概要
1986年に発売された任天堂のアクションゲーム。世界観のベースはギリシャ神話。
主人公の飛べない天使ピットを操って弓矢で敵を撃ちまくるというものだが、残機制度がない、三種の神器を取り戻せないと飛べないという特性上足場がギリギリですぐ落下するなど難易度が初期「ゼルダの伝説」に並ぶほど非常に高いことから「横スクロールのゼルダ」と言われている。また話自体はシリアスだが顔がナスビになったりどう見ても洋風の世界観なのに店員が関西弁で話しかけてきたりゲームオーバー時が「ヤラレチャッタ」という脱力的なものだったりと、コミカル要素は知る人の間ではかなり有名。
主人公のピットは大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ3作目『大乱闘スマッシュブラザーズX』よりファイターとして参戦。また女神パルテナは『X』のアドベンチャーモード「亜空の使者」とピットの「最後の切りふだ」に出演し、4作目の『大乱闘スマッシュブラザーズfor』にて遂にファイターとして参戦した。
BGMは冥府界と地上界、タイトルBGMがアレンジされている。
この参戦がきっかけで本作の知名度を大きく引き上げ、ピットやパルテナといったキャラクターデザインも新調された。この際に新調されたキャラデザが続編やその後のスマブラに至るまで現在も使用されている。
国外ではNES用のソフトとして『Kid Icarus』のタイトルで発売されており、続編も登場している(ゲームボーイ)。なお、ニンテンドー3DSでのゲームボーイのバーチャルコンソールで海外でしか発売されなかったGB版『Kid Icarus』が日本でも遊べる(ただしローカライズされていない)。
ニンテンドー3DSではニンテンドー3Dクラシックス『光神話・パルテナの鏡』としてディスクシステム版の3D立体視移植がされている。
2010年度6月のE3において2作目(北米では3作目)である、桜井政博率いる「プロジェクトソラ」が開発するニンテンドー3DS専用ソフト『新・光神話パルテナの鏡』が第1作発売以来25年ぶりに発表された(リメイクではなく本当に25年後を描いた続編)。
ニンテンドースイッチの「Nintendo Switch Online ファミリーコンピュータ」でもディスクシステム版が収録され、さらにSP版として「いきなり最終ステージから始まる」バージョンも収録。ファミコン版のパルテナの姿を見るのにはうってつけ(しかも最高評価扱いエンディング)。
あらすじ
遥かな大昔、平和な世界「エンジェランド」は光の女神パルテナと闇の女神メデューサが支配しておりました。しかしメデューサは人間をいじめていたため、パルテナにより「冥府界」に追放されてしまいました。
怒ったメデューサは冥府の怪物を従えてエンジェランドに攻め込み、兵士は石に変えられ、パルテナも捕まってしまいます。メデューサに奪われた「三種の神器」を取り戻すため、パルテナは最後の力を振り絞って親衛隊長のピットを脱出させました。かくしてピットは三種の神器を奪い返すため、たった一人で冥府軍に戦いを挑むのでした。
登場人物
雑魚敵
特徴的なもののみ記載。
- シーマム
羽の生えた蛇に似たクリボー枠。
ステージに設置された壺から出てくることも。
- メガネハナーン
鼻メガネのような雑魚敵。
宝の部屋のガーディアンで大量に現れてピットに突撃してくる。
この部屋にある宝はツボを壊すことで入手できる。
- 死神
ピットを視認すると騒ぎ立てて、小さい死神を複数体召喚。
本体もそれなりに硬く、避けにくい事もあってかなり厄介な敵。落ち着いて弓矢を当てていこう。
召喚している間はBGMが冥府界のアレンジになる。
本作のもう一人の顔(?)
一つ目が特徴的な呪術師で、ナス型の弾を放ち、当たったピットをナスに変えてしまう。
- プルトン
鬼族のドロボウ。パワーアップアイテムを盗んだ挙句にヤミ屋に売却してしまう。飛行するタイプの「プルトンフライ」もいる。
- コメト
どこぞの宇宙生命体そっくりな敵。
実際に宇宙生物説が囁かれており、続編でも登場。
ボス
- ツインベロス(『新』では「魔獣ツインベロス」)
冥府の番犬でケルベロスがモデル。でも二首のはオルトロスって言うんじゃ…。
一面のボスで広範囲に放つ火炎放射とジャンプ力が自慢。
続編では燃え盛る鬣と蒸気が吹き出す背骨が浮き出た特徴的なデザインにアレンジされた。
こちらでは魔王ガイナスの配下となっており、パワーアップした設定であるにもかかわらずあっさり死ぬ。おまけに9章では他のボス同様に再生怪人枠として登場した…あァァァんまりだァァアァ
- ヒュードラー(『新』では「三つ首龍ヒュードラー」)
ヘラクレスが退治したヒュドラがモデル。
二面ボスであり、毒沼から飛び上がってピットを襲ってくる。弱点は頭。
続編では三首の空飛ぶ魔竜という扱いで、三つの首がそれぞれ荒い性格・普通の性格・おとなしい性格の全く異なる人格を有し、口喧嘩も多くその掛け合いもコミカル(倒す順番で掛け合いが変化し、声は高塚正也氏が担当した)。
ダメージを受けると頭が取れてしまうが、プラナリアよろしく頭から新たに胴が生えるという恐るべき能力を持つ。
- パンドーラ
詳しくは邪神パンドーラを参照。
詳しくは冥界女王メデューサを参照。
システム
- お店
敵を倒して手に入るハート(小が1円、ハーフが5円、ビッグが10円相当)を使う事で冒険に役立つアイテムを購入できる。
クレジットカードを使う事でツケ払いできるヤミ屋さんも存在する。
- 温泉
浸かる事で体力を回復できるスポット。
- 神様の部屋
特訓を課され、敵を全て倒すと神様からピットの攻撃力が上がる矢を授けられる。
矢を手に入れるとピットの体色が変わるが、別に必須イベントではない。
色は初期状態→緑→紫の順に変化。
- トンカチ
接近戦の武器としても使用できるが、本来はボスステージで石像を砕き、イカロスという援軍を増やすためのもの。イカロスはボス戦で遠くまで飛ぶ矢を放つことができるが、HPが1しかない。
道中ではハープを獲得する事で敵を一定時間だけトンカチに変えてしまう。
- 天使の羽
崖下に落ちると自動的に発動し、復帰が可能。
スマブラでいうイカロスの翼ポジション。
- 生命の酒
カップタイプは体力を1マス分、ビンタイプは復活アイテムとなっており、酒樽を使えば8本までストックできる。
- チェックシート
ボスステージのマップ。鉛筆や松明と併用することで完璧に使いこなせるが、なくてもそこまで支障はない。
- パワーアップアイテム
炎の渦が追加され、攻撃力を上げるファイア、矢の射程を伸ばすホーリーボウ、ピットの周囲を衛星が守るガードクリスタルの三種が存在。
ホーリーボウがないと弓矢の射程は短くなり、接射を強いられる。
- 三種の神器
敵の攻撃を跳ね返す鏡の盾、貫通弾を放つ光の矢、永続飛行ができるペガサスの翼の三つが存在。
なお、本作のタイトルはこの三種の神器のうちの一つである鏡の盾を表しているものと思われる。
この鏡の盾はスマブラでも下必殺技として採用された。おそらくは通常必殺技のパルテナアローも光の矢がモデルだと思われる。
余談
本作に登場するキャラクターのうち、ギリシャ神話に元ネタがあるキャラは次の通り。
キャラクター | 元ネタ | 備考 |
---|---|---|
ピット | キューピッド | 鏡の盾を用いてメドゥーサを退治したのはペルセウスの逸話より |
イカロス | イカロス | 神話とは違って永続的に飛行できる…が、あっさり落ちる所は元ネタ通りである… |
パルテナ | アテナ | メドゥーサとの因縁もほぼ神話からの引用と思われる |
メデューサ | メドゥーサ | - |
ウラノス(雑魚敵) | ウラノス | ギリシャ神話における天空の神、本作ではパルテナを裏切った天空の神だが、大量に出てくる |
ORCOS | オルクス | 海外で販売された続編のラスボス。ローマ神話における死の神が元ネタと考えられる |
ガニュメデ(雑魚敵) | ガニュメデス | 骸骨頭みたいな姿だが、元ネタは美少年である |
セイレン(雑魚敵) | セイレーン | 名前も見た目もセイレーンそのまんまである。設定画も結構可愛い |
タナトス(メドゥーサが繰り出す蛇) | タナトス | ギリシャ神話における死の神が元ネタ |
ツインベロス | ケルベロス | 見た目はどう見てもオルトロス |
パンドーラ | パンドラ | - |
ヒュードラー | ヒュドラ | - |
ダフネ | ダフネ | アポロンにつけ回されていた娘がモデルなのだが、本作ではほぼ植物の怪物扱い |
ホーラ | ホーラ | 元ネタはギリシャ神話の季節の女神だが、なぜかサボテンの怪物扱い |
プルトン(雑魚敵) | プルトン | 元ネタはローマ神話におけるギリシャ神話のハデスに相当する冥府神 |
ミノス(雑魚敵) | ミーノス | 作中ではハリセンボンに似たモンスターだが、元ネタはクレタ島の王から |
ミノタウロス | ミノタウロス | 海外で販売された続編に登場。元ネタは言わずもがな |
モイラ | モイライ | 本来は運命の女神たちのことを指すが、本作ではなぜかヒトデになっている |
関連イラスト
スマブラへの参戦をきっかけに知名度の上がった作品であるため、スマブラ仕様で描かれているものが多い。
関連タグ
ピット パルテナ ナス ヤラレチャッタ 大乱闘スマッシュブラザーズX
パルテナの鏡100users入り パルテナの鏡500users入り
パルテナの鏡1000users入り パルテナの鏡5000users入り
ロックマン:同名の雑魚敵が登場。なんの因果か、スマブラで共演することに…。
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー…マリオがこのゲームをプレイするシーンがある。