「皆カッチカチでカワイイわよ~♡ 次は、この中ね」
「ゲ~ッ!カワイくないのが、1・2・3・4・5……キ~ッ!耐えられな~い! 全員カワイくしてあげる!!」
登場話数:バクアゲ14「クールとワイルド」
データ
全高/190cm
重量/265kg
エンジン/引越中の冷蔵庫
スピード/氷結最速
カスタム/フリーザーブリザード
ナンバー/2310
ファーストラウンド(コース/水族館前)
概要
ハシリヤンが、引越中の冷蔵庫に込められた燃える冷凍魂をイグニッションし、地球に納車された苦魔獣。
製造元の冷蔵庫が片開き扉型だったのに対し、こちらは観音開き型の冷蔵庫が開いた所から溢れた冷気が固まって生じた氷塊より成る、長髪と髭で覆われた様な雪男じみた顔を主とした上半身を有する。恐らくは、苦魔獣共通の意匠である暴走して双眸から噴き出したエネルギー=冷気が凝結し顔を構成したとの解釈なのだろう。そのため氷塊の中にはよく見るとオレンジ色に揺らめく炎が見え隠れしている。
氷塊に配された多数のネジ頭が吸盤にも見える事から、イカもしくはその顔を持つ深海の怪人を連想させるおどろおどろしさも持つ。一方氷塊には節に見える意匠もあるので、氷で関連付けられるマンモスの牙や北欧の海賊のバイキングのイメージも入っている様子。
また、左肩には冷蔵庫に据え付けられている卵の収納ポケットが配置されているが、これはイカの雄個体が受精卵を孵化するまで守る生態がある事に因んでいるのかもしれない。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「2310」。
概ね恐怖感を煽る強面な外見に反し、言動は粘着質な声色のオネエ。しかも悪寒が走る程のカワイイもの好きで、「氷結ー!」を口癖に自分勝手な価値観を標榜しながら絶対零度の冷気を操る能力『フリーザーブリザード』で人々を凍らせてはコレクションとし、その過程で悲鳴等を煽りギャーソリンを発生・回収する。
更に興味感覚でカワイイと思ったものを凍り付かせようとするので、放っているといたずらに生命を凍死させ続ける無自覚な残虐性も有する。
上半身の重さで素の動きこそ鈍いが、戦闘でもフリーザーブリザードを自在に使いこなし、口からの吹雪で地面を凍らせて敵の動きを妨害するのを始めに、冷気を纏わせた足技による接近戦や爆発エネルギーを込めた氷を生成して投擲する『氷ボンバー』、空中や凍った地面より氷柱を発生させての挟撃に分厚い氷で我が身を覆ったり盾やバリケードを展開しての防御といった、多彩な技で相手を翻弄する。
またサブウェポンとして、左肩から爆発する卵をばらまく事も可能。
その能力の有効性や自由度からして、直接戦闘はもちろん味方の支援役としても使い道があった苦魔獣と言え、一度倒されてもヤルカーを介してギャーソリン暴走態として復活させれば単体でも優位に立っていたブンブンキラーロボの加勢として活躍させられ、サンシーターの勝利を盤石にし得た可能性も高い。
しかしヤルカーはいつも通りデコトラーデとイターシャに付いていって共にキラーロボへ搭乗、レイゾウコグルマーが倒される現場に居なかった為上記の使い道をフイにしてしまっており、結局サンシーターはまたしてもブンブンジャーに敗北する顛末となってしまった。
但し、キャノンボーグは後の回で勝手にギャーソリン暴走態となったカセキグルマーをギャーソリンを無駄食いした失敗と見なし、ソードグルマーに至っては倒されてもギャーソリン暴走態にならずに素体となった伝説の剣にギャーソリンを遺したまま戻った事を踏まえると、ヤルカーを引き離したのは苦魔獣を巨大化させない事が前提の作戦であれば大した問題ではない事には留意する。
本編での動向
いい天気なので勝手に地球侵略を休んでの日向ぼっこをしていたサンシーターだったが、当然それを許さないキャノンボーグから攻撃による脅しを受け、仕事へと駆り出される。
そして慌てて苦魔獣の素材を探し回っている内に、引越し業者のトラックより降ろされた冷蔵庫を発見した為、イターシャが駆け寄ってハシリヤンイグニッションキーを装填した事で「冷蔵~庫~♡」と両手を振りつつ叫んで誕生。
納車の流れからサンシーターと共にギャーソリン収集へ赴こうとするが、後を追って現れたキャノンボーグがブンブンデンジャーをサンシーターに再支給し巨大戦力役へ回る命令を下した為、レイゾウコグルマーは単独でギャーソリン収集を行う事となった。
しばらく後、ネジレッタを引き連れながら「しらうみ水族館」前に出現。逃げる人々をフリーザーブリザードで氷塊に封じ込めコレクション、ギャーソリンを順調に収集していた所で水族館内に居た鳴田射士郎と未来が立ちはだかるも、更に再建・チューンナップされたブンブンキラーロボを操縦するサンシーターも参戦。
すぐに残りのブンブンジャーも現れたが、これを見たレイゾウコグルマーは一方的な嫌悪感をまくし立てながらフリーザーブリザードで先制攻撃。これは間一髪で避けられたが大切なプライベートの場所である水族館を守ろうとする射士郎/ブンブルー1人がこの場に残り、他のブンブンジャーはキラーロボに対抗すべくブンブンジャーロボポリスを繰り出す別行動を取った。
1人になった相手へネジレッタの集団を嗾けるも、昔からスタンドプレーで活躍していたブルーは狙撃の陣形で固まった所へブーンブーツから撃ち出したタイヤを叩き込み、ネジレッタを一網打尽にする。
「何すんの! 危ないじゃないの~!!」と怒った相手が放った吹雪を大ジャンプでかわし、その体勢からブンブンシュートドライブで決めようとしたブルーだったが、レイゾウコグルマーは自身を氷塊のバリアで覆って弾幕を悠々と凌ぐや、氷の盾と足技を併用した接近戦で反撃し、隙を見計らって氷ボンバーをブルーに直撃させ変身解除させた。
「さ・て・と♡ 次は水族館のお魚ちゃん達もカワイくしちゃおうかしら♡ ギャーソリン、出るのかしらねぇ。ん?」
射士郎「行かせない…!!」
「まぁ、生意気!そんな生意気ちゃんには…!」
こうして邪魔者を一蹴し目的の水族館内へ踏み入ろうとするが、射士郎は生身で立ち上がり足元に縋り付いてでもレイゾウコグルマーの歩みを邪魔してきた。
これへ「アンタ、しつこいのよ…!」とイラつき始め、生身の相手に氷ボンバーを投げ付けた上に足蹴にしていると、玄蕃/ブンオレンジに持たされたタイヤチェーンを携えた未来/ブンピンクが乱入。
ピンクが振り回すチェーンにしばかれて射士郎から引き離されるも、「よくもやったわねぇ! 冷え冷えの倍返し~!!」とすぐに氷ボンバーで反撃して変身解除させたが、2人が態勢を立て直すべく逃げたので「こうなったら、逃がさないわよ~ん…!」と後を追い掛ける。
程無くして地下駐車場で2人に追い付き、頭上に掲げるサイズの氷ボンバーを生成して投げ付けるも、未来に叱られ目が覚めた射士郎が当たる寸前にブンブンハンドルガンモードで撃ち落とし失敗。おまけに追撃の弾幕をまともに浴びてダウンしてしまう。
やっと未来を仲間として認め、共に水族館を守る為に戦う事を決めた射士郎の言動を聞きながら「どんだけ~ッ!?」と零しながら立ち上がり、吹雪で床を凍らせながらの先制を放つが、2人は再度のブンブンチェンジを行いつつ回避。
続けて上空や凍らせた床よりの氷柱で挟撃するも、「魚の泳ぐ動き」を意識したブルーとピンクはブーンブーツのタイヤをスタッドレス化しつつフィギュアスケートのペア演技の如し華麗な動きで氷柱を回避・迎撃。
更に2人は『ブンブンツーリングドライブ』を発動、アシカのショーでの動きを真似て腹で凍った床を滑りながら接近。これを左肩の卵爆弾で迎撃しようとするも相手は巧みなスラロームで回避、距離を詰められても氷壁のバリケードで凌ごうとするが銃撃で潜り穴を開けられて突破。その勢いでブーンブーツも併用したサマーソルトキックを2人から叩き込まれてしまう。
そしてこの流れから、ブルーのチャージした銃撃にピンクのかっ飛ばしも加えたトドメの一発が直撃、「冷たく……し~な~いでぇぇぇ!!」と言い残しながら敗北・爆散し冷ややかにリタイア。同時に発生させた氷は跡形も無く融け、コレクションにされた人達も無事解放された。
そして、いつもなら残ったギャーソリンを取り込みに来るヤルカーも現れなかったので、この時点をもってリタイア(完全敗北)。しかもこのタイミングで射士郎を認めたブンブンマリンの参戦で完成したブンブンジャーロボモンスターにキラーロボが撃破され、サンシーターはまたしても敗北してしまう。
レイゾウコグルマーは能力・実力的にギャーソリン大暴走体となればキラーロボのアシスト役に十分成り得た(※キャノンボーグもそれを見越して苦魔獣を別行動させた可能性があるが、肝心のヤルカーが苦魔獣に付いて行かなかったので無駄に終わった)のだが、そうした真価等を今回もブンブンジャーに負けた現実を能天気に笑って流すサンシーターが気付く筈も無かったのだった。
レイゾウコグルマー・二台目
「レイゾウコグルマー・二台目~♡よくも捨てたわね〜!熱風~!!」
「暴走大合体!!私達に勝つ事は出来ないわよ!!」
CV:高戸靖広
データ
全高/190cm(ギャーソリン大暴走体/45.1m)
重量/265kg(ギャーソリン大暴走体/628.5t)
エンジン/粗大ごみの冷蔵庫
スピード/熱風最速
カスタム/粗大ごみ処理券、超ハシリヤン大次元シュート、ダブルチョップ、大回転ツイスター
ナンバー/5353
ファーストラウンド(コース/市街地)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
バクアゲ36に登場。
ハシリヤンが、粗大ごみの冷蔵庫に込められた燃える冷凍魂をイグニッションし、地球に再納車されたパワーアップ苦魔獣(※ディスレースのパワーを込めたイグニッションキーで製造された様なのだが、彼が戦死した事から『再建パワー』の冠詞が変更された)。
相方にして弟分のソウジキグルマー・二台目共々捨てられた事への恨みを持っており、それを晴らそうと積極的に人間を襲い悲鳴を上げさせるのに躊躇が無い。
エンジン(製造元)が粗大ごみだからか、装甲に劣化が見られる他、胸もしくは顎の部分に『粗大ごみ処理券』が貼られており、プレートのナンバーも「5353」になっている。
その為か本体の機構も性能的には壊れており、浴びせた対象へ効果が延々と続く灼熱の熱波を放出する仕様に変化。逃げ走る地球人を収まる気配が無い灼熱地獄で苦しめ、ギャーソリンを捻出しハイウェイ空間を介してハシリヤン本家に直接納入する。
元々、冷蔵庫等の冷却装置は“対象から熱を奪って捨てる”機能構造故に排気口より熱風を吹き出す仕様であるので、熱を奪う機能が故障し熱風しか出さなくなった状態と見れるが、その熱風に効果が永久持続する特性も付いている事からイレギュラーな進化を起こしている点も見受けられる。
弟分がいる事から自分を兄貴分…ではなく姉貴分(※自称・お姉様)としており、2人同時で上段から浴びせる『ダブルチョップ』や、弟分が冷気で生成した氷塊のボールを熱波を集約させた足で蹴り、熱波と冷気の合わさった合体必殺シュートを放つ『超ハシリヤン大次元シュート』を得意技に持つ。
更に身体を圧縮し頭だけになった弟分を兜として被り、弟分の装備を自分の両腕に武装した全高47mの暴走大合体形態・レイゾウコソウジキグルマーになる事も可能。この合体形態から繰り出す、熱風と冷風を纏い回転しながら体当たりする『大回転ツイスター』を必殺技としている。
等身大のまま退場した初代と異なり、巨大化を果たした上まさかの合体形態(しかもメイン)も得る事になった。
本編での動向
前話でディスレースが戦死し、上司がまたも居なくなる事態になったサンシーター。しかしもう慣れた事だとすぐにスイッチを切り替え、ギャーソリン収集を再開、ヤルカーの提案でアジト内の粗大ごみにイグニッションした事でソウジキグルマー・二台目と同時に納車された。
再納車後は、ヤルカーの考案した「二箇所同時攻撃作戦」に従事。市街地で人々に熱風を浴びせ、人々を熱で苦しめ悲鳴を煽り、別行動の相方と共にギャーソリン集めへ勤しむ。
しかし暴れている内に、先日未来より預かっていたブンブンチェンジャーを持ち出した野木秋が現れブンブンチェンジしようとしたが、変身の締めであるチェンジャーのタイヤを回す操作を知らなかったので不発。「さては偽物ね~!?」と看破しつつ熱風を浴びせるも先斗が高速移動で現れ秋を救出、未来が秋を連れてこの場を離れるのを遠目にブンレッド・ブンバイオレットとの交戦へ突入する。だが2体の苦魔獣が別行動しているのはブンブンジャーに把握されており、戦闘へ釘付けする形で2体は一所に誘導されてしまう。
更に同士討ちも狙われ、相手が相方と挟み撃ちになるポジションで熱風を浴びせるが、狙い通りとかわされて熱風と冷気が衝突、発生した上昇気流に巻き込まれて上空で激突し、仲良く地面に墜落。
すぐに立ち上がると、「キ~ッ! こうなったら、あの二人からギャーソリンを搾り取ってパワーアップよ!」と近くで言い合いをしていた未来と秋に狙いを付け、超ハシリヤン大次元シュートを発動。二人に蹴り込むが、未来の咄嗟の判断で地面に伏せられかわされてしまう。
それへ呆然としている隙にブンブンジャーの反撃を受け手こずっている内に、秋と和解した未来がブンブンチェンジャーを返してもらいブンピンクへチェンジ。更にチャンピオンブンピンクとなって参戦する。
他のブンブンジャーが秋を連れて下がる中、「アンタ1人で何ができるって言うのよ〜!?」と息巻くも、Cピンクはチャンピオンジャケットの機能でブンブンパトカー2の能力をカスタマイズし2人に分身。カウンターで繰り出したダブルチョップをかわされて2対2の対決に持ち込まれ、一方的に翻弄されてしまう。
そしてブンブンレオンをカスタマイズして放たれた火炎クラクションで吹き飛ばされ、そこから立ち上がった所にバクアゲチャンピオンドライブが直撃。相方と仲良く「まだ使えるのに…もったいなァァァいっ!!」と叫んで敗北した。
程無く、ヤルカーのハイウェイ光線でギャーソリン大暴走体化しビル街に再出現。繰り出されたブンブンジャーロボチャンピオンに対し相方との暴走大合体を行い、レイゾウコソウジキグルマーに進化する。
のっけから大回転ツイスターを繰り出すも、バクアゲマグナムで武装したチャンピオンに迎撃されて止められ、逆にバクアゲソードの一太刀を浴びてしまう。
その流れでバクアゲチャンピオン・ブンブンゴールインを叩き込まれ、「ごみ処理券を…忘れないでぇぇーーーーー!!!!」と言い残して爆散。二台とも仲良くフィニッシュした。
余談
- プレートのナンバーは「ブリザード」の語呂合わせ(2=ブリ、3=ザー、10=ド)。
- 二台目は相棒のソウジキグルマー・二台目及び合体形態のレイゾウコソウジキグルマー同様「ゴミ」を2回繰り返した語呂合わせ(5=ゴ、3=ミ)。
- 冷蔵庫モチーフの戦隊怪人は同じ車スーパー戦隊である『魔進戦隊キラメイジャー』に登場したフリーザー邪面(こちらもボディが共通の戦隊怪人)以来4年ぶりで、CV担当の高戸氏はキラメイジャーの悪の組織、ヨドンヘイムに所属する幹部怪人・クランチュラ及びダチュラ及びケロンチュラ以来の出演となる戦隊常連声優。また『魔法戦隊マジレンジャー』で演じた魔導神官メーミィ/天空聖者ライジェル以来のオネエ口調キャラでもある。
- 一般怪人としては『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』のデメラン・ヤトミス以来。更にスーツアクターも一致し、事実上の再演ともなった。ちなみに当作品にも人々を氷漬けにする戦隊怪人(もっともこっちの氷漬けはあくまで氷山の一角に過ぎず、もっと恐ろしい事への第一段階だが)が登場しており、彼のトラウマが蘇った視聴者が続出したとか。
- 因みに冷蔵庫モチーフは前述の通り複数いたが、これまでは基本的に「フリーザー(frigerator)」など英名主体だったが、何気に今回で初めて名前に「レイゾウコ(冷蔵庫)」と日本名が入った戦隊怪人でもある。
- 前述の通りヤルカーの介入が無かったので、初の巨大化せずに倒されファーストラップで途中リタイアとなった苦魔獣となる。
関連タグ
兄弟怪人(二台目)
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