概要
ギルハカイダーを中心とした4体のハカイダータイプのロボットサイボーグと、量産兵士ロボット・アンドロボット(いわゆる戦闘員、ただし特撮のみ)からなる悪の組織。
ハカイダー四人衆と、アンドロボットたちを含めてハカイダー部隊と別称されることもある。
特撮『キカイダー01』及び原作『人造人間キカイダー』では、ダーク壊滅時に、瀕死のプロフェッサー・ギル及び、ダークの三科学者の幹部の脳髄をハカイダータイプのロボットに移植することで結成された。
プロフェッサー・ギルが遺した「ジャイアントデビル」の設計図を狙い暗躍する。
特撮版では、4人とも人間の頃の記憶や自我を失っており、ハカイダータイプの人造人間として行動している。
また、身体を強化する事で生物を模したロボットの姿になる事が出来るが、倒されると変身能力を失ってしまう。
原作では、ブラックハカイダーはギルの自我によって行動していることが描かれている(ただし一人称は「わし」「おれ」両方)が、他の3人は不明。
アニメ版では、4人ともダーク時代の自我を持っており、ハカイダー3人衆はギルに強く忠誠を誓っている。
MEIMUによる漫画『キカイダー02』では、ギルのクローン脳を埋め込んだブラックハカイダーが、電子頭脳を埋め込んだレッド・ブルー・シルバーの3体を指揮する、いわば精鋭部隊。同時に量産型ハカイダーの性能実験も兼ねている(ギルがオリジナルボディの脳を移植するに足るだけの性能があるか見極めようとしたが、キカイダーらに結局敗れ、その望みを捨てている)。
松岡圭佑氏による小説『人造人間キカイダーTheNovel』では、ダーク壊滅に先立って、黒・赤・青・銀の量産型ハカイダーのボディが行方不明になるという描写があった。
組織構成及び実情
怪人クラスがハカイダー本人を含めてたった4人と、かなり小規模である。
他作品でいうとガランダー帝国(仮面ライダーアマゾン)で9体があるがその半分であり、これ以下になるとドラスのような「本人とその分身」のようなケースしかない。
3年間もかけてチマチマ日本各地に秘密基地を造ったらしいのだが、ほぼ毎回のようにキカイダー兄弟に基地をぶっ潰され続け、挙句の果てに全部の基地をいっぺんに壊すことのできる自爆スイッチをなぜか用意していたため、01に押されてしまい基地は全部吹き飛ぶ。
おかげで視聴者からは「零細企業」とも言われるが、壊滅したダークの余り物で作ったような組織なのでこうなるのも仕方のない話ではある。
先述通り本部には全ての基地を爆破するこの世で一番いらねえスイッチがある。しかも相当目立つ場所にあって鍵もパスワードも無いという有様。
プロフェッサー・ギルは前作でも多くの部下を道連れにしたので、ハカイダーに脳移植された後もその辺りの妙なこだわりは変わらなかったのかもしれない。
更に『人造人間キカイダー』のラストで完全にギルは狂人だったので、その脳が移植されたギルハカイダーにまともな思考能力はなかった可能性もある(これに関しては光明寺ハカイダーの時点で光明寺っぽさなど欠片も残っていなかったので一概にそうとも言い切れないが)。
この他にカプセルに01を封じ込めて沖合で爆発させようと企むも、キカイダーの存在をすっかり忘れていたりと対策がガバガバな面がチラホラある。
4人合体したガッタイダーになると戦闘力が4倍になるらしいが、変身機能も合体回路も01に破壊されて、第9話と第10話でレッド、ブルー、シルバーの3人が死亡したため、事実上壊滅した。
ちなみに「死神ミサイル原爆砲」なる兵器を持ち、しかも連射していたが名前通りの性能だとしたらそれで世界征服できたんじゃないのかと思わなくもない。
テレビゲーム『スーパーヒーロー作戦』では『超人機メタルダー』の敵であるネロス帝国に、『スーパーヒーロー作戦ダイダルの野望』では『イナズマン』の敵新人類帝国に吸収合併されている。逆に『スーパー特撮大戦2001』ではダークとシャドウが並行して登場するため、ギルはダーク壊滅の際に死亡し、ハカイダー軍団は登場しない。
メンバー
- ギルハカイダー(ボスハカイダー、ブラックハカイダー)
CVː飯塚昭三
一応は首領。未だにダークのことを引きずっているらしく、初登場シーンでは「世界を夜の闇に包むのだ」と発言していた。
光明寺ハカイダーとは比べ物にならない小者で、飯塚氏から「底の浅い奴」「ギルハカイダーはあまり好きではない」とまで言われた程だが、変身したブラックドラゴンは作中でも01を苦戦させたロボットであり、決してボディ自体のスペックが低いわけではない。
銀エビに変身。30mまで伸びる電磁棒が武器で、銀エビに変身している際にも使う。体を丸めて突進する「銀エビ機雷」が銀エビとしての必殺技である。尚、ケーキなど質量を無視して非生物に化ける事も可能。
必殺技の電磁棒大車輪は、「Xキック(仮面ライダーX)」の原型だろうか。
ハカイダー四人衆はダーク破壊部隊の幹部の脳が使用されており、彼等は光明寺やギルと同世代かそれ以上と思われる(実際、原作の3学者はかなり高齢のように描写されている)。
青ワニに変身。5万ボルトの電流を流す、25mの電磁ムチが武器。10万ボルトに引き上げる事で01もバラバラに出来るらしい。
青ワニの時は牙を入歯のように飛ばして攻撃する他、卵型のカプセルに入る事で損傷を回復するが、カプセルを破壊するとこれまで受けたダメージが逆流して爆発・変身解除される。また、人間を食べて骨だけにしてしまうなどロボットらしからぬ能力も持つ(青ワニ島に基地を作るための集めていた捕虜なのに殺してどうするのだろうか)。
青ワニのスーツは吸血コウモリ→天狗ムササビ→鳩型ロボットと改造・使い回されている。最後のロボットは演者も同じく和久井氏である。
朱ムカデに変身。毒矢を放つミサイルボーガンが武器(発射シーンはハカイダーショットの流用)。
ギルハカイダーに殴り掛かって文句を言うなど、忠誠心は無いに等しい。
ムカデを関する名前ではあるが、変身後のフォルムはズングリ体型。朱ムカデ状態では棘「ムカデ針」を発射したりムカデを操る他、毒液を生成する事が可能である。体が何節にも分かれているムカデよろしく身体をバラバラにされても動く事が可能なほど生命力が強い。
毒液培養用に捕らえた子供を見せしめに殺さずにアンドロボットを殺した辺り、他の三人よりは作戦用資源の重要性を理解しているらしい。
なお漫画版での武器はマシンガンアーチェリーで矢を連射していた。
稲妻のような模様が特徴の戦闘員。武器は雷霆のような短剣『イナズマナイフ』。銃弾を浴びて平気な辺り、一般人よりかは強い。掛け声は『ハイル!』
憂さ晴らしで壊される事も多いが、そんなことしておきながらアンドロイドマン製造工場を破壊されると騒ぐので、そりゃストック不足にも陥るというものである。
余談
『仮面ライダー555』の登場する「ラッキークローバー」はハカイダー4人衆がモチーフである。
ハカイダー部隊のアイディアはメインライターの長坂秀佳氏によるもので、ハカイダーの着ぐるみがスペア、アップ撮影用、アトラクション用がいくつかあったことから予算もないので「これの色を塗りかえて使おう」と立案したとのこと。後に原作にも登場したことから「本当ならアイディア料もらわないと」と冗談めかして言っていた。
なお、同じハカイダーの着ぐるみでも場面によって顔のイナズマ模様や胸当て(肩の部分がちゃんとつながっている物もあれば、ガムテープでくっつけてあることが丸わかりな物もある)に違いが見られるので、結構な数の着ぐるみがあったとみられる。