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オクトイマジン

おくといまじん

『仮面ライダー電王』第41-42話に登場したイマジンの1人。ここではこいつの死体から誕生したモンスターについても記述する。
目次 [非表示]

「こんな面倒な契約させやがって…!」


CV:津田健次郎


概要編集

カイ配下の敵イマジンの1人。軽薄でだらしない性格。

首領であるカイの命令を受け、女子高生・葉月翔子と契約した。彼女の望みを叶える事で過去へ飛ぼうとするが、逆に振り回されてしまう。


終盤では別個体がモールイマジン等と共に現代に現れた。


外見編集

蛸としゃれこうべ」という民話(劇中で言及はされていない)からモチーフにした姿で実体化した。そのため吸盤模様が入った赤い身体の首に髑髏が付いている。


能力編集

触手状の左手を伸ばして敵を攻撃したり捕まえたりする。触手は切り落としても無機物に取り付く事でその無機物を思いのままに操る事が出来る。撤退用の煙幕を吐く爆弾も使用する。


黒い竜の形をした怪物編集

ライナーフォーム電車斬りの際に出現させるレールにオクトイマジンの触手が取り付き、増殖・分裂し複数の頭部を持つ黒い竜のような姿に変貌した巨大な怪物。逃亡した時の砂漠で増殖し、デンライナーゼロライナーと戦った。

長い身体で相手に絡み付き、集合体の口からは火を吐いて攻撃する。

見出しの名称は便宜上つけた物であり、劇中や公式でも正式な名称は呼称されておらず詳細は不明。


契約者の願い編集

願い事:「一目惚れした『桜井侑斗』と思い出を作りたい」

対応する時間:2006年11月15日


とある病で入院していた翔子は、長きに渡る闘病生活の末遂ぞ退院(病に関して本人は「結構キツい病気」と語っており、詳細こそ不明なものの、ニット帽を被って車椅子に乗っていた描写から、かなりの大病を患っていたことが窺える)。

クラスメイトや女子ソフトボール部の仲間との再会に向け、はしゃぎ回って美容院や買い物に回った末、公園のベンチで夜まで熟睡してしまう。

そこに、「戦いの足しになるよう、少しでも侑斗を誰かに覚えてもらいたい」と、侑斗に黙って憑依しデネブキャンディ配りに奔走していたデネブが(一時的でも侑斗を忘れてしまっていた前話の出来事を知り無力な自分にショックを受けたため)、立ち寄った公園にて彼女を発見。翔子が目覚めた時には、D侑斗のコートがかけられていたばかりか膝枕までされていた。


最初は警戒こそした翔子であったが、コートをかけてもらった優しさに気づき、そして彼の間の抜けた寝言に吹き出してしまう。

その後の会話もあり、彼の親切さとユーモラスな人柄に好感を持った翔子は、結果D侑斗に一目惚れ。コートを返却するため翌日公園で再会する約束をした後、翔子の頭はD侑斗のことでいっぱいだった。


上記の日付は、翔子が病院の庭でを発見した日である。その時の蛹は闘病中だった彼女の人生観に影響を与え(後述)、以降蛹のあしらわれたバングルを愛用するようになっていた。


活躍編集

カイの指示で翔子に憑依。いつまで経っても願いを言わないことで痺れを切らし、夜に彼女の部屋で願いを聞くも、D侑斗に恋をし周りの見えていない翔子からは事を冷静に把握すらされておらず、願いを聞き出すのに苦戦することに。


その後望みを叶えるために嫌々ながら侑斗を襲撃。自分が倒されては困るため、触手で絞め殺しながら死体として連れていこうとするものの、駆けつけた電王ソードフォームマシンデンバードで突撃。しかし能力でマシンデンバードを暴走させ、電王が良太郎の進言でマシンデンバードから降りた後は一方的にやられるものの、「俺の必殺技 パート5」が完了する直前に後方からデンバードを突撃させ撥ね飛ばした。

そして冒頭の台詞をぼやきながら、墨爆弾を投げて目眩ましした隙に撤退。

カイに「契約がめんどくさい」と文句を言いに行くが「俺には関係ない」と一蹴された挙句、分かりきってるはずのことをカイに確認してしまったため「俺何度も同じこと言うの嫌いって言ってなかったか?」と半ギレされ、仕方なくまた出撃することになる。


その後侑斗はデンライナーまで搬送され、デネブと翔子の交流を知り「関係ない奴を巻き込むな」と激昂。

待ち合わせていた公園にて、一人遊びで時間を潰し3時間近くもD侑斗を待っていた翔子は、代わりにコートを受け取ろうとしたU良太郎に目もくれない。加えて翔子の寝そべった芝生に砂が落ちていたことで、良太郎達は翔子が契約者であること、D侑斗に一目惚れしたことを理解。

オクトイマジンの監視及び惚れさせた責任もあり、デネブはウラタロスの提案でD侑斗として翔子とデートすることになった。


翔子にコートを返却された後、動物園でデートとなった二人。

デネブは緊張と慣れない状況に幾度となく逃げ出しそうになる(その度に侑斗から叱咤された)。しかし勢いあまって翔子のマフラーに飲み物を溢してしまった際、染み取りに励む姿を「お母さんみたい」と朗らかに肯定する翔子にデネブも心がほぐれ、打ち解けた様子でデートに応じられるようになる。

その姿はさながら、初々しい学生カップルのようであった。


動物園を出て、浜辺でキャッチボールをしながら翔子はD侑斗に語る。

闘病中、現在とは別人のように虚ろな表情で過ごしていた翔子は、病院の庭で蝶になれずにいる蛹を発見。その姿は、「約束された未来でなくても頑張っている蛹がいる」「今日が終わって、明日がなくても、昨日は残る」と、明日が絶対にあるものではないと身に滲みていた翔子が現在の人生観を形成する切っ掛けになった。

未来が確かでなくても、翔子は一日一日を懸命に生きるようになった。そして今日も、『桜井侑斗』に思いを伝えるため彼に真剣に向き合い奮闘していた。

そんな翔子の姿に、いずれ忘れられる前提で交流を持つ=最終的には相手が懸命に生きた軌跡を奪ってしまうことを悟ったデネブは罪悪感に見舞われ、ボールを暴投させた隙に草むらの影に隠れ憑依を解除してしまう。

罪の意識に押し潰されそうなデネブに、侑斗は語る。

「忘れられる方だけ考えるなよ、デネブ。忘れる方だって辛いんだ…」


翔子を追いかけていたオクトイマジンだが、浜辺にてウラタロスが動きを察知、変身された電王ロッドフォームの妨害を受ける。しかし触手とロッドではリーチの差からオクトイマジンが有利であり、付近にあったトラックを操り、電王は避けても襲ってくるトラックに苦戦、最終的に電王がマンホールに逃げ込んだ隙に翔子の元へ向かってしまう。

そして、侑斗を追いかけてきた翔子が彼と共にいる姿を確認、契約完了とみなして過去に移動。

素の自分として初めて翔子と向き合った侑斗は、くしゃみをする翔子に自身のマフラーをかける。


「ごめん。俺は忘れないから」


覚悟もあってか、侑斗は翔子の目の前でゼロノスゼロフォームに変身。オクトイマジンを追いかける。


過去に飛んだ先で桜井を見つけて襲いかかるも、ゼロノスに妨害され戦闘では一方的にうちのめされる。ゼロノスが腰に装填していたゼロガッシャーをサーベルモード化させ操って攻撃、ゼロノスがゼロガッシャーを地面に突き刺し動きを封じた隙に触手で絞殺しようとするも、電王がライナーフォームに変身して参戦。

最終的に、ゼロフォームの『バスターノヴァ』とライナーフォームの『デンカメンスラッシュ』を同時に受けて倒された。


しかしオクトイマジンの触手がライナーフォームの出現させたレールにとりつき、複数の頭部を持つ黒い怪物に変貌。逃亡先の時の砂漠で増殖し、デンライナーゼロライナーと戦った。そこにキングライナーが駆けつけ、両列車の連結による多数の爆撃を受け撃退された。


戦いの後、ゼロノスカードの効果で翔子は侑斗の記憶を忘却。

翔子は、自分がなぜ海に、なんのためにいて、それどころか今日何をしていたのかもわからず、侑斗からかけられたマフラーが枝に引っ掛かって自分から離れたことにすら頓着せずに去っていった。

自分の勝手な行動で記憶を持たせ、結局翔子と侑斗双方に辛い思いをさせてしまったことをデネブは悔い、それを受けた侑斗も、茨の道を歩く覚悟を決めるようデネブを諭すのであった。


余談編集

スーツクラーケンイマジンの改造で、風貌も非常に似ている。


ちなみに蛸に流用する事は最初決まっていなかったらしく、烏賊だった頃から髑髏の意匠がついていたのは偶然とのこと。


声を演じた津田氏は今作が平成ライダーシリーズ、延いては特撮初出演となった。後に『仮面ライダー鎧武』ではレデュエ役として、『仮面ライダージオウ』ではカッシーン役として、『仮面ライダーリバイス』ではベイル役として出演している。


前エピソードの第40話ではゼロノスカードのメリットが明かされたが、本エピソードの第41・42話ではゼロノスカードの使用によって侑斗が人々から忘れられていくことの悲しさや残酷さが改めて描かれ、デネブの優しさが裏目に出てしまうことや翔子の健気さも相まって非常に切ないエピソードとなっている。


元ネタの「タコとしゃれこうべ」は千葉県に伝わる怪異談であり、先代(父)の命日に漁に出た男がしゃれこうべを抱えたタコを釣り上げ、タコを市で売り払うと、タコを獲った場所では魚が全く取れなくなってしまったという話。この手の話では主人公がしゃれこうべを粗末にしたりして祟りが起こるものだが、この話の漁師達は髑髏をきちんと供養している為、魚が取れなくなるだけで済んだのかもしれない。



関連タグ編集

仮面ライダー電王 敵イマジン 桜井侑斗 タコ

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