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カマキリ

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かまきり

カマキリ目に分類される昆虫のこと。蟷螂(とうろう)とも言う。鎌のような前脚が特徴で、人気の高い昆虫の1つ。

概要

カマキリ目(蟷螂目)に分類される昆虫の総称。

ひらがな表記のかまきりも使われる。漢字では「鎌切」や「蟷螂/螳螂(とうろう)」、「取虫」、「祷告虫」などと書く。英語名はギリシャ語の「予言者」に由来する「mantis」(マンティス)。

地方によっては「オガミムシ」(待機時には左右の鎌を合掌するように合わせていたりするため)と呼ばれたりする。西洋でも「praying mantis」(祈る予言者)の名が送られている。

世界中から2,400種、日本から10種ほど知られている。

昆虫の中ではゴキブリシロアリの系統に最も近縁である。後述の捕食生活に特化したシャープな体型は一見してそう思えないが、ゴキブリと同じ基本体制を有し、特に原始的なカマキリだとややゴキブリに寄せた体型をしている。

名前の通り前脚が状になっており、それを使い他の昆虫などを捕まえ食べる肉食昆虫。他にも真後ろを見ることもできる大きな複眼と逆三角の、細い前、長大な、ド派手なと特徴的な外見をしている。様々なアングルに傾げる首、三白眼偽瞳孔と腕のような前脚に相まって、昆虫の中でも仕草がかなり表情豊かに見える。

基本的にメスのほうがオスより大きく、腹部は下から見てメスが9節、オスが7節で見分けられる。

誤解されやすいものの、前脚の鎌は獲物を千切る刃物ではなく、内側に棘が生えて、相手をしっかりと確保するような構造である(刃物はどちらというと口元の大に当たる)。また、鎌を胸の下に構えて残り4本の脚で立つ姿が印象的であるが、鎌の末端も歩脚の構造が残っており、鎌を伸ばして6本脚で歩くことも多い。

鎌を構えてから振り下ろすまでの速度はわずか0.05秒であり、絶対にありえないが人間大のカマキリが出現すればその腕力は3tにも及ぶとされる。そんな奴が気配を消して襲ってくるのだからたまったものではない。

自分よりも明らかに巨体の人間に襲いかかる事は滅多にないが、ちょっかいをかけ過ぎたり無理に捕まえようとすると、怒って噛みついたり鎌で引っ掻いてくる事もあるので要注意。

不完全変態故に、幼虫成虫では翅の長さ以外は形があまり変わらないが、色なら大きく異なるものもいる。

擬態を得意とするが、自らの意志でカメレオン式の体色変化をすることはできない。ただし脱皮時に、それまでの環境を考慮した体色に変化させることは結構ある(脱皮時に確定する)。

主な種類

日本

外国産

枯葉に擬態する褐色のカマキリ。

破れた枯葉のように見える胸が特徴。

同じく枯葉に擬態する褐色のカマキリ。

こちらは翅を広げると目玉のような模様が現れるのが特徴。

タマムシを思わせる煌びやかな光沢を持つ。

胸が他のカマキリと比べて短い。

別名をドラゴンマンティスといい、枯れ枝に擬態して昆虫などを捕食する。

流星のデレプタの元ネタはこいつ。

同じく枯れ枝に擬態するカマキリ。

小型のカマキリ。

威嚇に使われる前脚がグローブ状に肥大化していることからこの名前が付いた。

大柄な悪魔を思わせるゴツゴツとした体が特徴的なカマキリ。

その名の通り、花に擬態して昆虫を捕食する。

黒蟲魔王ディアボリカ・マンティスの元ネタ。

花に擬態する小型のカマキリ。

終齢幼虫の腹部には棘があり、成長になると翅に大きな目玉模様を持つようになる。

樹皮に擬態する褐色のカマキリで胸のサイズが短い。

緑色の木の葉に擬態するカマキリ。胸が円形に発達しているのが特徴。

小型のカマキリで幼虫が蟻に似た容姿を持つ事からこの名が付いた。

細い体躯が特徴的なカマキリ。

破れた枯葉のような容姿を持つカマキリで頭頂部から伸びた突起が特徴。

パラドキサアンデッドの元ネタ…なのだが、殆ど名前だけの借用である。

長大でほっそりとした胸が特徴的なカマキリ。

胸の最上部が扇のように広がっており、俯瞰すると弦楽器のように見える事からこの名前が付いた。

カゲロウを思わせるクリアグリーンのボディが特徴的なカマキリ。

似ているけど違うもの

カマキリのような「前脚を鎌として獲物を捕らえる」スタイルはよほど効率的な捕食手段らしく、全く違う昆虫(果ては昆虫以外の節足動物)まで収斂進化が多く発生している。

昆虫以外ではまずカマキリと似た体型のものはないが、シャコ甲殻類)やヤイトムシ鋏角類クモガタ類)のように、カマキリと似た鎌を収斂進化したものもいる。

食性

主にバッタチョウなど自身より小さな昆虫や他の小動物を捕食する事で有名だが、蟷螂の斧という諺にある通り、自分と同程度または少しばかり大きい動物を捕食する事もある。その例としてスズメバチ、小型鳥類や大型蜘蛛ネズミなど天敵でもある面子が揃っており、海外では、ハチドリを捕食した例も確認されており、日本でも石川県能登沖の舳倉島キクイタダキを捕食するオオカマキリが撮影された。要は鎌で捉えられる生き物ならほぼなんでも食べるというわけである(さすがに硬い外皮を持つ動物は襲わないだろうが)。

末恐ろしい事にインドでは人工池に飼われていたグッピー睡蓮の葉にとまって捕食していたという例も確認されており、水面近くでも足場があれば優れたハンターと化す事がわかるだろう。また、このインドのカマキリは同じ場所で狩りを繰り返しており、カマキリに学習能力があるという可能性が示唆されている。

幼虫の際には虚弱で鎌も小さい為、アブラムシ(と天敵ではあるがアブラムシの液目当てで寄って来るアリも)を主食としている。

飼育下ではヨーグルトを食する他、牛乳蜂蜜を与えれば飲む事もある。牛乳は固形物では無いので容易に栄養補給しやすいというメリットがあるが、夏場は腐りやすいリスキーな餌である。

意外にも昆虫ゼリーを舐めたという記録も確認できる。

天敵

鳥類蜘蛛スズメバチアリなど。アリやスズメバチを相手にした場合、一対一での対抗ならともかく、仲間を呼ばれた際には勝ち目がなくなる。

成虫相手だと逆に捕食対象になり得るが、幼虫の頃の天敵としては徘徊するタイプの蜘蛛やカエルトカゲなどが挙げられる。

そしてハリガネムシなどの寄生虫の類には滅法弱い。水中昆虫に寄生する彼らは宿主が捕食されるとカマキリに新たに寄生して新しい水場へ運んでもらうまでの宿主とし、生息範囲を広げる…というわけである。それがカマキリの体内から出てくる姿はなかなかのものである。

ハリガネムシの他にも、シヘンチュウカマキリヤドリバエカマキリタマゴカツオブシムシ等が寄生する。

夏にはよく日向ぼっこをしたり、ハリガネムシに水場へ誘導されたり、自分より大きな物に対し威嚇の姿勢を取るなどの理由から、雨の日のカエルよろしく、車に轢き潰されたり、通行人に踏まれたりする事が多い。

カマキリの非常によく知られる事柄は、交尾における共食いである。

なんと、一部のカマキリのメスは交尾中に、オスの頭部を食べてしまう事があるのだ。

そうするとオスの交尾モードは抑制されないまま維持できるといわれる。

そして交尾が済むと、オスはメスにバリバリと食べられてしまうことも多い。

オスは隙があれば概ね逃げられるし、(NHKの教育番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」内における実験結果に関しても、交尾中に捕食されてしまったオスは50ペア中僅か1ペアのみであった)不憫のように見えるが、子孫繁栄のためならば同種のオスであっても「産卵のためのエネルギー」になる方が勝者であるとも言われる。

なお、メス同士であっても「共食い」「同士討ち」のケースが存在する。同じカゴで飼ってはダメ、ゼッタイ。

ちなみに、共食いはよくカマキリの特徴として語られてきたが、共食いを行わない種も少なからず存在し、カマキリ全般の習性ではない。

擬態能力

餌となる昆虫が植物に寄って来る事が多い為、主に枯れ葉、東南アジアのハナカマキリランの花、コノハカマキリは木の葉と言った具合に植物に擬態する物が多い。中にはアリカマキリのように他の昆虫に擬態する種類もある。

産卵の際は大量のを卵鞘(らんしょう)と呼ばれる物にくるむ。これは螵蛸(おおじがふぐり)ともいい、地域によってはジイノヘンズリ(自慰)、金玉、烏のヨドなどとアレな俗称がある。

孵化の際は、そっからお子様が一度にわらわらでてくる。人によっては見るとSAN値がゴリゴリ削られてトラウマになり得る。

これは必ずしも「自然を切り離された現代人」の感覚ではなく、壱岐ではかつてこの幼生をアマンシャグメと呼び、ソレが「後ろ手に縛られた」状態であると説明した。

先ほど「mantis」は「預言者」だと説明したが、これは産卵時にメスがそのの積もり方を予測し、雪中に卵がうずもれないように高さを調節して生むのが由来とされている。また、前脚を揃えて佇んでいる姿が祈りを捧げているように見えるからとも言われる。

カマキリの積雪予報

先述した積雪予報だが実は眉唾らしい。毎年相当数の卵鞘が分厚い積雪に埋もれており、雪が解ければ問題なく孵化するのを確認されている。

しかしながら、よほどのもの好きでない限り、雪を掘り返してまでカマキリの卵を探したりはしない。

大半の人間の目には、雪が降れば積雪よりも高い位置に産み付けられた卵しか見ることができなくなるため、まるでカマキリが積雪に対応して卵の高さを変えているように錯覚してしまう、というのが真相。

メディアでの扱い

スマートな体つきに加え捕食の際に使用される大きな鎌を持つなど、非常に格好良く、かつ人気の高い昆虫の1つである。昆虫テーマのキャラクターモンスターの定番モチーフである。特徴的な姿形により、キャラクター化の際にも他の昆虫と比べて表情が付きやすい。

闘虫での扱い

虫同士を戦わせる某娯楽映像での黒星の多さが原因で「噛ませ犬」と呼ばれたり、「昆虫界のヤムチャ」などと比喩されることもある。

実際に勝率は高くはなく、オオスズメバチリオックなどといった強豪相手に封殺されることも珍しくない。

一応フォローすると、カマキリは狩りのスタイルが元々待ち伏せ型の奇襲タイプであり、逃げ場のない狭いケースの中では本領を発揮しにくいことが挙げられる。

またその体が華奢なせいもあって、真っ向からの殴り合いは得意ではなく、パワーに関しても20cmクラスのなどの毒蟲、「固い」「重い」「強い」を地で行く甲虫共に対しては無力に等しいことも原因の1つである。

乱暴な例えになるが、某騎士王破滅の魔獣に街ごと蒸発させられるような感じと言えば(スケールはともかく)いかに不利な相手との戦いを強いられてその上理不尽な評を下されているか理解できるだろう。

幸い攻撃のリーチは長いので、敵の死角から奇襲を仕掛けることが出来れば、クモなどの体が柔らかい相手からならば十分白星を奪える可能性はある。

…といった現況だったが某狩猟ゲームにてカマキリそのものなラスボスが登場。(リンク先ネタバレ注意)

どうぶつの森シリーズ

初代から登場し続けている古参の虫。

花に止まる虫として夏から秋にかけて出現するが、近づきすぎると飛んで逃げてしまう。

カマキリをモチーフにしたキャラクター

腕が鎌になっていたり武器として鎌を持つキャラクターが多い。ただし本来の用途とは違い、刃物としての切れ味が強調される傾向にある。

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