スーパーマリオブラザーズ
すーぱーまりおぶらざーず
スーパーマリオブラザーズシリーズの記念すべき一作品目。
主人公であるマリオを操作し、ジャンプやダッシュを駆使して多彩な敵や地形を乗り越えクッパの城に辿り着き、攫われたピーチ姫を救出するのが目的。
当時高橋名人が盛り上げたファミコンブームをさらに社会現象にまで押し上げた歴史的作品。
第1作は1985年9月13日発売で、2020年に35周年を迎えた。
それまでのファミコンゲームで、一つの画面の中だけで完結するものであったアクションゲームに「スクロール」という概念を持ち込んだことで、後続作品に多大な影響を与えた。また、屋外を想定したシーンでもそれまでは真っ黒な背景であるのが当たり前だった界隈に、「背景が青空」という概念を持ち込んだのも当時としては画期的であった(ただし後述するように、それらの元祖ではない)。
販売本数は全世界で4000万本を超えており、今なお「最も売れたゲームソフト」のギネス世界記録を保持している。
それだけでなく、誰もが一度は聞いたであろう地上コースのBGM(1-1を開始すると必ず聞くあの曲。ちなみに作曲した近藤浩治氏は当時入社2年目の若手)が、2023年4月にアメリカ議会図書館の録音資料として登録されることになった。ゲームのBGMとしては史上初となる。
ちなみに、そのボリュームからは想像しづらいが、容量はわずか40KBしかない。
当時のファミコンソフトは容量が小さかったため、これでもいっぱいいっぱいだったのである。
- クリボーは1枚の絵を反転させたものを交代で表示して歩いているように見せる。
- ファミコンはスプライトの反転機能があるため、反転させた画像を別個に用意する必要が無い。
- 左右対称のアイテム・キャラクターは、半分だけ描いて、反転させたものを合体させ、一枚絵に見せる。
- 背景の山と雲のデザインは同じで、色が変えてあるだけ。
- 「マリオが小さくなる音」と「土管に入る時の音」、「ノコノコを踏んだ時の音」と「泳ぐ音」がそれぞれ同じ効果音の流用になっている。
などの逸話からも、涙ぐましい容量削減の努力が窺える。
また、現代の作品のように3段ジャンプやカベキックは当然存在せず、ファイアマリオでもダメージを受けると通常のマリオ(ちびマリオ)に戻ってしまう事や、コインや1UPキノコが少なく残機がすぐ減る事も相まって、歴代作品の中でも相応の難易度となっており、初代ならではのシンプルな難しさを味わえる。
続編・派生作も多数出ている。「マリオシリーズ」の項目を参照。
ステージ構成
8ワールド×4ステージの合計32面(+裏面)で構成されている。ステージ1・ステージ2・ステージ3は、ゴール地点にあるポール(旗)にしがみつく(触れる)ことでクリアとなり、ポールにしがみついた位置が高いほど高得点が入る。
- 地上ステージ
- 基本となるステージ。各ワールドのステージ1は必ずこれになる。障害物は比較的少なく、敵キャラクターをジャンプで回避しつつ前進する。
- 地下ステージ
- 一部ワールドのステージ2。地上から土管に入る場面から始まり、ゴール手前で土管から地上に出る。地上ステージに比べて障害物が多く、狭い空間を潜り抜けたり、またその中で敵キャラクターと対峙したりする必要がある。
- なお、このステージにはゴールに繋がる土管の他にワープゾーンが設置されており、これを利用することで途中のコースを飛ばして先のワールドに進むことができる。1-2のワープゾーンは2-1、3-1、4-1のいずれかにワープする(任意で選択可能)。4-2のワープゾーンは2つあり、1つ目は必ず5-1にワープする。2つ目は6-1、7-1、8-1のいずれかにワープする(任意で選択可能)。
- 海中ステージ
- 一部ワールドのステージ2。地下ステージと同様、地上から土管に入る場面から始まり、ゴール手前で土管から地上に出る。水中を泳いで進むため、ダッシュやジャンプが使えず、敵を踏みつけて倒すことができないなど、他のステージと全く異なる操作感覚になる。
- アスレチックステージ
- 一部ワールドのステージ3。他のステージに比べて敵キャラクターが少ないが、足場も少なく穴に落ちやすい。このため、ジャンプを活用したアクションが中心となる。
- 吊り橋ステージ
- 一部ワールドのステージ3。大部分が吊り橋で構成されており、空中を絶えずプクプクが飛び交っている。
- 城ステージ
- 各ワールドのステージ4。難易度が高く設定されており、ファイアバーなどに阻まれた狭く穴の多い通路を潜り抜ける高度なアクションが要求される。また、一部のステージ(4-4、7-4、8-4)では無限ループのエリアがあり、正しい通路や土管を進まないと、また同じ場所に戻されてしまう。最奥部で待ち構えているボスのクッパを倒すとクリアとなり、次のワールドに進む。
ワールド/ステージ | ステージ1 | ステージ2 | ステージ3 | ステージ4 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ワールド1 | 地上 | 地下 | アスレチック | 城 | |
ワールド2 | 地上 | 海中 | 吊り橋 | 城 | |
ワールド3 | 地上 | 地上 | アスレチック | 城 | |
ワールド4 | 地上 | 地下 | アスレチック | 城 | |
ワールド5 | 地上 | 地上 | アスレチック | 城 | |
ワールド6 | 地上 | 地上 | アスレチック | 城 | |
ワールド7 | 地上 | 海中 | 吊り橋 | 城 | |
ワールド8 | 地上 | 地上 | 地上 | 城 |
ちなみに、開発段階では全5ワールドの予定とされていた。ワールドの数を増やしたかった宮本茂は、企画会議の際に「A3サイズの用紙を2つ折りにしてA4サイズの用紙に書かれた企画書と見せかけ、5ワールドまでの概略が書かれた片面のみを見せて許可が下りた直後に、折られた裏側に書かれていた8ワールドまでの構想をスタッフに見せる」という奇策を用いて企画を通した。さらに宮本は「ワールド5以降のステージはそれ以前のステージを流用(基本的な地形は変えず敵キャラクターや障害物を追加するなど)して難易度を上げる」という工夫を凝らし、中郷俊彦らにこの全8ワールドの構想を強引に納得させている。
オリジナル | ファミコンミニ | バーチャルコンソール | |
---|---|---|---|
機種 | ファミリーコンピュータ | ゲームボーイアドバンス | Wii |
発売日 | 1985年9月13日(金) | 2004年2月14日(土) | 2006年12月2日(土) |
希望小売価格 | 4,900円+税 | 2,100円(税込) | 500Wiiポイント |
推定販売本数(国内) | 681万本 | 128万本 | DL専売につき不明 |
ゲームボーイアドバンスに移植されたファミコンミニ版は、廉価版として考えると数少ないミリオンセラーである(他に該当する廉価版は延べ171万本の『モンスターハンターポータブル2ndG』のみ)。
スーパーマリオブラザーズデラックス
ゲームボーイカラー版として登場。日本ではローソンの店頭にあるメディア端末、Loppiで行われていた書き換えサービス「ニンテンドウパワー」専用ソフトであった為、サービス終了後はプレイが不可能であった(なお、カセットの空きブロックはこのタイトルだけで全部使わなければならず、ニンテンドウパワーのソフトの中ではかなりの大容量だった)。バーチャルコンソール版が『ニンテンドーネットワークID 登録♥感謝キャンペーン』の参加者に先行配信されているが、一般の配信はまだ行われていない。
海外では書き換えサービスの無い代わりにパッケージ版が登場している上、バーチャルコンソール版も一般の配信が行われている。
赤コイン収集やヨッシーのたまご、テレサと競走など、ROMに収まる範囲内で様々な要素が詰め込まれておりポケットプリンタでシール出力も出来た(VC版では不可)。
おまけ要素として『スーパーマリオブラザーズ2』のマップも、一部アレンジが加わっているが8-4までプレイ可能。ただし、タイトルは『FOR SUPER PLAYER』となっている。
VS.スーパーマリオブラザーズ
1986年に任天堂のアーケード基板である「任天堂VS.システム」でリリースされた。
なお、リリース当時、既に任天堂が国内のアーケードゲーム市場から撤退していたため、日本では未発売だったものの、後年にROMの在庫が大量放出されたことで中古市場に出回った影響からか、逆輸入の形で日本国内にも出回っている。
ファミリーコンピュータ版との相違点は初代をベースとしながら、一部のコースが『スーパーマリオブラザーズ2』の物に差し替えられていたり、道中の雑魚敵の配置が変更され、出現数も増加しているなど全体的な難易度は高め。また、後半コースのクッパ城のループの抜け方など細かいところでの変更点も多々ある。
そして、アーケードゲームの仕様に合わせたことでゲームオーバー時にクレジット追加でコンティニューが可能(標準設定ではコンティニューすると残機が1人追加される)、コインの表示が3桁になったことで残機追加までに必要なコイン数の設定が店側で変更可能、道中での1UPキノコの数が減っている、「無限1UP」ができないように段差に登場するノコノコがクリボーに変更され、更に連続踏みつけのスコアで1UPが出るのは1周で1回だけ…などが大きな特徴である。(最もこれらはスコアランキングが存在することと永久パターンの排除が主目的とされている)
ちなみにエンディングは『スーパーマリオブラザーズ2』と同様に二人をキノピオが囲むデモがある。
尚、こちらの家庭用移植は2017年12月22日にアーケードアーカイブスで配信開始されたNintendo Switch版が唯一のリリースである。なお、地味にスコア登録画面のBGMは新曲で、スーパーマリオメーカーであることをすると聞くことができる。
スーパーマリオブラザーズスペシャル
1986年にハドソンから「X1」「PC-8801」でリリースされた。
ただし、ハードのスペックにより横スクロールではなく画面切り替え型である為、非常に遊びづらい代物。また、一人プレイ専用である。
RTA種目としては代表的な種目の1つで、マリオシリーズの中では『スーパーマリオ64』に並ぶ花形ソフトである。
徹底的に解析、研究され尽くしたため、2025年1月10日にクリアタイム4分54秒565での世界記録が達成され、TASによる“理論値”とわずか18フレーム(18/60秒)の差まで縮まった。理論値に到達してRTAとして終着点に至ってしまう日もそう遠くはないだろう。
このようにゲーム業界のマイルストーンとして知られる『スーパーマリオブラザーズ』だが、実は横スクロール型ジャンプアクションの元祖ではなく、むしろライバル会社のある一作品の影響を受けて作ったともいわれる作品でもあり、マリオ発案者の宮本茂も以下に後述する同作やコナミのサーカスチャーリーが既に存在していたことを言及している。とりわけ、明るいステージの概念、横スクロールアクションの基礎を築いたゲームの元祖は、ナムコの『パックランド』であり、宮本氏にとってこのパステル調の色使いやファンタジックな世界観は、『スーパーマリオブラザーズ』制作時にもかなり参考にしたという(宮本曰く、『パックランド』があったから(スーパーマリオブラザーズ』というプロジェクトが本格的に動き出した)。
ただ、同作は操作性に癖があった(3つのボタンでジャンプ、前へ進むなど)ため、そこまでメガヒットしなかった。これをゲームコントローラーでもプレイしやすく、操作性、とりわけジャンプ操作を劇的に改善したこと(Aボタンをジャンプに変えた。また、宮本は『マリオブラザーズ』こそがジャンプアクションの元祖という自負があった)が空前の大ヒットにもつながっている(当時のゲーム雑誌でも盛んに言われたのは、今までのゲームになかった操作性の良さとそこから来る爽快感であった)。
また、高速状態で進む概念を採り込んだBダッシュも当時としては画期的であり、それを踏襲した作品やその高速移動技術を発展させた作品もあれば、それに対抗意識を燃やした企業も生み出している。
色々あるが、代表的な作品はハドソンによる『高橋名人の冒険島』であろう。この作品は元々はセガの『ワンダーボーイ』(開発元はエスケイプ)で、その版権を買ったのだが、それを子供に訴求するため当時人気のあった高橋名人(ハドソン社員)に置き換えたもので、100万本以上を売り上げる大ヒットとなった。全部で4×8のステージ構成、パワーアップアイテムの存在、Bダッシュなどは完全に『スーパーマリオブラザーズ』を意識したものとなっているが、高橋名人がゲーム調整したせいか、やたらな難度の高さも話題となった。
一方、セガとしては『アレックスキッド』が不発に終わったことで、もっと爽快感のあるゲームを、ということで開発したのがファミコンでは実現不可能レベルの高速移動を可能にしたメガドライブの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』であった(マリオのBダッシュに影響を受けたというより、そのBダッシュでも実現できない超高速スプライト処理を、うちの機種ならできるんだぞというデモンストレーションでもあったという)。
また、コナミががんばれゴエモンシリーズをローンチタイトルとして育て、横スクロールアクション要素を採り入れたのも『スーパーマリオブラザーズ』を意識している部分が少なからずあり、カプコンの魔界村シリーズ(※1)、ロックマンシリーズなども多少なりとも影響は受けている。
※1 初代であるアーケード版魔界村の発売はスーパーマリオと同じ1985年9月で、影響を受けたとは考えにくい
逆にいえば、アクションゲームで『スーパーマリオブラザーズ』を意識しなかった企業なんてどこにも存在しなかったのである。
任天堂 マリオシリーズ マリオブラザーズ ファミリーコンピュータ レトロゲーム ワンダーボーイ 高橋名人の冒険島
その他
- 8-4…社名の由来が本作の最終面のゲーム製作会社。
- 必殺まっしぐら!…本作に着想を得て製作された、必殺シリーズ第26弾。
- マイティアクションX…当ゲームをモチーフにされたと思われる『仮面ライダーエグゼイド』の劇中ゲーム、因みに特典として実際に遊ぶことが可能。
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