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サテラビュー

さてらびゅー

衛星データ放送によるデータ配信によってオンタイム・音声連動ゲームを楽しむ任天堂公式のスーパーファミコン周辺機器。
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概要編集

型番はSHVC-029。

任天堂はBSラジオの放送局であるセント・ギガ(St.GIGA)と提携し、1995年4月23日(日)から2000年6月30日(金)の間にかけてオリジナルゲームソフトやゲームの体験版等を衛星データ放送(スーパーファミコンアワー)にて配信していた。

また後述する"音声連動ゲーム"(後に"サウンドリンクゲーム"と名称変更がされた。)と呼ばれた

1時間限定のオンタイム(≠オンライン)ゲームも配信していた。

サテラビューは、それらのゲームデータを受信し、スーパーファミコン上で楽しむ為の装置である。


1995年2月頃に通信販売による販売が開始され、1995年11月1日(水)には一部店舗での販売も開始された。

定価はサテラビューと、スーパーファミコンやテレビ及びBS放送受信用機器との接続する為の部品、そしてBS-Xカセットと8Mメモリーパック1つを含めたセットで¥18,000(税込)であった。

(現在は衛星放送サービスが完全に終了している為販売はしていない。)

部品は底面にある28PIN拡張コネクタ(「EXT.」と表記のある蓋がしてあるコネクタ)に接続して使う。


また、実際にデータを受信する為にはBSアンテナが必要かつ、BSチューナーが無料放送時間である音声連動番組の放映時間帯以外で音声放送を受信する為にはSt.GIGAへの契約(月額制)が必要であった。但し、データ放送を受信する事については常に無料であり、St.GIGAへの契約を必要としなかった。

しかし、それが後に災いし、St.GIGAの資金難問題、やがて倒産へと発展してしまった。


放送用データは任天堂には残っていないらしく、St.GIGA側が所有していたようで倒産後の現在のこの放送データの所在は不明。


初期費用の高さから敬遠されがちであった為、実際にサービスを受けた事のあるプレイヤーは当時SFCを持っていた者の中でもかなりの少数である。

しかしそれさえ払う事が出来れば、その後は体験版やゲームが追加費用無しで次々に無料で手に入り、後述のサウンドリンクゲームも数多く楽しめたので、後々の事を考えるとかなり安い金額であったと言える。

実際、"当時のSFCカセット約2本分"の値段であった事からも、その驚きの安さが伝わるだろう。

但し、友人から楽しいと聞き、色々と考えて結局購入した、サービス初期に買えずに暫くしてやっと買えた(買ってもらった)、等の理由でサービス後期に購入したらサービスがかなり縮小しており、結果的にかなりの損をしてしまう形となってしまったという者がいない訳ではない。)


現在では、Wii・バーチャルコンソールやPSP・ゲームアーカイブスなどのゲーム配信サービスを一足も二足も先取りしていたと評されることも多い。


BS-X 〜それは名前を盗まれた街の物語〜 & 8Mメモリーパック編集

サテラビューには、BS-Xと呼ばれるゲームカセットと、8Mメモリーパックが1つ同梱されている。

BS-X 〜それは名前を盗まれた街の物語〜 SHVC-ZBSJ-JPN (SHVC-028) <G728371>編集

BS-Xとは、サテラビューのシステムを利用する為のシステムカセットとして機能するカセットである。

ゲームデータ受信方式はメニュー画面方式(例:Wiiショッピングチャンネル)ではなく、MOTHERシリーズのような画面で表示される"街"(サブタイトルの「名前を盗まれた街」とはこの街のことを指す。)の中を操作キャラクターである"ぼく"もしくは"わたし"(※2)を操作し、街の中にある各建物に入る事により、それぞれのサービスが受けられるという独創的な物であった。

また"街"には住人が存在し、住人1人1人の会話内容も衛星データ放送により逐次更新された。

だが、今現在起動しても住人は誰一人として姿を消しており、また自分の家以外の建物に入れなくなってしまっている為(※3)に結果として街はゴーストタウンと化してしまっている。


ちなみに、盗まれた"街の名前"については最後まで明かされる事は無かった。


(※2)記事アイコンより、左:ぼく 右:わたし。

また、BS-Xの初期起動時に個人名(ペンネーム)として10文字までを自分の名前として登録可能である。但し名前登録後の変更は「ナマエカエル」という放送中のみ街で入手する事ができたアイテムを使うか、またはどうしても手に入らない場合はデータを初期化するまで不可能となる。

(※3)衛星放送による追加データとして各住人及び建物内のデータを受信していた為である。

また、BS-X用のアイテムデータも一部が効果を衛星データにより受信、またはロック解除となる物が多く、今現在持っていても何も出来ないアイテムばかりとなってしまっている。


8Mメモリーパック (SHVC-031)編集

受信したゲームは全てこのメモリーパックへ保存される。

容量は名称の通り8Mbit(=1MB)である。(※"8MBメモリーパック"ではない。)

電池使用のSRAMではなく、フラッシュメモリを使用している為、半永久的なデータ保存が可能である。

(しかし接触不良や静電気等によるデータ消滅は起きやすいので扱いには注意を要する。)


基本的に配信ソフトは2Mbit、4Mbit以上の物が多く、8Mbitではすぐに容量不足(それでも当時としては大容量の書き換えメモリであったが)になってしまい、削除しなければいけないデータが出てきた。

また、サウンドリンクゲームでは基本的にメモリーパックを8Mbit全て使用してしまう為、予備のメモリーパックが無い場合は泣く泣くゲームデータを消す事になった。

但し、サウンドリンクゲームについてはメモリーパックにデータを受信はしているものの、サウンドリンクゲーム用ゲームデータ展開と同時に存在フラグが削除されてしまい(※4)2度は遊べない為、事実上メモリーパックは"何も記録されていない"状態になってしまう。

また、サウンドリンクゲームでありながらメモリーパックを一切使用しないソフトも一部存在した。

(※4)"存在フラグ"が消去されるだけなので、実際はまだ中にデータが残っているのだが、

処理上では"未記録のメモリーパック"となり、何か別のデータが書き込まれた時に初めて完全に消失する。


1995年7月頃よりサテラビューサービスセンターよりメモリーパック単体での販売も開始され、その後一部店舗販売も開始されたが、1個¥5,250(税込)という価格設定もあり、子供には全く手が出せず、大人にも手の出しづらい代物であった。

一部の衛星放送対応カートリッジには追加データが入ったメモリーパックが市販されていた事がある。


「ラジカル・ドリーマーズ」や「カービィのおもちゃ箱シリーズ」等のサテラビューオリジナルソフトが入っているメモリーパックの中古価格が高騰しているのは、BS-Xとの接触不良等によるメモリーパックエラーでの自動削除(※5)、保管時に起きた静電気や強い衝撃等による消失、サウンドリンクゲームでの消去等の背景があり、現存数が極端に少ない為である。


(※5)ゲームデータのロード時、ゲームデータに何らかの異常が発見された場合、機器保全の為かハック防止の為かは不明確ではあるがダウンロードデータが消去されてしまう。

今現在はもうダウンロードサービスを受ける事が出来ない為、消えてしまえばそれまでなので、消去が怖くあまり気楽にプレイできないという人は少なからずいる。


音声連動ゲーム(サウンドリンクゲーム)編集

音声連動ゲームは、

1時間の制限時間(※6)がついたゲームを規定時間になった時に受信し、受信後すぐに開始され、そして終了時にはメモリーパックから削除される保存の利かないタイムアタック性のあるオンタイム(≠オンライン)ゲームである。

また、サテラビューの代名詞とも言うべき存在である。

当初は"音声連動ゲーム"と呼ばれていたが、後に"サウンドリンクゲーム"と呼ばれるようになった。


セント・ギガのBSラジオ放送を生かし、高品質なPCM放送によるBGMや音声のもと、プレイヤー同士が得点を競い合った。


また、ゲーム中に繰り広げられる音声には、

  • ゲーム中に直接効果をもたらすもの
  • ゲーム攻略の為のヒント
  • そのゲームに関する雑談

等様々であった。

また、キャラの声優にプロの声優を使ったり、有名人がパーソナリティを務めたり、さらには一般人までもラジオ陣として参加させた事がある等、各ゲーム毎に様々なキャスティングがされた。


原作のゲームが存在するサウンドリンクゲームで流れるBGMは主にその原作のサウンドトラックやアレンジCDからの流用が多い。但し、それらについては現在では廃盤になってしまっている物が殆どであり、それらのCDを入手する事はかなり難しくなってしまっている。

また、サントラの流用ではないサウンドリンクゲーム版オリジナルアレンジについてはどの作品も未だに販売音源(LP,EP,カセット,CD)化がされていない。


オリジナルアレンジ各種は、どれもファン感涙物である程のかなりのクオリティを有するものであった為、販売・販促品・又はクラブニンテンドーマイニンテンドー他の会員サービスを利用する等でのサウンドトラック化を希望する声は非常に大きい。


(※6)但し、OPとED、プレイ評価・得点画面を含めて1時間のため、実際のプレイ時間は1時間より多少減る。


その後、インターネットが普及してもサテラビューのような放送を交えた後継的なシステムといったものは登場していない。しいていえばネット接続によるイベント戦といったものが近いだろう。パーソナリティがいる実況プレイも近くて遠いと言える。


サウンドリンクゲーム一覧編集

(ここではPixivにタグの存在するシリーズ・作品のサウンドリンクゲームを挙げる。)


  • BSゼルダの伝説
  • BSゼルダの伝説 Map2
  • BSゼルダの伝説 古代の石盤
  • BS探偵倶楽部 雪に消えた過去
  • BS新・鬼ヶ島
  • BS風来のシレン スララを救え!
  • BSスーパーマリオUSA パワーチャレンジ
  • ALL JAPAN スーパーボンブリス CUP'S 95
  • BSドラゴンクエストI
  • BSマーヴェラス タイムアスレチック
  • BSマーヴェラス キャンプアーノルド
  • モノポリー講座 ボードウォークへの道
  • BS牧場物語 私の牧場体験記
  • BSイーハトーヴォ物語
  • エキサイトバイク ぶんぶんマリオバトル
  • BSファイアーエムブレム アカネイア戦記
  • BS F-ZERO GRANDPRIX
  • BS F-ZERO GRANDPRIX Ⅱ
  • BSシムシティー 街作り大会


その後編集

メモリーパックに記録できたソフトのうち「改造町人シュビビンマン零」はSFC互換機カートリッジとして後年発売されたりしていたがあくまでもレアケースであり、長らくサテラビュー限定のソフトは復刻されるケースは皆無に等しかった。

しかし、クロノクロスのHDリマスターに「ラジカル・ドリーマーズ」が復刻される事が発表された。

サービス開始時のCMには宇宙服を着たマリオが登場していたが、後にスーパーマリオオデッセイにてこの衣装が「サテラビュー帽」「サテラビュー服」として実装された。解説文には「あるサービスで使われた服」との記述がある。


関連タグ編集

ゼルダの伝説 スーパーマリオUSA 風来のシレン

ドラゴンクエスト 新・鬼ヶ島 F-ZERO ファミコン探偵倶楽部

エキサイトバイク シムシティ ファイアーエムブレム マーヴェラス

ボンブリス モノポリー 牧場物語 イーハトーヴォ物語

(アレンジ作品としてサウンドリンクゲームが作成された任天堂作品のタイトル)


衛星放送対応カートリッジ作品編集


XBAND - 同時期に存在したゲーム通信システム。こちらは電話回線を利用したもの。


外部リンク編集

サテラビュー - Wikipedia

ラジカル・ドリーマーズ -盗めない宝石- riri$doll

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