概要
蛮機族ガイアークが擁する巨大戦力の一つ。
空陸両面に対応した量産型の機動兵器であり、彼等の本拠たるヘルガイユ宮殿の各所に設けられた発進口より出撃し、複数機で編隊を組んで巨大化した蛮機獣をサポートする役割を担う。コックピットは単座式で、蛮機兵ウガッツが操縦を担当。いわゆる広義の戦闘機という括りではあるものの、操縦桿は戦車のハンドルのようなスタイルとなっているのが特徴である。
陸上においては、機体の両側面に備わった一対の歩脚を駆使し、昆虫のような歩行・跳躍を得意とし、飛行時には畳まれていた両翼を扇状に展開することで、自在な空中戦を可能とする。機体下部にはビームを発射する全方向カノン砲が主武装として配備されている他、コックピットの左右にもミサイル発射口が設けられている。
物語終盤では、ヨゴシマクリタインによって真価を発揮した「デウス・ハグル・マギア」の膨大なエネルギーにより、蛮ドーマも無尽蔵に生成されゴーオンジャーを疲弊に追い込むが、これを逆手に取った連が、故障覚悟でガイアーク探知機のエリアを最大に広げることを提案。その結果ヘルガイユ宮殿の所在を突き止められてしまい、ゴーオンジャーの侵入を受けた末にデウス・ハグル・マギアが破壊されたことで、蛮ドーマの大群もことごとく消滅する格好となった。
蛮ドーマSP
蛮ドーマの開発者でもあるヒラメキメデスが操縦する専用機。
ヒラメキメデスの搭乗する緑色の本機を中心として、2機の蛮ドーマが変形合体することで構成されており、複葉機のように3枚の主翼が重なった特異なフォルムを有する。専用機としてカスタムされているだけあり、通常の3倍の速さでの飛行を可能とし、機体下部と主翼上部にはミサイルポッドを複数装備。さらに3機の蛮ドーマへと分離することもできるなど、多彩な機能が備わっているのが特徴である。
三大臣に先んじて、ヒラメキメデスがマシンワールドより脱出する際にも使用され、ゴーオンジャーとの初戦においては相対したエンジンオーG6を、過去の連敗ぶりから来る苦手意識に付け込んで合体解除に追い込む等高い実力を見せつけた・・・のだが、マシンワールドより後を追ってきたトリプターとジェットラスと空中戦を演じた末に敗北を喫することとなる。
後に修復され、ガイアークより逃れたヒラメキメデスからの「最後の望み」を容れる形で、大翔の駆るトリプターとの最速を賭けたレースに臨むこととなる。レースはトリプターの圧勝に終わったものの、これはあくまでもヒラメキメデスが仕組んだ罠に過ぎず、直後の巨大戦でも彼と組んで作戦に従事していたボーセキバンキと共にゴーオンウイングス、そしてゴーオンジャーを窮地に陥れるが、新たに誕生したエンジンオーG9の繰り出すG9グランプリによって、ボーセキバンキもろとも撃墜されるに至った。
備考
デザインは酉澤安施が担当。当初は「蛮機」という仮称が付けられており、「昆虫等の要素を加えた機械生命体」というガイアークの初期のデザインコンセプトに則る形で、デザインモチーフにもカマドウマがチョイスされている。
機体については航空機よりも、どちらかと言えば戦車的な造りが意識されたものとなっており、そうした志向性は前述したハンドル式の操縦方法や、コックピットの内装などにも反映され、あまり洗練されていない機械が剥き出しの作りとされた。
蛮ドーマSPのデザインも同様に酉澤の手によるもので、強化型ということから中央の本機にトノサマバッタの色とカマキリの鎌をモチーフとして取り入れ、主翼についても古めかしい複葉機のイメージが盛り込まれている。作中の描写では3機の合体により構成されている蛮ドーマSPであるが、デザイン段階では5機の合体による機体とされており、逆さになった2機が変形することでミサイルポッドと翼を形作っている。