概要
任天堂がファミリーコンピュータディスクシステム用に開発したコマンド選択式推理アドベンチャーゲームシリーズ。
構成
坂本賀勇脚本の『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』『ファミコン探偵倶楽部PartⅡ うしろに立つ少女』、中田雅康脚本の『BS探偵倶楽部 雪に消えた過去』から成る三部作。坂本が手掛けた2作品は『双葉文庫 ゲームブックシリーズ』の1つ「ファミコン冒険ゲームブック」としても展開された。
第一弾の『消えた後継者』でシリーズの方向性が掲示され、第二弾の『うしろに立つ少女』では主人公と空木俊介の邂逅を描いた過去を、第三弾の『雪に消えた過去』では主人公に代わってヒロインである橘あゆみに焦点を当てたシナリオが展開され、そのどれもが強い繋がりを持ち、且つ推理アドベンチャーゲームでありながら「若年の探偵助手が奇怪な伝承になぞらえた殺人事件の解決に臨む」という奇抜な設定に基いている。
このうち、スーパーファミコンで展開された『うしろに立つ少女』リメイク版と『雪に消えた過去』にはゲームの進行具合に関連するおまけ要素があり、前者は調査の行動傾向によって判定される「性格診断」と時々のコマンド選択に隠されたフラグ回収率を集計する「相性診断」(あゆみちゃんとのラブラブチェック)が、後者は配信制限時間内にどれだけの情報収集に成功したかが累積パーセンテージで表示される「捜査指数」が搭載されている。
なお、各作中には衝撃的な一幕を見せる場面が多々登場するため、プレイヤーによっては「みんなのトラウマ」に位置付ける畏怖の対象となっている。
スーパーファミコン用人工衛星データ放送受信ユニット『サテラビュー』で配信された『雪に消えた過去』を最後にシリーズが途絶え、以降も前2作品の各種コンソール移植版(ゲームボーイアドバンス、Wii、ニンテンドー3DS、Wii U、Newニンテンドー3DS)およびNintendo Switchリメイク版がリリース(2021年5月14日)されるだけで完全新作の開発はされておらず、特に期間配信制だったサテラビューでの発表となった『雪に消えた過去』に至ってはリメイクも移植もされていないために「幻の作品」となった。
しかし、2024年7月17日午後10時頃のNintendo公式Xで同年8月29日に35年振りとなる完全新作『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』をリリースすることが発表された。シナリオは再び坂本が担当し、プロデューサー、プロット、演出も兼任している。
主要人物
※設定のネタバレを含むため未プレイ者は閲覧注意※
- 主人公(たんていクン)
声優:緒方恵美(Switch版消えた後継者、Switch版うしろに立つ少女、笑み男)
年齢:17歳(消えた後継者)/15歳(うしろに立つ少女)
身寄りのない孤児として孤児院で育ち、本当の両親を探したい一心に駆られ、中学校卒業と同時に書き置きを残して孤児院を脱走する。1人で聞き込みを続けていたある夜中、行動を不審に思った巡回中の警察官に受けた職務質問から逃げていた所を偶然出会った空木に助けられ、両親探しの情報収集も兼ねて彼の助手となる。
そして、数ヶ月後に発生した女子高生殺人事件の調査を担当し、被害者の友人であったあゆみの協力を得て共に事件解決に導いた。
2年後、空木の留守中に資産家・綾城家で発生した殺人事件の調査を依頼されるも、トラブルにあって記憶喪失となってしまうが、あゆみのサポートを経て粘り強く調査に当たり、事件解決へと導くと同時に自身の出自についても知る事となった。
- 橘あゆみ(たちばな あゆみ)
声優:皆口裕子(雪に消えた過去、Switch版消えた後継者、Switch版うしろに立つ少女、笑み男)
年齢:17歳(消えた後継者、雪に消えた過去)/15歳(うしろに立つ少女)
『うしろに立つ少女』時点で丑美津高校1年生。河原で発生した親友が被害者となった殺人事件を解決するべくやってきた主人公と出会い、真相を解明すべく危険を承知で主人公に協力して事件解決に献身した。この事件をきっかけに空木探偵事務所に所属し、女子高生と探偵助手の二足のわらじを履きこなすようになる。
それから2年後、事件調査で出掛けたまま連絡が途絶えた主人公の行方を追って明神村に向かい、記憶を失った主人公をサポートしつつ共に事件解決に尽力した。
この事件と前後する冬頃、実家に帰省した際に前村長の草野剛三が何者かに刺殺される殺人事件が発生し、あろうことか母が第一発見者として警察で事情聴取を受ける運びとなったため、母の無実証明を誓い、空木の協力を得ながら真相究明に挑んだ。
長期連休には欠かさず山村の実家に戻って病床に伏す母と共に笑って過ごし、生前の親友を通じて知り合った不良の河合ひとみに全く臆せず、穏やかに接するなど非常に優しい心の持ち主であり、シリーズ唯一の皆勤キャラクターでもある。
- 空木俊介(うつぎ しゅんすけ)
声優:各務立基(Switch版うしろに立つ少女、笑み男)
年齢:36歳(うしろに立つ少女)/38歳(消えた後継者)
『空木探偵事務所』所長。
警察からも一目置かれる名探偵であり、捜査協力のために事務所を留守にする多忙な日々を送る。ある夜中に公園で出会った主人公から事情を聞き出し、探偵助手としてその身を預かった数ヶ月後、警察から協力を依頼された時効寸前の未解決事件が主人公の追う女子高生殺人事件と符合する事実に気付き、主人公が得た有力情報を基に警察と共に当時の事件関係者を調べ直して事件解決に一役買った。
主人公が綾城家連続殺人事件の調査に乗り出した際には長期出張中であったため、この事件については全く手を触れておらず、尾地谷村殺人事件の際も別件を抱えていた事から電話での相談に留まり、事件が収束してからようやくあゆみとの合流を果たした。
- 助言者
明神村で開業医を営む熊田(声優:岩崎ひろし、Switch版消えた後継者)、丑美津高校で美術教師を務める駒田(声優:小林通孝、Switch版うしろに立つ少女)、尾地谷村で開業医を営む今田(声優:青野武、雪に消えた過去)、香福警察署で警部を務める鎌田(声優:大塚芳忠、笑み男)が担当する各作品のサポートアドバイザー。
言葉尻に「ぢゃ」、苗字の2文字目に「田」が付く共通点を持ち、頑固な一面を覗かせるが基本的には気さくで親切な上、在所の古株であるために過去の有力情報に詳しい心強い存在。
関連イラスト
- 丑美津高校怪談 うしろの少女
「彼女、本当に…あなたのうしろに、立っているかもしれないわよ…。」
- ファミ探みんなのトラウマ
「お、お前ら、お前らも…殺してやる!」
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