「2007年は、時代の転機となる年だった」
「そのパッケージに描かれていた緑色の髪のツインテールの少女は、インターネットを舞台に生まれた新しいカルチャーのアイコンになった」
─────────書籍『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』冒頭より抜粋
概要
クリプトン社の女性バーチャルシンガー。CV・サンプリング元は藤田咲。
ピアプロキャラクターズの一人で、青緑色の大きなツインテールを特徴に持つポップでキュートな「電子の歌姫」。
様々な「創作の連鎖」による「初音ミク現象」を起こし、ネット発の文化と音楽シーンに変革をもたらした。また、「ボカロ」という音楽ジャンルを築き、音声合成ソフト人気を押し上げた一時代を象徴するキャラクターでもある。
その事績から日本史の教材において「新たな文化の象徴的存在」とも形容され、現代文化のキーパーソンとして扱われている。
CGM文化を取り込んだゲームや模型、イベント(ライブコンサート等)、書籍、アパレル、雑貨といった公式メディアミックスを展開。
この他、企業・地域の広告、オペラやオーケストラ、歌舞伎、チャリティー活動、文化財保護プロジェクトにも起用され、音声合成という枠を越えて多方面で実績を残している。
2021年には初のオリジナルアニメ/漫画のシリーズ企画の制作が海外メディアの取材で判明するなど、より幅広い展開が行われる予定。
国際的に活動しており、海外での人気も高い。
主要ソーシャル媒体のフォロワー数は「weibo」が375万人、「YouTube」と「bilibili」が各325万人にのぼる(2024年12月時点)。
世界ツアー「HATSUNE MIKU EXPO」では世界39都市で100公演を実施(2024年5月時点)。
pixivでのミクは、キャラクターのタグ投稿数が1位であり、2位のキャラの投稿数を大きく引き離しているばかりか作品名タグを含めても5番目の投稿数である(オリジナル・属性は除外)。言い換えると、『pixivに最も投稿されたキャラ』ということになる。
なお、本記事では「クリプトン公式の初音ミク文化」を中心に解説する。記事編集者は「書籍などの信頼性の高い参考文献」をもとに執筆するよう心掛けて頂きたい。メインイラストも公式のものに限定する。
初音ミク現象
ミクは一億総クリエイター時代に一大ムーブメントを巻き起こした。
ボカロという音楽ジャンルが作られたり、3DCGライブが行われたり、フィギュアブームを巻き起こしたり、GTレースで優勝するなど様々な分野で足跡を残している。これらは「初音ミク現象」と呼ばれ、現在もその枝葉を伸ばしている。
本項では「創作の連鎖」「ボカロ(ジャンル)の誕生」「メルトショック」「バーチャルとリアルの境界」「様々な初音ミク」「フィギュアブーム」を解説する。
創作の連鎖 - 国際的な広がり
クリプトン社は初音ミクを「創作の象徴(アイコン)」「きっかけ(ハブ)」と位置づけ、プロ・アマチュア・公式・非公式問わずクリエイターの創作を尊重し、自社の公式メディアミックスを「創作活動の場」となるように調整しているという。
初音ミク現象の源流は「協働創作」のムーブメントであった。
このムーブメントは「創作の連鎖(Peer Production,ピアプロ)」または「n次創作」とも呼ばれ、その作品を元ネタとして引用して別のユーザーが新たな作品を作り、それらが連鎖するように様々なコンテンツ・ジャンルに波及していった。
創作の連鎖はオフィシャルの商業展開にも及び、ついには海外に進出、ミクを世界的なIPに昇華させるまでに至った。
ミクの登場と共に成立したジャンルとしてのボカロ音楽、ミクのアイテムであるネギ、さらにクリプトン公式案件で採用された多くのコンテンツは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)及びそれらの相互的な引用によって形成されていったのである。
書籍『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』にはこう記載されている。
「初音ミクは単に制作ソフトやキャラクターとしてヒットしたのではなく、アマチュアの表現が互いに呼応する、一つの新しい文化現象を生み出したのである」「あらゆるコンテンツが互いに元ネタになって派生し合う〈N次創作〉の現象が生まれた」
書籍『初音ミク マジカルミライ2013 オフィシャルガイドブック』冒頭にて、クリプトン代表取締役の伊藤は以下のように述べた。
「ユーザーの中に初音ミクという共通認識があり、いろんな方が切磋琢磨して何かを作る。初音ミクの絵、初音ミクで歌った声、といった共通のアイコンとしてシェアされていき、作品を好きになる人たち、自分も作品を作ってみたいと思う人たちを生んでいく。これこそが初音ミクの象徴的な部分であり、僕らが大切にしたいと思っている価値です」
国内の商業シーンではセガとグッドスマイルカンパニーが早期からクリプトン社と協業しており、グッズやゲーム、3DCGライブ、各種イベント等を展開。ミクたちピアプロキャラクターズのシーン形成にとって重要な存在となった。
海外では公式ライブなどの動画の違法転載により人気が高まったという。
ミクの売り上げは中国が特に高く、中国で流通する和製IPでも上位とされる(→日経クロストレンド)。中国でのミクのファン活動がbilibiliの創業へと繋がったり、miHoYoが会社名のmiをミクの名前から引用したというエピソードもある。
英語圏ではグーグルや北米トヨタなどの世界的な企業ともコラボし、2020年・2024年にアメリカ最大級の野外音楽の祭典「コーチェラ・フェスティバル」の出演メンバーに選ばれている(2020年は新型コロナで中止となり、2024年に改めての出演となる)。
ボカロという新ジャンル・文化の誕生
ミクの登場によってボカロと呼ばれるジャンル・文化が誕生した。
当時、ニコニコ動画では「アイドルマスター」のMADや外部出力動画を軸に“架空のアイドルをプロデュースする”という遊びが行われていた。P名呼称=プロデューサーもアイマス動画の投稿者がそう呼ばれていたことに由来している(クリプトン社のMEIKOを使用した動画「初音ミクが来ないのでスネています」の作者がワンカップPと名付けられたことから広まった)。
そんな中、発売前から可愛らしくも革新的なアイドルとして注目されたミクが、DTMシーンを巻き込んで需要を取り込む事に成功したのである。
発売後には歌唱動画やイラスト、アニメーションが多数作られるなどミクに関連する創作は瞬く間に一人歩きを始めた。こうした状況に対応すべく、クリプトン社はキャラクターの使用に関するガイドライン(後にピアプロキャラクターライセンスに発展)を制定。「原則NG」だったものが「原則OK」へと転換された。
当初のミク歌唱動画はカバー曲が主で、その中でも『初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』はミクの流行、およびミクとネギを結びつけるきっかけとなった。
やがてデモソング以外の人気オリジナル曲を獲得(『僕なりのDEMO SONG』という曲が確認できる限り最古のオリジナル投稿曲とされる)。発売から一ヶ月と経たずに初音ミクのシンボル的な楽曲とも言われる『みくみくにしてあげる♪』が投稿され、“初音ミクというキャラクター”を題材とした創作は加速度的に増えていった。
同年には『メルト』が投稿されてメルトショック(後述)が起こり、ボカロという音楽ジャンルとその指針を決定付けた。
2007年当時のミクはまだ商業色が薄く、完全に投稿コンテンツによるCGM文化が支配していた。その時期にネギを始めとする様々な二次設定が肉付けされていく。
2008年にはビクターから史上初のボカロアルバムlivetune feat.初音ミク「Re:package」がリリース。2010年にはEXIT TUNES「Vocalogenesis feat.初音ミク」がボカロアルバムで初のオリコン一位を獲得するなど、商業音楽シーンにも浸透していった。
メルトショック
黎明期にはミクを題材としたキャラソンが主流だった。しかしryoが作詞作曲した楽曲「メルト」がニコニコ動画に投稿されて人気を博した事で状況は一変し、クリエイターの世界観を色濃く反映した曲が注目を集めるようになる。
メルトの大ヒットと共にミクの役割も広がり、「バーチャルシンガー」としてネット上の音楽シーンを席巻する。
また、作曲家を始めとする楽曲の制作陣にも光が当たった。ライトリスナーは「歌手」以外を軽視していたが、ボカロシーンでは若いライトリスナーであっても楽曲制作チームの情報に気を配っていた。これを日本の音楽シーンの異変と捉える者も多く、ボカロシーン以外にも少なからず影響を及ぼしている。
メルトは歌ってみた人気の再建役・火付け役でもあり、様々な歌い手がメルトの歌ってみたを投稿し、原曲と共にニコニコ動画のランキング上位を独占した。ニコニコユーザーはこの一連の現象を「メルトショック」と呼んだ。
音声合成キャラを題材にした楽曲は作られにくくなったが、ミクに関してはクリプトンが展開する豊富なメディアミックスにおいて「イベント・企画ごとの公式テーマソング」が製作されている他、「モジュール」「ミク歌唱曲の模型(フィギュアやドール)」「小説/漫画」の存在によって曲とキャラの密接な関係を築き上げることに成功している。
バーチャルとリアルの境界 - 広告塔として
初音ミクはバーチャルとリアルの融合・融解を促進し、実在性と非実在性の境界を揺らがせた存在でもあった。バーチャルでありながら“実在する者”“命ある者”として扱う、あるいは“そうあってほしいという願い”を、クリプトンら企業側が“商業イベント”という形に昇華させるに至っている。
初音ミクを使った先進的な取り組みの一つが現地での3DCGライブコンサートである(※ライブコンサートの節も参照)。これはミクたちピアプロキャラクターズを様々な技術で舞台上に投影し、アナログな人間(バンドメンバー)との共演により境界を希薄化させる試みである。この系統のライブは2009年の「ミクフェス」から始まり、「マジカルミライ」などの多数の初音ミク公式ライブイベントに受け継がれている。
ミクは他ジャンルのアーティストとの共演も果たしている。
自身から派生した公式メディアミックス企画「プロジェクトセカイ」の声優、「BUMP OF CHICKEN」や「Ado」、伝統太鼓集団「鼓童」、歌舞伎役者「中村獅童」のほか、「レディー・ガガ」や「女子十二楽坊」といった海外のアーティストともコラボ。さらに、多くのアーティストが集う国内外の音楽祭に参加する事さえある。
また、ミクがアンバサダー・広告塔として起用されるケースも多い。
代表例としてよく挙がる2011年の「Google Chrome」のCMは“新時代の創作文化の広がり”を表現し、使用楽曲「Tell Your World」と共に世界に新風を巻き起こした。この広告はカンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバルで惜しくも金賞を逃しはしたものの、2部門でそれぞれ銀賞と銅賞を受賞している。
様々な初音ミクの誕生
※プロフィール、初音ミクのバリエーション、各種メディアミックスの項も参照
後述するが初音ミクにはクリプトン社の商業企画(公式)やユーザー投稿コンテンツ(非公式)から誕生した多種多様な姿が存在する。それらも人気を獲得しており、ミクを中心とした独自の文化圏を形成するに至っている。
恒例となったいくつかの公式企画はデザインやテーマ曲がシーズンごとに変わるという特徴を持ち、ミクシーンとクリエイター双方に「特需」と同様のシナジーをもたらしている。
初音ミクフィギュアのブーム
ミクの人気は商業・立体分野に「初音ミクフィギュアブーム」「デフォルメフィギュアブーム」を巻き起こした。現在では海外メーカーもミクの模型商品を発売するようになり、国内外でミクのグッズ展開を支えている。
発端はグッドスマイルカンパニー(グッスマ)から発売された初のミクフィギュア「ねんどろいど 初音ミク」。デフォルメされたミクの可愛らしさが評判を呼び、度重なる品切れと再生産で2010年度末までに12万個以上(受注数は数十万体とも)を出荷する記録的な大ヒット商品となる。この時点でねんどろいど史上でも群を抜く売上だったらしい。
この他、「スケールフィギュア」でもメガヒットを記録。さらに雪ミクや桜ミク、レーシングミク、マジカルミライ仕様、楽曲・フィギュア用のデザインなどでも人気を集め、“ミクの山”が築けるほどの多彩かつ膨大な数の初音ミクフィギュアが世に出回っている。
特に「ねんどろいど」はミクと相互的な影響関係にあった。
ミクの造形はねんどろの新フォーマット(造形のベース)となっており、ミク自体も全キャラ中で最多の商品化回数を誇る。2023年時点で“100体目のねんどろいど初音ミク”の商品化企画も立ち上がっている。
読売新聞号外『ヨミミク』において「ねんどろいどはミクと共に成長した」とも評されている。グッスマの代表取締役・安藝貴範にとってもミクは“戦友”のような存在だという(書籍「初音ミクアーカイブ」190-191頁より)。
製品の沿革
“VOCALOID”と“初音ミクNT”の2シリーズを並行して展開しており、クリプトン社はこれらをバーチャルシンガーソフトウェアと称している。
企画責任者はクリプトン社の佐々木渉(wat)。各種資料において「初音ミクの生みの親」とも呼ばれている人物である。
初音ミクの企画は、当時のVOCALOIDの売上不振よる断絶の危機の中、「最後に面白いことでもやろう」というクリプトン社の一声で立ち上がった。
クリプトン社の新企画は「仮想の少女(アイドル)に歌わせる」というもので、これより前には「MEIKO 2」が企画されていたが、動画サイト上での「アイドル」文化の人気、SF作品で好まれる「歌うアンドロイド」のイメージを踏まえ、「可愛らしい姿と声」を推したミク、そして声優を起用するキャラクター・ボーカル・シリーズの企画へと刷新されていった。
製品一覧
- 初音ミク(V2版)
2007年8月31日に発売され、一つの音楽ジャンルを創出・国外にまで様々な影響を及ぼすほどの巨大なムーブメントを形成した歴史的な一作。「VOCALOID2」エンジンを元に開発されたCVシリーズの第1弾として発売。じゃじゃ馬な妹分・弟分と異なり扱いやすい。
V2の拡張版として2010年4月30日にリリースされた。「Sweet」「Dark」「Soft」「Light」「Vivid」「Solid」の6つの拡張歌声ライブラリを備える。
- 初音ミク V3 / 初音ミクV3E
VOCALOID3対応ソフトとしてまず2013年8月31日に英語用音源「V3 English」、同年9月26日に日本語音源を収録した「V3」が発売。クリプトン独自のボーカルエディタ「Piapro Studio」が付属している。
- 初音ミク V4X/V4 CHINESE/V4 English
VOCALOID4対応ソフト。2016年8月31日に、ルカで実装されたE.V.E.Cの最新版を搭載したV4X及びV4Eが発売。2017年9月には中国展開の拡大を担った中国語音源のV4Cも発売された。
- 初音ミク NT
クリプトンが開発したNTエンジンをベースにしたVOCALOIDではないミク。開発にあたって産業技術総合研究所(産総研)が基礎技術を一部提供している。
「マジカルミライ2019」の新技術発表会で制作が発表され、2020年11月27日に発売。クリプトンと産総研は「kiite」も共同創出している。
- ピアプロキャラクターズ・スーパーパック
初音ミク、鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、MEIKO、KAITOのライブラリをそれぞれ1種類ずつワンパッケージに収めたフレンドリーな製品。
2024年8月30日に発売。元はV3~V4XのOriginal相当の代物だが全体的にブラッシュアップされている様子。公式の通称はスーパーパックもしくはSP。
- 初音ミク V6 AI
SP、NTの新バージョンと同時発表されたVOCALOID6対応ソフト。2024年にリリース予定。
- 初音ミク NT(Ver.2)
SP、V6 AIと同時発表されたNTの新バージョン。2025年前半にリリース予定。
クリプトン内製の新エンジン「M9」に刷新され、AIをパラメータ制御に用いるユーザー支援機能群も搭載。“らしさ”を追求した一品とされている(マジミラ2024 TOKYO企画展ステージより)。
未確定の情報
- 2024年には、世界ツアー「MIKU EXPO」のMC(トーク)等に商品化されていない最新技術を取り入れている事を同社のドヴィーニュ・ギヨームが示唆している(→出典)。日本でも2度目の武道館ライブ「ミクフェス24(春)」で流暢に喋るミクが見られた。要検証。
容姿・服装
原案はKEI。
パッケージ以外は「バリエーション」を参照。
- 初音ミク(V2)
非常に長い青緑色のツインテールが特徴。髪留めは四角形で、黒地にマゼンタの線が入っている。黒いヘッドセットを装着している。瞳は髪の色とほぼ同じで、目にはアイシャドウらしき色があり、画質が落ちたイラストでは判別が困難である。
袖のないグレーの服で、ふちには水色の細かいギザギザした装飾が施されている。水色のネクタイをつけていて、左肩には赤い文字で「01」と書いてある。両腕のアームカバーはDX7が由来となっていて、画面らしきものがある。爪は水色のネイル。
ミニスカートの左側にギザギザ模様のベルトのようなものが垂れている。サイハイブーツのようなもの(KEI氏曰く、ニーソ+靴)は黒く、ふとももの外側に鍵盤模様、膝と足の甲の部分に水色に光る点がある。
デザイン原案は浅井真紀。
全体的に透明感のある服装をしており、体のラインに沿った衣装と腰回りの機械が特徴。
靴は履いていない。
バージョンアップ版。デザインはiXima(えこいくしま)が担当。初代(V2)に酷似してるが、やや髪型が変更されていたり二重スカートになる等、細部に変更が加えられている。
V4対応のミク。イラスト担当はV4XがiXima、V4Cが豆の素。
V4Xは頭の髪飾りの赤い輪っかの部分に髪が通っていない、衣装が丸みを帯びているなど細かな違いがみられる。
V4Cは中国風の意匠を取り入れており、大きな特徴として髪飾りがリング状に変更されている。
ボカロではない“ニュータイプ”のミク。デザインはiXima氏とRella氏が共同、イラストはiXima氏によるもの。特徴的な肩回りの波打つ意匠や、ネクタイからリボンタイへの変更などが『従来とは異なる初音ミク』を印象付けている。
公式プロフィール
年齢 | 16歳 |
---|---|
身長 | 158cm |
体重 | 42kg |
イメージカラー | ブルーグリーン |
容姿・設定は企画ごとに異なる。
基本的には「ポップでキュート」というイメージに準じているが、ユーザーのクリエイティビティに配慮して過度な色付けは避けられている。
クリプトン社はミクに多様性を求めており、その方針は雪ミク、桜ミク、レーシングミク、モジュール、セカイのミクたち等のバリエーションに反映されている。
また、プロフィールにない関連設定に以下のようなものがある。
- グループ:ピアプロキャラクターズ
ピアプロキャラクターズに分類され、クリプトンの公式メディア展開では鏡音リン、鏡音レン、巡音ルカ、MEIKO、KAITOと同一グループ(いわゆる「箱」)として共に展開される事が多い。
- 誕生日:8月31日
クリプトン主催の16周年プロジェクトにてソフトウェアリリース日である8月31日が誕生日と言及されているが、それ以外では基本的に◯周年と表現される。ちなみに8と31を足すと39(ミク)になる。年を数えてはいけない。
- アイテム:ネギ
CGM発の設定・持ち物の代表例。商品やゲーム内アイテム、公式ライブコンサートでの注意喚起などにその名残を見ることが出来る(経緯→IevanPolkka)。
- 記念日:ミクの日
語呂合わせで3月9日がミクの日として扱われ、イベントやグッズが展開されたり、普段以上に沢山の作品が投稿される(一例:ミクの日感謝祭)。
- 着ぐるみ(?):ミクダヨー
正体不明の着ぐるみ。
近年では公式がこの謎の存在を初音ミクと標榜してはばからない。
「piapro.net」では何故か他5名と違って性別の記載がないが、大元の開発構想の時点で「女の子・少女」であり、V2版の公式ページや公式イベントの現地キャラクター紹介(看板など)でも性別を特定できる表現が使用されている。
クリプトン社員からも「雨女」と呼ばれたり、レースクイーンを担当するなど、公式メディア展開では女性扱いされている。独自設定が多いとは言え「プロセカ」でも女性設定である。
また、クリプトン社の本社所在地である北海道札幌市と関連付けられることも多い。伊藤社長は初音ミクに地域や国の色を付けない方針で、例外も多いが道内のコラボは雪ミクの側面が担当することになっている。
受賞歴
- 第13回AMDアワード:年間コンテンツ賞・優秀賞
- 第39回星雲賞:自由部門
- 第13回アニメーション神戸賞:作品賞・ネットワーク部門
- 2008年度グッドデザイン賞
- 2011年度SUPER GT300:シリーズチャンピオン / 谷口信輝、番場琢、GSRミクBMW
- 第66回北海道新聞文化賞:特別賞
- カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル:ダイレクトマーケティング部門・銅賞、エンターテインメント部門・銀賞
- ファミ通アワード2012:最優秀キャラクター賞
- 第17回AMDアワード:大賞/総務大臣賞
- 2014年度SUPER GT300:シリーズチャンピオン / 谷口信輝、片岡龍也、GSRミクZ4
- 2015年度日本商品化権大賞:グローバル部門
- 2016年度最有态度异度偶像
- 2017年度SUPER GT300:シリーズチャンピオン / 谷口信輝、片岡龍也、GSRミクAMG
- 第22回AMDアワード:大賞/総務大臣賞
- 日本ネーミング大賞2023:最優秀賞
また、クリプトンの代表取締役・伊藤博之は「藍綬褒章」を賜っている(新規産業功績)。
初音ミクの公式バリエーション
ミクたちピアプロキャラクターズはコンテンツに合わせて“容姿”が変更される事が多く、それらは亜種、派生キャラ、バリエーションなどと呼ばれている。
商業シーンでは、モジュールや雪ミクのようにクリプトン社が運営するCGM型投稿サイト「ピアプロ」と連携してユーザーの創作物(UGC)をコンテンツに取り込んだり、初音ミク GTプロジェクトのように商業で活躍する作家に直接依頼する形も取られている。
バリエーション一覧
クリプトン(公式)のメディア展開で誕生したバリエーション。
- 雪ミク:クリプトン直轄のバリエーション。冬期仕様のミクで、クリプトンの地元・北海道のご当地キャラクターとしても人気を博している。ローカルイベント「SNOW MIKU」の主役として毎年冬期に本格的に展開される。
- 桜ミク:クリプトン直轄のバリエーション。いわば春季仕様。2019年に青森県の弘前さくらまつりの公式応援キャラに就任した。
- レーシングミク:「初音ミク GTプロジェクト」で設定されたバリエーション。SUPER GT300クラスに参入したグッドスマイルレーシングのレースクイーン。シーズン中は熱い戦いを繰り広げる。
- 公式イベントのミク:「初音ミク マジカルミライ」や「MIKU EXPO」、「初音ミクシンフォニー」などのクリプトン公式イベントにおけるミク。
- モジュール:ゲーム「初音ミク Project DIVA」で誕生した概念。元のデザインとCGM発の派生デザインの3Dモデルである。衣装・髪型・髪色・目の色を規定のものにコンバートできるが、中には原型(青緑の髪・ツインテール)を留めていないデザインも…。パッケージイラスト、雪ミク、桜ミク、レーシングミク、マジカルミライ仕様などの公式関係のほか、ファンメイドのバリエーションも採用されている。
- ミクダヨー:ゲーム「プロジェクトミライ」の宣伝の際に爆誕したミクのような何か。
- セカイのミクたち:ゲーム「プロジェクトセカイ」に登場。人間の想いから生まれた「セカイ」に存在するミク。
- 初音ミク if:初期デザインをもとに公式イベント「初音ミク・クロニクル」用に描き起こされたポニーテールのミク。
◆コラボ系
- 発音ミク:「シンカリオン」に登場。劇場版では雪ミク仕様になった。
- フェイ・イェンHD:「電脳戦機バーチャロン」とのコラボで誕生したフェイ・イェン。
- 18タイプの初音ミクと相棒ポケモン:「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE 18 Types/Songs」で設定された。ポケモンの設定をベースとした18タイプのミクとその相棒ポケモン達。
◆ファンメイド系(非公式+公認)
初音ミク亜種を参照。
広告塔・アンバサダー
※バリエーションを含む。
- グッドスマイルレーシング/初音ミクGTプロジェクト:レースクイーン/専用キャラクター(初音ミクRQ → レーシングミク、2008年~)
- 初音ミク Project miraiシリーズ:プロモーションキャラクター(ミクダヨー、2011年~)
- 2017年冬季アジア札幌大会:広報大使/PRアンバサダー(雪ミク、2016年・2017年)
- Cassette Store Day Japan:公式アンバサダー(初音ミク、2017年)
- 北海道・新キャッチフレーズ「その先の、道へ。北海道」:イメージイラスト&ソング(雪ミク、初音ミク、2017 - )
- 北海道ミライノート:大使(雪ミク、2017~)
- 弘前さくらまつり:公式応援キャラクター(桜ミク、2019年~)
- ポカリスエット:公式アンバサダー(初音ミク、2019年~)
- Bリーグ「ALL-STAR GAME 2020 IN HOKKAIDO」:デジタルアンバサダー(雪ミク、2020年)
- 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室:コロナ対策サポーター(初音ミク、2020年)
- 札幌モーターショー:公式アンバサダー(雪ミク、2020年)
- CBCラジオ開局70周年:公式イメージキャラクター(初音ミク、2021年)
- 北海道警察・北海道指定自動車教習所協会:交通事故防止ポスター(初音ミク、2021年~)
- 札幌市制100周年記念事業:PRアンバサダー(雪ミク、2022年)
- 弘前ねぷた300年祭:公式応援キャラクター(初音ミク、2022年)
- 初音工房プロジェクト:公式アンバサダー(初音ミク、2023年~)
- 札幌モビリティショー:公式アンバサダー(雪ミク、2024年)
- 北海道e-水プロジェクト:公式アンバサダー(雪ミク、2024年~)
- 札幌観光大使(雪ミク、2024年~)
コンサート・舞台
「初音ミク現象」の一つとして、マジカルミライ(マジミラ)に代表されるピアプロキャラクターズが出演する3DCGライブコンサートが挙げられる。こうしたライブには透過型のスクリーンや各種XR技術が使用され、来場者はミクたちがそこにいるかのような感覚を覚える。この系統のライブによりバーチャルシンガーとしての活動が現実に表面化されていった。初音ミクはこうしたライブの代表格・先駆者の一つとしてカルチャー史に名を残している。
本節では「主な公式ライブ(年代順)」「外部イベント」「コラボ公演」に分けて紹介。外部・コラボ公演の一部は「主な公式ライブ」の方でも紹介する(◯◯初公演など)。
2000年代
- ミクFES'09(夏) / MIKU FES'24(春)
クリプトン社×インクス社による初音ミクの公式ライブコンサート。
2009年8月31日に2周年記念として初開催。初めてディラッドスクリーンを用い、「実在と非実在の境界」を曖昧にするというアプローチのもと行われた。ミクがまるで実在するかのように現地で歌って踊る姿は当時の人々に衝撃を与え、SF作品で描かれた未来を予感させた。
ここで築かれた技術・人脈は「ミクの日感謝祭」や「初音ミクライブパーティ」を経て、国内最大級のミクのフェスティバル「初音ミクマジカルミライ」へと繋がっていく。
2024年3月31日、16周年企画においてミク史上2度目の武道館ライブとして復活。
- Project DIVA関連イベント
『DIVA』シリーズは発売記念に何らかのイベントを開催している。2009年7月2日に行われた初代DIVA発売記念のPS Home「初音ミク スペシャルライブ」がミクのファーストライブと言える。下記の「ミクの日感謝祭」も『DIVA』の関連イベントとして開催された。2012年の『DIVA f』発売記念イベント「夏の終わりの39祭り」では、ウォータースクリーンなどの一風変わった試みが採用されている。
- アニサマ
厳密に言えばミクフェスより前(同年8月22日)に行われた「Animelo Summer Live 2009」が現地でのファーストライブだが、こちらは普通の大型スクリーンに映している。アニサマ2012に出演した際にはディラッドボードが使用された。
- アニメ・フェスティバル・アジア(AFA)
初音ミクの“海外初公演”は、2009年11月21日-22日にシンガポールで開催された東南アジア最大のアニメの祭典「AFA2009」である。後述のミクノポリスは“初の単独公演”という扱いで、非常に誤解されがちなので注意が必要。
また、「AFA2011」において後述の「ミクパ2011」シンガポール公演企画として参戦し、“東南アジアでの初単独公演”を飾った。
2010年代
- ミクの日感謝祭
3月9日=ミクの日にちなんで開催された(当時)最大規模のミクの公式ライブコンサート。2010年に初開催、2012年に「ミクの日大感謝祭」の一環として「ミクパ」と合同開催する事になり、「最後のミクの日感謝祭」の公演が実施された。両公演のブルーレイディスクは2010年にオリコンミュージックBDランキング1位、2012年にBD-BOX週間BDランキング1位を獲得している。国内・海外に向けての中継も行われた。
- 初音ミク ライブパーティー/ミクパ♫
ミクの日感謝祭の姉妹イベント。2011年~2013年に開催。国内のみならずシンガポール、香港、台湾でも実施され、後述する「ミクノポリス」と共に海外展開の拡大に貢献した。
- MIKUNOPOLIS
初の海外単独公演。2011年7月2日にアメリカのロサンゼルスで開催された「アニメエキスポ2011」の主要企画の一つである。先述したミクパ海外公演と合わせてミクのライブは海外でも熱を帯びていき、世界ツアー「MIKU EXPO」の開催へと繋がった。
- HATSUNE Appearance
八景島シーパラダイス「39's CARAVAN」にてプレイベントとして初実施。後に「夏祭初音鑑/雪祭初音鑑」として単独開催される。なお、夏祭初音鑑はマジカルミライの直前(一日前)まで行われた。
- 冨田勲×初音ミク
シンセサイザー音楽の第一人者・冨田勲とミクのコラボ。2012年の「イーハトーヴ交響曲」2016年の冨田の追悼コンサート「ドクター・コッペリウス」にプリマドンナとして出演した。
- THE END
ミクを起用した世界初のボカロオペラ。渋谷慶一郎らが制作し、世界的ブランド「ルイ・ヴィトン」がミクの衣装デザインを手掛ける。国内のみならずフランスのパリ・シャトレ座、オランダフェスティバル、ドイツ、デンマークなどでも上演。欧州ではフランス大手紙「リベラシオン」が4ページの特集を組み、駅構内にポスターが大きく貼られるなど上演前から話題となり、チケットも即完売。「ル・モンド」が高い評価を下した。
2013年に初開催されたピアプロキャラクターズにとって国内最大級の複合型イベント。内容はこれまでの様式を引き継いでいる。ライブ以外にも複数の企画が有り、各ブースではオリジナルグッズも販売される。また新商品/新作ゲームの発表が行われることもある。
2014年に年ごとのテーマソングが採用。2015年に武道館で初開催され、テーマソングをライブで歌うようになった。架空のシンガーとして初となる武道館ライブであり、キャロライン・ケネディも来場した事でも知られる。2017年に3日連続開催に延長され、クリエイターズマーケット、楽曲コンテストが初実施されるなど人気・内容共に拡大傾向にある。
2017年に5周年、2022年に10周年を迎えた。また、ミクを含むピアプロキャラクターズの周年記念的要素も内包されている。
ミクの世界ツアー。2014年5月のインドネシアでの開催を皮切りに、世界39都市で計100もの公演を実施(2024年5月時点)。
開催地域は東南アジア(インドネシア、マレーシア)、北米(アメリカ、カナダ、メキシコ)、欧州(イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、ベルギー)、大洋州(オーストラリア、ニュージーランド)、東アジア(中国、台湾、日本)。
2019年ツアーにて5周年、2024年ツアーにて10周年を迎える。
- SNOW MIKU LIVE!
2015年より不定期開催。SNOW MIKUの一環として行われる北海道でのライブ。冨田勲×ミクで誕生した「R3」や、スマホで会場BGMと映像のリアルタイム同期が楽しめる企画「Songle Sync × MEC」など様々な実証実験も行われた。
- 初音ミクシンフォニー
2016年に初開催されたフルオーケストラコンサート。ミクの恒例イベントの一つ。
2020年に5周年を迎えた。
- 未来有你 / MIKU WITH YOU
中国で2017年から継続的に開催されている複合イベント。中国ではEXPOから引き続き3年連続開催。
- 超歌舞伎
2016年4月29日・30日にニコニコ超会議にて超歌舞伎「今昔饗宴千本桜」が上演。中村獅童と主演を果たした(屋号:初音屋)。本公演は第22回AMDアワード大賞に選ばれており、その後も展開されている。
- 初音ミク×鼓童 スペシャルライブ
伝統太鼓集団「鼓童」とのコラボレーション。超歌舞伎と同じく日本が誇る伝統文化と世界を魅了したデジタルなステージ演出の融合が反響を呼び、その後も共演が行われた。
2020年代
- 初音ミク GALAXY LIVE
2020年に初開催されたVRライブ。INSPIX WORLD/LIVE内でミクとパルス株式会社が提供するテクノロジーが融合したライブが展開される。2021年にも開催された。
- プロジェクトセカイ関連イベント
プロセカの関連イベント。セガ、カラパレ、クリプトンが主催や制作、協力に名を連ねている。
- MIKU BREAK
初音ミク×ストリートカルチャー。ダンスやラップ、XR技術を駆使した演出によって2次元・3次元などの様々な境界線を壊して新たなカルチャーを構築する企画。
- 初音ミク JAPAN TOUR 2023 ~THUNDERBOLT~
2023年に開催。MIKU EXPO 2016以来7年ぶりの日本ツアー。雷音(クリプトンの社長とライブ演出担当が立ち上げた新法人)の他、バンダイナムコが制作・技術協力として関わる。
外部のフェスティバル
【2000年代・2010年代】
Animelo Summer Live(2009年・2012年)、アニメ・フェスティバル・アジア(2009年・2011年)、MTV VMAJ(2014)、Lantis Festival(2015年)、JOIN ALIVE(2015年)、TOKYO GIRLS COLLECTION Super Live(2018年)、Hard Rock Family Live(2019年)、BILIBILI MACRO LINK(2019年・2023年)
【2020年代】
ABU TV ソング・フェスティバル(2020年)、SANRIO Virtual Fes(2021年、2023年)、YouTube Fanfest Japan(2023年※コメント出演のみ)、コーチェラ・フェスティバル(2024年)
コラボ公演
【アーティスト・配信者】
冨田勲、BUMP OF CHICKEN、レディー・ガガ、鼓童、女子十二楽坊、NHK交響楽団、まらしぃ、Ado、アイク・イーヴランド(にじさんじEN)
【アニメ・ゲーム関連】
「戸山香澄」(バンドリ!):さっぽろ雪まつりの大雪像に映像を投影する「Hard Rock Family Live~初音ミク&戸山香澄 on Snow Stage~」というプロジェクションマッピングショーで共演(?)。
「Aqours」(ラブライブ!サンシャイン!!):初音ミクとAqoursとのコラボ企画で、Mitchie Mの書き下ろし曲を共に歌う。Aqours EXTRA LoveLive! 2023でも共演。
プロジェクト
本項では「GTプロジェクト」「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」「初音ミク Happy 16th Birthday」「初音工房プロジェクト」「ポケモン feat. 初音ミク Project」を解説する。
初音ミク GTプロジェクト / 初音ミク レーシングプロジェクト
2008年、レーシングミクで有名な「初音ミク GTプロジェクト」が始動した。SUPER GT300クラスに参戦。何度もシーズンチャンピオンに輝き、今や古豪と呼べる立ち位置になっている。
最初期にはBMW専門のカスタムカーショップ「Studie」がオーナーだったが2010年に運営体制とチーム名が変更され、クリプトンと親交が深かったGSRが主導する形に落ち着いている(レーシングミクもGSRがオーナーになった2010年に誕生した)。
レーシングミクはデザイン・担当絵師を毎年変えており、マシンやレーシングミクサポーターズ、ピットウォールにも年ごとのデザインが反映される。
2024年にKYOJO CUPを対象とした姉妹企画「初音ミク レーシングプロジェクト」が始動。
SEGA feat. HATSUNE MIKU Project
セガと初音ミクのコラボレーションプロジェクト。グッスマと共に初音ミクのシーン形成に大きな影響を及ぼした。ゲームの他にも一部のグッズ、ライブにも関わっている。
2007年9月、セガはクリプトン社にアプローチしてゲーム企画を立ち上げ、半年後に正式なプロジェクトとして発足。恋愛や育成、歌姫のミクが登場人物たちと関わるストーリー付きのリズムゲームなど様々な案があったが、クリプトンとの協議の末にストーリー無しのリズムゲーム案で纏まった。
当時のミク界隈において企業の商業/公式作品という立場では反発を招く恐れがあった為、セガ側もミクの派生創作者という意識を持って制作に臨んでいる。
2008年8月、PSP用リズムゲーム「初音ミク Project DIVA」の制作とカウントダウンが発表、2009年7月2日に発売される。先述したモジュールも無事受け入れられてシリーズ化し、ハード/プラットフォームを変えて展開が続いている。
3DS用ゲーム「初音ミク Project mirai」及びその続編「Project_mirai2」も発売。これは簡単に言えばDIVAの3Dモデルを大ヒット商品の「ねんどろいど 初音ミク」に変更した作品で、モデルも「コスチューム」扱いである点が異なる。その副産物としてミクの様ななにかも爆誕した。
「マジカルミライ2019」にてゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」が発表され、2020年にリリース。この作品はミク(ピアプロキャラクターズ)の役割をさらに広げることとなった。
また、スパロボUXにも参戦した「フェイ・イェンHD / 電脳戦機バーチャロン」をはじめ「初音ミク2020 / セブンスドラゴン2020」「ファンタシースターシリーズ」「頭文字D THE ARCADE」などのセガの独自IPやゲーム作品とコラボしている。
なお、セガは2021年12月にクリプトン本社がある札幌に新スタジオを設立している(しかも割と近い)。2022年末に掲載された取材によると、プロセカの開発も一部担当しているらしい。クリプトンとは事業の領域が違うが、共にエンターテインメントを盛り上げたいとのことである。
その他のプロジェクト
- 初音ミク Happy 16th Birthday -Dear Creators-
初音ミクの16歳を記念して展開されるクリプトン社のプロジェクト。
「創作の羽根」を纏った天使のような姿のミク(デザイン:Rella)がキービジュアルに設定されている。これは音楽、書籍、イラスト、フィギュア、衣装、3Dモデル、ぬいぐるみ、編み物などを「初音ミク」という形に落とし込むための多数のツールからなる複合体で、これら全てが「初音ミク文化」を作り上げたことを表現している。
本企画で、初音ミクの16年間を振り返りつつ国内外の様々な企業・団体・ブランドとさらなる共創展開を行われる。
2023年に始動したポケモン(株ポケ)×ミク(クリプトン社)のコラボプロジェクト。
まずミクとカモネギのネギ繋がりを全面に押し出したインパクトに溢れるキービジュアルで話題を呼んだ。ポケモンの18タイプになぞらえた18タイプのミク&相棒ポケモン、18の楽曲・MVが公開される。現状、グッズ展開などは未定である。
イベント
コンサート・舞台については上記セクションを参照。
SNOW MIKU(雪ミク)
クリプトンが主催する北海道のローカルイベント。道内外の各方面とのコラボも実施されている。
レーシングミクやマジミラと同じく毎年新たな雪ミクのデザインが誕生する。2014年にはペットのラビット・ユキネも設定された。
HATSUNE MIKU DIGITAL STARS
ミクを取り巻く創作文化に影響を受けて活躍する世界各地のクリエイターを繋ぎあい、様々なコラボレーションを展開するカルチャーミックスプロジェクト。略称はデジスタ。
「MIKU EXPO」のサブイベントとして始まり、以前は海外7都市を主体に不定期開催されていた。2020年度に初の単独開催。コロナ禍での延期やそれに伴う暫定的なオンラインイベント化でいきなり存続が危ぶまれたが、その後もイベント形態を変えつつ無事開催されている、
フェスティバル・祭り
地域振興に協力しており、「さっぽろ雪まつり」や桜ミクが公式アンバサダーを務める「弘前さくらまつり」への参加は恒例となっている。このほか、「YOSAKOIソーラン祭り」「東京150年祭」「新潟まつり」にも起用。
自身を中心とした企画も実施されており、「夏の終わりの39祭り」「39's CARAVAN presents 夏祭り2012」「“初⾳ミク Happy 16th Birthday” 『Music & Fire Works』- Time Capsule -」などがある。
上述した「SNOW MIKU」や「ミクの日感謝祭」「マジカルミライ」「MIKU EXPO」ほか、外部の音楽フェスなども。
展示系イベント
- 初音ミク・クロニクル
2021年に開催されたアート展。キャラとしてのミクに焦点を当てたイベントの一つ。キービジュアル担当は初音ミクNTの担当絵師の一人でもあるRella。イベントは初音ミクの「軌跡」を辿ると言った内容で、その方式もAR・VRといったXR技術を使用したデジタル体験をメインにしたものからアナログな物販・展示物も含まれる。ボツ案を元にした「初音ミクif」「鏡音リン・レンif」「巡音ルカif」も設定されている。
- ART OF MIKU
2024年に実施される国内初のミクをテーマに絞った現代アート展。
- その他
>>美術展:「Ghost in the Cell」や「LOVE展:アートにみる愛のかたち シャガールから草間彌生、初音ミクまで」などに代表される美術展。
>>歴史系:ミクの歴史を振り返るタイプ。10周年時の「MIKU10」「初音ミク10周年記念展」、15周年時の「初音ミク POP UP MUSEUM」、16周年時の「ニコニコ動画と初音ミクのキセキ」など。上述したクロニクルもこれである。
>>近未来・バーチャル系:ミクとは相性がいいらしく、「TRANS CITY FEAT. HATSUNE MIKU」以降この手の近未来とかバーチャルとかをコンセプトとした展覧イベントに呼ばれることも。
>>フィギュア系:各メーカーから発売された膨大な数のミクフィギュアを展示するイベント。大体グッスマが中心となって行われている。
アニメ・映像作品
「オリジナルアニメ」「プロセカ関連」「IPコラボ」に大別される。
オリジナルアニメ(仮)
クリプトン社、Graphic India、Carlin West Agencyが共同制作している初音ミクのオリジナルアニメ・漫画のシリーズ企画。2021年の米マスメディアの取材で判明した。
クリプトン社のドゥヴィーニュ・ギヨーム氏は
「ファンによる創造性と芸術表現の機会を無限に与えてくれる初音ミクの本質に忠実なアニメをつくるため画期的な方法を見つけたと信じています。これは、ミクと世界中のファンにとって大きな瞬間となるでしょう」
とコメントしている。順調に運べばミクの本質である多様性・クリエイティビティを尊重したコンテンツが見られるかもしれない。
実写・アニメ・音楽が融合した「Mikuverse」なる物語であるらしく、ミクの新たな姿と古参・新規に配慮した現代的なストーリーが展開されるという。
エグゼクティブプロデューサーは伊藤博之、Sharad Devarajan、Carlin Westの3名。
プロセカ関連
「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」のアニメ作品。
- ぷちセカ
ミニアニメ。全10話。プロセカに登場するキャラクターの日常がデフォルメされた頭身で描かれている。バーチャルシンガーのキャストはサンプリング元(オリジナルCV)を記載。アニメーション制作はSCOOTER FILMS。WEB先行配信。MXでも放送。
- 劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク
“初音ミクを描いた初のアニメ映画”にしてプロセカ初の映画作品。
他IPとのコラボ
「【俗・】さよなら絶望先生」にて藤田咲本人が演じるミクが出演。アニメではこれが初。
「新幹線変形ロボ シンカリオン(アニメ版)」にて発音ミク(「シンカリオン H5はやぶさ」の運転士)として登場。藤田咲本人のアフレコをミクの声に加工するという謎技術が使われた。他のピアプロキャラクターズはモブとして登場する。
『劇場版』では雪ミクのデザインで登場。「チェンジ!シンカリオン」のライブシーンが描写された。調声担当はミク達を人間らしく歌わせることに定評がある「Mitchie M」。
「あはれ!名作くん」第63話「初音ミク」にて本人が登場する(→公式動画)。また、第二期EDのKz×八王子P「名作!傑作!マスターピース!」をミクが歌っている。
2022年のTVアニメ「邪神ちゃんドロップキックX」に通常のミクが出演。これは「邪神ちゃんドロップキック´千歳編」から続く一連の北海道のPR&IPコラボ企画の流れであり、雪ミク(歌手名は初音ミク名義)とのコラボ楽曲もリリースされていた。
外国人が無断アップロードした出演シーンの違法切り抜き動画が数日で1000万再生され、その対策としてアニメ公式自らミクの切り抜き動画をアップロードする、という奇行で話題を呼んだ。
デジタルコンテンツ
- SEGA feat. HATSUNE MIKU Project
ミクフリック
初音ミク ライブステージ プロデューサー
初音ミク VRフューチャーライブ
プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク
- クリプトン・モバイルコンテンツチーム(旧:CSP推進室)
- その他のアプリ・Webコンテンツ
POPPRO(ポッププロ):中国の初音ミク公式投稿サイト。中国版ピアプロ。
MIKULAND(ミクランド):初音ミク公式VRアミューズメントパーク。
- コラボ
ゲームのコラボ先だけで120以上ある(2024年時点)。
身も蓋もないが詳しくはWikipedia - 初音ミクを題材にしたゲーム作品を参照して貰いたい。
グッズ(マーチャンダイズ)
初音ミク関連のグッズはクリプトン社をライセンサーあるいは企画元として、国内・海外の様々な企業から発売されており、その数は万単位にのぼる。
なお、クリプトンの運営する公式サイトは海外どころか国内の公式グッズも網羅していないため、ファン側で正確な数字を把握することは不可能に近い。
- フィギュア・プラモデル
※初音ミク現象>初音ミクフィギュアブームも参照
【国内メーカー】
A・DIMENSION / アルファマックス / 絵梦(エモン)トイズ / KADOKAWA / カワダ / 海洋堂 / グッドスマイルカンパニー / ケンエレファント / コトブキヤ / スクエニ / ストロンガー / セガ / タイトー / タカラトミー / DMM Factory / デザインココ / Tokyo Otaku Mode / バンナム / ピーエルエム / フジミ / プライム1スタジオ / フリーイング / フリュー / ホビーストック / マックスファクトリー / ユニオンクリエイティブ / リーメント
【海外メーカー】
APEX TOYS / 广东圣斯基工业设计有限公司 / GOLDLOK / 宁波星动力潮流百货有限公司 / JUSTTOYS / 上海神猫跳动文化发展有限公司 / 上海布鲁可科技集团有限公司 / 擎苍(QINGCANG) / ホビーマックス / BeBox / PIXI / Better Toys / Myethos / Youtooz / RIBOSE / 广州灵动创想文化科技有限公司(LDCX)
- ぬいぐるみ
KADOKAWA / Gift / グッドスマイルカンパニー / セガ / Steiff(海外,コラボ) / セキグチ / 青丘文创(海外) / TSUKUMO / バンダイナムコG / bilibili-BEMOE-(海外) / 启蒙QMAN / フリュー / ムービック / Youtooz(海外) / 广州灵动创想文化科技有限公司-LDCX-(海外)
- アパレルブランドとのコラボ
【国内ブランド】
I AM / アウリン / AOZORAGEAR(第一弾がミク) / earth music&ecology / ATELIER BOZ / Ani-Art / R4G / ヴァンキッシュ / Ground Y / コスユメ / 五泉ニット / しまむら系列 / supergroupies / SPINNS / SOLWA / 中央町戦術工芸 / despair / niko and / PERSON'S / PUBLIC TOKYO / HARE / PEACE NOW / 火消魂 / PIIT / FIRE FIRST / FILL,more / PUTUMAYO / BABY, THE STARS SHINE BRIGHTMAYLA / メタモルフォーゼ / Yuruwa* / リッスンフレーバー / rockin'star
...ほか
【海外ブランド】
天羽川 / 伊佳林 / Emergenci / KANGOL /gym master / 告白气球家 / NEW ERA / DARRDY / HOPESHOW / FILA / MILKFED / MEI / ルイヴィトン / WILDERNESS EXPERIENCE / WeLoveFine
...ほか
【その他のアパレル関連】
・クリプトンほか100社以上がアパレル商品を発売。多くはイベントとかの限定品。
・海外の大手ファッション雑誌「VOGUE」におけるオートクチュール関連の企画でミクが取り上げられたことがある。
- ICカード・クレジットカード
キャラクターTカード(第一弾がミク) / WAON / 三井住友カード / 中国銀聯カード / エムアイカード / 上海交通カード
- 主なハードウェアコラボ商品
TSUKUMO =現ヤマダHD(電子機器コラボ製品の企画・販売) / ソニー(スマホ、ヘッドホン、ウォークマン、ゲーム機) / DELL(PC) / I-O DATA(HDD) / iKBC(キーボード) / Acer(PC) / エルザジャパン(PC) / タスカム(スピーカー) / ViewSonic(ディスプレイ) / Xiaomi(スマホ) / 東プレ(リアルフォース) / サーマルテイク(PC周辺機器)
...ほか
- ドール
ボークス(DDシリーズ) / タカラトミー(リカちゃんシリーズ) / グルーヴ(Pullip、コレクションドール) / グッドスマイル(Harmonia humming)
- 飲食物
・小売での生鮮食品からコラボカフェ、お弁当、イベントでの飲食物まで幅広い。
・初のコラボ食品は高級海老菓子製造メーカー志満秀の「みくせん」である。
・模型に続くネギの活躍先。
乗り物・交通機関
- ラッピング(電車・バス・飛行機)
雪ミク電車(2011~) / タイ王国エアポートレールリンク(2013)
はとバス×雪ミク(2015) / 千葉都市モノレール「MIKU FLYER」(2018~)
高雄捷運公司(MIKU EXPO 2019) / 桜ミクラッピング電車(2019~2021)
北海道エアシステム×雪ミク(2023) HATSUNE MIKU is Locale Bus(MIKU EXPO 2024)
西鉄(マジミラ2024)
- コラボカー
初音ミクGTプロジェクト・レースマシン
ダイハツ×雪ミク(2014~) / ダイハツ×初音ミク(2017~)
- その他(広告、グッズなど)
トヨタカローラCM(2011) / AIRDO×初音ミクProject DIVA(2016)
野菜の日キャンペーン初音ミク✕NewDays(2017) / 南海電気鉄道×初音ミク(2018)
JR東日本・ナツキタフェア(2018-2019) / 鉄道開業150th×初音ミク15th(2022)
チャリティー企画
- 初音ミク「支えあうココロ、未来へ。」(赤い羽根×クリプトン社,2012~)
>>10年以上続いている定番のチャリティー。雪ミク版も展開。
- HATSUNE MIKU CHARITY PROJECT(クリプトン社,2018~)
>>クリプトン社による被災地支援プロジェクト。
【外部企画】
akibaF・献血ルーム(2009)、赤十字・マジカルミライ献血PR(2013~)
上海血液センター(2023,中国)
主な出来事(上記以外)
「初音ミク#主な出来事 - wikipedia」も参照。
※記事容量の肥大化に配慮し、記載する対象を「特筆に値する情報」に限定する。
NHKクローズアップ現代を始め、「スッキリ!」や「めざましテレビ」など様々なメディアにも進出している(ちなみにテレビに出演するときのミクはLat式ミクが多い)。
北米トヨタのCMキャラクターとしても採用。ファミリーマートとのコラボや、Tell Your WorldをgoogleがCMソングに起用するなど活躍の幅をひろげつつある。
またこのTell Your Worldは世界217ヶ国で配信され、邦人歌手として最多を記録した。
2012年、天皇・皇后両陛下が「LOVE展:アートにみる愛のかたち」をご覧になった際、皇后陛下が「これがミクちゃんですか」と話された。
他、東京で開かれたIMF(国際通貨基金)と世界銀行の年次総会で、ミクも展示された(外部リンク)。
2013年にはひかりTVにて冠番組のミクミクメイクミクを持つことになった。
2014年5月よりレディー・ガガのワールドツアーにオープニングアクトとして起用されている。
2015年9月23日にはミュージックステーションの30周年記念10時間スペシャルに初出演(しっかり楽屋まで用意されていた)。後半戦のトップとして3DCGで華麗に登場し、楽曲千本桜を披露。視聴者と音楽関係者に絶大なインパクトを与えた。
2016年3月22日、「NHK交響楽団」の創立90周年記念公演、『N響 CLASSICS×POPS with SPECIAL ARTISTS』に出演。ハジメテノオトをオーケストラver.で歌った。
2017年以降の日本史、音楽の教科書にミクが掲載。日本史Aでは現代文化のキーパーソンとして紹介され(概要を参照)、音楽では音声合成技術の一例としてきくお氏が手がけたミクの曲があげられている。
3月には大阪府警察サイバー犯罪対策課のキャラクターとして初起用。2018年にも第2弾が行われている。
また、千葉でのマジミラ開催と関連する「千葉市×初音ミクコラボ事業」が初めて実施され、後に恒例事業となっている。
2018-2019年、民間ロケット「MOMO 3号機」が雪ミクとコラボし、クラウドファンディングを実施。打ち上げカウントダウンを初音ミクが担当し、最終的に日本の民間企業単独のロケットで初めて宇宙に到達するという快挙を成し遂げた。
2020年、内閣官房が推進する新型コロナ対策サポーターに就任。
米国最大規模の音楽の祭典「コーチェラ・フェスティバル」のメンバーになるも新型コロナの感染拡大に伴い開催中止に。
東京国立博物館所蔵の重要文化財の修理プロジェクトに参加。
日本代表アーティストとしてアジア太平洋地域の音楽の祭典「ABUソングフェスティバル」に出演。
2022年(ミク15周年)には様々な大型コラボが発表。
東京国立博物館の「150年後の国宝展」にて「150年後の国宝候補」に選出された。
2023年、初音ミクが設定年齢と同じ16歳に。
G20ニューデリー・サミット関連の国際プロジェクト「Culture Corridor – G20 Digital Museum」にて、重要文化財の修理プロジェクトの一環で誕生した「ねんどろいど 初音ミク 冬木小袖Ver.」が展示。
2024年、「コーチェラ・フェスティバル」に改めて出場。
中国の深圳にて7,998機のドローンが夜空に「MIKU EXPO」10周年記念ソングのMVを再現。ディスプレイを描き、ドローンショーで描く世界最大のディスプレイとしてギネス世界記録を更新。
2025年、日本国際博覧会(大阪・関西万博)にて超歌舞伎「今昔饗宴千本桜 Expo2025 ver.」を上演予定。
初音ミクの関連エピソード
※上記と同様、記載対象を「ミクシーンにとって特筆に値する情報」に限定する。
- 藤田咲と初音ミク
藤田咲は当時とりたてて有名だったわけではなく、むしろミクのCVを提供したことで日本はもちろん“世界的に”知名度が高まったという。藤田自身もこの事を認識しており、ブラジルのテレビで取り上げられてびっくりしたと発言している(報知・ミク特別号)。
ミク関連ではイベントやゲームなどの宣伝、ナレーションでお馴染み。
近年ではアニメや各種イベントにおいて“キャラとしてのミク”の声を担当する機会も増えているが、“藤田の生の声のミク”は依然として少ない。これは上述した通り藤田の演じたミクをクリプトンがトレース+加工しているためである(例:シンカリオン、ライブMC)。
- 海外での推移
クリプトン社は「上海新創華文化発展有限公司(SCLA)」や「カーリン・ウェスト・エージェンシー」「ワッサーマン・メディア・グループ」など幾つかのライセンス代理店とパートナーシップを結んでおり、海外向けのマーチャンダイズやライブコンサートを展開している。
初音ミクの海外人気は最初期の公式ライブコンサートである「ミクフェス」や「ミクの日感謝祭」の違法アップロード動画と共に拡がった(海外での楽曲配信売り上げがライブ及び動画の転載以降にかなり伸びているらしい)。その後、海外でのコンサート展開が本格化し、世界ツアー「MIKU EXPO」の開催へと繋がった。
上述した通り、国別で見るとミク関連の売り上げは中国一強状態だが、それ以外での国でも拡大傾向にある。セガによると「プロジェクトセカイ」のアイコンをミク単独に変えただけでダウンロード数が爆増したとのことで、そのプロセカとの相乗効果もあり、それまでミク関連で大きな展開をしてこなかった国(例えば韓国など)でも人気が伸びているとされる。
- 初音ミクの“雨女”伝説
ミクの公式イベントの日には現地で「雨」が降る事が多く、ファンの間でミクは「雨女」ではないか?とも言われている。クリプトン社員もこの雨女伝説を把握しており、『初音ミク公式ブログ』でミクを冗談半分に「雨女」の異名で呼んだこともある。
・初代(V2版)の発売日では曇天・所により雨。
・2008年の「初音ミクGTプロジェクト」 では鈴鹿Sでの初陣で大雨に見舞われ、おまけに燃料タンクの規則で出走許可が降りない。
・2009年の「PROJECT DIVA(まだ仮称だった頃)」が出展したセガのイベントで雨が降り、ゲームの発売日も雨。しかも後続作品(2、f、F2、FT)の発売日でも当然のように雨。
・2009年の 「ミクフェス09夏」では関東に台風が直撃し、さらにM3.9の地震が九州で発生。
・2010年ミクの日感謝祭では雨→雪+雹と変化をつける。
・2010年ミクのイラスト入り金星探査機「あかつき」打ち上げは雨で打ち上げ日が変更。
このように初期だけでも伝説を残しすぎている。
- 初音ミクが「体」を獲得した日
2008年、3DCGムービー製作ソフト「MikuMikuDance」(MMD)がリリース。扱いやすいこのソフトの登場で“初音ミクは体を獲得した”とも言われ、ここでようやくバーチャルアイドルとしての初音ミクが誕生したと言える。
関連動画
Youtube、ニコニコ動画、bilibili等ではミクを使用したオリジナル曲が投稿されている。本記事では初音ミク(クリプトン)の公式チャンネルのみ紹介する。
関連イラスト
pixivにはクリプトン公式アカウントは存在しないが、KEI氏やixima氏、Rella氏に代表されるパッケージや公式企画の絵師に関しては個人活動としてアカウントを開設している。公式企画のビジュアルもこちらに投稿されることがある(本記事のメインイラストなど)。
こちらはpixiv最古の初音ミク。
こちらは令和最古のイラスト。
関連項目
藤田咲(音声データ提供)
バーチャルシンガー / バーチャルシンガーソフトウェア(分類名)
初音ミクAppend/Append 初音ミクV3 初音ミクV4X
◆SEGA feat. HATSUNE MIKU Project
初音ミク Project DIVA 初音ミク Project mirai プロジェクトセカイ
モジュール(DIVAの概念。オリジナルも含まれる)
セカイのミクたち ニーゴミク レオニミク ビビバスミク ワンダショミク モモジャンミク
◆その他のデザイン・派生キャラ関連
→『初音ミク亜種』
◆ミクオリジナル曲関連(ボカロ小説についても関連先を参照)
→『初音ミクオリジナル曲』
◆ミク系の属性タグ
これはいい初音 ミクさんマジ天使 イケミク みっぱい みっくみく あの楽器 ミクさんと笑顔 これはよすぎる初音 ミク廃 美ク ミクさん世界の旅 ミクさんマジ女神 ミクさんと花 美しい歌姫様
ミク立ち ネギ 葱しばき合い対決 BMW SUPER GT カローラ YAMA波 ミクまん
◆ピアプロキャラクターズのグループタグ・カップリング
寒色兄妹 クリプトン6兄弟 クリプトンズ クリプトンCV組 ネギトローラー クリプトン年少組 ボカロ5兄弟 赤青緑
◆ピアプロキャラクターズ以外を含むタグ
◆他IPとのコラボネタ
【公式がコラボ済み】
発音ミク(新幹線変形ロボ シンカリオンに登場する公式コラボキャラで眼鏡っ娘)
ミQB、佐倉ミク(タグとは関係ないが後に劇場版まどか☆マギカと雪ミクがコラボ)
ブルーアーカイブのコラボしたミクはこちらへ→初音ミク(ブルーアーカイブ)
サンリオ(シナミク。タグはないがキティ、クロミとも公式にコラボしている)
【非公式・ファンメイド】
ミクドナルド(マクドナルドのドナルド・マクドナルドとのコラボ)
◆MMDモデル
Lat式ミク ピコリ式初音ミク Tda式初音ミク(Tda式ズボンミク) あぴミク けみか式ミク
他言語
外部リンク
\みっくみくにしてやんよ!/