「地獄の電車ごっこ~、途中下車は出来ませんので、ご注意くださ~い!」
登場話数:バクアゲ32「地獄の電車ごっこ」
データ
全高/191cm(ギャーソリン大暴走体/45.3m)
重量/264kg(ギャーソリン大暴走体/621.4t)
エンジン/操車場の線路
スピード/環状線一定速度
カスタム/整列乗車フラッシュ、ガタゴトパンチ
ナンバー/2014
ファーストラウンド(コース/操車場~市街地)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが、操車場の線路に込められた燃える車掌魂をイグニッションし、地球に納車された再建パワー苦魔獣。
中央・総武線E231系0番台のフロントガラス部分に、眉毛となった遮断機とその踏切警報機ランプで構成された燃える双眸にそこから伸びた空力ブレーキウィング風の炎、牙の並んだ口を模したスカートが置かれた顔から、無数の線路が飛び出て絡んだ頭部と胴体で構成される。線路のレールと枕木が集合したディテールは、遠目から見るとハードレザージャケット風。
頭には茶色の駅帽子を乗せ、首からはホイッスルを下げている物の、ヤンキーが小道具を身に着け車掌ごっこをしている様な風体でもある。
また、全体的にカラーリングが暗めである事からどこか10年前に現れた怪人を思わせる。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「2014」。
両目より放つ『整列乗車フラッシュ』を浴びせた人間の身体のコントロールを奪い、自分を起点に数珠つなぎとした上で強制電車ごっこに付き合わせ走らせる事が可能。
一見シュールかつ楽しそうな絵面だが、無理矢理参加させられた人達は途中下車は許されず力尽きるまで延々と走らされる、かといって外部から強引に止められてもセンログルマーが巻き込んだ全員諸共大爆発する(恐らく大暴走体化する分としてストックしたギャーソリンを爆発させる機構があるのだろう)という、どっちに転んでも命が助からない地獄の終点が待っている。
こうして、止まりたいけど爆発を恐れて止まれない恐怖や死ぬまで走らされ続ける苦痛等を煽ってギャーソリンを二重三重以上に捻出、ハイウェイ空間を介してハシリヤン本家に納入する、ディスレースよりパワーを与えられたに相応しい効率的で悪辣な作戦を取れる再建パワー苦魔獣だが、本当は線路の上にある電車を苦魔獣にしようとしたがハシリヤンイグニッションキー(パワー注入済み)を刺そうとした際にイターシャが転倒した弾みで線路にキーが装填されて誕生した、半ばアクシデントの産物だったりする。
この為、生み主のサンシーターが真っ先に強制永久電車ごっこの餌食になり、後追いの地球人達諸共延々走らされる羽目に陥った。
前述の通り、外敵の攻撃を躊躇わせつつギャーソリン捻出に専念出来る事から、両目からのビーム以外の武装は有していないが、戦闘では後頭部からレールを高速生成して変幻自在の軌道で動き回り、一定速度での加速を乗せたストレートパンチ・『ガタゴトパンチ』で敵を跳ね飛ばす。
一方、製造元の線路が苦魔獣として存在意義を曲解・誇張された事に由来して、敷かれた線路軌道に逸れての移動が出来ない(※電車ごっこ時の様に2足走行は出来るも、頭でイメージした線路軌道に従って行き先を決めている模様)という致命的な弱点を持っており、環状線に誘い込まれるとそこをひたすら走り続けてしまう、線路を解体されると成す術無く脱線して転倒する、軌道の先を弄られて行き止まりに追いやられると一切何も出来なくなってしまうと、この弱点へ付け込まれれば大きな隙を晒してしまう。
車掌気分の駅内アナウンス口調で話し、巻き込んで走り続けさせる人々の苦痛などお構いなしで一人楽しそうに電車ごっこへ耽る、マイペースで独り善がりな性格。しかし想定外の状況になると、ツッコミが鋭い素の口調が出る。
本編での動向
マッドレックス・フューリーを元に戻そうとディスレースに取り入れようとするも、相変わらずの間抜けぶりで行く先を見失って失敗し、早々にスランプを感じたサンシーター。
何故か操車場内で今後をどうしようかと悩んだ後、とりあえずギャーソリン収集を続けようと決めた上で手近な電車(北総7500形と思われる)にイグニッションしようとしたイターシャだったが、勢い良くハシリヤンイグニッションキーを刺そうとして手前の段差で躓き、誤って線路へキーを装填した事で「線路~! ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン、プシュー!」と電車の真似をしながら誕生。
自分らのドジで、変な苦魔獣を納車してしまったのに項垂れるサンシーターだったが、そんな彼等へセンログルマーは記事冒頭の励ましのセリフとともに整列乗車フラッシュを浴びせ、自分の後ろへ3人を連結した上で地獄の電車ごっこを開始した。
出発進行して市街地へ入ってからは、整列乗車フラッシュを次々と地球人へ浴びせ「後続車両」を増やし、延々と走り続ける事で人々を疲弊させギャーソリン捻出の下地を作っていく。その中にはパトロール中に巻き込んだ錠もいた上、彼の連絡で現れた他のブンブンジャーの内射士郎と未来も、「整列乗車にご協力願いま〜す! ピーッ!!」とアナウンスしつつ地獄の電車ごっこへ巻き込む事に成功。後を追い掛けようとした大也はネジレッタの集団で足止めし、悠々とその場を立ち去った。
それからしばらくして、列車の点検倉庫前で一悶着していた玄蕃と先斗、ビュンディーに虹野明の4人と遭遇。通り過ぎるついでで「ご乗車願いま~す! ピーッ!!」と言いつつ整列乗車フラッシュを放って先斗以外の3人を追加で接続、妨害しようとした先斗/ブンバイオレットも「この電車ごっこは~、止まったらみんな纏めて、大爆発しま~す!」との警告兼脅迫アナウンスで牽制しやはり悠々と場を立ち去る。
なおこのカミングアウトで、力尽きるまで延々と走り続けるしかない現実を突き付けられた人々は溜まった疲労に絶望感等が加わり、エフェクトこそ無いが大量のギャーソリンが捻出されハシリヤン本家に直接納入されたのが示唆される。
デコトラーデ「へへっ!! 良いぞ、良いぞ! なんて姑息なんだ!」
イターシャ「ハァ……足が疲れてきたけど、応援しちゃう…!」
ヤルカー「でも、カー達も止まれないカ〜!」
バイオレット「あぁ!本当どうすりゃ良いんだ!?」
レッド「止められないなら、止めなければ良い」
その後もひたすら終わりなき電車ごっこで走り続けていたが、すぐに大也/ブンレッドとバイオレットが前に立ちはだかり、「この電車ごっこを止めたら~、爆発しま~す! ご注意願いま~す!!」とアナウンスしつつ再度牽制しようとするも、大也の閃き=イマジネーションにより、進行方向先へ先回りしたレッドとバイオレットの必殺技で形成した円形の線路=環状線に誘導される策であちこちに行くのを封じられ、その場でグルグル走り続ける状態にされてしまった。
「あら? ま、ま、ま、回ってる、回ってる!?」
更にそこへ、烈車に乗ってライト/トッキュウ1号も参戦。レッドとバイオレットを支え役にレンケツバズーカより放った『レインボーラッシュ・連結解除』で召喚された大量のチケットくんに人々が噛まれた事で、サンシーター含め数珠つなぎにされた人らは整列乗車フラッシュの効果を消され、地獄の電車ごっこから無事解放された。
そして一人だけグルグル走り続けるしか出来なくなったセンログルマーは、「こうなったら、ネジレッタがまいりま~す!」とアナウンスしていつもより多めのネジレッタを呼び出す。だが地獄の電車ごっこに付き合わされて疲れながらも怒った3人も合流したブンブンジャーと、乗り換えチェンジで仲間達の固有武器も使いこなす1号には敵わず多少の時間を経て蹴散らされた。
そして無駄に周回を続けている所に戻って来たレッド・バイオレット・1号へ狼狽えている内に、レールスラッシャーから生成・環状線に繋がれた線路を通してレッドとバイオレットがブーンブーツより飛ばしたタイヤを送り込まれて挟撃され、動きを止められた所に合体技『バクアゲレインボードライブ』が直撃。「終点で~す! またのご利用、お待ちしておりま~す!!」とのアナウンスを残して敗北し、地獄の電車ごっこは犠牲者0の終点を迎えた。
直後、ヤルカーのハイウェイ光線でギャーソリン大暴走体化し、「またのご利用、ありがとうございま~す!」と感謝しつつ敬礼ポーズでビル街に再出現。
対抗して繰り出されたブンブンジャーロボにバイオレットも続こうとするが、列車ごっこで乗り物酔いしたビュンディーの代わりに1号より貸与されたトッキュウレッシャー/トッキュウオーに乗って参戦。…のだが烈車のマスコンレバーの扱い方が分からずやたら滅法に動かしたので、その場で変な動きをするグダグダをやらかす。
その隙に、センログルマーは「発車しま~す!」と言いながら頭からのレールに乗って滑走、先制のガタゴトパンチを直撃させ往復経路での追撃を仕掛けるも、バクアゲドライバーにより生成した線路を解体され「脱線いたしま~す!」と告げながら顔から地面に激突。これで相手が動けなくなった隙に、バイオレットはマスコンレバーをブンブンコントローラーに差し替える荒業で操縦の問題を解消した。
脱線から立ち直って、両目から「ビーム、発射しま~す!」と反撃するも、バイオレットが操縦するトッキュウオーは怯まず接近しフミキリケンやトッキュウオーパンチ・キックで攻撃。
それでも「まだまだ止まりませ~ん!」と再び線路に乗って向かっていくも、ブンブンジャーロボが先の分解した線路と資材を使いバクアゲハンドとドライバーで敷設した線路に誘導された上、トッキュウオーの転轍機切り替え操作で線路の行き止まり地点に追いやられ身動きを完全に封じられてしまう。
ブンブン「線路だけに、これ以上は通“せんろ”!」
「行き止まり!? これじゃぁ、ガタンゴトン出来ませ~ん!?」
後悔のアナウンスを叫ぶも時すでに遅し、勝利の終着駅へ続く合体必殺技『バクアゲイマジネーション・ブンブンフィニッシュ』が直撃してすぐ隣の池へ落水、「線路は、どこまでも続くんじゃないの~~~!!?」とアナウンスも忘れた素の口調でツッコミを残して爆散。同時に吹き上げた水飛沫で虹を描いてフィニッシュした。
そしてバイオレットをトッキュウオーのコクピットに残し、ブンブンジャーへ「俺には見える。 お前らが、夢を叶えるのが」との激励を贈りつつ、1号ことライト=鈴樹来斗は静かに去って行ったのだった。
余談
- ナンバーは今回のコラボ先になる『烈車戦隊トッキュウジャー』の放送年(2014年)で前回のコラボ先の苦魔獣のナンバーと同じ特徴。
- “センログルマーを迂闊に攻撃すると引き連れた人達ごと大爆発する”との設定は、東映のミニチュア特撮技術が最大限に発揮された事で様々な逸話を残したパニック映画『新幹線大爆破』が元ネタだろうか。
- なお因みに、『トッキュウジャー』第8駅はそれを意識したエピソードだったりする。
- 声を演じる阪口氏は前作『王様戦隊キングオージャー』のザリガジーム以来連続しての出演。
- スーツアクターを務める梶山氏は戦隊初登板となる。
- 記事冒頭の「さあ行くんだ その顔を上げて」は、松本零士氏の漫画、銀河鉄道999のアニメ版でゴダイゴが歌った主題歌の歌詞からの引用であると思われる。
関連タグ
機関車仮面、スチームパンクス、蒸気機関オルグ、デンシャロイド、デンシャロイド2、妖怪ヌリカベ、妖怪ワニュウドウ、SL邪面、ディーゼルバスラ、烈車鬼、烈車鬼ング:鉄道関係(妖怪ヌリカベは車両ではなく踏切だが「線路」の要素がある)をモチーフにした歴代先輩怪人達一同でこの内デンシャロイド2とヌリカベ、ワニュウドウは素体アイテムを使って製造され感情を集る。(さらに言えばワニュウドウはコラボエピソードが由来)、スチームパンクスは映画(こちらは単独作品)繋がりをもつ「○○獣」の名を持つロボット怪人)、烈車鬼および烈車鬼ングはトッキュウジャーそのものをモチーフにしている。
サラマズ究極体:同じくトッキュウジャーコラボエピソードの敵役の巨大形態で、電車ごっこを模した(こちらは人質ではなく戦闘員がしている)シュールな絵面の攻撃を仕掛ける点が特徴。また、こいつと前回の怪人とは時計モチーフ怪人と組む、声がお笑い芸人と、こちらも今回のコラボエピソードの印象が強い。