ピクシブ百科事典

目次[非表示]

概要

多足亜門・ムカデ綱(唇脚綱)に属する節足動物の総称。
分節の長い体は偏平で、体節ごとに1対の歩脚を持つ。背中側は四角い背板で覆われている。
種類によって赤・黄色・青・緑など鮮やかな体色を持つが、これは外敵に対して自身が毒を持つ事をアピールする為の警告色である。

最大の特徴は、頭部に備わった顎肢という毒腺を持つ鋭い牙である。顎として誤解されがちだが、実は特殊化した脚であり、獲物を仕留めたり敵を攻撃する為の武器として使われる。一番後ろの鋏状の脚は曳航肢と呼ばれる特殊化した脚で、こちらも主には外敵や獲物を攻撃したり捕らえる為の武器として使われる他、頭部に形を似せる事で外敵を撹乱するとも言われている。

「百足」や「センチピード(centipede、百の脚)」と呼ばれるが、脚の対数はどの種も奇数である為、足が本当に100本(50対)あるムカデは存在しない
ムカデの脚はその半数の50本(25対)に及ばず、102本(51対)以上ある種類はジムカデだけである。

ムカデとヤスデ

よくムカデの話題には同じ多足類ヤスデを引き合いに出されるが、
ヤスデはヤスデ綱(倍脚綱)に分類されており、ムカデとは全く別のグループである。
両者の違いは以下の特徴からなる。

分類ヤスデムカデ
胴体の形状円柱状扁平状
脚の付け根腹側両側
脚の対数ほぼ1節2対1節1対
動き遅い素速い
食性主に腐植食性肉食性

生態

肉食で足が速く、顎肢に毒腺を持っており、特に大型の種類は強力な毒を備えている。
顎肢で獲物に噛みついて抑え込み、毒で獲物を麻痺させて仕留める。
1体の獲物を捕食しながら、同時に足や曳航肢で他の獲物を抑え込んで捕獲する事が可能。

主食は昆虫だが、大型種はトカゲヘビ等の小型爬虫類
マウス等の小型哺乳類や小型鳥類も襲い、小顎と呼ばれる牙で獲物を噛み砕いて捕食する。

大型種の中でも気性の荒い者は、自身より大きな相手にも攻撃を行う。
主に落ち葉の下など、多湿な環境を好み、乾燥した場所に長時間いると死ぬ。
足は取れても脱皮する度に再生する。

分類

オオムカデ目

一般的にムカデと言えばこのグループを指す。タイワンオオムカデトビズムカデ等の代表的な種類を含み、人間に危害を加えるのもこのグループである。
脚は通常21~23対、頭部は円盤状、4対の単眼がある。

ジムカデ目

細長い胴体を持つ小型のムカデ、土中に潜む土壌生物である。脚は27対以上ほど多数であり、51対(102本)以上の種類も存在する。頭部は縦長く、眼が無い。

ゲジ目

所謂ゲジゲジ(ゲジ、蚰蜒)で胴体は短く脚は細長く、ムカデとは思えない姿をしている。
脚は15対、頭部は丸く、1対の複眼がある。
詳しくはゲジゲジを参照。

イシムカデ目

オオムカデ目によく似ているが胴体はやや短い。脚は15対、頭部は円盤状、たくさんの単眼がある。

ナガズイシムカデ目

ナガズムカデという、タスマニアニュージーランドのみに生息する小さなグループ。
オオムカデに似ているが、細部は大きく異なる。脚は15対、頭部は縦長く、1対の単眼がある。

ムカデの毒は、種類によって強弱や若干の違いはあるものの、酸性で主な成分は「ヒスタミン」や「セロトニン」や「ポリペプチド」等アミンの一種と、タンパク質でできた酵素である。
神経毒の一種であり、これらの成分が合わさって人体に様々な害を及ぼす。

主な症状は激しい痛みや痒み、痺れで患部が腫れあがる。
人によっては痺れが患部を中心に全身に広がったり、悪寒や発熱・発疹や嘔吐なども起きる。

最も恐ろしいのは、ムカデの毒はアレルギー物質を含んでおり、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があるという点である。その為、それ以前にムカデやハチなどに刺された経験がある、特に実際にアナフィラキシーショックが起きた経験のある人は要注意が必要である。
人によって症状は様々だが、めまいや嘔吐・血圧低下・呼吸困難などの症状が出た場合は、対処を間違うと危険なので、直ちに専門の医者に受診する事を推奨する。

海外の大型種の場合、幼い子供に限って死亡例もある。

応急処置としては、42、3度のお湯で患部を洗う、ステロイド軟膏を塗るなどがある。ムカデの毒は意外と患部を中心に広がる為、ポイズンリムーバーなどで毒抜きをするのもかなり効果がある。ただし、口で直接患部を吸っての毒抜きは、口内で腫れや痛みや痺れなどを起こす可能性がある為、決して行ってはいけない。また、患部を冷やしたり40度以下のぬるま湯で洗うのも、逆に毒を活性化させて浸透しやすくする為、冷やす場合は必ず毒抜きをする必要がある。

人間との関わり

主にオオムカデは、顎肢が大きく咬合力が強い為、毒の効果を抜きにしても噛まれると激しい痛みを伴い、患部が酷く腫れて噛み傷が残る場合も多い。その為、衛生害虫としても世界的に広く知られている。人間に対しても躊躇なく襲いかかってくるなど凶暴な種も多いので、衛生害虫としての危険度は高い。

その一方、火傷や切り傷に効果がある民間として、オオムカデの油漬けや乾物が作られたり、観賞魚等のとして冷凍オオムカデが輸入されて売られている。

また前述の咬害もゴキブリ等を捕食する為に、ムカデが屋内に侵入した結果で、農村部では害虫退治に一役買っている事も頭の隅に留めて置いて欲しい。

オオムカデの中でも特に大型の種類は、咬害や毒の被害も大きい為、迂闊に手を出すのは危険である。因みに世界最大は、ガラパゴスジャイアントで、大きいものだと60cmを越える。
日本ではヤンバルオオムカデが最大であり、大きいものでは全長20cmを越える。

文化的側面

「凶暴で攻撃性が高い」イメージや、「絶対に後ろに下がらない(後退しない)」という俗信から、戦国時代にはムカデにあやかり、甲冑等にムカデのデザインを取り入れたり、
旗差物にムカデの絵を染め抜いた物を用いた例もある。

また、商家では「客足が多い」縁起物として扱われることがあった。
「カエルの婿選び」と言う民話でも、「おあし(お金)を沢山持ってる」と言う理由でカエルがムカデを婿にしたがるオチがある。

大蛇と並んで妖怪として扱われる事があり、その一方毘沙門天の使いともされる。ムカデは、龍と関わりがある虫であり、沖縄県昔話俵藤太の大百足退治では龍を苦しめる一方、ムカデの別名が『天龍』だったりする(毘沙門天の使いとされるが、同じく使いとされる動物には龍と同じ干支であるトラネズミがいる)。

昔話では悪役とされがちだが、『ムカデの医者迎え』では足の速さを買われて医者を呼びに行ったは良いものの、足が多すぎて草鞋を履くのに手間取るというコミカルな一面も。

公共のメディアでは

センシティブな作品


不気味な生物の代表として、ゴキブリが挙げられるが、
凶暴性で毒持ちなので、ムカデの方がよっぽど危険な存在である。

テレビでは、ゴキブリ等はモザイクがかからないのだが、多くの人が見る時間帯の番組では、
ムカデにモザイクがかかる事も多い(例:アニメ版男子高校生の日常』他)。グロテスクに感じる人が多いので、苦情が来ない為の配慮だろう。

創作では

基本的に凶暴なので、それが性格に反映されている事が多い。
古来よりの象徴として描かれたり、体も大きいことから、強い存在とされる事もある。
虫をテーマにした作品には高確率で登場するので、メディアでは比較的ポピュラーな存在。
しかし、一般的に好まれない外見から、悪役として描かれる事が多く、ヒーロー扱いの作品は少ない。

また、ダメージを受けると身体が分裂し、それぞれ独立して襲ってくる能力を与えられる場合もある。『地球防衛軍』シリーズの百足龍虫がわかりやすい例だろう(実際ムカデを切断するのはNG、しばらく動くが、死んでしまう)。

主な種類

トビズムカデ

日本本土に生息するムカデで、わりとポピュラー。
最大で15cm近くなるが、普通は7~8cm程度。

ハブムカデ

沖縄に生息するムカデ。ハブが生息するようなところに生息し、毒性も強いことからハブムカデと呼ばれている。
全長は最大でも18cm程度。脚の黄色身が強い。

リュウジンオオムカデ

沖縄と台湾に生息するムカデ。
脚は美しい水色や緑色をしているが、半水性の珍しいムカデで、主に蟹を捕食し、冷涼な環境を好むことから飼育は非常に珍しい。
最近になって新種と認められたが、非常に希少な種類で絶命が心配されている。

チャイニーズレッドヘッド

中国に生息するムカデ。トビズムカデの亜種とされる。

ベトナムオオムカデ

ベトナムやタイ、ラオスに生息するムカデ。
外国産ムカデの中では非常に安く流通量も多い上に飼いやすい為、初心者向けの種類と言われるが気性が荒く、動きが俊敏で毒性もかなり強い。
虫バトルにおいてかなり需要のある種類である。
全長は15~20cm位だが、最大クラスの個体は30cmを超える。

ラオスジャイアント

ラオスに生息する大型のムカデ。ベトナムオオムカデの亜種だが、全く似ていない為別種扱いされている。
かつて、虫皇帝に全長23cmという全大会最大クラスの個体が『ムカデ界の大蛇』という2つ名で参加し、アースタイガーダイオウサソリと言った優勝候補を圧倒的なパワーでねじ伏せ、簡単に優勝したことで全国の虫好きを震撼させた。

マレーシアンレインボージュエル

マレーシアの高地に生息する大型のムカデ。
名前の通り、脚が頭から尾にかけて虹色になっている美しいムカデ。その為非常に高値で取引される。

マレーシアンチェリー

マレーシアジャイアントもしくはチェリーレッドと呼ばれることもある。全長は15~20cm程度。
赤やオレンジの体に節ごとに黒いラインが入っており、赤みが強い個体は人気が高い。

フェザーテイル

タンザニア周辺に生息するムカデ。
卑航脚が団扇のようになっており、威嚇する時は卑航脚で音出して威嚇する。
小型の種類が多く、性格も大人しい種類が多い。

ガラパゴスジャイアント

最大の個体が66cmになったという記録があるが、信憑性に乏しく通常の個体は30cm前後である。また、ガラパゴスと名前に入るが流通している個体はエクアドル産である。

ぺルビアンジャイアント

南米に生息するオオムカデで全長は40cmを超える。
世界最大のムカデであり、値段は数万円単位は下らない程に高価。
産んだ卵は母親が保護するが、卵が孵化すること子供たちに母親が捕食されるという生態があり、繁殖はなかなか難しい。

関連作品

  • ムカデ人間 - ホラー映画。詳しくは記事参照。 閲覧注意!
  • 日々我人間 - 伊豆に移住した漫画家桜玉吉の、室内に侵入を繰り返すムカデとの闘争に多くを割かれた私記漫画。
  • 東京喰種 - ヤモリカネキへの拷問を行う際、ムカデ投入を行った。以降、ある意味でカネキの(覚醒の要因になったトラウマの)象徴になっている。


関連キャラ

伝承


特撮

スーパー戦隊シリーズ


仮面ライダーシリーズ


その他特撮作品


アニメ


漫画


ゲーム


比喩表現

キャラクターのモチーフとしての扱い

(募集中)

その他ムカデと名が付く存在

現実

  • ムカデ競争
  • V3 15センチポンプ砲:ドイツ軍の兵器であだ名が「Tausendfubler(ムカデ)」
  • 蜈蚣切/百足丸:藤原秀郷の愛刀とされる日本刀
  • 百足衆:武田家に仕えた伝令部隊。


創作


関連タグ

大百足 蜈蚣 百足女/ムカデ女  
節足動物 ゲジゲジ ヤスデ

関連記事

親記事

多足類 たそくるい

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivで「ムカデ」のイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで「ムカデ」の小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 2732709

コメント