「むむっ!?食らえ、俺様のトレーニングメニュー! パワーッ!!」
「無限ランニングマシン! 地獄への一本道だ!」
登場話数:バクアゲ17「ブンとビュン」
データ
全高/189cm(ギャーソリン大暴走体/44.8m)
重量/264kg(ギャーソリン大暴走体/626.2t)
エンジン/ジムのランニングマシン
スピード/ダンベル上げ最速
カスタム/ストロングハンマー、パワーダンベル、無限ランニングマシン
ナンバー/6969
ファーストラウンド(コース/市街地)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが、ジムのランニングマシンに込められた燃える筋トレ魂をイグニッションし、地球に納車された苦魔獣。
ランニングマシンをそのまま苦魔獣の素体に被せ、人型に見える様に改変した頭部と胴体を持つ。バイクのフロントカウルにも見える、転倒防止のハンドル部分から成る頭部は三対六つのランプが目となり、そこから噴き出す炎で顔の輪郭線や口周りを表現している。
背中にはランニングマシンのベルト部分をそのまま背負い、ベルトの速度を操作するパネルが胸パーツとして置かれる。そして武器として、バーベルに大量の赤い重りを付けた形状の双頭金棒・『ストロングハンマー』を携行する。
腰ベルトにあるナンバープレートのバックルのナンバーは「6969」。
「鍛えろー!」を口癖に、ストロングハンマーから重りやダンベル型のエネルギーを飛ばし、浴びせた人々にヘビー級の『パワーダンベル』を持たせて過酷な筋トレを無理矢理に敢行、その際の苦痛で悲鳴を上げさせギャーソリンを発生・回収する。
そもそも筋トレ自体が筋肉を追い込んで鍛える物だが、こちらは人々に筋トレを強要し、かつ力尽きるまでギャーソリンを絞り出す魂胆なのが想像される。またパワーダンベルを持たされた側は、ダンベルの重量に加え鍛える事に意識を走らされてその場から動けなくなるので、機動力が持ち味のブンブンジャーのメタを張る事も可能。ただし外部から軽く攻撃を受けるだけでパワーダンベルが壊れて人々が解放されるので、能力の持続性は低い。またバクアゲ6に登場した筋肉質な二人組やサウナーの射士郎といった、『日頃から身体にある程度の負荷を掛ける事に慣れた人物』には効果が比較的薄い。
重り・ダンベル型のエネルギーはその重量と地面に当たると爆発する性質から飛び道具としても使えるので、ネジレッタの後ろからダンベルを降り注がせての爆撃、重りを連射しての弾幕といった攻撃手段にする事が可能で、モチーフ元のパワフルなイメージに反して遠距離戦が得意。他にも射程距離が長めの衝撃波をストロングハンマーを振って繰り出す攻撃も可能。
更にキャノンボーグの魔改造により、背中のベルトを展開して巨大ランニングマシンに変形する第2形態・『無限ランニングマシン』を発動。捉えた相手をその場で無限に走らせ、他の身動きを封じられた所へ手当たり次第の瓦礫を投げ付けるといった妨害攻撃も可能だが、ちょうど走らせる相手の前でジムグルマー本体が胸の操作パネルを弄る構図ともなるので、強引にでも近寄られて胸のパネルを操作され、ランニングマシンを強制停止させられる弱点もある。
製造元の器物に即し、人々に過酷な筋トレを強制する事へ躍起になる暑苦しくスパルタな性格。しかしあくまで“鍛える”事が目的な為、筋トレを強制した人々へそれ以上の危害を加える事はせず更に鍛えろと発破を掛ける、引き連れているネジレッタや生み主のサンシーターにも嫌がらせ以上の横暴はさせない等、ジムのトレーナーめいたフェアな面も見せた。
本編での動向
ジムで体を鍛えるデコトラーデとイターシャの元に、とうとうキャノンボーグの手で改造を施されてギャン泣きしたヤルカーが駆け込んでくる。
大事な仲間を改造された事に2人は怒りを示すも、逆にキャノンボーグから「他の星ではギャーソリンが集まりハシリヤン本家も大喜びなのに、地球だけ一向に集まらない」事を叱責され、反論を封じられてバクサゲな気分になったイターシャが先程まで使っていたランニングマシンにハシリヤンイグニッションキーを装填、「ジ~ム~! ジムジム、ジ~ム~ッ!」と叫びつつボディビルのポーズを決めて誕生。
納車して早速鉢合わせたマッチョ2人とボディビルのポーズを決めて威嚇し合うも、やがて市街地の屋外に移動しジム感覚で地球人にパワーダンベルを持たせ、鍛えている・いないの御構い無しな強制筋トレで苦しめギャーソリンを捻出するが、そこに大也を除いたブンブンジャー4人が駆け付ける。先制のエネルギー弾はギリギリ手前で落ちて当たらず、その際の爆風に紛れてブンブンチェンジした4人の高速攻撃でパワーダンベルを壊され被害者を救出されたので交戦へ突入。
「気合を入れろ~っ!」と言いながら引き連れていたネジレッタを嗾け、その後ろからダンベル型エネルギー弾を降り注がせて爆撃するも、4人は攻撃を巧みに搔い潜り立ち回る。そこに「気合が足り~んっ!」と叫びながらストロングハンマーで地面を叩いての揺れで4人を怯ませると、その隙にダンベルの弾幕を4人に浴びせ彼らにもパワーダンベルを持たせる(それぞれブルーとピンクは通常のダンベル、ブラックはバーベルだったが、オレンジだけ何故かどっかの拳法家がやってた体勢でダンベルを大量に乗せられていた)事に成功。
それからしばらくは、ネジレッタやサンシーターも交えてくすぐり攻撃で嫌がらせしつつの無期限筋トレで4人を苦しめていたが、遅れて駆け付けた大也/ブンレッドの狙撃を喰らってパワーダンベルが消失、またも被害者を解放されてしまう。「お前も鍛えろ~っ!」と言いながらレッドへ重りの弾幕を放つも相手はそれを残らず撃ち落とし、更に一歩遅れて先斗も乱入。
続けて、自分を雇わないかとブンブンジャーに持ち掛けた先斗が「お試し期間」と称しブンバイオレットにチェンジ、向かって来た相手にネジレッタを差し向けるも難無く掃討。「始末屋、お前も鍛えろー!」と言いながら地面を叩いての揺れでバイオレットを空中に誘導、そこへ重りの弾幕を浴びせるもブンブンコントローラーガトリングモードで残らず迎撃される。
それならばと着地の瞬間を狙ってストロングハンマーを投げ槍の動作で投擲するも、バイオレットはブンブンコントローラーボウガンモードを用いた『ビュンスナイプ』でハンマーごと貫く一撃を発射。これで武器諸共迎撃され後方に大きく吹っ飛ばされてしまう。
そして、最後はバイオレットの背面のタイヤ型のエネルギーに挟み撃ちされ、勢いよく空中に飛ばされた所をビュンビュンアロードライブで射抜かれ、「カタボリッ~クッ…!!」と叫んで敗北。
しかし直後に、改造を施されたヤルカーの放った「ハイウェイ光線」を浴び、蓄積していたギャーソリンが活性化されてギャーソリン大暴走体となり、「マ~ッチョマ~ン!!」と叫びながらビル街に巨大化・復活。
対抗して、ハイウェイ空間でブンブンジャーがブンブンジャーロボを繰り出すも、それへ割り込んで来たビュンビュンマッハーことビュンディーがバイオレットを乗せて颯爽と参戦。
重りの弾幕を先制で放つも相手は構わず突っ切り、反撃の体当たりでストロングハンマーを取り落としてしまい、そのままトドメを刺されそうになる。
キャノンボーグ 「ノンノン! ジムグルマーの能力はここからが凄いのです! 第2形態、驚きなさい!」
サンシーター 「うん。驚いた」
それならばと、ターンして向かって来たビュンビュンマッハーを無限ランニングマシンで捕らえ、無限に走らせた所に周りの瓦礫を投げ付ける攻撃で苦しめ、やがて瓦礫を踏ませて右後輪をパンクさせる。
ビュンディー 「死ぬまで走り続けろということか…!」
しかし敵の目の前で胸の操作パネルを弄っているのをバイオレットに看破され、彼の強引なジャンプ操作で急接近された上で停止ボタンを押された結果マシンが強制停止、無限走行から抜け出される。
タイヤをパンクさせたので敵の機動力はガタ落ちしていたが、ここでブンブンジャーロボことブンドリオが(どっかで見た構図で)新しい後輪を持ってきて、ビュンディーをピットインさせパンクしたタイヤをバクアゲドライバー(ラチェットガジェット装着)で交換。
これで機動力が回復した事により、バクアゲチャージャーで急加速したビュンビュンマッハーは走行しながらビュンビュンマッハーロボに変形。更にブンブンコントローラーを構えての必殺の一射『ビュンビュンフィニッシュ』を加速しながら放たれた結果、回避も出来ぬまま直撃し「腹筋崩壊~~!!」と断末魔を上げて、物理的に腹筋崩壊してフィニッシュした。
なお、サンシーターからは「どうせ負ける」と端から期待すらされていなかった模様。
一方、キャノンボーグは前回回収した剣に何か手を加えていたのでおそらく次の作戦の準備のための囮として送り込まれたと考えられる。
余談
- ナンバーは「ムキムキ」の語呂合わせ(ム(6)キ(9)×2)。
- これまで体を鍛える物や目的をモチーフとした戦隊怪人は複数いるが、ランニングマシン(というかジムその物)をモチーフにした戦隊怪人はこのジムグルマーが初。
- また、バクアゲ6に登場した錠にトレーニング法を教えて貰っていたマッチョの青年2人が再登場しており、ジムグルマーのパワーダンベルを食らって他の人々が苦しむ中この2人だけトレーニング慣れからか寧ろ嬉しさに溢れた悲鳴をあげていた。ギャーソリンは感情関係なく上がった悲鳴から抽出されるのか、悲鳴を上げていたのは負荷をかけられた2人の筋肉なのかもしれない···
- 声を演じる狩野氏は今作が特撮初出演となる。公式X(旧Twitter)のプロフィールに「筋肉との対話は欠かしてはならない」と書いているほか筋トレを日課としていることから、まさにおあつらえ向きのキャスティングといえる。
- 今回でヤルカーが受けさせられた改造により、巨大化のプロセスが過去作の物と同じレベルへ簡略化されたので、以降はこれが定番になる可能性が高い。
- メタ的には制作予算削減及び演出省略への理由付けで、戦隊ではある意味恒例の行事。そのお膳立てを今回はジムグルマーが担ったとも言えよう。
- 上記の通りビュンビュンマッハーは無限ランニングマシンで右後輪がバーストしており、この際ブンドリオは予備のタイヤを転がして運んでいたがこれは実際のレースでもよく見られる図であると同時に、かの「カーポートマルゼン」のCMのパロディとも見れるようになっている。そしてこの図が伏線あるいは暗示だったのか、同話放送終了後に公式からカーポートマルゼンとのコラボが発表された。
関連タグ
ゲタグルマー:固有能力で機動力を封じ、ブンブンジャーのメタを張った苦魔獣の前例。
ダンベルバンキ、ダンベルロイド、上級妖怪コナキジジイ:トレーニング道具モチーフの歴代先輩怪人達。ダンベルロイドとコナキジジイはスポーツジムで製造アイテムを使用して誕生したことと、人々を強制的に鍛えさせたこと(更にコナキジジイは人々の悲鳴を集める目的を持つ)が、ダンベルバンキは車スーパー戦隊繋がりなこと(さらに言えば声は車スーパー戦隊枠のレッド役の声)が共通している。
スキャンのバザルソLJ:こちらも人々を強制的に鍛えさせるのが好きな先輩怪人。ただしこちらは人類をサイボーグにするのが目的のため、純粋に身体を鍛えさせ(て人々の恐怖を集め)る目的のジムグルマーよりタチが悪い。