概要
TVゲーム等に登場する、取るに足らず・弱く・加えて数の多い敵キャラのこと。雑魚とも。
プレイヤーが最初に対峙する場合が多い。
ただし雑魚キャラといっても、集団で来られたり、地形を利用して絶妙な配置で攻撃して来たり、無敵だったりと、場合によってはプレイヤーを苦戦させることも多い。また、初めてプレイするゲームの操作に慣れてないうちは、最初の敵にやられるパターンは少なくない。これは有名な『トランスフォーマー コンボイの謎』のような超絶難易度なゲームに限った話でもなく、後述するようにドラゴンクエストシリーズやスーパーマリオシリーズと言った国民的ゲームでも多く見られた現象である。また、いくら雑魚敵とはいえストーリー中盤以降で出てくるようなキャラ達が序盤に中ボス格として出てくる事が稀にあり、その場合は場合にもよるが伝説の如く語り継がれるレベルの強敵と化す(例えばこいつ)。
ものによっては『ダークソウル』や『Hollowknight』等、雑魚敵が雑魚敵してないゲームもある。
現在こそチュートリアルモードなどを設けて、初心者になれさせるまでは、RPGやSLGの戦闘モードで適当に操作しても、ほぼ勝てる程度に難易度を抑えてる事も多いが、1980年代のTVゲーム黎明期は、容量の都合もあり、そういう初心者モードなどはなく、例えば『ドラゴンクエスト』では序盤に出てくるスライムにやられて王様に「おお勇者よ、死んでしまうとは何事だ」と罵られる新米勇者を数多く生み出し、『スーパーマリオブラザーズ』だと1-1の最初に出てくるクリボーに当たって死ぬプレイヤーを続出させた。
また、作品によっては知名度の高さもあってスピンオフ作品等で主役に抜擢されることもある。
対義語はボスキャラ。
ボスキャラ以上に求められる高度な『デザインセンス』
「雑魚キャラなんてテキトーで良いでしょ?」という印象を持つ方も少なくないと思うが、それは大きな間違いである。
やられ役といえば作中で目にする機会は10回や100回じゃ済まない筈だ。そんな主人公にやられる彼らが「もう見たくない」というデザインをしていたらどうだろう?きっと作品そのものが嫌になってしまう。
少し考えてみよう。モヒカンの居ない『北斗の拳』の世界、スライムの居ない『ドラゴンクエスト』の世界、ザクの居ない一年戦争、ショッカー戦闘員の居ない『仮面ライダー』。きっとそれは味気ない作品に仕上がってしまう筈だ。そう、我々は主人公が彼らと戦うシーンを見たいが為に作品に触れているのだ。
ボスキャラといえば、例外もあるが基本的にシリーズの1作品に収まる事が多い。所謂「その作品の顔」である。対して雑魚キャラは設定に縛られずシリーズを跨ぐケースが非常に多い。つまり『シリーズの顔』と言っても過言ではない。大魔王ゾーマが『ドラゴンクエストⅢ』の顔だとしたら、スライムはドラゴンクエストシリーズ全体の顔なのである。そう、雑魚キャラはシリーズの代表キャラと言っても過言ではないのだ。
しかしそんなデザインとして完成している雑魚キャラを本当に雑魚キャラだけで終わらせるのも勿体無い。だからこそのカラーバリエーションなのだ。雑魚キャラをアレンジした上位キャラクターとして登場し主人公を苦しめる事でその存在感をアピール、これぞ雑魚キャラの醍醐味である。
スライムが金属化した輝くボディを持つメタルスライム、ザクの機動性をブチ上げた赤いボディのシャア専用ザク、聖剣伝説ファンにとってはトラウマでしかないラビの最強種ブラックラビ。そう色変えは決して手抜きではない。男のロマンをふんだんに詰め込んだファンサービスなのだ。
有名な雑魚キャラ
ゲーム名(シリーズ) | キャラクター名 |
---|---|
スーパーマリオ | クリボー、ノコノコ、パックンフラワー、ヘイホー |
ドラゴンクエスト | スライム、ももんじゃ |
ファイナルファンタジー | ゴブリン |
ボンバーマン | バロム |
ポケットモンスター | コラッタ、ジグザグマなど(※) |
星のカービィ | ワドルディ、バウンシー |
聖剣伝説 | ラビ、マイコニド |
風来のシレン | マムル、チンタラ |
ロックマン | メットール |
グラディウス | ダッカー |
初代熱血硬派くにおくん | OL |
※いわゆる序盤鳥、序盤ノーマル全般も当てはまるが、「草むらだけでなく序盤のトレーナー戦でも頻出する」代表例としてこの2種を挙げた。