概要
機種 | ニンテンドー3DS |
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ジャンル | アクションシューティング |
発売日 | 2012年3月22日(木) |
価格 | 税込5,800円 |
販売元 | 任天堂 |
開発 | プロジェクトソラ |
CERO | B(12歳以上対象) |
売上本数 | 約132,526本(2012年3月25日現在) |
世界で初めてゲーム画面が公開された3DS用ゲームタイトル。
日本において1986年に発売されたディスクシステム『光神話・パルテナの鏡』以来実に25年ぶりに発売される続編(海外ではゲームボーイ『Kid Icarus: Of Myths and Monsters』(北米では1991年、欧州では1992年)に続く3作目)。
開発までの経緯
開発のきっかけは、2008年7月に岩田聡社長から任天堂社外の人間としては初めて3DSの試作型を見せられ(当時はハード仕様も決定しておらず、立体映像に対応するかも検討段階だったという)、そのハード用ゲームタイトルの開発を依頼された桜井政博氏が、
「発売予定時期からして、ハード発売初期は既存ゲームの移植やカジュアルゲームなど、労力の掛からない作品が主となるだろう」
「ハード性能は3D表現に長けており、かつ自分に求められる作品は多く開発が想定されるような作品ではないだろう」
と考え、あえて世界市場ではポピュラーかつ競争の激しいジャンルであるアクションシューティングゲームを開発し、そのハードにおける3Dゲームの操作系等のスタンダードを築こうと考えたことである。
なお、『パルテナの鏡』の続編となったのは、桜井が岩田と対談時に既存のゲームシリーズを使用するかどうか聞き「親和性が高いなら考えてみる」という任天堂側の回答を受け、桜井が手がけた『大乱闘スマッシュブラザーズX』での登場によって知名度が大幅に上昇していたこと、以前より海外からの続編要望が高かったなどを汲み、後付で決めたものである。
シナリオプロットおよびキャスティングなどに関しては、開発時期および機密性のため製作を外部に明かせなかったことから、ほぼ全てを桜井一人で担当した。
当初は2011年内発売を目標としていたが、完成度の水準を高めるためとして「ニンテンドー3DSカンファレンス 2011」で2012年第1四半期への発売延期が発表され、同年の「Nintendo Direct 2011.12.27」にて2012年3月22日と発売日が決定された。
ストーリー
冥府の女神「メデューサ」が復活した。それを察知した光の女神「パルテナ」と主人公でパルテナ軍親衛隊長「ピット」は、メデューサ討伐のため、笑いあり、涙あり、パロディあり、更に宇宙戦争もありの冒険が始まる!
作品の特徴
そこかしこに見える桜井氏らしさ
3D機能を生かしたアクションシューティングであるため前作の『光神話パルテナの鏡』とはかなり違ったゲームになっているが、ナスビ、天ぷら、死神に発見されたときにBGMなどの独特の雰囲気(桜井氏曰く『神話をちょっとバカにしたような』)はそのまま残っている。
また、お気に入りの神器の強化や宝物庫などのやりこみ要素や白熱する対戦など、桜井氏らしいプレイヤーを飽きさせないゲームとなっている。
特に対戦に関しては、岩田社長をもってして『スマブラを3Dにしたらこんな感じなのか』と言わしめたほど。
また、桜井氏のゲームとしては珍しく、各キャラクターが喋る。ホントによく喋る。
さらに、発売からしばらく経った今でもバグらしいバグが見つかっていない。(バグ探索等出来るほど操作自由度が高くないのも一因だが、凄いのはそれだけ不自由なのを全くストレスに感じさせないクオリティと設定作りである)
ファミ通のクロスレビューにて40点のプラチナ殿堂入りを果たした。
完成度の高さから続編や移植を求める声が多い事は桜井氏の耳にも届いており本人も大画面で遊んでみたいと語っているが、当時の開発チームが既に解散しているなど諸々の事情から続編の発売は厳しいと語っている。
フルボイスシステム
出撃しているピットがテレパシーを使いパルテナに攻略方を受けながら物語を進める。テレパシーなので、人間であるマグナには聞こえないが、テレパシーを使える者なら割り込んで話しかけてくることもある。時々装備している神器の豆知識が聞けるが、一部の会話に、神話の世界なのに、その世界観を無視して現代用語(「エアバック」に「ゲームウォッチ」、「人間大砲」に「人間ミサイル」や「ラーメン」など)を使ってくる。
神器
プレイヤーの基本装備となる武器。以下の9種類があり、さらに各神器内においても、射撃と打撃の威力・飛距離や攻撃範囲・装備時の脚力・誘導性・攻撃が当たった際の追加効果などといった、性能や付加価値などの異なる様々なバリエーションが存在する。
撃たずにいると弾がチャージされるため射撃メインの空中戦でも撃ちっぱなしは非推奨
また、同種の神器であってもさまざまな能力補正や追加効果が付随された「スキル」が異なっている。高性能で、多彩なスキルが付いた神器ほど「価値」が大きく、マルチプレイ時に倒された際のチーム力消耗も大きい。
新たな神器の製造や、二つの神器の「融合」は、出陣前の「兵装の祭壇」にてハートを消費して行うことができ、逆に不要な神器をハートに還元・処理することも可能。また、ミッション中においても敵や宝箱から拾う形でも、新たな神器は入手できる。
- 撃剣(げきけん)
銃身の短いアサルトライフルのような神器。銃身から光の刃が発生することで剣にもなる銃剣のような武器。
射撃攻撃時は銃口から光弾を発射し、打撃攻撃時では光の剣による斬撃で攻撃する。能力のバランスが取れており扱いやすい。名前の由来はパルテナ曰く「射撃できる剣」。
- 狙杖(そじょう)
尺の長い杖とスナイパーライフルを掛け合わせたような神器。
衛星と同様に遠距離の相手ほど威力が上がる性質を持つとともに、射撃は衛星をも上回る超長距離の飛距離を持ち、狙撃攻撃に優れた特性を持つ。遠距離からの攻撃に優れ、威力も物によるが高い反面、弾の誘導性が皆無で、チャージが遅く、相手が近いほど威力が下がるなど、接近戦の能力は低い。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは、ブラックピットが最後の切りふだで「ブラピの狙杖」を使用する。
- 射爪(しゃそう)
鉤爪が取り付けられた一対の手甲型の神器。
射撃攻撃時では腕を高速で振って衝撃波(飛ぶ斬撃)を放ち、打撃攻撃時は鉤爪で相手を引き裂いて攻撃する。一発あたり攻撃力は低くて射程も短いが、手数に富み、移動速度のアップが大きい。
神弓(しんきゅう)
弓型の神器で、中央から分離することで2振りの短刀となる。本作以前にも『大乱闘なんとかブラザーズX』でピットが使用していた武器である。
弧を描いて飛ぶ光の矢を放つ。射程が長くて、弾の誘導性も高く、遠距離攻撃を得意とする。
破掌(はしょう)
腕にオーラを纏い、掌自体から波動を放つ神器(メニュー画面等では球体型)。装備時は腕が虹色(物による)に輝く。
威力は低めだが、一部を除いて攻撃の誘導性能が非常に高い。
巨塔(きょとう)
とてつもなく巨大な、両手持ちの金棒や大剣のような神器。
神器中でも最大級の大きさを誇る。装備時の脚力はかなり低くて攻撃動作も大振りだが、射撃・打撃ともに高威力かつ広範囲で、さらに攻撃が地形を貫通する特徴を持つ。また、打撃で敵の攻撃の弾をバットの様に弾き返して防御することができる。空中戦で敵の弾を上手に弾き返せば、被弾も最小限に抑えられる。
また、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは、「巨塔鉱物の塊」の神器がアイテムとして登場する(神界の武器なのに、なぜ人間なども持てるとかツッコまないように、恐らくマグナの巨塔の様に人間の武器を模した神界の武器の逆バージョン、神界の武器を模した武器なのだろう)。
爆筒(ばくとう)
右腕に装着する、巨大な大砲型の神器(所謂、グレネードランチャー)。
機動力は下がるが射撃の威力が高い。弾はターゲットや地形に当たると爆発して、周囲の敵も巻き込んでダメージを与えるという性質を持つ。また、弾が放物線を描いて発射されるため、障害物越しに攻撃することができる。
衛星(えいせい)
プレイヤーの肩の上を浮遊する一対の宝珠や水晶玉のような神器。
射撃攻撃では衛星から光線を発射して、打撃攻撃では宙を舞う衛星自体を対象にぶつけて攻撃する。遠距離の相手を攻撃するほど威力が上がり、逆に近距離の相手ほど威力が下がるという、特殊な性質を持つ。攻撃の射程距離が長く、性質とともに遠距離戦に特化された能力を持つ。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは盾としての機能に特化した物がピットおよびブラックピットの下必殺ワザとして登場。相手の飛び道具を防ぐことができる。
豪腕(ごうわん)
右腕に装着する、火器を内蔵した非常に巨大な籠手やナックルダスターのような神器。
接近戦に特化したパワー重視であるが故に射撃の飛距離は短く、移動速度も遅いが、打撃攻撃の威力と誘導性能が非常に高い。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは、ピットおよびブラックピットの横必殺ワザとして使用される。ピットが「豪腕ダッシュアッパー」を、ブラックピットが「豪腕デンショッカー」をそれぞれ使用する。
特定の章専用神器
前作のメデューサ戦で使われた神器。今作もメデューサ戦にも使われる。メデューサ戦クリア後は、普通の神器でも装備可能。
パルテナがとある星座に保管していたが、星賊(星空の海賊、星海を渡り、星座を盗む)に盗まれてしまった。その後ピットによって取り戻され、メデューサ戦で活躍するが、ハデス戦で一撃で破壊されてしまった。今作も縦長の箱に入っているが、なぜこの箱に入っているのかは永遠の謎。(メタ的には初代パルテナの鏡におけるビット数の都合らしい)
『大乱闘スマッシュブラザーズfor』ではピットの最後の切りふだとして登場する。
真・三種の神器
ディントスが、破壊された三種の神器の代わりに作られた新たなる三種の神器。オリハルコン製。
最早神器と言うより見た目は完全に乗り込み式の巨大ロボットそのものだが、神力で動いており動力源は無い。
操縦なども必要とせず、装着した者は全く意識せずに自身の身体の様に動かすことができる。
パーツを切り離すことでフォームを三回まで切り替えることが出来る事から、確かに三種の神器と言える(「完全フォーム」→「高速フォーム」→「格闘フォーム」→「飛翔フォーム」)。
しかし、フォームを変える毎に防御力が下がり、ハデスの瞬間移動からの強力なハンドクラップの一撃でほぼ破壊されたが、残った主砲パーツでナチュレの飛翔の奇跡とパルテナのチャージの奇跡を使いピットの最後の一撃を放ち、三位一体の攻撃でハデスを吹き飛ばし、天使と女神の勝利で最後の戦いの幕を閉じた。
おドールでポン
ゲーム中に入手した「タマゴ」からおドールを生み出す機能。ARカードの持っていないキャラクターのフィギュアでも入手できる可能性を持つが、必ずしも新しいフィギュアが手に入るとは限らない、打ち上げる卵の数が多いほど新しいフィギュアの可能性が高まる。
なお、3DSのゲーム機本体に歩数によって蓄積されるゲームコインを消費して購入することもできる。
しかし、打ち上げようとする時に勢いが足りなかったり、変に揺り動かしたり、タマゴを持ち上げて離すとタマゴが台座の下に落ちてしまい、勢いによっては割れてしまうので、落としてしまわないよう心がけたいところ、なお落としてヒビが入るだけなら入れ直せば問題ないが割れると本当にガチャる権利を失うのでおふざけで割らない様に。
ARおドールカード
専用ARカードを用いたものとして「ARおドールカード」というおまけゲームがある。各カードには本作の登場キャラクターが書かれていると共に攻撃力・耐久力・素早さ(攻撃間隔)や三すくみによる強弱関係などの能力が設定されており、ARおドール2体を対峙させると戦闘を開始し、登録情報に基づいて自動で攻撃を続けて勝敗を決めるというのである。また、これはランダムで6枚入っている。
悪魔の釜
各章へ進む前に悪魔の釜にハートを入れることで、ホンキ度(難易度のようなもの)の調整ができる。ホンキ度は2.0を基準にマイナス方向に20段階、プラス方向には70段階にもなっている。
ハートを多く入れるほど敵の攻撃も激しくなり、ダメージも増えるが、高性能な神器が入手しやすくなる。
逆にホンキ度を最低まで下げると、マリオがスーパースターを取ってひたすら走り回っているような無敵っぷりになり、敵の数も激減し長時間放置でもしなければほぼヤラレチャわないが、無論高性能な神器は手に入らない。
尚、ヤラレチャッタら悪魔の釜からハートがこぼれ、その章のホンキ度が下がる。そのままクリアすることもできるが、道中で入手した神器はコンテニュー後の性能(弱体化したもの)になってしまう。
このシステムは、『大乱闘スマッシュブラザーズfor』における「戦士の天秤」の元となった。
登場人物
パルテナ軍
CV:久川綾
冥府軍
CV:進藤尚美
CV:大塚芳忠
存在自体がネタバレなので該当記事を参照。
CV:伊藤栄次
冥府軍の最高幹部である、メデューサの右腕的存在の神。元々は前作のメデューサ戦でヘビの姿をしていたが、実はそれは彼女を守るための変身していた姿。本当の姿は太った魔人の姿。メデューサが倒された後、「死をつかさどる神」だからか不死身な模様で蘇ったがエレカとの戦いで倒された。その後の彼は不明。
CV:鈴木麻里子
巨大な人魂の様な存在、次元の狭間(目の錯覚が多用されている空間で壁の様に見える通路や通路の様な模様の壁がそこかしこにあり、陸上モンスターがふよふよ浮いていたりする)で真実の魔鏡を用いて冥府軍を魂ごと複製することで作成している。
なんらかの事情で身体を失っている事で非常に気怠げ。
自然軍
CV:大本眞基子
自然を司る神、好き勝手に自然を蹂躙するだけに飽き足らず、あらゆる願いを叶える願いのタネ(実際にはそんな力はない)を巡って戦争を始め命を軽視する有様に堪忍袋の尾が切れ、人間を滅ぼして世界を緑豊かな世界に戻そうとする。
自然の神だけあって買い物にはエコバッグ持参など非常にエコに気を遣っている。
CV:小松由佳
- アロン
CV:徳山靖彦
人工の月に造られた月の神殿に住まう自然軍幹部。『静寂のアロン』と呼ばれ、闇に乗じた攻撃が得意。外見はモノクルを付けた老紳士で、礼儀正しく爺や口調で、敵であるピットとパルテナに対してもその態度は変わらないが、どこか冷徹な面も持つ。ふざけた面も持ち、パルテナからは「パンドーラに通じるところもある」と言われている。声真似が十八番らしい。
本人曰く律義、ナチュレ曰くカタブツなため「口外を禁じられている」と月の神殿の役割について話さず、結果事情を知らないピットに敗北し混沌の遣いを逃がすことになる。
無所属
CV:高山みなみ
真実の魔鏡から生み出されたピットのコピー。不完全な状態で鏡の中から蹴り出された為、冥府軍の一員にならなかった。通称"ブラピ"。
CV:乃村健次
巨大な大剣を使いこなす人類最強クラスの戦士。
- ラーズ
CV:稲田徹
自称「太陽の使い」。一応太陽神の肩書を持つが威厳の欠片もないためその出自はかなり疑わしい。外見は炎に包まれた隆々しい男性で、アメコミのヒーローを思わせる程の非常に熱血的な性格でテンションが高い。「神様ネット」なるもので調べたらしく、オーラムについて妙に詳しい。得意技は光線状の火炎を放出するパイロブラスターで、技を繰り出すたびに激しい掛け声を放つ。
オーラム襲来当初は味方をしてくれるが、真の狙いはピット達を利用し中枢たるブレインを乗っ取り、その強大な力で神々に挑戦し宇宙を支配することだった。オーラムとの決戦の際にオーラムブレインを乗っ取りオーラムラーズとなるが、結局はオーラムブレインに力負けし、逆に取り込まれ自我を失い力を奪われてしまう。その後、自身の意識がないままピットに倒される。
- 戦車の主
銀河の果ての聖域である高い塔に住まう戦士。彼の駆る戦闘用馬車「光の戦車」を譲り受ける為にピットはここを訪れる。ナチュレやピットの会話から、元々は天界の関係者だった事が示唆されており、かつては使えていた主が居たが戦で喪い、既に肉体は滅んで精神体同然の状態となっている。
厳格で難解な口調で話すが、塔の内部の仕掛けは地雷や立体迷路、高圧電流や氷の床など、床関係のトラップばかりで、浮遊している冥府軍の魔物相手にはあまり効果が無く、当人も「[[盲点であった。不覚」と語るなどうっかりした一面もある。しかし実力は本物で、襲撃して来た冥府軍を一掃したり、ピットとの勝負では剣を使い落雷や機雷、霊魂やシルバーの超高速移動を使い制限された動きを利用した戦法を取る。ピットとの勝利に敗北後は光の戦車とフラッシュ、シルバー、そして未来を託し消滅した。
光の戦車を牽引する二匹のユニコーンで、戦車の主の唯一残った戦友。両方の馬が初めて揃った時に初めて「光の戦車」となる。戦車の主との戦いではピットはフラッシュ、戦車の主はシルバーが牽引する戦車に駆り、光のコース上での戦闘を行う。
冥府軍が生み出した化け物。対象に憑依し、操ることができる。その後対象の魂を抜き取り、食べてしまう。冥府軍すら手に負えなかった。
神器神と呼ばれる老人の姿をした神。巨大な槌を持っている。三種の神器のほか数多くの神器を手がけており、ピットはハデス戦を控え、新たな三種の神器を求めて彼の元を訪れる。
ゲーム内でのパロディ
「あ!メトr「たーらったらーたらららー!」」
- 魔犬ケルベロス
ピット「ニンテンドックスに友情出演させてやる!」
- 回転寿司のような仕掛け
- ブラピ「計算も出来ないなら『脳トレ』でもやってるんだな。」
- パルテナ様「大乱闘なんとかブラザーズ、略して『なんブラ』」
- パンドーラの人間体が「某少女戦士感のある外見」
※ここに挙げたものはほんの一部です。その他のものは是非ご自分で確認を。