「嗚呼…何と言うパワーでありんす…春は曙、夏は夜、秋は夕暮れ……イトヲカシ!」
データ
概要
ヨゴシュタインが「紡績機械」をモデルとして製作した女性型の害地目蛮機獣。本編初の女性怪人である。紡績機械がモデルなだけあり、身体の各部に糸巻きを装備した姿を持つ。口癖は「イト、ヲカシ」及び「シュルリラ~」で、語尾に「ありんす」と付ける雅口調で喋る。
その製糸能力はすこぶる高く、全身の紡績機械で上質且つ頑丈な糸を無尽蔵に生産する事が可能。この糸は頑丈なだけでなくそれ自体が兵器であり、敵を絡め取って身動きを完璧に封じる他、ミサイル状に紡いで連続発射する事によって敵を爆破出来る。
糸を発射する際には上述の「シュルリラ~」と言う口癖と共に放つのも特徴の1つ。
この様に、自身の雅な口調に狡猾な戦術展開が絶妙にマッチしている点から、或る意味女性らしい蛮機獣と言える。
活躍
度重なる失敗に加え、フーセンバンキも倒された後、ヒラメキメデスに業を煮やしたヨゴシュタインに生み出され、ヒラメキメデス粛清の為に動き出す。とある断崖で蛮機兵ウガッツと共にヒラメキメデスに襲い掛かり、自身の製糸で縛り上げたヒラメキメデスをウガッツに攻撃させる。其処へゴーオンジャーが駆け付けてウガッツと交戦すると、そのドサクサに紛れてヒラメキメデスを武器の剣で崖下に転落させてそのまま撤退する。
ボロボロの状態で走輔達5人に保護されたヒラメキメデスは「自身の命はもう長くない」と告げ、最後にゴールドとレース勝負をしたいと告げる。
彼からヘルガイユ宮殿への地図を託された走輔は大翔に渡すと、「相棒の速さを証明してやりたい」と言って大翔はその申し出を受ける。
レース当日、ヒラメキメデスの駆る蛮ドーマSPとの飛行レースでトリプターはゴール地点のヘルガイユ宮殿に辿り着くが、全てはヒラメキメデスが自らを囮にした罠であった。
地図に記されたヘルガイユ宮殿は太平洋に浮かぶ名もない島であり、ヒラメキメデスが作り出した幻影に過ぎなかったのだ。ヒラメキメデスやウガッツと共に待ち伏せていたボーセキバンキは、自らの糸で縛り上げたゴールドをウガッツに攻撃させる。だが、ヒラメキメデスの勝負を何も考えずに受ける程ゴールドも馬鹿ではなく、取り出したロケットダガーで糸を切ってそのままウガッツを一掃する。
その直後、ボーセキバンキはビックリウムエナジーにより元祖産業革命を起こして巨大化。
罠と見破っていたゴーオンシルバーやゴールドに他のウイング族が付いて来ていたが、炎神合体したセイクウオーは島の限られた時期だけ起きやすい落雷に怯んで思う様に戦えない(※ヒラメキメデスはこの落雷も織り込んでこの島を選んでいた)。
そして製糸で縛り上げたセイクウオーに剣で止めを刺そうとするボーセキバンキだったが、何も知らずに応援に来たエンジンオーとガンバルオーに阻止されて「(自分が)ヒラメキメデスをやっつけに来た」とレッドに誤解されてエンジンオーに殴り飛ばされた挙句、追い打ちをかけるように落雷まで浴びてしまう。
エンジンオーに製糸を切られた為に自由の身となったセイクウオーに対し、ボーセキバンキは3体纏めて怒りのイトマキミサイルで応戦。
「敵味方も関係無しに命を賭けた願いだからこそ叶えたい」と必死だったゴーオンジャーの怒りに火を点ける事になるも、ヒラメキメデスの操縦する蛮ドーマSPと共に2体を追い詰める。両肩から発した太い製糸でエンジンオーとガンバルオーの2体を縛り上げ、その製糸を伝って電撃を流し込むが、セイクウオーに糸を切られてしまう。
更にエンジンオー達3体はG9フォーメーションで炎神合体してエンジンオーG9が誕生。止めのG9グランプリを蛮ドーマSPと共に喰らい、上記の台詞と共に爆散するのだった。
今回の一世一代の作戦に失敗したヒラメキメデスは、自ら最後の戦いに挑む事を決意。次回、デタラメデスなる醜い姿へと変貌してゴーオンジャー、ゴーオンウイングスに襲い掛かる……。
余談
モチーフである「紡績機械」は、糸を紡いで大量に製糸する事が出来る道具である。
巨大化時に叫んだ「元祖産業革命」は、紡績機械の発明が産業革命の始まりとなった史実に則った発言らしい。女性怪人である点も、日本の産業革命期に女工と呼ばれる若い女性労働者が紡績業の労働者の大多数を占めていた点から来ていると思われる。
声を演じた松本女史は『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のドーラレイガー以来、実に16年振りにスーパー戦隊シリーズにおける怪人の声を演じたが、特撮全体で言えばそれ以前に『仮面ライダー龍騎』の主題歌を歌っている。尚、特撮初出演となった作品である『高速戦隊ターボレンジャー』へ出演した当時は20歳であり、女性としては最年少で怪人の声を演じた事になる。
それから16年後の2024年には、同じく車系スーパー戦隊『爆上戦隊ブンブンジャー』の司令官ブンドリオ・ブンデラス役でレギュラー出演しており、さらに第12話のゴーオンジャーとのコラボ回においてスピードルら炎神や走輔と共演している。
また、松本氏とジェットラス役の古島清孝氏は当時、国民的アニメでそれぞれ主人公とライバルを演じていたことから、ファンからは「立場逆転した」等と、そのことをネタにしたツッコミがあったのだとか(更に言えば、ヒラメキメデス役の中井和哉氏も、そのアニメの準レギュラーを担当していた)。
関連タグ
富岡製糸場:日本の産業革命の原点とも言うべき場所。