「お宝ロック!地球人共のお宝は、一つ残らず閉まってやる~!さあ、噴き上げろ!ギャーソリン!!」
「お宝箱はびっくり箱~!」
登場話数:バクアゲ43「豪快なハンドル」
データ
全高/191cm(ギャーソリン大暴走体/45.3m)
重量/262kg(ギャーソリン大暴走体/621.4t)
エンジン/宇宙の宝箱
スピード/お宝ロック最速
カスタム/撃滅のカリバー、不滅の宝盾(ほうたて)、箱入りガード
ナンバー/2011
ファーストラウンド(コース/宇宙~市街地)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが、宇宙の宝箱に込められた燃えるトレジャー魂をイグニッションし地球に納車された、グランツ・リスク配下の苦魔獣。
宇宙由来の物で納車されたソードグルマーと同じく、地球外の星の海底に沈んでいた物を製造元としたらしく、ホタテ(二枚貝)がネジ止めされフジツボやヒトデにサンゴが所々へ付着した金銀財宝満載な宝箱が組み合わさった頭部と胴体、両肩を持つ。頭頂部には王冠を頂き、首には大粒な真珠のネックレスを提げ、鍵穴が錨のマークになった腹部の宝箱にはよく見るとタコが住み着いている。
宝箱の開閉口から燃える双眸が除く頭部は所謂ミミック顔で、双眸下の縦に長い鍵穴が目立つ。
全体的には豪華絢爛な勇者や海賊王を思わせ、海洋生物の要素からどこか13年前に現れた怪人にも見える外見にもなった。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「2011」。
柄部分にホタテがあしらわれ、宝石や真珠も埋め込まれた派手な作りの宝剣あるいは聖剣・『撃滅のカリバー』と、上下端に大きなホタテがへばり付いた様にも見える三つの宝石を目として縦一列にあしらった『不滅の宝盾(ほうたて)』で武装している。これで攻防に優れた接近戦を得意とする上、カリバーから濁った色合いの斬撃を飛ばし、宝盾の宝石より射程の長い光線を放っての遠距離攻撃も可能な為、戦闘面に隙が無く真正面からブンブンジャーを蹴散らせるハイスペック苦魔獣。
更に外装内へ四肢を引っ込め、的を小さくして防御を固める『箱入りガード』も使え、多方面からの攻撃をこの技でかわす芸当も披露した。
人が大切と思っている物品を“お宝”と捉え、淡い光で包んで引き寄せては顔から飲み込む事で強奪もとい収集。お宝を奪われた人々を絶望等に追いやりギャーソリンを捻出・回収する。なお、奪われた物品はタカラバコグルマーの顔にある鍵穴へ棒状の物を突き刺して抉じ開ける事でしか解放されない。
もっとも、この苦魔獣を製造したグランツにしてみればギャーソリンの入手はオマケに過ぎず、その実態は常槍もといI.S.Aとの契約を申し入れた射士郎を試す為の舞台装置であった。言うなれば、ハシリヤンと癒着関係にある地球の政府組織の打診で誕生したという経緯の苦魔獣であり、引いては『知略で敵対勢力の地盤を崩し、弱体化させた所を潰す』というスピンドーの策謀の第一手として差し向けられた存在とも評せる。
苦魔獣の本能に従うまま、「バコ~ン!」を口癖に他人が大切にしている物を次々と強奪していく、豪華絢爛な外見に反し欲深い盗人。ただし、お宝を強奪する事のみに関心があって、奪って体内に貯め込んだ物品をどうこうしようという発想や思考は持たない。
この点は裏目に出てしまっており、お宝の一つ=射士郎が手放したブンブンチェンジャーを取り戻され、かつそれを思いも寄らぬ方法で利用される遠因となった。
本編での動向
既にグランツが製造・納車した状態で行動を開始(※地球外で製造元を調達しつつイグニッションを施したのだろうか)し、宇宙より飛来。地球でお正月を迎え、今年こそはギャーソリンを集めて大出世を目標に掲げ、宇宙式お年玉交換をしようとするサンシーター達の元に「バコー! 宝箱~!」と叫びつつアジトの天井をぶち破っていきなり出現。
納車した覚えのない苦魔獣にサンシーターが驚く隙に、宙へ舞ったお年玉をそのまま強奪し「一攫千金〜♪」としたり顔で市街地に繰り出すと、ギターやバッグ、オシャレな服など各々の地球人が大事にしている物を次々と吸収。大量のギャーソリンを発生させ、自分の任務遂行の為に独走する(イターシャはその手際の良さからグランツが作った物と推察していた)。
未来「うわっ!?ホタテ!」
先斗「ホタテじゃねえか!」
玄蕃「ホタテだねえ」
錠「ホタテの苦魔獣ですか!?」
「ホタテ? あぁ、ホタテ……ホタテじゃな〜い!宝箱だ!」
そこにシャーシロの連絡で駆け付けてきたブンブンジャーが駆けつけ、「ホタテグルマー」と間違えられた事に憤りながらブルーを抜いた5人と交戦。ブンレッドが繰り出したブンブンハンドル・ロッドモードの攻撃を不滅の宝盾で防ぐ拍子で吹っ飛ばされ地面に落下するも、続くブンブンジャーの一斉攻撃は防ぎ切り撃滅のカリバーから放つ斬撃で圧倒。更には箱入りガードで全身を仕舞い込んで相手の攻撃を防ぐと、カウンターとして不滅の宝盾からレーザーをぶっ放し変身解除に追い込んだ。
「ダハハハ!お前らのお宝はなんだ? 寄越せ!」
射士郎「……お宝は、コレだ」
「んんっ?…お宝発見!!」
勝利を確信してブンブンジャーの大事にしている“お宝”を奪い取ろうとするも、そこに遅れてシャーシロが駆けつける……しかし、彼はブンブルーにチェンジせず、ブンブンチェンジャーをタカラバコグルマーに投げ渡してしまった。
「ダハハ~、ロック~! お宝閉まった~♪」と思わぬ収穫に喜ぶタカラバコグルマーを尻目に、シャーシロは状況が飲み込めないブンブンジャーの前に銃口を向け、I.S.Aとハシリヤンが繋がっている事実を伝え「ブンブンジャーは……夢を追うのは終わりだ」と冷たく言い放つ。
実はシャーシロの能力に着目した常槍に以前から取引を持ち掛けられており、「I.S.Aに付いた証拠として、ブンブンジャーを裏切るよう」指示されていた。
射士郎「これからブンブンジャーは世界の敵になる。ブンブンジャーを解散しろ、大也。 お前を世界の敵にしたくない」
シャーシロは大也にブンブンジャーの解散を要求。仲間の説得を受けても聞き入れず、怒って殴りかかろうとした先斗に発砲する程彼の意思は固かった。
しかし、大也は「……最高のバクアゲだ。 たとえ世界を敵に回しても、俺は俺のハンドルを握る!」と夢の為に突き進むなら喜んで世界の敵になると言う負けず劣らずの強い意思を見せつけ、シャーシロの要求を突っぱねる。
しばらくはその様子を傍観していたタカラバコグルマーだったが、シャーシロがその場を去る手助けとばかりに増援のネジレッタ達を召喚して攻撃を再開。ブンブンジャーがネジレッタと戦っている隙に不意打ちを仕掛けようとするが、そこにかつて海賊の汚名を掲げ、世界の敵になった戦隊の1人、ジョー・ギブケン/ゴーカイブルーが参上。彼の放つゴーカイガンの銃撃を喰らい地面に転ばされる。
初めてと思えないブンブンジャーとゴーカイブルーの連携にネジレッタは蹴散らされ、撃滅のカリバーから斬撃を放って対抗するも回避と同時にゴーカイブルーが顔の鍵穴にゴーカイサーベルを投擲で差し込み宝箱のロックを解除。その勢いで切り払われ、奪った品々を吐き出しながら豪快に吹っ飛ばされてしまう。
更には「お前が背中を預けたいのは、こいつだろ」と取り返したシャーシロのブンブンチェンジャーを変化させたレンジャーキーで、ブンブルーにゴーカイチェンジ。
これに対し再増援のネジレッタを呼び出すも、ブンブラックとブンオレンジのブンブンチェンジアックスを借りたGブンブルーはロッドモード二刀流で瞬く間に瞬殺。
更に吹っ飛んできたネジレッタの爆発の巻き添えを喰らって転倒、間髪入れずに「ブンブンジャー、派手に決めるぞ!」と告げられてのファイナルウェイブとバクアゲハンドリングドライブが発動。すぐさま箱入りガードを発動させるが的を小さくしてもさして意味は無く、逆に容易く防御を貫通する威力の大技が迎撃出来ないまま直撃し、「宝箱には、鍵、かけ、て…」と呟きつつ敗北。
なお直後、ブンブルーのレンジャーキーは「こいつは返す。 夢を掴む、道具なんだろ?」とゴーカイブルーがブンレッドに投げ渡し、シャーシロのブンブンチェンジャーへと戻った。
ヤルカー「カーのお年玉を、返すカー!!」
直後にお年玉を取り返しに来たヤルカーのハイウェイ光線を受け、「ハッハッハッハ〜!お宝大発見〜!」と叫びつつギャーソリン大暴走体化を果たし(※同時にお年玉入りのポチ袋がタカラバコグルマーから零れて舞い、それをヤルカーは大慌てで追って行った)、ブンブンジャーロボとビュンビュンマッハーロボとビル街で交戦。
ここでも武装を最大限に使った互角の戦いを繰り広げるが、マッハーロボの戦いぶりを気に入ったゴーカイブルーが「もっとド派手に、暴れて見せろ」とゴーカイガレオンキーを用いた事で、マッハーロボがビュンビュンマッハーロボゴーカイカスタムへと変化。ゴーカイオー由来のアクロバットな動きに圧倒され、更にロボ2体の連携で武装を落としてしまい丸腰に。
最期は『バクアゲドライバー・ブンブンフィニッシュ』での一刀両断に『ゴーカイスターバースト』も追撃で撃ち込まれ、「お宝、空っぽ…バコォ〜!!」と断末魔の叫びを上げ爆散。自分の命も含め価値ある物を全て取られフィニッシュした。
しかし、シャーシロの裏切り行為はブンブンジャーの面々には少ながらず衝撃を与え、戦闘後も重苦しい空気が漂っていた。
更に血相を変えた様子のブンブンから「大也の資産が全てライトニング・テック名義に書き換えられていた」事が告げられ、大也は恩師である内藤が仕向けた事実に更なる衝撃を受けるのだった……。
余談
- ナンバーは過去のコラボエピソードの時同様コラボ先である『海賊戦隊ゴーカイジャー』の放送年(2011年)から。
- 宝箱モチーフの怪人は『獣電戦隊キョウリュウジャー』に登場するデーボ・ザイホーン以来11年ぶり。
- 武器の撃滅のカリバーは恐らく野島裕史氏も出演している某鬼退治漫画から来ていると思われ、不滅の宝盾は前述で述べたホタテと『アクマイザー3』に登場する「不滅の盾」がモデルと思われる(3色の目玉が盾(縦)一列に並んでいる部分が共通している)。ちなみに前者の作品の主人公の中の人は今作ではビュンディー/ビュンビュンマッハーロボ役で出演している。
- CVの野島裕史氏は今回のコラボ先である『海賊戦隊ゴーカイジャー』のワルズ・ギル以来実に13年ぶりの出演で、一般格の戦隊怪人を演じるのは今回が初。その前歴からして、前回のコラボの担当声優に引き続き正に適任なキャスティングと言える。
- また、SAの竹内氏はゴーカイジャーでゴーカイグリーンを専任していた。
- ホタテを始めとした様々な貝殻が張り付けられたデザインになっているが、その昔、中国など複数の地域で貝を貨幣として利用していたという歴史がある(「財」などの金銭関連の漢字の多く、その部首に貝部が宛てられているのはそれが理由)為、宝箱というモチーフと組み合わせるにはちょうどいいアイテムだったりする。
- また、今回コラボしたゴーカイジャーは以前ホタテモチーフのロボット怪人と戦ったことがあり撃破後幹部が「防御力の強化が課題」と考え盾装備の怪人を作ったためある意味タカラバコグルマーは今回の一件を想定して生み出されたと考えられる。
- また、ホタテの貝殻は帆を広げて船が快調に進む様子を表す「順風満帆」になぞらえて縁起がいい物とされている為、それを全面に出したデザインは正月回におあつらえ向きといえる他、今回のコラボ相手である海賊を意識した物とも考えられる。
関連タグ
ゲタグルマー、センログルマー:これまでのコラボエピソードに登場した苦魔獣。
ソードグルマー:製造元が地球外由来(惑星リフレクターの伝説の剣)である前例の苦魔獣。
ハゲタカライチ、デーボ・ザイホーン:歴代宝箱モチーフの先輩怪人。
シールドのザンKT:ホタテモチーフのロボット怪人で盾を使う要素も含まれており前述の余談の通り試作機との因縁も持っている。