概要
おごり高ぶること、またそれによって心に油断を生じること。死亡フラグの原因を一言でまとめろと言われたら、およそ半分くらいはこれである。
人間は生きていくうえで失敗や挫折は付き物だがその過程で自分の弱さや欠点を自覚せずに進めた結果、全体に大ダメージを受けて最悪の場合、再起不能に陥る。
救いようの無い悪事や犯罪を行っていれば尚更であり、結果的に完膚なきまで叩きのめされる。
一人一人が自覚し、制御してこそ破綻が防げるのだ。
フィクションでは主にバトル物に用いられ、「本気を出すまでもない圧倒的な実力差」を表現したい時や、「ここで主人公が勝ってしまう訳にはいかないが、死なせる訳にもいかない」「万全を尽くされたら敵わない敵をここで退場させたい」展開などに用いられる。
ただし、慢心をした方は本来の実力よりしょぼい印象を読書に与える事になり、された方も実力で勝てた訳ではないというレッテルを貼られる事になる為、下手な使用は双方の株を落とす可能性が極めて高い点には注意。
その他の慢心
- 有名なものは平家の「平家にあらずんば人にあらず」(平家の人間でないやつは出世できない!!)
- と「おごれる平家久しからず」(平家は慢心しすぎたゆえに滅びゆく!!)が有名。
- また、その集団の中に一人はストッパー役がいるのだが意見を聞いてもらえなかったり、はやくに亡くなったため歯止めが利かなくなってしまったり、邪魔者とされて殺されたりしている。
該当人物や集団
- 蘇我氏:日本史でおそらく初めて慢心をした一族ではないだろうか。天皇殺害やライバルを滅ぼすなどの非道を極めるも最後はあっけなく殺されてしまった。(入鹿は暗殺、蝦夷は自殺)
- 藤原北家摂関家藤原氏:藤原道長の時に最盛期を迎えるも徐々に天皇家との血が薄れていたことなどで力を削られ、最終的に九条や近衛に分けられる。
- 平家:平清盛の政治体制への不満が清盛死後に爆発。清盛なしでは無力も同然だった平家はすぐ滅んでしまった。(重盛は父の態度を抑制していたが先に亡くなり止める者がいなくなっていた)
- 足利義満:皇家を乗っ取ろうと画策していたと言うがその前に死去。そして父に気に入られていた義嗣(よしつぐ)は兄で4代目の足利義持に最後は殺されてしまった。
- 織田信長:比叡山の焼き討ちや家臣への暴力・圧力などが主な原因であり、最終的に天下を統一する前に本能寺の変にて明智光秀に殺害されてしまう。
- 豊臣家:農民から太閤にのし上がった秀吉の死後は力を徳川にとられてしまい、豊臣の天下をあきらめきれずに徳川方が出した臣従の条件をことごとく拒否して最後は滅亡した。
- 大日本帝国海軍:MIの件は有名。ただし、キスカの撤退はこの真逆である。
等々……書き続ければ案外きりがない。
逆の例(慢心しなかった結果)
- 伊勢盛時(早雲)、毛利元就:下剋上の代表。意外にも慢心は一切していないため、のちの関東平定や中国地方平定をなし得れたともいえる(早雲の場合、成り上がりとみられないように工夫したりしてたという)。
- キスカ島撤退作戦:「帰ろう。帰ればまた来られるから」で有名。
抑制していた人物
- 厩戸皇子(聖徳太子):蘇我氏の抑制。先に亡くなったため歯止めがなくなってしまう
- 平重盛:父や兄弟の抑制。後白河上皇も気に入っていたが先に死去してしまう。
- 豊臣秀長:秀吉の行動を補佐時に諫めていたとされ亡くなった後の秀吉の行動はだれにも止められなかった。