに太陽系惑星の英名をつけていたが、これをそのままコンシューマー向けの商品名として用いたのは本機のみである。

また、AC用にリリースされた互換基板の「ST-V」(後述)の正式名称である「Sega Titan Videogame system」もその名の通り土星の衛星であるタイタンから取られている。


セガサターンではセガ独自のレーティングが用意されており、「全年齢」「X指定」「18歳以上推奨」「MA-18」と存在したが、全年齢を除いたレーティングは現在のCEROレーティングとはやや異なる。


AC用の互換基板である「ST-V」も開発され、この基板でリリースされたゲームがサターンに移植されたものも少なからず存在する。


構造

贅沢な設計

デュアルプロセッサ構成(日立SH-2プロセッサ 28.3MHz)のゲーム機である。


制御用としてサブのプロセッサを搭載した構成とすることは当時から珍しくなかった(当機もCD-ROMドライブの制御用としてSH-1を、サウンド処理用に68000を搭載している)が、そうではなく全く同一・同格の汎用CPUを2つ搭載し並列コンピューティングに対応したものは本機が唯一であり、その後もコストの高さから同様の構成のゲーム機は現れていない(ただし、現在は並列コンピューティングの技術が発達したため、iPadXbox360のようにワンチップに複数のCPUを搭載したマルチコアCPUのコンピュータが当たり前になっている)。


もっとも、後述のようにツインCPUの片系はジオメトリエンジンの代用として活用していたタイトルがほとんどであった。実際のところは、PSにジオメトリエンジンが搭載されることを察知したセガが、対抗上同等のチップを搭載することを検討したが開発終盤であったためできず、「何とか演算性能の底上げを今からやってくれ」と日立に泣き付いて、日立が唯一提示できた対応策がCPUのマルチ化だったようである。またJPEGデコード機能を持ちアニメーション機能に優れるPSやPC-FXに対抗するため、2個のCPUを動画再生にも活用するという思惑もあったのかもしれない。結局はMPEGデコーダーを搭載した「ムービーカード」が発売される運びになったが。


更に、当時最高水準のスプライト処理能力を持ったビデオプロセッサを2つ搭載するという豪華な構成だった。2つのビデオプロセッサは、スプライトおよびポリゴン機能(VDP1)と、BG(バックグラウンド画面)機能(VDP2)をそれぞれ分担している。


メインメモリには当時開発されたばかりのSDRAMを奢り、高速な入出力を実現したが、コストの兼ね合いから2MBのメモリの半分だけSDRAMで、残りは普通のDRAMといういびつな構成になった。加えてVRAMに1.5Mバイト、サウンド、CD-ROMバッファメモリにそれぞれ0.5Mバイトの計4.5Mバイトもの容量を搭載し、更にスロットに拡張RAMを挿入することで、メモリ容量を拡張することが可能だった。


プレイステーション(PS)では専用のワンチップコントローラを設計して、出荷数が伸びるほどコストダウンすることができたが、これはソニーが自前でチップを生産できる半導体メーカーだから出来たことであり、しがないゲームメーカーでしかないセガでは、まるで手の打ちようがなかった。

末期の生産分では部品点数削減のため2つのSH-2が1チップ化された(仕様は同一である)が、メモリは複数種類を混載しているためにワンチップ化できずコスト高になり、末期まで「1台売れる毎に1万円の赤字」を垂れ流し続けた。


内部にはリージョンを設定する回路があるようで、通常は日本国内仕様に設定されているが、回路をいじると海外仕様になる模様。これを裏付けるかのようにサターンの後期開発機(サターン本体を開発機器との接続ができるよう改造してある)にはリージョン切り替えスイッチが取り付けてある。


冷却について

本体底面と本体の後ろ上部に通気用のスリットが開いているが、カーペットや布団などの上に置いた状態で長時間起動し続けると底面から吸気ができずに本体の温度が上がってしまう。

本機のCD-ROMはPCで使われているものとほぼ同一の構造で耐久力はあるが、加熱された状態は当然動作が不安定になる。場合によってはロードを諦めて本体画面に戻ってしまう事もある。

このような事態を予防するために、机の上やフローリングの床など底面を塞がないような場所に置いて使うべきである。


開発当初、サターン本体には冷却ファンを搭載する予定があったらしく、初期型に限り本体横に円状のスリットが存在している。その内部には冷却ファン取り付け箇所も存在するが結局は搭載されずじまいに終わった。この本体に限りそれなりの電子工作技術が必要なのと自己責任であるが冷却ファンの取り付けが可能。内部基板を改良し、通気や排熱関連を改善した中期型以降の白サターンはこの部分を削除している。


現在は電源回路そのものを交換してACアダプタ駆動にすることで大幅に熱を抑えられる。


メガドライブの互換性

セガサターンはメガドライブの互換性が無いとされていたが、2018年3月1日にセガ公式サイト『「セガハード大百科」セガハードストーリー第5回』にてサターン版メガアダプタ(未発売)が触れられており、セガサターンの設計段階ではメガドライブの互換性は意識されていた。


プレイステーションとの比較

本機の映像表示は、それまでの機種の進化の延長線上であるスプライトを強化する一方で、そのスプライトを利用して本体の負担を軽減しつつ多量のポリゴン描写を実現しようとする野心的な試みが行われた。ジオメトリエンジンは無しの漢仕様

スプライトを利用していることについて、一部では「本当のポリゴンではない」といわれ「疑似ポリゴン」と呼ばれることもあるが、技術的にはポリゴンそのものであって疑似でもなんでもない点に留意したい。ただ所詮変形スプライトの応用なので、3D-CADで使われるポリゴンなどと比べてもかなりの制約があったのも事実である。

実際のところ、本体への負担を軽減するスプライトを利用した本機の特性は、発売されたゲームに結果的に無数のポリゴンを動かしやすく視点を変えやすいという利点を生み出すことになった。グランディアパンツァードラグーンシリーズはSSの特性が無ければ生み出せないものである。後にSSソフトの幾つかがPSに移植されることとなったが、その際ポリゴン数を減らし、それでも処理が重くなってしまった。もっとも先にSSで発売されたのであればSSに最適化してデザインされているので当然と言えば当然の話なのだが。

またSSのスプライト表示能力はPSの二倍であるので、ポリゴンを大量に表示するという面では実はSSに軍配があがっており、巷間で言われるほどポリゴン能力が劣っているわけでは無い。当然ながらポリゴンの演算能力が伴わなければ表示能力だけ勝っていても絵に描いた餅である。


SSとPSのポリゴン特性と誤解

セガサターン(以下SS)はプレイステーション(以下PS)と比べるとスプライト利用以外にいくつか異なる点がある。

SSはポリゴンを四角でしか扱えず、三角を表現するためには、頂点の一点を重ねて▲にするか、台形の組み合わせで表現する必要があった。PSは三角と四角のどちらも使うことができた(内部は全て三角で処理される)。

テクスチャはSSではポリゴン単位で個別に用意する必要があった上に、平行四辺形のテクスチャなどは歪んで平行四辺形になることを考慮して描く必要があった。PSではテクスチャを自由な頂点で切り出して、海苔巻のように貼りつけることもできた。

一見するとPSのほうが良いように思われるが、SS方式だとテクスチャの歪みが発生しづらいという利点もあった。PS方式だとテクスチャが歪まないようにするにはパースペクティブコレクト(遠近感の補正処理)が必要になるがPSには無いのでテクスチャの歪みが不可避であり、それを回避するにはポリゴンを小さく分けて処理するか事前に歪みを意識したテクスチャを用意する必要があった。ただPSのテクスチャが歪む由縁はポリゴンの最小単位が三角だからなので、元々四角ポリゴンしか使えないSSでは歪みもへったくりもないのだが。

またPSポリゴンはコストの兼ね合いでジオメトリ演算プロセッサの小数桁数が固定で頂点共有の機能も省いていたため演算誤差から接点や頂点が剥離するという特異現象が生じた。これによりポリゴンモデルに時々意図しない空隙が生じ、これは修正不可能であった。その点、SSはジオメトリ演算プロセッサ自体が未搭載なので誤差もへったくりもないわけである。

そのかわりPSではポリゴンに透過処理を施すことができた。SSにはこの機能は実装されておらず、半透明を表現するのにメッシュが施された。より正確に言えば、SSにも半透明機能はあったがバグで半透明が化けまくって使い物にならなかったのでメッシュで代替していた。

このように一長一短はあるものの、SSはポリゴンが弱く、PSがポリゴンが強いというのはある種の神話であることがわかる。SSがかなり背伸びすればの話になりそうだが。

PSがポリゴン専用ハードであるという誤解は、後述するPSのジオメトリエンジン、すなわち「空間に置かれたオブジェクトを、カメラ位置などを考慮しながら2Dに変換する演算を行う専用プロセッサを搭載していたことと、もう一点、PSの生みの親である久夛良木健氏がJPEG映像を綺麗に再生できるハードを目指し、その為にメモリを用意した点にあり、これとソニーに対するある種の「信頼」によって、性能が過大に評価されたのが原因と思われる。逆にセガはSSを過大に評価し性能を誇張したことで「信頼」を落とすことになってしまった。

ハードとして「PSは2Dに弱く、3Dに割り振ったハードである」という事実がいつの間にか「3DはSSより性能が上」に置き換わってしまった、というのが事実である。しかしながらPS成熟期のハードを直接叩くことで実現した『リッジレーサータイプ4』のようなポリゴン描画はSSでは逆立ちしても無理だったのも事実なのである。


一方で、PSはX軸、Y軸、Z軸の3つの座標を入力すればジオメトリエンジンが勝手に平面画像に落とし込んでポリゴンを表示することができたが、SSのVDPは平面画像のX軸とY軸しかなく、ジオメトリ演算自体をCPU側で処理する必要があった。SSで『NiGHTS』等を開発した中裕司氏もSSの3DCGを擬似3Dと呼んでおり、SSでの3Dゲーム開発に苦労したことを語っている。

SSの3D表現はPSと比べて機能は少ないが代替する手段はちゃんとあり、クセさえ理解できれば寧ろPSよりも高画質な3DCGを表現することができた。しかし、逆に言えば『クセ』を理解できなければSSでの3Dゲーム開発は極めて難しくなるということでもあり、公式サイトのセガハードストーリーでも開発現場から「ハードウェアの使いこなしに時間がかかる」という声が出ていたことが語られている。実際はサターンのポリゴン性能はツインCPUにジオメトリ演算をどれだけ割けるかで良くも悪くもなる代物で、ジオメトリ演算に割り当てる時間を増やすために、その他の処理を如何に最適化させるかのプログラム能力が問われるものであった。バーチャファイター2などはプログラムを最適化させるためにライブラリを使わずにアセンブラで直接コーディングされている。結局のところ、3Dはセガくらいにしか使いこなせないハードウェアであった

オプション品でプロセッサを追加して演算性能を底上げする対応もできたはずだが、結局セガはSSに見切りを付けて、より3Dゲームに特化した後継機ドリームキャストの開発に舵を切ることになる。


ライバルPSの道筋を決めたSSのポリゴン能力

ゲームハード興隆史において、SSは「3Dゲームが一大ブームとなり、セガは相対的に不利な3D性能のハードで3Dゲーム市場における競争を強いられ、高コストをかけて作られた強力な2D性能が宙に浮いてしまった」との見方もあるが、そもそも3Dゲーム合戦自体が起きておらず、それは架空戦記と断言できるものである。3DゲームがメインのPSに3Dゲームで喧嘩を売ってきたのはSSなのであるが

そもそもソニーがPSをポリゴン特化マシーンとしてプロデュースしようと決めたのは、バーチャファイターを見て思いついたことであると、当時SCEの宣伝部長であった佐伯氏は語っている。実はPSを「2Dマシンとしてプロデュースしてしまおうか」という構想もあったらしいのだが、バーチャファイターを見て「3Dマシンで行ける!」と確信が持てたらしい。そういう意味ではセガがライバル会社の背中を押してしまった、実にセガらしい顛末となったわけである。

また、次世代機という名称、次世代機の定義、そして「次世代ゲーム機戦争」の構図すらSCEの広報戦略であったと後年、佐伯氏は明らかにした。PS陣営はSSを含む他ハードと勝負するのに、とにかく自分たちに有利な土俵にする戦法を採り、セガはまんまとそれに乗せられてしまったのだった。

この戦略に於いてソニーは広告費40億円を費やし、更にソニーが購入したCM枠を格安でサードパーティに卸すことで、PSには非常に多くのソフトがあるという演出を行ってライバルを圧倒する作戦を行い、これが功を奏して形勢をひっくり返したことがインタビューや書籍で語られている。この時、セガも4億円という清水から飛び降りたような額を広告費に投じたのだが、ソニーの企業体力の前には焼け石に水となってしまい、挙げ句の果てに433億円というソニーも真っ青の特別損失を計上して玉砕することになってしまった。

実際のところPS・SS両機ともども2Dゲームは盛んに作り続けられており、更にポリゴンゲームも、当時人気のあった格闘ゲーム以外ではアクションゲームRPGに使われだしたばかりであったためか、その表現能力に特に差異は無い。「デスクリムゾンも差異はなかった」と言い切れるのであればだが。

ただ、ソニーの戦略の効果で「ポリゴンじゃなければ次世代ゲームじゃない」というイメージが定着したのも事実で、実際2Dでもゲームとして成り立つ物をわざわざ3Dポリゴンにして発売するソフトも多々見られた。しかも成長期である3Dジャンルは、新規参入メーカーにとって一発が狙える魅力的な土壌でもあった。


なお、サターンのデュアルプロセッサを生かした設計のゲームはほとんど開発されず、1つのCPUしか使わないゲームが大多数であったと言われるが、これはサブCPUを汎用プロセッサとして活かすことが困難であったために生じた誤解である。3DCGの描画ではポリゴンの頂点演算や座標変換を行うジオメトリ演算は非常に重い処理であるが、PSのようなジオメトリ演算用のプロセッサ『ジオメトリエンジン』を持たないサターンにおいては、サブCPUがジオメトリ演算を行っていた。これらはセガが提供するライブラリを使えば自動的に処理されるものだった。当然ながら『野々村病院の人々』をはじめとするギャルゲーなど処理の軽いゲームで2CPUを使う必要がなければ、メインCPUしか使わなくても全く問題はない。ちなみに『野々村病院の人々』は『電脳戦機バーチャロン』よりも売れている。


もし当初の仕様のように1つのCPUしかなければ、メインCPUがジオメトリ演算も行わなければならず、全体的なパフォーマンスが大幅に低下していたことだろう。『ジオメトリエンジン』を搭載していたPSに対して、サターンが3Dゲームという土俵で戦えたこと自体がデュアルプロセッサのおかげであった、まさに日立さまさまであったと言える(前述の「贅沢な設計」を参照)。ちなみに仕様がシングルプロセッサの頃の公称値は「毎秒3万ポリゴン」であった。


サターンの動画再生はCPUを使ったソフトウェア再生であった。フレーム間圧縮が効くため容量的には有利であったが、エンコードの仕方によって画質がいかようにも変わる特性が故に、特にノウハウのない初期においては画質が悪くPSに明らかに見劣りした(後に改良され『サクラ大戦』など高画質のムービーを用いたゲームも登場している)。あと静止画は明らかに画質が劣るため雑誌掲載では不利であった。


エミュレーション自体は一応、技術的に可能な所まではいっているらしいが、複雑な構造故にそれらのバグに依存したソフトも多くバーチャルコンソールゲームアーカイブス)といった商用レベルまでは行われておらず、現在でもセガハードの中ではセガサターンソフトのバーチャルコンソール化はされていない。次世代機であるドリームキャストは既に行われている。

一説ではエミュレーションするよりは一からセガサターンで出たソフトを現行ハードに移植した方がコスト的には早いとされている。


ちなみにニンテンドースイッチPS4の「コットン ガーディアンフォース サターントリビュート」は内部でセガサターンをエミュレートしているらしい事が解析されている。ただし、このタイトル用にカスタマイズされているようで汎用性は低いとのこと。


セーブデータの保持

セガサターンは本体にセーブデータ記録領域があるが、記録できる容量にも限りがあり本体カートリッジスロットに刺す「パワーメモリー」で容量を増やす事ができた・・・が、これが曲者でカートリッジ端子のピン配列が狭くて細いものだった為にパワーメモリに記録したセーブデータが接触不良で飛んだりする事がままあり、「大事なセーブデータは本体とパワーメモリーの両方に保存しておく」という防衛策を余儀なくされた。

そんな動作不安定なパワーメモリーを認証キーとして扱う「セガサターンで発見たまごっちパーク」やエディットマップ情報(シムシティ2000)や拡張音声データ(バーチャコールS)のデータインストール先として使用されるなど何気に依存性が高いという特徴が存在する。

フロッピーディスクドライブが周辺機器としてあったが、焼け石に水であったという。


CD-ROMの内周に磁性体を設けてセーブデータを記録できるようにする事を初期に計画していたそうだが、結局採用されなかった。

本体の記録はバッテリーバックアップである為、コイン電池をセットしないといけない。電池交換は可能だが、バッテリー切れを起こすとその時点で消えてしまうので注意。あと初期型の本体はコイン電池が外しづらい「ハズレ個体」が存在するのも注意が必要である。


現在は同人ハード『Saturn Gamer's Cartridge』により、SDカードにセーブすることが可能になった。


販売と広告

メインCPUに32ビットプロセッサを2基搭載していたため、『32+32=64bit級』というキャッチフレーズが用いられていた。

(むろん計算機工学上はかなり無理のある解釈で、マーケティング上のコピーに過ぎない)


また、セガールとアンソニーの二匹のチンパンジーを利用した比較CMを行ったり、せがた三四郎などの名物キャラクターを生み出すなど、インパクトのあるCMでも有名だった。アンソニーはソニーを指すどころか「ソニーの否定形」を暗に含んでいるが、セガは「直接じゃないのでぎりセーフ」と判断したらしい。とんがりヘッドの土星人はどこへ行った?

遊びの道に魂込めた一人の男が今日も行く


日本ではこの販売戦略と、旧来からの格ゲータイトルの人気、特に『バーチャファイター2』という規格外の怪物の存在により当初は好調な販売成績で、一時期はライバルのSFC・PSを上回ってトップに躍り出ていた。ちなみに『バーチャファイター2』はSSで唯一のミリオンセラータイトルである。PSはSIMPLE1500の『THE 麻雀』でさえ100万本売れたのに。

しかし、日本市場ではPSのムービー再生機能を用いたストーリー性重視の大作RPGが人気となったことにより、ムービー再生がPSに見劣りするセガサターンは急激に人気を落とした。

さらにPSは既存の概念に囚われないな斬新なゲームが数多くリリースされたことで、ライトユーザーの取り込みにも成功し、量産効果による価格引き下げとの相乗効果で普及台数を着々と伸ばしていった。


北米市場と欧州市場ではさらに悲惨で、アメリカ法人のセガ・オブ・アメリカとヨーロッパ法人のセガ・オブ・ヨーロッパが、まったくの新型機であるサターンではなく、既に欧米で普及したメガドライブのアップグレード(スーパー32X)での対抗を主張して譲らず、意見が食い違ったまま両者が平行して開発された。

こうしてサターンに先行する形でスーパー32Xの販売が開始。メガドライブ自体が普及していたのもあり好調なスタートを切った。しかし、日本セガの方針によってスーパー32Xを含めた旧世代機市場の終了を強行。結局海外市場もサターンに切り替わることとなる。

セガ・オブ・アメリカのCEOは95年9月にSSを北米でリリースすることを発表した。しかしPSよりも早くリリースして差を付けたいと焦ったセガは5月のロサンゼルスで開催されたE3で"It's out there."(もう既に発売している)と発表。何とトイザらスなど一部の小売店で399ドルで先行販売するという電撃戦に打って出た。だが、ウォルマートなど先行発売されなかった小売店から不満を集めることなった。一方、PSはE3で本体価格を「299(ドル)」と発表し、価格面でも好印象を持たれてしまう。そして9月に発売したPSはリッジレーサーやNBAなどの強力なロンチタイトルを投下。サターンは瞬く間に追いつかれてしまう。

ハードばかり売れたスーパー32Xは早々に旧製品の烙印が押されてろくにタイトルが発売されず、泥縄式に投入されたサターンにはソフトハウスが付いてこられず、何よりもセガ自社の看板キャラクターでもある『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の新作が一向に発売されないこともあり(一応開発自体はされていたが、諸事情で開発中止となってしまったため一部の外伝作品しか発売されず、正式な本編作品は次世代機ソニックアドベンチャーまで待たなければならなかった)、サターンの販売台数は伸びなかった。

こうして海外でのセガの信頼は地に墜ち、後に同社がコンシューマーゲーム機業界から撤退する遠因となった。


その他

サターンモデムという周辺機器を用いて、パソコン通信「パッドニフティ」やインターネット接続ができた。

元々はXBANDと呼ばれるシステムをセガがサターン用として引き継いだ事でできた。

その為、ネット対戦専用のソフトも存在していた。


歴代キャッチコピー

  • Saturn from Saturn
  • おもしろいから売れている。
  • すごいソフトは、セガサターンから。
  • 脳天直撃。セガサターン
  • 「目」がはなせない。
  • This is cool

セガサターンで発売された主なタイトル


セガ・ハード・ガールズ

サターンちゃん

CV高橋未奈美

常に斜に構えており、余裕のある態度を取っているが、誰かがボケると黙っていられず、ついついツッコんでしまう。

実は頑張って悪ぶっているだけなので、褒められると恥ずかしくて怒ったり、いざと言うときに弱かったりする。

(※『セガ・ハード・ガールズ』公式サイト内紹介文より抜粋)

きせかえテーマで復活

ニンテンドー3DSのきせかえテーマ(メニュー画面の背景、いわゆる壁紙のようなもの)のセガハード・セガサターンが配信された。

上画面はセガサターンのメインメニュー画面、下画面は初期のセガサターンパッケージを思わせるデザインになっている。

中でも特筆すべきなのが本体電源をONにした時かメニューに戻るとセガサターンの起動音が流れる3DSを開くとセガサターンのCDドライブのドア開放音が鳴る(メインメニュー時)と同じ配信テーマのセガハード・メガドライブ以上にネタを仕込んでおり、カーソルSE等までもセガサターンで使われたものを使用するなどこだわりを見せている。

起動音が鳴り終わると、ソニックRの『Super Sonic Racing』のインストバージョンが流れるようになっているが、このバージョンは実はサントラ化されていないものである。

ちなみに懐かしのセガ系きせかえテーマシリーズではなんと6番目となっており、おそらくセガの6番目の据え置きハードとして意識したリリース順なのかもしれない。

なお、今のところは3DSではセガサターンのソフトの移植(一部例外があるが)がセガからは出ていない。

また、現在海外で配信されていたセガサターンのテーマが日本でも配信中であり、下画面のデザイン・起動音が海外版のものになっている差異がある。


関連動画

SEGAによる、公式のサターン3DSカスタムテーマ紹介


プラモデル化

2020年03月28日にバンダイから、「BEST HIT CHRONICLE 2/5 セガサターン(HST-3200)」という商品名でプラモデル化している。

内部基板や可動ギミックなどをこだわった商品となっている。

疑似セガサターンミニ化

上記のプラモデル「BEST HIT CHRONICLE 2/5 セガサターン(HST-3200)」の中身を専用に作られた基板に入れ替える事で疑似的なセガサターンミニにする「Mini SS Main Board for CM4 Lite」という商品が存在する。

上記の解説動画の解説文内のトラブル解決情報によると、内蔵するラズパイ側の仕様で起動時はUSB入力が無効になる為、「\boot\config.txtにdtoverlay=dwc2,dr_mode=hostの文字を追加」しないと操作を受け付けないので注意が必要との事


外部リンク

セガハード大百科

セガ・ハード・ガールズ公式サイトでのセガサターン 紹介

Saturn Gamer's Cartridge - デザエモンDB


関連タグ

セガ せがた三四郎

ドリームキャスト - 後継機


電脳戦機バーチャロン - バーチャロイドのエネルギー源である「Vコンバーター」として全バーチャロイドの背中に付いている。ただしドリームキャスト発売後の作品では新型Vコンバーター(=ドリームキャスト)に取って変わられている。

バンブーブレードベン・トーひろなex.超光戦士シャンゼリオン - 作中でしばしば登場する


maimai - 起動音を素材にした曲が収録されている。


プレイステーション3 - プレイステーションの後継機。セガサターンと同じく最先端の機能(スーパーコンピュータ向けのCPUや次世代メディアのBlu-rayなど)を大量に搭載し過ぎた影響でゲームが開発しずらい・コスト高など類似した悪影響が出て同じような苦労をしたハード

(↓解説26:34~参照)

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