主にマクシスが開発し、エレクトロニック・アーツより販売されている都市経営シミュレーションゲーム。
概要
元来はバンゲリングベイの開発中に使われたマップ製作用ツールを拡張して、都市をデザインする箱庭ゲームとして成立させたものである。
初代は土地に高低の概念が無いトップビューで、Macintosh、Amiga、IBM PC(MS-DOSおよびOS/2)、FM-TOWNS、X68000、PC-9800シリーズ、Windows3.1等で発売された後、スーパーファミコンにも移植された。
「シムシティ2000」からクォータービューになり、セガサターン、プレイステーション等にも移植された。その後に新要素を追加した「シムシティ3000」「シムシティ4」が発売されている(Windows版/Mac版)が、複雑化すると共に難易度も高くなっている。
プレイヤーは市長となって、自らデザインした都市を経営していく事が目的。
チュートリアル的な意味もあるシナリオモードを除けば、「ゲームクリア」が存在せず、半永久的にプレイ可能である。まぁ、現実には空き地を全部使い切って出来る事が無くなるのだが…
建物を建てると資金を消耗するので、都市に集まった住民「シム」からの税金や、債券(借金)等で補うのだが、赤字経営が続けば市長職を剥奪されてゲームオーバーになる。
増加していく建物や街路は、ユーザーが自由に改名出来るし、市長官邸も好きな場所に設置出来る。交通渋滞緩和の為に高速道路を導入したり、住民が使いやすい市営鉄道を設置してもいい。「都市をデザインする事」がゲームの目的である。
「シムシティ3000」よりランドマークが設置出来るようになり、実在の建築物を都市の中に組み込めるようになった。この建築物開発ツールも発表された為、個人単位で好き勝手な建物を追加出来るようになった。最初にiPhoneに移植されたバージョンはシムシティ3000が元になっている。
「シムシティ4」では自分で開発した街の中を、各種自動車・各種の電車・ヘリコプター・戦車(大砲も撃てる)等の乗り物で自由に走り回ったり、姉妹編の「シムピープル」で作った人物を都市に住ませる事も出来る。
ゲームの流れ
最初は神の視点となって、山・川・海岸線といった地形をデザインして固定した後、ゲーム開始。
この更地の地面に、住宅地を設定すると住民が移住してくる。住民が増加すると警察(犯罪を防ぐ)、消防所(災害を防ぐ)、病院(住民の寿命を延ばす)、学校(住民の知力を上げる)等の公共施設を設置せねばならない。住民増加に応じてゴミ処理施設も拡張し、浄水施設や発電所を増やす必要も出てくる。
無計画に続々と建物を増設していくと、あっという間に資金が尽きてゲームオーバーになる。
序盤は税収入が少ないので「ギャンブル合法の街にする」「(住民に嫌われる)有害物質処理場を建設して補助金を受け取る」等の収入源を使う事も出来る。
発電所や浄水設備は最大使用量と耐久年数が設定されているので、無計画に街を拡張すると「老朽化した設備を酷使していると、このままでは危険だ」という警告の後、爆発して機能停止してしまう。限界に至る前に対応しておいた方がいい。
中でも特に、原子力発電所が撤去前に爆発すると大変な事になる。
発電所等の増設、老朽化した設備の撤去にも資金が必要なので、資金難になれば債券を使うしかない(後からローンで借金を支払う)。
住民が増加してくると「学校をもっと増やしてください」「この街には動物園が無いんですか?」「水道水が臭いのでなんとかしてください」「もっと図書館を作ってください」「他所の街では市営ケーブルテレビがあるそうですが…」「市営リトルリーグなんて税金の無駄だ」等の好き勝手な要望が増えるので、いちいち対応しなければならない。
チート行為
建物の開発ツールが公開されていたので、それを活用して、例えば「耐久年数の存在しない無公害の無限発電所+無限浄水場」といったズルイ要素の建築物がネット上で配布されてた事もある。あくまでユーザーの好みを反映した自分だけの都市を作り込む事がゲームの目的なので、別に他人に迷惑かける事も無いし、違法行為ではない。
災害
開発者がゴジラのファン(怪獣ファン)だったので、作り込んだ都市を壊す要素もある。
火災、竜巻、大地震、怪獣出現、異星人の侵略攻撃、等の災害がランダムで発生し、街を破壊する事がある(設定で災害をオフにも出来る)。破壊された残骸の撤去にも資金が必要。ここで債券に頼りすぎて赤字経営になってしまうとゲームオーバー。
発電所や病院といった市営公共施設が破壊されたら、大急ぎで残骸を撤去して建てなおさねばならない。うーん、やる事が増えて大変だなー
同時多発テロ以降は「飛行機事故」の災害が削除された。
SFC版でのモンスターはスーパーマリオシリーズでおなじみのカメの王様クッパ。この為「1957年の東京に怪獣が襲撃するシナリオ」では東京にゴジラではなくクッパが現れる。
また、SFC版では1944年ハンブルグシナリオ(戦争の空襲による被害から街を復興させる)シナリオの代わりに、2096年ラスベガスのシナリオが入っており、爆撃機ではなく宇宙人からのUFOによる空襲の被害から街を復興させるシナリオに変更されている。
余談
2010年のボストンの原発でメルトダウンが発生し放射能汚染が発生するというシナリオも存在しているのだが、2011年に本当にメルトダウンが発生してしまうというシャレにならないシンクロが日本で発生してしまっている。
さらにこのゲームでは現実に起きた他の2つの災害も(順序は異なるが)意図的に発生させることができる。不謹慎かも知れないが、その苦しい状況からの復興にもチャレンジしてみるのもいかがだろうか。
なお、この影響か、Wiiでは初代のSFC版がバーチャルコンソールとして移植されていたものの、2011年発売のニンテンドー3DS以降のハードでは一切移植されていない。
関連タグ
シムシティ シムシティ2000 シムシティ3000 シムシティ4 シムアント シムアース シムピープル シムズ
サテラビュー…サウンドリンクゲームにおいて、1時間での街づくり大会が実施された。