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概要編集

ファミリーコンピュータの周辺機器の一つ。

ロムカセットではなく、磁気ディスク(クイックディスク)によるソフト供給を行うことで、カセットにはない様々なメリットを実現した。


ディスク媒体による「セーブ機能の搭載」「当時のROMを大きく上回る容量」「500円と非常に安価な書き換え」「拡張音源搭載による豊かな音色」などの長所を謳い文句にさっそうと登場し、同発タイトルであった『ゼルダの伝説』の芳醇なゲーム内容によりその底力を見せ付けた。

一部タイトルはスポンサーが付き、ゲーム中にCMが流れる代わりに100円値下げしての書き換えも行っていた。


容量は、当時のROMカートリッジが24KB~40KB程度だったのに対し片面64KB、両面で128KB。習慣に従ってビットで言えば512キロビット/1メガビットである。

ただ容量に関してはわずか数ヵ月後にROMカートリッジに追いつかれ(例えばディスクシステム発売から4か月後に発売された魔界村は1メガビット、その翌月には倍の2メガビットのがんばれゴエモンも登場した)、以降も半導体技術の発達に伴い安価で大容量になっていくROMカートリッジに対し、一度決まった容量は変更できないディスク媒体は容量で負ける上読み込みも遅いという欠点となった。

またセーブ機能もROMソフトのパスワードセーブ、さらにはディスクシステム発売の翌年にはROMカセットでもバッテリーバックアップ機能が登場したことにより優位性を失なっていき、ソフト供給のメインストリームからは外れていく。

このため、後世からは早々に廃れた悲劇のハードのように見られることも多い。


しかし新作ソフト供給がすぐ途絶えたわけではなく数年程度は地味にあり、何よりディスク書き換えにより500円でソフトが入手出来るというのは、現在のように中古ソフトショップが普通にあったりネットの普及で無料のネットゲームブラウザゲームフリーゲームで遊べる環境からは想像が付きにくいが当時としては驚異的で、ユーザーの多くは十分すぎるほど元を取っていたため、いわゆる「負け組ハード」のイメージで語るのは正しくない。

(もっともその分メーカー、特にサードパーティの利益は少なく、ディスク離れに繋がった面はある)


海外のNES用は台湾と香港でのみ発売され、それ以外の地域ではNES用ROMカセットでソフトが供給されていた。


また独特のFM音源(FM変調可能な波形メモリ音源)の音色や名作タイトルを好むマニアは現在でも少なくない。

レトロゲームハードとしては人気もあり、寿命もファミコン本体の驚異的な延命に比べれば短命に見えてしまうが、それなりにあったほうと思われる。


最終リリースタイトルはファミマガディスク(徳間書店)の「ジャンケンディスク城」、1992年。1986年から約6年間の稼働であった。

書き換え・修理対応自体は任天堂本社に送付する形式で2003年まで続いた(ファミコンのサポート終了と同時)。


「記録メディアを消費者に用意してもらい、メーカーはデータだけを販売する」というのは、現在のダウンロード販売と同様の方式であり、これを80年代に実現していたことは興味深い。


ディスクライター・ディスクファックス編集

おもちゃ店に設置されたディスクシステムソフトの書き換え端末で基本ソフト書き換えはこれで行う。

モニターがついており、ディスクシステムの仕組みやディスクの取り扱いの説明をマリオとルイージが行うデモが流れたり書き換え開始と終了を表示する。

ゲームパック(マスターロム)は複数挿入でき、ゲームパック自体は黄色のNESカートリッジと同型。

ソフトによってはスコアを登録できる為、任天堂がスコアコンテストを開催しこのディスクライターとは別の端末「ディスクファックス」でスコアを送信登録する事もできた。

ディスクファックスは任天堂のデータセンターに繋がっていた。この説明パンフレットではマリオとピーチ姫がシステムを解説しており、ピーチ姫が店員役、マリオがプレイヤー役となっていた(そしてなぜか中山美穂のグッズが当たって喜ぶ姿が見られる)。


なお、ディスクライターは現在一台のみが任天堂に保管されているらしく、残りはすべて破棄されたという。


ディスクの種類編集

ディスクそのものはクイックディスクの規格を元としたもので、技術的仕様もクイックディスクと同じものであるが、通常のクイックディスクとはディスケットの形状が異なる。

一番の特徴はディスケット下部にある「NINTENDO」の刻印だろう。この刻印は一部の文字がドライブへのディスク挿入時に噛み合う仕組みとなっており、任天堂純正品以外は用いることができないようにした工夫だった。が、実際には通常のクイックディスクもディスケットの形状さえハックできれば、フォーマットすることで普通に使用できた。


  • 黄色

このタイプが主であり、最初から片面もしくは両面にソフトが入った状態で販売されていた。

ファミコン雑誌の事前記事ではA面B面共に何も書き込まれていないブランクディスクの発売予定もあったが、結局(公式には)発売されなかった。


ディスクファックス対応タイトルに使われたディスク。磁気面を保護する為にシャッターが付いている。黄色ディスクの上位互換。ファックス非対応の(黄色ディスクが使われている)ソフトも書き換えできるが、青に記録されているソフトは青ディスクにしか書き換えができないようになっている。

対応ソフトは5本のみで、「ゴルフ JAPANコース」「ゴルフ USコース」「中山美穂のトキメキハイスクール」「ファミコングランプリ F1レース」「ファミコングランプリII 3Dホットラリー」。「リサの妖精伝説」も青色で販売されたが、こちらはファックスには対応していなかった。


  • 白色

開発用のディスク。主にデバッグ等で使われた模様。稀に開発中のソフトが入ったままの白ディスクが流出している事がある。


  • ピンク

ディスクライターの保守目的のチェックディスクといわれている。


  • 金色・銀色

イベントの景品として作られた限定品。性能的には青色と変わりないシャッターありのディスク。そのディスクだけの限定ソフトが書き込まれている。銀色は特に流通量が少なかった。


  • (黒)

通常のクイックディスクに取り付けることでシェルの形状を誤魔化し、ブランクディスクとして使用可能にする非合法のツールが販売されていた。ただし、こちらでは正規のディスクライターで書き変えは行えないので、ディスクシステムを使って疑似的なコピーを行う方式のツールが存在している。なお、黒ディスクではアダルトソフトがあったらしいという都市伝説もあるとか……。


謎の接続端子と幻の組み合わせ編集

ディスクシステムのRAMアダプタには外部接続端子があるが、これまでこれに対応する機器は出なかったと言われてきたが、実は存在が判明している。


それが一体何なのかと言うと、ファミコントレードすなわち「ファミコン通信アダプタ」である。

あれ?ファミコン通信アダプタってカートリッジコネクタに取り付けるからディスクシステム使わないんじゃないの?と思う方もいると思われるが、「ファミコン通信アダプタ」はモニター版と呼ばれるものがあり、ディスクシステム(ドライブ)の底にシステム機器を取り付けて、専用のケーブルをディスクシステムのRAMアダプタに接続するタイプだったのである。その後一般販売ではよく知られるタイプになっていた為モニター版自体の知名度は物凄く低く、RAMアダプタの謎の端子が実際に使われた事実が知られてこなかったというのが正しいのだろう。


主なタイトル編集

ゼルダの伝説(初代)、リンクの冒険

スーパーマリオブラザーズ2

謎の村雨城

メトロイド(初代)

光神話・パルテナの鏡

ファミコン探偵倶楽部シリーズ

ふぁみこんむかし話シリーズ(新・鬼ヶ島遊遊記

帰ってきたマリオブラザーズ(永谷園のCMが出てくる)

夢工場ドキドキパニック(マリオUSAの原作)

中山美穂のトキメキハイスクール

ぷよぷよ(旧世代)

悪魔城ドラキュラ(初代)

バブルボブル

アイスホッケー

ザナック

水晶の龍

ファイヤーバム

銀河伝承

聖剣サイコカリバー

消えたプリンセス

ディープダンジョン

ドラキュラⅡ呪いの封印

エレクトリシャン

仮面ライダーBLACK 対決!シャドームーン

ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲

セクションZ

デッドゾーン

シルヴィアーナ

Dr.カオス地獄の扉

サムライソード

セクションZ

ファルシオン

愛戦士ニコル

ココナワールド

とびだせ大作戦

レリクス暗黒要塞

迷宮寺院ダババ

もえろツインビー

バイオミラクルぼくってウパ

エスパードリーム

謎の壁

メルヘンヴェール

機動警察パトレイバー

タイムツイスト

…などなど、意外にも有名タイトルは多い。

他にも、ROMカセットで発売されたタイトルがマイナーチェンジし移植されたり、

逆にディスクシステムで発売された後にROMに移植されたタイトルもある。後にバーチャルコンソールとして再販もされている。ニンテンドースイッチではニンテンドースイッチオンラインにて遊べる。


任天堂製ハードウェア最弱の耐久性編集

任天堂のゲームハードは、とにかく頑丈寿命が長いことで知られるが、その中で本機器は数少ない例外である。

ランダムアクセスはおろか、磁気ヘッドの自動調整機能すら持たないクイックディスクを採用したため、ドライブを修理してもエラーで読み込めず起動不能になってしまう不良ディスクが多発しており、現在この対策となる手段は見つかっていない。


駆動用のドライブベルトも劣化すると切れてしまう為、読み込む以前の問題となっている。かつてはサービスセンターでの修理を受け付けていたが部品調達の関係で現在は終了している。

代替ベルト自体も既に生産されていないらしいが、ネット上では代替となるベルト作成法といった修理方法は確立されている。ただし、難易度は高い。


パソコン用機器を使った海賊版論理互換ハードはごく早い段階から存在し、かつてはPC-9800を使って一般的な3.5インチフロッピーディスクにソフトをコピーするようなツールも存在した(秋葉原のあやしいお店で売られたりしていた)。任天堂による製造終了後はコミケなどに出展するサークルもいた。

現在はディスクドライブそのものを使わずmicroSDカードからロムイメージを読み込ませるドライブエミュレーターが存在する。任天堂純正のRAMアダプタを使用するものと通常のゲームカートリッジと同じ形状のものがある。


上記で挙げた幾つかのソフトの中にはソフトメーカー独自のコピープロテクトが仕込まれている。


関連タグ編集

ファミリーコンピュータ レトロゲーム 周辺機器

ニンテンドウパワー ファミコンミニ バーチャルコンソール ソフトベンダーTAKERU


外部リンク編集

ファミリーコンピュータ ディスクシステム - Wikipedia


関連動画編集


(黒)ディスク関連

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