全く見た事のないものと出会う時、人間は人間ではいられない。
概要
2011年からミラクルジャンプ及び週刊ヤングジャンプで連載中の漫画。
作者は作:貴家悠、画:橘賢一。
火星を舞台にゴキブリが進化した「テラフォーマー」と地球人の戦いを描いた現代の変身物語。
主要人物はアドルフ、アレックス、マルコス、加奈子、イワン、劉翊武、西春麗、ジョセフ等。
2014年にOVAおよびTVアニメ化。
2015年に3DS「~紅き惑星の激闘」としてゲーム化。2016年には実写映画が公開されている。
命の儚さを礼賛する傾向が強く、反体制色の濃いイデオロギーを作者から感じる。
重要な人物や女性キャラも容赦なく死ぬ等、毎回そんな感じなので苦手な人は要注意。
(誰が死ぬのか分からない緊張感と、表情の緩む日常シーンの格差も魅力)。
現在、単行本が22巻で連載中断しているのに加え、作画担当の橘賢一の新連載「GIGANTISージャイガンティスー」がグランドジャンプ2021年17号から始まり、打ち切りの噂が出ているが、彼のツイートによると貴家悠が復帰すれば連載再開するとのこと。その後、2024年4月から5年半ぶりに連載が再開された。復帰後の掲載は月一回のペースとなっている。
第零部ストーリー
21世紀、火星を人間の住める環境にする「テラフォーミング計画」で、苔と過酷な環境に耐えられる「ゴキブリ」の2種類を火星に放ち、地表を黒く染め上げて太陽光を吸収させ火星を暖めようとした。
それから500年後の西暦2577年。有人宇宙艦・バグズ1号は宇宙飛行士6人と共にゴキブリの調査・捕獲、2500年以降に送られた無人機の通信途絶の原因を調査する為、火星に降り立つ。
しかし、乗組員は船外へ出た直後に異常進化したゴキブリに襲われ、全滅。船員の一人ジョージ・スマイルズが死に際、「テラフォーマー」の頭部を地球に送って地球人は新たな技術を得る。
第1部ストーリー
バグズ1号全滅から22年後の西暦2599年、
緑の星となった火星のゴキブリを駆除する為に宇宙船バグズ2号は地球を発つ。
火星に着いた乗組員を待ち受けていたのは、
火星の環境で人型になったゴキブリ人間テラフォーマーだった。
しかし乗組員達は「バグズ手術」によって昆虫の特性・能力を得て対抗しようとしたが……。
第2部ストーリー
第1部から20年後の西暦2619年、火星より飛来したと思われる病原体「A・E(エイリアン・エンジン)・ウィルス」による死者が増加していた。
流行する前に治療薬を作るべくテラフォーマーを捕獲する為、
2620年に宇宙船アネックス1号で100名の乗組員が再び火星に送り込まれた。
火星の大気圏でテラフォーマー達の奇襲を受けた乗組員は6組に分かれて火星に不時着。
火星で待ち受けていたテラフォーマーの一部はバグズ2号の乗組員「バグズ手術」の能力を得ていた。
しかしアネックス1号の乗組員達は「バグズ手術」の進化系「M.O.手術(モザイク オーガン オペレーション)」を受けておりこれに対抗しようとするが……。
第3部ストーリー
第2部から1年後の2621年、日本ではテラフォーマーの関与が疑われる行方不明事件が多発していた。燈を始め火星からの生還者は民間警備会社『一警護(はじめけいご)』の一員となり、本多晃によって新たに施工された手術「C.B.技術(キマイラ・ブラッド・オペレーション)」を駆使して戦っていた。
東京に潜んでいたテラフォーマーの脳を解析した映像から〈祈る者(インヴォーカー)〉ことスキンヘッド型の拠点を突き止めた燈達は東シナ海沖の中国軍の人工島へ潜入調査を行う。
ミッシェル率いるアメリカ宇宙軍特殊作戦部隊『SPACIALs(スペイシャルズ)』チーム4と共にニュートンの一族や中国軍、テラフォーマーで構成される〈神奸達(スニーカーズ)〉の妨害を受けながらも施設は制圧、攫われていた民間人を救出するが、中国領に米軍が介入する結果を招いた。
施設制圧から1週間後、テレビ中継に突如「祈る者」が出現。日本を占拠すべく総攻撃を始める。米軍や中国軍を初めとする「全国籍軍」も日本に現れ、人類とテラフォーマーの『戦争』が幕を開ける。
登場人物
第零部
- ジョナサン・レッド
- ジョージ・スマイルズ
- リサ・オイカワ
- ケント・ホーランド
- トーマス・ベルウッド
- カルロス・ミネリー
- M・K・デイヴス
第1部・2部共通
第1部
- ドナテロ・K・デイヴス
- 張明明
- 秋田奈々緒
- ティン
- ヴィクトリア・ウッド
- ゴッド・リー
- テジャス・ヴィジ
- マリア・ビレン
- トシオ・ブライト
- ジャイナ・エイゼンシュテイン
- ルドン・ブルグスミューラー
- ジョーン・ウェルソーク
- 陽虎丸
- アレクサンドル・グスタフ・ニュートン
第2部
- ミッシェル・K・デイヴス
- 膝丸燈
- アレックス・K・スチュワート
- リュウジ・ロブソン
- リュウイチ・ロブソン
- アミリア・ヴェンカテッシュ
- ペギー・フォーティ
- ウォルフ・レッドフィールド
- 柳瀬川八重子
- パトリック
- ジョイス
- ホリー
- アドルフ・ラインハルト
- イザベラ・R・レオン
- エヴァ・フロスト
- ワック・エリクソン
- サンドラ・ホフマン
- エンリケ
- フリッツ
- アントニオ
- ジョハン
- レイシェル
- ミラピクス
第六班
- ジョセフ・G・ニュートン
- マルシア
- キャサリン
- エマ
- アレクサンドラ
- ジュリア
- ローレン
- リシュエンヌ
- マリークレア
- ムテバ・ネルソン・ムテキチ・インビクタスJr.
第3部
SPACIALs
- ミッシェル・K・デイヴス
- マルコス・E・ガルシア
- ウォルフ・レッドフィールド
- アミリア・ヴェンカテッシュ
- 竜一・ロブソン
- 柳瀬川八恵子
- アレックス・カンドリ・スチュワート
- エヴァ・フロスト
- 中之条江莉佳
- エリザベス・ルーニー
- トーヘイ・タチバナ
ニュートンの一族
その他
アニメ版
最初に原作第1巻の内容をアニメ化したOVAが単行本第10巻と11巻に同梱される形で発売。
続いて、テレビアニメが2014年秋よりTOKYOMXおよび朝日放送、CBC、BS11、
テレ朝チャンネル1で放送。第2部(原作第2巻以降)からスタート。
上述の様に「いつ誰が死ぬかわからない」スリリングな展開が本作の特徴だが、
TV版は残酷描写の規制が凄まじく生首等は●規制が入る他、
アクションシーンは画面が真っ黒で何が起こっているか分からない。
作画や声優の質は高く、規制の少ない後半は盛り上がった。
しかし、序盤で視聴者に与えた影響は大きく、終ってみれば規制の事ばかり語られる始末で、ソフト版セールスも振るわなかった。
2016年春『テラフォーマーズ リベンジ』として2期を放送。愛知県ネットがテレビ愛知に変更。
1期の批判を受けてか、声優はそのままスタッフが総入れ替えとなり、作風が大幅に変わった。
しかし、不自然な規制が撤廃されただけでなく、
1期で好評だった緊張感のある演出まで撤廃されてしまい、明るくコミカルな作風に変化。
原作のそうした面を重視したとも取れるが評価は下がり、現在も第3期は出ていない。
実写映画版
2015年に実写映画化が決定。メガホンをとるのは漫画・アニメの実写化に定評のある三池崇史監督。脚本は、『仮面ライダーフォーゼ』を手がけた中島かずき。
この朗報に原作者の貴家悠は、
「母さん……『あんたの漫画ゴチャゴチャしてて全く何やってるのか分かんないけど、就職はいつすんの?』とはもう言わせません……映画になるんですよ、母さんッ!!!」
作画担当の橘賢一も
「メガホンをとるのが三池監督に決まり、『ああ、これはいける…ッ!』と直感した」
と両名共に喜んでいた。
2016年4月29日に公開されたのだが、ふたを開けてみると…
- 実写化のお約束である外国人キャラの強引な日本人化と宣伝丸出しな話題俳優ばかりのキャスト
- それでいて原作の流れに無理矢理押し当てているせいで生まれた設定の破たんや矛盾
- 詰め込み過ぎてキャラクターが掘り下げ不足で感情移入できない薄っぺらいシナリオ
- 命がけの戦場にいる緊張感が感じられない淡々とした演技
- 「チープ過ぎて下手なコスプレに見える」と酷評された特殊メイク
- 何故か艶のある黒ではなく土を浴びた様な薄汚い茶色のテラフォーマー
と散々で、公開前から早くも「進撃の巨人以上に酷い」と叩かれる。
映画評論家の前田有一が自身のサイトで「長年私が指摘してきた邦画の問題点が凝縮された映画」とまさかの(100点中)5点を叩き出した事で評価は更に下がり、都市部の映画館でもゴールデンウィークにもかかわらず席がガラガラと言う事も各地で起こり、「気づいたら置き去りにされたまま終わっていた」とまで言われる始末。
国外では「テラフォーマーの容姿が黒人差別」と的外れな批判(モデルは黒人でなく原人)も挙がる等、悪い意味で有名に。
15億円の制作費をかけ30億円の興行収入を狙ったにもかかわらず、8億円前後で制作費の半分も回収できず損益分岐点を大きく下回り大赤字。続編前提だったが、当然中止。
※映像や音響は頑張っており、スタッフやキャストはもう少し報われても良い。
アクションはキレがあるし、1億円もかけて作ったらしい宇宙船のセットも悪くなく、特撮アクションとして評価すれば及第点と言える。
問題は「『テラフォーマーズ』のタイトルで公開してしまった」事。
別タイトルのインスパイア作品として公開していれば、もう少し評価は高かったかもしれない。
とはいえ、オリジナル作品として見た場合でも、前述のシナリオの浅さは否定できない。
「最強生物決戦」展
上記の映画公開に合せてサンシャイン水族館で2016年3月18日~5月31日に開催されたイベント。
「電気」「毒」「虫」「甲殻」の4ジャンルで手術ベースになった生物(スタッフ推薦の未登場生物含む)の他、撮影で使用された衣装や描きおろし特別イラストも展示された。
展示された生物
横のキャラ名は被手術者で、未記載はスタッフ推薦。並びは通路を基準に★は標本展示。
ハリセンボン:アントニオ(4月13日から会場入口横に展示)
ヨロイモグラゴキブリ:テラフォーマー
オオミノガ★:膝丸燈
アシダカグモ:マルコス・E・ガルシア
デンキウナギ:アドルフ・ラインハルト
オオスズメバチ★:小町小吉
ヒョウモンダコ:劉翊武(近縁種オオマルモンダコで、プレートにも「ヒョウモンダコの仲間」と記載)
ダイオウサソリ:ニーナ・ユージック(実際オブトサソリだが、輸入禁止種なので代用)
アオズムカデ:アーロン・ユージック
ニジイロクワガタ:マリア・ビレン(バグズ2号の乗組員では唯一生体展示がされた)
スマトラオオヒラタクワガタ:アレクサンドル・アシモフ
リオック★:イザベラ・R・レオン
タスマニアキングクラブ:シルヴェスター・アシモフ
モンハナシャコ:鬼塚慶次
ニシキテッポウエビ:ジェット(相方のハゼがいない為「臆病なので、姿が見えなくても水槽を叩かないでください(要約)」の注意書きあり)
関連イラスト
関連タグ
改造人間 へんないきもの 変身 ヤングジャンプ 2014年秋アニメ
仮面ライダースーパー1、テッカマン:宇宙で戦う改造人間の先駆け。
ビーストウォーズネオ:同じく、動物の力を持ったキャラが宇宙で戦う。
聖飢魔II:TVアニメ主題歌を歌った悪魔集団(バンドグループ)。原作者と作画担当がファンで極悪大教典(ベストアルバム)『XXX -THE ULTIMATE WORST-』のジャケットで構成員のイラストを手掛けた。