概要
マリオシリーズに登場するキャラクター。間違えやすいが嘘をつくと鼻が伸びる木の人形ではない。
海外名はToad(トード)。「toad」は「ヒキガエル」「嫌な奴」という意味を持つが、ピーチ姫の旧名と同様に「キノコ」の意味を持つ「toadstool」が由来となっている。
主にキノコ王国に生息している「キノコ族」と呼ばれる種族の一つで、キノコ型の笠をかぶった人型の者を総称して「キノピオ」と呼ばれる(他のキノコ族はクリボー等)。笠の色は白の下地に赤が多いが、その他のカラーリングや模様も混在している。
頭のキノコは帽子にも見えるが実際は身体の一部となっており、その部分にヘッドホンを付けて音楽を聞く事があったり、ペーパーマリオシリーズでは大半の女性キノピオが頭部と顔の境目から髪の毛を生やして者も存在している(男性のキノピオでも少数ながら存在する他、リッチリッチエクスプレスのウェイトレスは笠から直接髪の毛を生やしていた)。ちなみに『マリオストーリー』のエンディングでは笠の部分が光る個体も存在していたが、その作品以降では登場しておらず没になったと思われる。
成長の仕方に関しては人間と同程度であり、キノじいは60歳である事が『ペーパーマリオRPG』で明かされている。ただし、身長は人間に比べるとかなり低い。
「キノピオ」という名前自体は「ヨッシー」と同じく種族名となっているが、固有名詞のある者もしっかりといる。
白の下地に赤の笠に青色のチョッキを着ているキノピオが最もデフォルトのキャラ(ヨッシーならば緑のノーマル)となっており、マリオカートシリーズ等のプレイアブルキャラでも、基本的にこの姿となっている。一方、近年では青キノピオや黄色キノピオといった個別キャラも登場し、マリオやルイージと共に冒険をしている。その結果、デフォルメタイプのキノピオの出番が減ってしまっているものの、近年上映された映画版『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ではデフォルトタイプのキノピオが主要キャラとして扱われる等、決して不遇なままではない。
これらよりも更に個別化されたキャラとしては、キノコ王国で大臣・執事的な役割を務めるキノじいや明確に性別が「女性」となっているキノピコ等が存在している。
初登場の『スーパーマリオブラザーズ』でも、各ワールドで別々のキノピオ達が捕まっている。
例外として『スーパーマリオRPG』では「キノピオ」はキノコ族の中の一個人(外見はデフォルトタイプ)を指す名前になっており、このキノピオはストーリーやシステム画面でたびたび登場するサポートキャラとして、多数登場するモブのキノコ族とは明確な差別化がされている。終盤では、敵キャラだらけの危険極まりない異世界である「武器世界」の工場にまで一人で駆け付けており、マリオに最後のアイテム売買を行ってくれる。
原作では同じカラーリングのモブキノコ族が他にも存在するが、リメイク版ではモブ側のチョッキの色が赤に変わった事で外見での差別化もなされた。
声優は一部作品を除き、ピーチ姫役のジェン・テイラーやサマンサ・ケリーが兼任している。
(マリオパーティ3までは高い声だったが、マリオパーティ4からは低い声になっている。)
初期は比較的可愛らしい声だったが、スーパーマリオサンシャイン以降、現在のダミ声が定着した。
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』では主要キャラのキノピオを原語版はキーガン=マイケル・キー、特別日本語版は関智一が担当する他、様々な声優による様々な声のキノピオが登場し、既存のサマンサ・ケリーの音声が使われているキノピオも登場している。(但しノンクレジットで、吹替声優も非公表)
設定
基本的にピーチ姫のお守り役を務めているが、ピーチ姫が拐われる時は慌てふためくだけで何もできず、毎回のようにマリオに助けてもらう流れがお馴染みのパターンである。ピーチ姫の側には兵士の格好をしたキノピオもいるが揃いも揃って腰抜けで、『スーパーマリオギャラクシー』では守るべきであるピーチ姫の後ろに隠れていた。
こういったことから頼りないイメージが強く、キノピオ達の警備力の低さをネタにされているが、近年はマリオの目の前で攫うケースも増えてきた(『Newスーパーマリオブラザーズ』シリーズなど)。一方で、プレイアブルキャラになっている個体や後述する戦闘力に優れた個体を始めとした行動的かつ非凡なキャラも存在しているので、キノピオ全員が非力であるという訳でもない。
初期は特に性別が決められておらず、攻略本やアニメ等ではピーチ姫の「侍女」という設定だったこともあったが、現在登場しているのは主に男性となっている。
また、キノピコを含む女性のキノピオは髪の毛が付いていて、男性には無い者が多い。『マリオ&ルイージRPG3!!!』では赤い服のキノピオが女性であるという差別化が図られた。
ちなみに、鼻そのものが存在しないという裏設定が存在する(『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』のフィギュア名鑑より)。
各作品におけるキノピオ
初登場は『スーパーマリオブラザーズ』、初操作キャラとなったのは『スーパーマリオUSA』。実は『ワリオの森』でルイージやピーチ姫よりも先に主役を勝ち取っている。
登場作品によって力が強かったり、テクニックタイプだったりと能力はまちまちだが、マリオカートシリーズに登場する際は必ず軽量級である。
キノピオに限ったことではないが、操作キャラとしてのキノピオが全て同一人物であるかどうか明かされていないので、「マリオカート代表キノピオ」「マリオテニス代表キノピオ」いった具合になるのも有り得やすい。
マリオパーティシリーズでは、主に進行役として登場する。一時期はプレイヤーキャラとしても使用できたが、『スーパーマリオパーティ』で再び進行役に戻り、現在に至る。
基本的にはマリオサイドの味方だが、『マリオストーリー』に出てくるキノピオ・シショーとは戦うことができ、最終的にはなんとクッパを凌駕する強さにもなる。また、『ペーパーマリオRPG』のキノシチョフはゴールド・ホーク以前のチャンピオンである事が明かされており、原作では自身を鍛え直す為に旅に出たとのことで彼と戦うことは出来なかったが、リメイク版では実際に彼と戦うことが出来る隠しボスとして登場する。
悪役のキノピオは存在していないが、『ペーパーマリオRPG』に登場する4号室のユーレイはある条件を満たすとマリオを呪い殺しに来たり、『ペーパーマリオオリガミキング』ではキャプテン・ピオが盗みを働きつつ国王を脅迫したという前歴を持っているという、初めて「悪の心を持ったキノピオ」が登場している。ちなみに同作では、無生物である折り紙に命を宿すことが出来るオリガミ職人も登場しており、上記のシショーやキノシチョフを含め特殊能力持ちのキノピオは総じてマリオ達に劣らないどころか、時には彼らを凌駕する力を持つ傾向にある。
ルイージマンションシリーズでは、ガイド役として登場する。また、『ルイージマンション2』以降は毎度ルイージと同行するイベントがあり、その度に宝石集めや進めない壁を壊すためにオバキュームに吸いつけられ砲弾代わりにされるというハメになっているが、本人は満更でもない様子で発射されるたび喜びの奇声をあげながら飛んでいく。楽しんでいるならOKです。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』以降ピーチとデイジーの通常必殺ワザ「キノピオガード」で登場し、攻撃を受けると胞子を振りまく。
胞子を出す描写はスマブラ独自だと思われがちだが、実際は『大乱闘スマッシュブラザーズDX』以前の『マリオテニス64』から見られ、以降も『MARIO SPORTS MIX』などで披露している。
名前付きのキノピオ(キノコ族)
キノピコ キノコ大臣 キノじい キノピオ隊長 キノピオ探検隊
スーパーマリオRPG
ペーパーマリオシリーズ
キャシー シショー キノシコワ プリンス・マッシュ ナンシー(ペーパーマリオRPG) パック(ペーパーマリオRPG) 4号室のユーレイ キノビア イロドリ戦隊レスキューⅤ ジャンケン仮面 DJキノピオ 考古学者キノピオ キャプテン・ピオ
マリオ&ルイージRPGシリーズ
その他
他媒体
映像作品
スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!
原作通りピーチ姫に仕える者達として登場。パンフレットではデフォルメのキノピオとデザインが同じであったのだが、劇中では全員「侍女(女性)」として扱われ、体格も長身となっている。
クッパの魔法によって三つのアイテムである「パワール」の内の二つである「真実のキノコ」、愛の花と共に封印されていたが、ピーチ姫を救出しようとパワールを探し続けていたマリオ達に救われ、パワールを託している。
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
「カワイイには飽きました!」
CV:キーガン=マイケル・キー / 関智一
本稿では、主にマリオが最初に出会った個体のキノピオを紹介する。
外見は白の下地に赤の斑点の笠に青いチョッキと他の個体のキノピオとは違い、常時リュックを背負っている姿であり、キノピオ隊長をリスペクトした部分が多い。原作におけるデフォルメと同様の外見をしているが、原作と異なってピーチ姫に仕える従者では無く、一人旅をしていた模様。
本作でのキノピオ達は自他共に「可愛い種族」として扱っているが、このキノピオは「『可愛い』と言われる事には飽きた」と主張し、「カッコ良いキノピオ」を目指している変わり者。
しかし、親切で面倒見が良く、機転の利く一面も持ち合わせており、弟のルイージと離れ離れになってキノコワールドへ迷い込んできたマリオにも気さくに話しかけ、協力的な姿勢を見せている。また、身体能力は決して高いと言えないながらも、ここぞという時にはマリオやルイージにも引けを取らない勇敢さを見せる。
日本語版の演者である関氏曰く「年齢的には17、8歳の青年」とのこと。
漫画
スーパーマリオくん
見た目通り少年として設定されているようで、一人称は「おいら」だったり「ぼく」だったりする。初期は気が強かったりもするが、一貫して怖がりで戦闘力に乏しい。
当初はあまり出番がなかったが連載が進むに連れて準レギュラーとして登場することが増えていった。
「ワリオの森」編ではマリオやルイージなど戦闘力を持ったメンバーと離れ離れになってしまい、孤立したところをボスのシーサに襲われる。見るものすべてが怖いものに見えるという幻術を掛けられ泣き叫ぶが、自分を庇ってやられたヨッシーの姿を見て勇気を発揮して幻術を打ち破ることに成功。更に勇気によって出現したスターが剣となり、シーサを切り伏せて粉々にした。
こんな風にキノピオの戦闘シーンはアイテムを使ってパワーアップして逆転ということが多く、平時は完全に非戦闘要員である(大体マリオたちが無力化された中で奮闘する形になる)。ただし番外編では、カメックの魔法でブロックに変えられたマリオたちと協力し、ハンマーでマリオたちを飛ばしてカメックをやっつけたこともある。
「スーパーマリオ64」編ではゲームとは異なり、ただ一人壁に化けていたため難を逃れている。そのためピーチ城の中ではサブキャラとしてマリオに協力した。
「マリオパーティ2」編ではゲーム通り案内人として登場したが、アイクンの眼力に対し、ピーチ姫に盾にされるなど災難にも遭わされた。
「マリオゴルフ64」の読み切りでは自身のコースを鼻にかけるなど嫌味なキャラとなっていた。なお、そのご自慢のコースはチョロプー一家の巣になり穴だらけになってしまった。
「スーパーマリオ3Dランド」編では赤いキノピオがレギュラーのツッコミ役で登場。例によって戦闘面では全く役に立たないが、アイテムなどの援護は得意。
本山一城版スーパーマリオ
『スーパーマリオくん』と比べるとキャラクターとしての出番は少なく、戦闘シーンはまったくと言っていいほどない。ピーチ姫のお付としてコキ使われる苦労人という感じである。
オリジナルキャラクターの「キノッペちゃん(キノピコとは違い人間的要素の強い美少女)」に惚れているが、相手にはされていないようである(そもそも好意に気づかれているのかすら怪しいところ)。「スーパーマリオUSA」でマムーたちにピーチ姫とキノッペが連れ去られた時は、マリオ&ルイージと一緒に助けに向かった。この時はゲーム通り戦闘能力を発揮しヘイホーたちを蹴散らしている。しかしマムーとのギャンブル(クレーンゲーム)勝負ではインチキによって破れてしまう(インチキを見抜くもチョッキーに取り押さえられてしまった)。
「マリオカート」ではちゃっかりチェッカーフラッグを抜けて1位になり、表彰台でキノッペちゃんから勝利のキスを受けるなど、お互いにまんざらでもない感じだった。
アスキーアート
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関連イラスト
関連タグ
ポプリン:『スーパーマリオブラザーズワンダー』に登場するフラワー王国の住人。従来の2Dマリオシリーズのキノピオに近いポジションとして登場している。
俳句の神様:人(?)違い。
映画版のネタバレ
以下、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』本編でのネタバレが含まれます。
活躍
キノコの群生地帯にて何かしていた所で、ワープ土管を通じてキノコワールドへ迷い込んで来てしまったマリオと出会い、ルイージと離れ離れになってしまった経緯を聞いた結果、彼がクッパ大王の支配する「ダークランド」に迷い込んでしまった事を推測。救出するにはピーチ姫の協力が必要であると主張し、マリオを王都のピーチ城にまで案内し、ピーチ姫と引き合わせる事になった。その後、ピーチ姫や彼女が設定したコースにて訓練を行ったマリオに同行する形で、クランキーコングが治めるジャングル王国へと共に旅立つ事になる。
マリオがジャングル王国でドンキーコングに勝利し協力を取り付けた後は、バギー型のカートに乗る形でコング軍団を連れてキノコ王国へ帰還しようとするも、途中で通過したレインボーロードにて動きを察知していたクッパ軍団の大部隊が襲撃。クランキーコングを始めとするコング軍団の面々は拉致されてしまい、マリオとドンキーコングの二人も行方不明になってしまった結果、止む無くピーチ姫との二人だけでキノコ王国へと戻る。
王国への帰還後、圧倒的不利な状況ながらも、他の森に避難するキノピオ達と異なって、ピーチ姫を守る為に残ろうとする勇敢さを見せたが、逆にそれが災いし、ピーチ姫がクッパからの求婚を断れない様にする為の人質としてカメックの魔法で捕らわれてしまい、ピーチ姫は結婚の承諾を受け入れざるを得なくなってしまう。
しかし、それでもへこたれる事無く、結婚式開幕の直前にて、アイスフラワーを仕込んでいたブーケをピーチ姫に手渡しており(この前のシーンではノコノコに連行されたものの、本作でのクッパが妙に紳士的な一面もあるためか、ピーチ姫の約束通り『ひどいこと(拘束や投獄)』はしなかった)、式の最中に彼女が反撃に転じ、溶岩に落とされそうになったルイージやクランキーコング達、ペンギン王国の国民達等を救う立役者となっている。
戻って来たマリオとドンキーコングの二人による大反撃の最中、ワープ土管の暴走に巻き込まれる形で自身もマリオやルイージ、ピーチ姫、ドンキーコング、クッパやクッパ軍団と共に、マリオの暮らす世界のブルックリンに迷い込んでしまう。
それでも、諦めようとしないピーチ姫の力になろうと支え、最終的にマリオブラザーズによって敗北したクッパに対し、これまでの悪事の罰としてピーチ姫がクッパにマメキノコを食わせて小さくした後、ビン詰めにする形で捕縛を行った。
彼以外には衛兵などが登場しており、前者はピーチ姫城に訪れたマリオ達を「プリンセスは別のお城にいます」と言って門前払いにしようとするが、カッコいいキノピオに料理を振る舞ってもらった所で侵入を許してしまう。しかし、城内で衛兵の前を堂々と通ったマリオを曲者として追跡するもピーチ姫に待ったをかけられた(その際一人がちゃっかりマリオを踏みつけている)。
また、キノピオ将軍と呼ばれる青い中年のキノピオ(CV:エリック・バウザ{原語版})や徴兵を「こんなに可愛いんです!」とあざとい仕草で拒んだ黄色のキノピオ(CV:ジェシカ・ディシコ{原語版})、ピーチ姫の育ての親と同一人物と思われる緑の中年のキノピオもいる。