「スニーカー?ブーツ?しゃらくせえ! 己を鍛えるには、ゲタを履けーっ!!」
「勝負はゲタを履くまで分からないゲタ!」
登場話数:バクアゲ12「爆上エンジン」
データ
全高/187cm(ギャーソリン大暴走体/44.3m)
重量/261kg (ギャーソリン大暴走体/619.0t)
エンジン/古びたゲタ
スピード/ファッションセンス周回遅れ
カスタム/ダイナシナイダー、100tゲタ、ドローンゲタ、ヴァーチャルゲタビーム
ナンバー/2008
ファーストラウンド(コース/市街地)
セカンドラウンド(コース/ハイウェイ空間)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが、放置されていた古びたゲタに込められた燃えるバンカラ魂をイグニッションし、地球に納車された苦魔獣。
古傷の目立つ、裏側を合わせた鉄ゲタからなる手前と奥に歯の列が並ぶ大口を中心に、石階段の両肩とハシリヤンマークが刺繍された長ランを着付けた外見。なお喋る際は大口の下顎を持って動かし口パクさせる仕草を見せる。
頭頂部は鼻緒の内部分に十字傷を模したマークをあしらった学帽が後頭部から伸びるワイヤーで接合されていて、鼻緒部分は苦魔獣共通の炎が浮かぶ目玉が多数配された部位になっている事から、遠目から見ると炎を模したネックレスを巻いた番長にも見える。また近くには耳のように配置された車のマフラーがある。
また武器兼扱き道具として、強度補強のワイヤーらしき線が取り付けられた名称が回文になっている竹刀・『ダイナシナイダー』を携行する。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「2008」。
ハイカラ(流行)へのアンチテーゼを意識したファッションであるバンカラらしく、時代錯誤な根性論を掲げた上でスニーカーやブーツなどのおしゃれな履き物に一方的な嫌悪と敵意を向け、目から放つ閃光を浴びせた地球人の足に強制的にゲタを履かせて若者達のファッションを台無しにする形で不条理等を煽り、ギャーソリンを発生・回収する。
また、外見の特徴となった鉄の大口の重量のせいであまり機敏に動けないが、代わりに口より吐き出す片側50tの超重量鉄ゲタ・『100tゲタ』を履かせる事で敵の走りを大きく制限、そこをダイナシナイダーでコテンパンに滅多撃つ戦法を使う。加えて思考でコントロールされ自在に飛び回るゲタを投擲しての遠距離攻撃『ドローンゲタ』や口から放つ鉄ゲタ型のエネルギーを浴びせた相手の足へ強大な重力負荷を掛け、自由に動けなくする技『ヴァーチャルゲタビーム』も使える。
総じて、ブンブンスーツの機能等による高機動戦を持ち味とするブンブンジャーのメタを張れる、極めて相性の悪い能力を有した難敵と言え、これを納車したキャノンボーグが活動前に魔改造も施していたのも示唆されている(※東映HPより)。一方能力の持続性には難点を残しており、ゲタグルマーがある程度のダメージを喰らうと機動力低下の効果は解除されてしまう。
前述の通り、時代錯誤の根性論を下敷きにモチーフの存在意義を曲解・誇張する苦魔獣の基本思考も合わさった事で、自己中かつ意味不明な価値観を居丈高に宣うバンカラとは真逆の傲慢独善な性格を構築するに至った。
その一方、「ゲター!」の口癖を始めとした無駄に富んだ語彙とコミカルさがあり、どこか16年前に現れた機械生命体の魔獣を彷彿とさせる雰囲気も併せ持つ。
本編の動向
冒頭、何処かの廃工場にて前回で半ば強引に上下関係を決められ、キャノンボーグの命令に従う事となった現状に不満を漏らすサンシーターであったが、それをあえて聞きながら改造すると威圧を掛けるキャノンボーグは「お約束通り、今日からわたくしめが仕切りましょう」と宣言しながら、近くに転がっていたゲタにハシリヤンイグニッションキーを装填した事で「ゲタ~! ゲタゲタゲタ、ゲタ~!!」と大口を開閉させながら叫んで誕生した。
納車後は魔改造を施された上で、密かに付いていったサンシーターの後見とキャノンボーグのモニタリング下に置かれながら市街地に現れ、ギャーソリン収集を開始。若者の履く靴に一方的な難癖を付けた上で無理矢理ゲタを履かせる横暴を働き、それで混乱し恥ずかしがる若者に「もっと叫べ! ギャーソリンは心の汗ゲタ~!!」などと訳の分からない持論を吐きながら発生したギャーソリンを大口で飲み込み回収していく。
そうしている内に、はぐれた相棒の元に届けてもらいたいとの炎神・スピードルからの依頼を一時中断して駆け付けた錠以外のブンブンジャー4人が出現。
「まずは小手調べゲタ~!」と言い、引き連れていたネジレッタを嗾けるが難無く掃討され、直後に遅れた錠/ブンブラックも合流したので5対1の状況になるが、ここで100tゲタをブンブンジャーに浴びせ機動力の封殺に成功。
持ち味を封じられて案山子同然となった相手へ「さあ、根性を見せるゲタ~!」とほざきながらダイナシナイダーで一方的で打ち据えるも、戦闘直前にベンチ裏へ避難していたスピードルが空中を飛び回りながらの体当たりで横槍を入れて来た為、真っ直ぐ突っ込んできた所をダイナシナイダーでかっ飛ばしてダウンさせた。
そして「遊びは終わりゲタ!」と言いながらドローンゲタを投擲しようとするも、スピードルの探していた相棒=江角走輔が飛ばしたゴーオンジャーのメダルが視界に入り中断。
それを察した大也/ブンレッドが投げ渡す格好で届けたスピードルを首元にしまった走輔はゴーオンレッドにチェンジして正面から向かっていくも、予想通りゲタグルマーは怯まず100tゲタをゴーオンレッドにも履かせ機動力を封殺する。…しかし、「マッハ全開」が座右の銘であるゴーオンレッドは100tゲタの重さに抗いゆっくりと歩き出すまさかの光景を見せた。
「バカな!? 100tのゲタが重くないゲタ~!?」
ゴーオンレッド「ああ、重いさ! でも言ったろ! 俺の戦い方は、マッハで前に出るだけだってな!!」
その抵抗を無駄と切って捨てたゲタグルマーは改めてドローンゲタを投擲し痛め付けるも、ゴーオンレッドの首元より飛び出したスピードルがドローンゲタを撃墜。更にゴーオンレッドが片手に掴んだスピードルのブースターで強引に重さを振り切って急加速、もう片手に持っていたロードサーベルをサーフボード代わりに繰り出した突撃技『サーベルストレート・スピードルランデブー』を素の鈍重さも相まって真正面から喰らい転倒。
このダメージで100tゲタが消えた為、機動力を取り戻したブンブンジャーら6人に対し何とか立ち上がりまだ戦う意思を見せたが、合体技『バクアゲゴーオンハンドリングドライブ』を迎撃出来ずスピードルに跳ね飛ばされ、「ゲタを履いても、勝負は変わらなかったゲタ~!!」と言い残しながら敗北した。
その後、ヤルカーを介してギャーソリン大暴走体と化し、「ゲ~タゲタゲタ!!」と笑いつつビル街に再出現。
繰り出されたブンブンジャーロボと接近戦で打ち合うも、動きの機敏さで負けていると判断しヴァーチャルゲタビームを相手の両足に浴びせて再び機動力を奪い、「お前の心の足に、鉄ゲタを履かせたゲタ~!」と言いながらダイナシナイダーで一方的にしばき回し、両腕のブンブンオフロードとブンブンワゴンを脱落させる。
しかし直後、バスオンとベアールVを引き連れたゴーオンレッドとスピードルがエンジンオーを完成させて乱入。猛ダッシュからのストレートパンチで転ばされ、「ロボが2体、話が違うゲタ~!」と文句を吐きながら起き上がろうともがいている間に、ブンブンカー2台が生成したチェーンで片足同士を固定したエンジンオーとブンブンジャーロボが二人三脚の要領で接近。息の合ったコンビネーションによる足技をまともに浴び、〆の踵落としによるダメージでヴァーチャルゲタビームの効果が消失。またも機動力の封殺を抜け出されてしまう。
更に続けて、ロボ2体の合体技『ブンブン地獄車』が炸裂。これで大きくダウンしたところに合体必殺技『ゴーオンブンブングランプリフィニッシュ』が直撃、「根性見せても今生の別れ……おさらばゲターーー!!」と妙に印象へ残る辞世の句を残し爆散。本当に今生の別れとなってフィニッシュした。
この戦いの後、スピードルはマッハルコンの結婚式があるとの事でバスオンとベアールと共にマシンワールドへ帰っていった。
余談
- ナンバーの由来は今回のコラボとなった『炎神戦隊ゴーオンジャー』の放送年(2008年)。
- これまで下駄履き戦隊怪人といえば『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の臨獣クロコダイル拳ニワがいたが、ストレートに下駄その物をモチーフにした戦隊怪人はゲタグルマーが初。
- 苦魔獣にしては言動面に幾分か毛色の違いが感じられるが、これはゴーオンジャーの一般怪人だった蛮機獣を意識している為と推測される。またテレビ朝日HPには『害悪走行』という単語も書かれている。分類されるなら害地大臣が作る害地目の蛮機獣といったところか。
- スーツアクターの今井氏は30分前の番組でヴァルバラド(初期)のスーツアクターを演じているため、連続での出演となる。
- 声を演じる乃村氏は『忍風戦隊ハリケンジャー』のVシネクスト『シュシュッと20thAnniversary』のアウンジャ以来で、テレビ本編だと『機界戦隊ゼンカイジャー』のバラシタラ以来3年振りの戦隊出演となった。
関連タグ
牛靴仮面、王子(ボウケンジャー):履物モチーフの先輩。特に牛靴仮面は頭がモチーフの履物そのものである。
センログルマー:次なるコラボ戦隊に登場する苦魔獣でナンバーはコラボ先の放送年、モチーフへの関係性(こちらは声がコラボ戦隊の上級怪人に因縁がある)と似た物が多い。