概要
映画『キカイダーREBOOT』公開に先駆ける形で執筆された、石ノ森章太郎原作のSFヒーロー漫画『人造人間キカイダー』を原作とした松岡圭祐による小説。角川文庫から全1巻が発売されている。
本作は『REBOOT』のノベライズではなく、あくまで漫画版及び特撮版のキカイダーのリメイクである。よって設定は『REBOOT』と異なる点も多い。また、本作は「2013年のキカイダー」をテーマにしているため、冒頭で東日本大震災から導入が始まるなど時事ネタを多く取り入れているのも特徴。「すっげー! まるで海賊無双じゃーん!!」とか。
あらすじ
世界的重科学企業「ダーク・マジェスティック・エンジニアリング」の社長・ギルは、世界有数のロボット工学の権威である光明寺博士に資金援助を行っていた。しかし、ギルが裏で無人兵器の密売に手を染めていることを知った光明寺は、彼を告発すべく失踪を遂げる。
ギルは光明寺の子息を攻撃し、彼を呼び戻そうとロボット兵士たちを送り込む。しかしそこに、突然ギターの音色が響き…。
用語解説
ゼロダイバー
光明寺博士が開発した災害救助用ロボット。青い身体なのが特徴。メイン画像はその完成図。
フュージティヴ・フロム・ヘル
同じく光明寺博士が開発した赤いボディの戦闘用ロボット。頭が透けているのが特徴。ちなみにこれの完成形には別の名前がある。
登場人物
ジローと仲間たち
本作の主人公。ゼロダイバーとフュージティヴ・フロム・ヘルの半身を合体させたアンドロイド。普段は重力制御装置と立体投影機を使い人間「ジロー」に擬態している。原作以上に芸達者で、電子頭脳をネットにつなぎ情報を瞬時に検索できるが、一般常識には疎い一面もある。
キカイダーを作った光明寺博士の愛娘。女子大生。若干オタクっぽい一面もある。
私立探偵にして携帯小説家にして(中略)要はなんでもありな人物。ハーフボイルド。
ダーク
ダークの創設者。ロボット工学の権威だが、異常なまでに「死」を恐れる狭量な人物。
キカイダーを作った、世界一のロボット学者。ダークで働かされている。災害救助や自然保護のために作ったロボットたちをダークによって無人兵器に変えられてしまう。
ギルの美人秘書。その正体は冷酷なアンドロイド。REBOOTとは違い怪人態(?)も存在する。
ダークロボット
対キカイダー用にとあるロボットを改造して作った最強のアンドロイド。
頭蓋には人間の脳髄を補完できるが、他のキカイダー系作品とは異なりサイボーグではない。
最下層の量産型アンドロイド。
「要するに雑魚キャラ」(byジロー)
ダークロボット第一号。鼻先の角と右腕の強力なドリルを使ったフェンシング戦法を得意とするパワーファイターの犀型アンドロイド。突撃は一撃でビルの階段塔を粉砕するほどの威力を有する。
地中工作のために光明寺が作ったのを勝手にダークが改造した蟻型アンドロイド。右腕をライダーマンのように様々なアタッチメントに変えて戦う。
蟷螂型アンドロイドだが、左腕はムチになっているアストロモンススタイル。
ジャガー型アンドロイド。尻尾の先が火炎放射器になっている。グリーンマンティス、カーマインスパイダーと行動を共にする。
500tの鉄球にも耐える牛型アンドロイド。ハカイダーの噛ませ。
剛腕を誇るゴリラ型アンドロイド。ハカイダーの噛ませ。
上記2体共々ハカイダーに鉄屑にされるタガメ型アンドロイド。
地中行動を得意とする蠍型アンドロイド。
ダーク史上最速を誇る飛翔能力に長けたムササビ型アンドロイド。ダーク壊滅を目論んだ光明寺博士の破壊工作を阻止した。
俊足を持つ馬型アンドロイドで、鋼鉄をも切り裂く蹄鉄型巨大ブーメランで戦う。
身長186センチ。直立二足歩行で外見はヒトデ。胴体および腕と脚に横縞模様が走っている。顔らしい顔はなく、身体の中心に独眼を持つのみ。
続編フラグとも取れるような展開でもある。