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SuperGT

すーぱーじーてぃー

日本屈指の人気を誇るモータースポーツの一つ
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2005年から株式会社GTアソシエイション(GTA)が管轄する、日本を中心にアジアでも開催されるスポーツカーレースシリーズである。略称は"SGT"。

概要

現在市販されている車をベースに開発した、GT(グランドツーリング)カーを用いたレースである。搭載エンジンの馬力によってGT500、GT300の2クラスに分けられている。決勝は両クラスが同時に走るため混戦となり非常に熱い駆け引きを繰り広げる。「世界最高峰の箱車レース」と称されることもある。
ちなみに500と300は従来それぞれ馬力を指していたのだが、現在は規則の変化により形骸化して名前だけが残っている。

独自の特徴として、レースで上位になったチームに付与されるポイントの合計に応じてウェイト(おもり)などを追加しなければならない「ウエイトハンデ制」を採用していることである。簡単に言うとトップに顔を並べるほど車輌重量を増やされ、その結果トップチームはトップを維持するのが難しくなる。こうすることでトップチームの独走を防ぎ、速さの均衡を図るシステムである。近年は一定ポイント以上はウェイトに加えて燃料流量を絞る"リストリクター"も追加されるようになり、ポイントあたりのハンデがキツくなっている。
いかにしてハンデの影響を受けづらいマシンを開発し、またハンデを計算した上でいかにして効率よくポイントを稼いで優勝するかという点もまた、SUPER GTの醍醐味である。

また現在は世界的にも例の少なくなったタイヤ戦争も魅力で、ブリヂストン、ヨコハマタイヤ、ダンロップ、ミシュランが激しく鎬を削っている。

歴史

全日本GT選手権(JGTC)が前身。こちらはJAF(日本自動車連盟)管轄であったが、マレーシア等での開催を決定した際にFIAの規定により国内選手権から外れることになったため、JAFの管轄から外れ今に至る。

2019年にDTM(ドイツツーリングカー選手権)との交流戦が実現している。

GT500

概要

白色灯のヘッドライトに、白地に黒文字のゼッケンが目印。
現在TOYOTA日産HONDAの3社の3車種のみが、各4~6チームを率いて直接火花を散らしているクラスである。00年代頃はフェラーリランボルギーニなどの外国車勢も参戦していたことがある。
本来であれば「原則として市販車をベースに改造」なのだが、パイプフレームの許可などレギュレーションが年を追うごとに緩和されていき、現在はフロントマスクとキャビンの形状だけ市販車に似せて、実際は市販車の骨格すら使わない規定になっている。性能もいわゆる"箱車"としては空力が先鋭化されすぎており、事実上のシルエットフォーミュラとなっている。

2014年からはDTMと車両規則を統一し、2012年のDTMの車両規則を元にSUPER GT独自規定を盛り込んだ新規則による車両が使われている。なおGT500車両のエンジンは2.0L直列4気筒のターボエンジンだが、プラットフォームを共有するDTMは2018年まで4LのV8自然吸気エンジンであった(※1)。
2017年からは安全面を考慮しダウンフォースを削減する等のレギュレーション変更が提示され、特例でのミッドシップが認められていたNSXもフロントエンジン車にしての参戦となった。

トヨタ自動車/LEXUS

2020年よりTOYOTA GAZOO RacingGRスープラと名前を変えつつも、TOYOTAブランドとスープラが15年ぶりに復活している。これにより2009年シリーズから各エントラントが名乗った「LEXUS TEAM(メインスポンサー)」も「TGR TEAM (メインスポンサー)」へと改称される。
デビュー開幕戦となった2020年の第1戦富士では1〜5位をGRスープラで独占するという圧倒的な強さを見せた。

過去の車両

2005年まではA80型スープラで参戦。2006年にレクサスブランドの国内導入の伴い、看板をトヨタからレクサスへと掛けかえて参戦。以降8年に渡って活躍したSC430はゼロベースで開発されたが、初年度でチャンピオンを獲得するなど十分な戦闘力を示した。
2014年からはRC Fで参戦、車両規定の大規模刷新後において、安定した成績を残す。空力の開発で日産に後れを取り、加えてハンデウェイトに敏感であったようで、序盤にポイント獲得後中盤で失速が見られる車両ではあったが、この規定最後の2016シーズンには見事にタイトルを手にしている。
2017年からはLC500で参戦。開幕デビュー戦となった岡山では1〜6位をLC500で独占するといった歴史的完勝を記録した。一時、GT-Rに首位を譲ったが最後はNo.37 KeePer TOM'S LC500が17年のタイトルを飾った。またこれは開幕戦で表彰台に登ったチームはシリーズタイトルを掴めないというジンクスを破ったものでもあった。
2018年シーズンに入るとタイヤのコンパウンドの変更に伴い前年とは打って変わって苦戦を強いられているが、それでも第三戦終了時点で必ず全戦表彰台に食い込む等完成度の高さを見せ、最後の最後まで優勝争いを演じた。
2019年シーズンも圧倒的で、表彰台独占を連発。第5戦でNo.6 WAKO'S 4CR LC500の奇跡の勝利などもあってか、シーズン1,2独占でLEXUS GAZOO Racingとしての有終の美を飾った。

日産自動車

2008年からずっと35型GT-Rでエントリーしている。2014のレギュレーション大幅変更、2017の規定の小規模変更後もベース車両がそのままというのが他2社と異なる。
2014年規定車両では若干やや足回りの発熱トラブルが目立つところはあったが、予選で圧倒的な速さを見せつけている。また第3戦ではGT500の表彰台をGT-Rで独占し、往年のGT-R伝説復活かと騒がれた。ストレートに強いと言われており、2014年規定の車両で初めて時速300㎞を超えた車両である。
RC Fと比較するとウェイトハンデの影響が小さく、特にチャンピオンを取得した車両はハンデを背負った後も圧倒的なスピードを誇っていた。
しかし新規定で行われた2017開幕戦では前年までの圧倒的な速さが鳴りを潜め、全車予選Q1落ちという波乱の開幕戦となった。その後は何とかNISMOが優勝争いを演じるも、GT-R全体を見ればやはり苦戦を強いられている状況にあった。
2018年においても前年ほどの差はないもののやはりレクサス・ホンダに比べると開発に苦労している様子が予選・本線の端端に垣間見られる。
2019年開幕戦での予選では昨シーズンの状況を跳ね返すような走りを見せているが今ひとつマシンの性能を最大限にいかせず、NISMOが1年ぶりに優勝争いに加わるもシーズン3位という結果となった。
2020年からはエンジンがNR20AからNR20Bに変更となる。

過去の車両

2007年までフェアレディZで参戦していた。
2008年にGT-Rで復活してすぐ、その戦闘力の高さを見せつけ、GT-R完全復活を宣言した。
またジンクスとして持っていた「GT-Rは菅生では勝てない」を克服し、ますますその速さを発揮している。

本田技研工業

2014年のレギュレーション変更以降、2代目NSX(※3)で参戦している。
導入当初は他社と違う、市販車と同じミッドシップ+ハイブリットという独自構造を、ハンデを受けることを条件に特別に許可を受けて開発していた。しかし元々はFRを前提として作られた共通パーツがMR車のNSXと適合していない事や、ハイブリットシステムの不具合、MR故の熱害などでトラブルが多発し、車両の性能も他社に明らかに水をあけられ苦戦をしていた。中盤で前記の不具合対策のための車体の改良が認められてからは1位争いに参加できるレベルになり、第4戦菅生からは表彰台に上がれる車両に仕上がっている。
2016年シーズンは部品供給などの面で継続が困難になったためハイブリッドシステムを下すことになり、モーターアシストによるストレートスピードの伸びがなくなったうえに、ウェイトバランスの変化で苦しいシーズンが続いた。
2017年の小規模変更に伴い、最初からハイブリッドシステムを考慮しない設計に変更し、テスト段階では開幕戦に圧勝したLCに肉薄することが期待された。しかし迎えた開幕戦ではスタート直前、直後で電子系のトラブルが多発し3台のNSXが早々に勝負権を失う珍事が発生。そのため先行きが不安視されたものの、その後は表彰台だけでなくその中央にもたびたび登場するなどマシンの能力を示している。
2018年はタイヤコンパウンドの変更がレクサスとは逆に+に働いたようで、鈴鹿や岡山などのコーナリングを重視するサーキットでは表彰台に並ぶようになり、元F1王者ジェンソン・バトンの働きもあって、ホンダとしては8年ぶりのチャンピオンを手にするに至った。
2020年にはクラス1規定に準拠する形でMRからFRに変更される。

過去の車両

2009年まではNSX(旧型)でエントリーしていた。その次は2013年までHSV-010でエントリー。市販車に詳しい人はHSV?とクビを傾げるかもしれないが、それもそのはず、この車はアキュラブランドで市販する予定であったのを条件に参戦を許可されたいわば特例車で、結局リーマンショックの影響で計画はたち消え・開発中止になってしまったのであった。
投入当初はアクシデントなどがあったものの、安定した速さをみせる。2011年モデルでは、フロントフェンダー内にラジエターを設置するなどモデファイが重ねられた。

GT300

概要

黄色(フォグランプの色に近い)のヘッドライトに、黄色地に黒文字のゼッケン目印。
所属するメーカーが出した1台をみんなで使うGT500とは異なり車種は多様で、ワークス・プライベーター問わず多くのチームがエントリーしている。いわゆる「痛車」がエントリーするのもここである。

現在はJAF-GT、FIA-GTという2つの異なる規格のマシンによって、選手権が争われる事となる。
JAF-GTは日本独自の規格。開発の自由度の高さがウリで、過去には普通のスポーツカーに混ざってプロトタイプカーも存在していた。2013年以降は市販車ベースのみであるが、代わりにハイブリッドカーが参戦できるようになっている。2015年からは運営の働きかけで、共通モノコック・共通エンジンで独自車両を安価に開発できる『マザーシャシー』も誕生し、JAF-GTへの参入障壁が下がった。
対するFIA-GTはグループGT3という世界で標準となっているGTカーの規格で、一切開発をせずにメーカー謹製のマシンを手に入れられるため、プライベーターには大変人気がある。なお概要で述べたこのクラスの300馬力規制が撤廃されたのは、GT3導入の際に300馬力までデチューンされることを各メーカーが嫌がったためという経緯がある。
近年は国内外でGT3を遣うワークスドライバーやワークスチームの参加が増えてレベルアップしているものの、同時に新規参戦のアマチュアドライバーやプライベーターチームにとっては敷居の高いステージになりつつある。

現在の参戦車両

(非常に多くのメーカー、モデルが参戦しているため、参戦車種とその製造企業を列挙する。)

メーカー車両名規格参戦年及び備考
トヨタ自動車・LEXUSプリウスPHV GR SPORTJAF-GT2019-
RC-FFIA-GT3※2015-
86マザーシャシー2014第7戦(スポット参戦)2015-
GRスープラJAF-GT2020-
日産自動車GT-RFIA-GT32012-
ホンダNSXFIA-GT32018-
スバルBRZJAF-GT2012-
ポルシェ911シリーズFIA-GT32010第5戦―
BMWM6FIA-GT32016-2018,2020
メルセデスベンツAMG GTFIA-GT32016-
アウディR8 LMS(新)FIA-GT32016-
ランボルギーニウラカンFIA-GT32016-
ロータスエヴォーラマザーシャシー2015-
アストンマーチンヴァンテージFIA-GT32019-

※正確には開発車両で、2016年シーズン終了時まではFIAの正式なホモロゲーションを取得していなかった

過去の参戦車両


トヨタ・LEXUSプリウスJAF-GT2012-2018(プリウスPHV GR SPORTに変更)
MARK Xマザーシャシー2017-2019(GRスープラにスイッチ)
カローラアクシオJAF-GT2009-2011(プリウスへ変更)
IS350JAF-GT2008第3戦-2012
MR-SJAF-GT2005-2008(カローラアクシオに変更)
セリカJAF-GT2005-2008(IS350に変更)
日産自動車フェアレディZJAF-GT2005-2010(撤退)
マツダRX-7JAF-GT2005-2011(撤退)
スバルレガシィB4JAF-GT2009第6戦―2011(BRZに変更)
インプレッサJAF-GT2005-2008
BMWZ4 MクーペJAF-GT2008第9戦-2009
Z4FIA-GT32011-2015
メルセデスベンツSLS AMGFIA-GT32012-2017
ポルシェ911シリーズFIA-GT22005-2011(GT3に変更)
JAF-GT2005-2011(GT3に変更)
ボクスターJAF-GT2005-2010
968JAF-GT2005
アウディR8 LMS(旧)FIA-GT32012(ultraに変更)
R8 LMS ultraFIA-GT32012-2016(開幕戦のみ)
フェラーリ488GTBFIA-GT32016-2017
360モデナJAF-GT2005-2007,2009
F430 GTCFIA-GT22009-2012(規定変更に伴い参戦不可に)
F458 GTCLM-GTE2011(2012以降使用チームなし、区分上はJAF-GT)
F458GT32012-2013,2015(488に変更)
ランボルギーニムルシエラゴRG-1JAF-GT2005-2009
ガヤルドRG-3FIA-GT32007-2012(引退、区分上はJAF-GT)
ガヤルドLP600+FIA-GT32012-2013(使用チームが全車LF2に変更)
ガヤルドLF2FIA-GT32013-2015(ウラカンに変更)
アストンマーチンV8ヴァンテージFIA-GT22010-2012開幕戦(v12ヴァンテージに変更)
V12ヴァンテージFIA-GT32012-2014(2015シーズンは使用チームなし)
ヴィーマックRDシリーズJAF-GT2005-2012(撤退)
ムーンクラフト紫電JAF-GT2006-2012(規定変更に伴い引退)
オートバックス・スポーツカー研究所ガライヤJAF-GT2005,2007-2012(規定変更に伴い参戦休止)
ホンダ・ACURACR-ZJAF-GT2012-2015(撤退)
NSXJAF-GT2005-2006
モスラーMT900MJAF-GT2010-2011、2012第3戦(撤退)
ロータスエキシージJAF-GT2005第3戦スポット参戦
シボレーコルベットJAF-GT2005,2008(c6型)
コルベットFIA-GT32011-2013(c6型)
フォードGTJAF-GT2005-2006
マクラーレンMP4-12CFIA-GT32013-2015
720SFIA-GT32019
ベントレーコンチネンタルGTFIA-GT32017-2018

問題点

このように大人気に思えるSUPER GTもいくつかの問題を抱えている。
そのうちの代表的なものを紹介する。

開発費高騰

GT500の項目でも触れたが、GT500のマシンは外見こそ面影が残るのみであり、実際の構造はむしろF1マシンやプロトタイプカーに近い。フロントサスペンションはエンジンルーム内に移設され、プッシュロッド式としてフレーム固定されるなど、最早市販車の面影など存在しない。
加えてエンジンは最新の直噴ダウンサイジングターボ技術で、わずか2.0Lで600馬力以上を発生するバケモノで、これはプライベーターはもちろんワークスでも技術や経験の蓄積がないと簡単には参入できない。

またGT300も世界的なグループGT3の過激な開発競争の波にさらされ、車両一台当たりの価格高騰が止まらない。元々開発費のかかるJAF-GTもGT3に対抗するべく相当な努力と資金が必要となっている。

ただしこれらはSUPER GTに限った話ではなく、WECやIMSA、DTMなど各国のスポーツカーレースでも必ず人気のピークを迎えた後に開発費高騰→相次ぐ撤退というパターンに陥った過去がある
特にWECの華であるLMP1クラスやDTMが1社のみになってしまっている点を鑑みると、GTAはGT500に依然として3社を共存させたり、GT300には安価に開発できるマザーシャシーを供給するなどの努力により、エントラントの減少を見事に防いでいる方なのである。

タイヤ戦争の弊害

SUPER GTの大きな魅力であるタイヤ戦争だが、開発力の差により特定のタイヤメーカーを遣っているチームはほぼチャンピオン争いに加われなかったり、逆に1つのタイヤメーカーしか勝てないような状態が続くこともある。また日産のように4チームで3タイヤメーカーを使い分けるメーカーより、6チーム中5チームが同じタイヤのTGRのほうが、タイヤに合わせこんだ開発ができるから有利という見方もある。もちろん開発競争であることから、これもコスト高騰の一つの要因である。
またDTMとの交流戦において、ワンメイクタイヤのDTMとの性能調整にはかなり苦吟したようであった。

ただしタイヤメーカーとの関係の強いチーム・ドライバーは多く、運営としてもSUPER GTの大きなウリにしたい部分でもあるため、現実的にワンメイク化は難しいように思われる。

ガラパゴス化

以前は日本独自のマシンレギュレーションによりガラパゴス化が進むことが危惧されていたが、何度も触れている通り海外規定の導入によって心配されることは大幅に減った。その結果海外でもSUPER GTドライバーに一定の評価が与えられ、WECのLMP1やブランパンGTなどのビッグスポーツカーレースに参戦する例も増えている。

しかし毎年同じサーキットでしか走らないため、セッティングの仕方やドライビングテクニックが各チーム・ドライバーとも習熟を極めてしまい、重箱の隅をつつくようなやり方になってしまうと言われており、こうした日本のやり方に慣れてしまうと、様々なサーキットで走る欧州では通用しないとされる。これはSUPER GTのみならず、日本のレース界自体が抱える慢性的な問題で、解決策はほぼ存在しない。

しかしこれは欧米をスタンダードとして考えた場合の話であるため、それならいっそSUPER GT自体をアジアの最高峰レースと認知させよう、という声は内外から強い。

関連タグ

モータースポーツ
スポーツカー
初音ミク

脚注

(※1)2013/5/7付 オートスポーツweb DTM、16年からSGTとエンジン統一か。代表認める
(※2)2014/1/14付 オートスポーツweb レクサスの新GT500車のベース車両名称は『RC-F』に
(※3)本来はアキュラブランドの車種である。NSXのみミッドシップエンジンとなり、回頭性・運動性能が有利になる。そこで特例として、フロントセクションのエアロデバイスをホンダ・トヨタ・日産の3社共同で性能が均衡するよう設計されている。

外部リンク

公式ページ
SUPER GTプラス(テレビ東京)

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