ギリシャ神話
クレタ島の名工ダイダロスと女奴隷ナウクラテーの息子。
牛頭人身の怪物ミノタウロスを閉じ込める迷宮を作ったダイダロスは、後に英雄テセウスがミノタウロスを退治した際に密かに協力したことで、仕えていたミーノス王の不興を買い、親子ともに塔に幽閉された。
しかし牢獄の周りにはミツバチの巣があり、更に鳥が窓の近くによく飛んでくることを知った2人は、鳥の羽根を拾い集める。そして蜂の巣から採った蝋で固めた仮の翼で空を飛んで脱出を試みた。
これは神話世界だから出来ることであって良い子は真似してはいけません。
ダイダロスは飛び立つ前に
「蝋が湿気で崩れないよう、低く飛んで海に近づきすぎてはいけない」
「蝋が太陽の熱で溶けないよう、雲の下を通リ高く飛び過ぎてはいけない」
とイカロスに忠告していた。
しかし自由自在に空を飛べることに慢心したイカロスは、父の忠告を忘れて雲の上まで登り太陽に接近、蝋が溶けて墜落死してしまった。
彼が落ちた海はイカリオス海、死体の流れ着いた島はイカリア島と呼ばれるようになったという。
このように、元々は人間と技術の「過信」「傲慢」「身の程知らず」を戒めるための物語である。
風刺的な意味合いから芸術の題材にされることしばしばで、伝ピーテル・ブリューゲルの絵画『イカロスの墜落のある風景』が知られている。
風景画の片隅に、海に墜落したイカロスの足が小さく描かれており、苦しむ者への無関心さや、悲劇をよそに日々の営みが続くさまを表現していると語られる。
一方で、人が知恵と勇気を駆使して空を飛んだという印象的なエピソードから
「空を飛ぶことに挑戦した勇気ある先駆者の物語」
として捉えられることもある。
楽曲「勇気一つを友にして」(作詞:片岡輝、作編曲:越部信義)は『みんなのうた』で放送されて以来、小学校高学年の音楽の教科書にも採用されるなど知名度が高い。
現在では空を飛ぶことに関連したモノやキャラクターに「イカロス」の名前が与えられることが多い。
ラテン語読みで「イカルス」と表記されることもある。
誘導分岐
- 日本の人工衛星。小型ソーラー電力セイル実証機。→IKAROS
- 幡紫竜のイカロス。幡紫竜Exのラスボス。テーマ曲は「Super I.I.G.G」。
- そらのおとしもののイカロス。→イカロス(そらのおとしもの)
- 「マクロスII -LOVERS AGAIN-」のイカロス
VF-2JA イカロス。大気圏内専用の可変戦闘機となっている。VF-2SSバルキリーIIと同じVF-2となっているが外見や変形機構等は全くの別物となっている。ファイター、バトロイドはVF-1に似た外見となっているが、ガウォーク形態では主翼基部が折りたたまれ、前進翼になる。大気圏内専用のために推進剤を追加するスーパーパックのようなものはないが、ミサイルを内蔵したミサイルポッドが搭載される。
- 「ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに」に登場する追加装備・イカロスユニット
- 仮面ライダーXの神話怪人。→イカルス(神話怪人)
- 鳥人戦隊ジェットマンの巨大ロボ・ジェットイカロスの略称。
- ミラーズエッジに登場する重要キーワード。続編「ミラーズエッジカタリスト」にてその正体が明らかとなる。