1983年発売のFM音源方式のシンセサイザーの名機。
初音ミクのモチーフになっており、上部パネル部のスイッチやスライダー等の意匠がこのDX7から取り入れられた他、ちなみに音源モジュール版であるTX816がミクのスカート部のデザインに取り入れられている。
従来のシンセサイザーはノブかスライダーがずらりと揃ったデザインだったがDX7はクールで未来的なデザイン性を意識してノブを撤廃、スライダーも必要最小限でしか付けず色とりどりの平べったい形になった。
同時発音数が16音で価格が24万8千円。MIDI採用。DX7登場前はアナログシンセサイザーが主流であり、同価格か安いアナログシンセサイザーはせいぜい出せて2~5音ほどでチープな音でしか出ず(逆にその音や操作性、コスパで評価された名機も少ないながら存在する。)、本格的なアナログシンセサイザーとなるとSequential Circuits inc社の『Prophet-5』の同時発音数が5音で170万円、同時発音数が多い Roland 『Jupiter-8』ですら8音で98万円(!)だったのを考えると破格の価格であり、当時としてはかなりコストパフォーマンスが高かった。加えてアナログ音源とはFM音源独特のきらびやかな音や金属音なども加えて80年代の代表的な楽器となった。
ただ、それに反して音作りはアナログシンセサイザーと比べてやや難解な面がある。
故に愛用者は多く、小室哲哉やTOM★CATなど昔、テレビの歌番組などでDX7を目にした者は多かったはずだ。
また、エレクトリックピアノを再現した音色も存在し、それまでエレピの代名詞だった『ローズ・ピアノ』の名が霞むほど良い音色で使われまくった時期もあった。
FS鍵盤という錘のついた独特の鍵盤を採用しており、タッチの面でも評価が高い。故に20年以上もYAMAHAの上位のシンセサイザーに採用されていた。
1986年には液晶部が大きくなりバックライトが搭載。加えて軽量化.音色を二つ重ねたり、ユニゾン・チューンが可能なDX7IIが発売された。こちらもユニゾン機能の音色などで評価を受けている。